マネジメント!

Hiiho

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見つめられたら 3

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  わざとらしいくらいに金子さんが立てたリップ音が、静まり返ったスタジオに響く。

  この音も万里が聞いてる。

  アソコが貞操具の中で大きくなろうとして、だけど頑丈な金属の檻がそれを許してくれない。・・・痛い、痛くて気が遠くなりそう。

  瞼を閉じるとそのまま暗闇に落ちてしまいそうになる。意識を保つために薄く目を開けて金子さんを見た。


  あ・・・?


  俺は、股間の痛みを一瞬忘れる。

  金子さんの顔が紅潮していて、眉が下がり、まるでセックスしている時の女の子みたいな表情をしているから。

  キス、だけでこんな顔すんの?

  絡む金子さんの足が小刻みに震えてるのも何だかおかしい。



「カーット!」

  監督の声で、俺達は我に返る。

  急に息を荒くした金子さんは、倉持さんに支えられてスタジオを出て行く。

  どうしたんだろ。体調悪かったのかな・・・。


「シウとのラブシーンで参っちゃったか?ヒロムは。少し休ませて、この後のロケ行けるか確認取っておいてくれ。・・・シウは大丈夫か?」

「はい。大丈夫です」

「ヒロム次第になるだろうけど、シウもしばらく休んでて。お疲れさん」

  ポンポン、と監督に背中を叩かれ頷く。


  スタジオ内が慌ただしくなって、まだベッドの上に居た俺に万里がバスローブを持ってきてくれる。

「・・・なに勃たせてんだよ」

  小声で囁く万里。

「ちがっ、これは・・・っ!」

  思わず大きな声で反論しかけてスタッフ達の注目を集めてしまい、慌てて口を閉じる。

  これは!万里に見られてるって思ったから!
  ってゆーか、なんで勃ったってわかるんだよ!見えてもないし、その前にギチギチでアソコの身動き取れもしないのに!

  あ~、下半身意識したら急にまた痛くなってきちゃった。


  痛みを堪えて平然を装いながらスタジオを出て楽屋へ向かう。





  楽屋へ戻ってすぐに俺は畳の上に倒れ込む。

「いったぁ・・・」

  前貼りを剥がして股間を両手で抑えるけど、硬い金属が邪魔でどうしようもできない。

「ばんり、おねがい・・・これ取って・・・」

  そっぽを向いて俺の言葉を無視する万里。

  金子さんとのキスでこんなんなってると思われてんのかな。違うってちゃんと言わなきゃ・・・

「・・・万里が見てたから・・・こうなっちゃったんだよ。だから・・・」

「証明しろよ」

「証明?」

  寝転んだまま立てた両膝を万里に左右に開かれて、檻に閉じ込められたままの中心が露わになる。

「やだ・・・っ」

  骨組みの隙間からでも真っ赤になっているのが見える。隆起したくても無理矢理に抑え込まれて痛いのに、湾曲した檻の先端部分の小さな穴から零れた先走りが畳の上に落ちる。

  なにも着けてないより恥ずかしいのに、万里が見てると思うと、体が熱くなって痛みにすら酷く感じてしまう。

「いっ・・・もう、見ない、で・・・」

「駄目。シウが俺の視線で感じてるとこ、ちゃんと見なきゃなんねぇから」


  万里の言葉に下半身が反応して、さらに大きくなろうとする中心部。

「ぁうぅ・・・っ、やだ、やだぁっ、・・・っ、っ」

  激痛に耐えれなくなって、涙が零れる。

「ばんっ、り、だけなのにぃっ、信じてっ、おねが・・・」

  カチッ、と小さい音がして圧迫感から解放される。
  と同時に腰が震え中途半端な吐精感。

「ふ・・・っ」

「軽くイッちゃったか」

「・・・は、ぁ・・・はぁっ」

「わかってる。シウを信じてる、つもりだ。けど独占したいって思うのは別だろ?」

  その気持ちは少しわかる気がする。

  俺は、万里に見せたくないシーンを見られながら、興奮してた。
  今だって、恥ずかしくて見られたくないのに、万里に見られてることに感じてた。


「好き、だから矛盾だらけになる・・・?」

「ふっ、・・・確かにな。俺はおまえが大事で可愛くて仕方ないのに」

  俺の先走りと白濁を、くちゅくちゅと音を立て指先を擦り合わせながら混ぜる万里。

  その指を一気に後ろに深く埋められて、俺は引き攣るような痛みに襲われる。

「・・・はっ、・・・ぅあ・・・」

  見開いた目から、また少し涙が溢れた。

「こうやって泣いてるシウが見たくなる。確かに矛盾してる」


  乱暴に突き立ててきた万里の指が、今度は内壁を優しく撫でる。

「あっ、・・・ぁ、」

  潤滑剤を使ってないからいつもより摩擦が大きくて、指先の動きも 関節が当たっているのもはっきりとわかってしまう。

「ばんりの、もう・・・」

「ローション無しじゃ無理だ」

「いい、裂けてもいいからぁっ」

  いいわけないのに、なんでこんなこと言っちゃうんだ俺。

「ほんとにおまえは可愛いな。ヒロムに嫉妬してたのがマジで馬鹿らしくなる」


  万里は自分のシャツの袖で俺の唇を拭って口付けてくる。

  舌を絡め取られ、内側の歯列を舐められながら、俺は激しくなる指の挿抜に悶える。

  強請っても万里自身を入れてもらえなくて、死にたいくらい恥ずかしい言葉で、欲しい、と懇願した。


  のに、最後まで入れてもらえず。指と口だけでイかされ、仰向けで閉じた俺の腿の間で果てた万里と一緒にまたイッて・・・。




  入れて欲しいと強請りまくったのは自分だけど、ロケ前に楽屋で何やってんだ!・・・とシャワーを浴びながら賢者タイムに入る俺。


  シャワールームから出ると、腕を組んで楽屋の壁に寄りかかる万里が、何故か俺を見ながらニヤニヤしている。

「・・・なに?気持ち悪いんだけど」

「いやー、シウに女性器がついてたなんて知らなかったと思って」

  ・・・はっ!もしかして、さっき万里のを強請りまくった時に俺が口走ったセリフのことを言ってんの!?

「しかも、なんだ?ティンティンに『お』までつけて。どこで覚えたのか知んねぇけど・・・」

「やめろぉ!!」

  万里の顔目掛けて力いっぱいタオルを投げつける。

「ちが・・・う、あれ、は・・・」

  ネットで見た『ベッドで彼が喜ぶ萌え台詞 受け編』をこっそり練習したからつい言っちゃったセリフで・・・。

  冷静になって、頭のてっぺんまで込み上げる羞恥心。


  顔面に当たって床に落ちたタオルを拾った万里が、俯く俺の真っ赤になっているであろう俺の顔を両手で包む。

「ごめんごめん。おまえが可愛すぎて」

  上を向かされて、万里に優しく見つめられて、ぎゅん、と胸が締め付けられる。

「ばんり・・・」

  好き。酷くされても からかわれても、俺は・・・

「帰ったら、俺のおティンティン挿れてやるからな。シウのケツまん・・・」

「ティンティンなんて言ってない!!万里のばぁーか!!」


  もう絶対に変な日本語を覚えない!と俺は心に誓った。

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