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同じ屋根の下に 2
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夜になり青が帰ってきて、オレはダイニングのテーブルに夕飯を並べる。
「どーいう組み合わせだよ」
テーブルの上には金目鯛の煮付けときんぴらごぼう、味噌汁、そしてミートパイ・・・。
「いや・・・お隣さんが、引越しの挨拶で持ってきてくれて・・・」
「生もの持ってくるか?フツー。でも美味いわ、コレ。涼太好きそうなやつだ。つーか、隣入ったんだな」
生もの・・・ではないだろ。日持ちはしないと思うけど。
「あー・・・うん」
「どんな人?」
「え!?」
どうしよ・・・。言ったら青、怒りそーだな・・・。
でも隠したらもっと酷いことに・・・。
「涼太?」
「え?」
「だから、どんな人だった?」
やっぱり隠しておけない。どうせ分かる事だし!
「・・・雄大さん」
「ぶはっ」
青が、食べていたミートパイを吹き出す。
「何やってんだよ!きったねーな!」
「わりー。・・・つーことは、これはあいつが持ってきたって事か?一瞬でも美味いなんて思った自分を殺してやりてぇ」
パイを持つ手をブルブル震わせる青。
「食いもんに罪はねーだろ。雄大さんが作ったわけじゃねーし」
「・・・まあな。でもとりあえず口直ししとこ。やっべ、くっそうめー、この煮付け」
青はパイを皿に置いて、俺が作った料理を口へ運ぶ。
「・・・青、平気?」
怒ってないのか?
「平気も何も、どうしようもねぇだろ」
「だよな」
「俺よりも涼太だろ。お前さえ気をつけてればいいだけなんだから」
「う・・・、わかってるよ!」
「部屋に押し入られないようにしろよ」
「・・・ハイ」
一回入れちゃってんだけど・・・
別に後ろめたくはないけど、黙っておこう。
「じゃあ、食わして。はい、あーん」
青は口を開けて、皿にのったパイを指さす。
「はぁ」
なにやってんだ、と思いながら、皿の上のパイをひと口大に切り、フォークに指して青の口に入れる。
「涼太も口開けろよ。ホラ」
え~・・・
でも、大人しく従った方がいいな。怒ってないとはいえ、きっと面白くは無いはずだから。
口を開けると、向かいに座っていた青が立ち上がり、自分の口にパイを咥えた。
「は?」
食わしてくれるんじゃねーの!?
呆気に取られているオレの口に、青の咥えたままのパイが押し込まれる。
「っ!・・・・・・普通に食わせろよ、恥ずかしい」
「ふっ、佐々木も自分が持ってきた食いもんを、俺らがこうやって食ってるって知らねーだろうな」
何故か満足気な青。
・・・こういうとこ、ガキっぽいよな。
「隣に越してきたこと、ぜってー後悔させてやる」
ふっふっふっと、何かを企んでいる様子で笑う青に、若干の不安を抱いてしまう。
先に風呂に入った俺は、涼太が風呂に入っている間に近くのコンビニから酒を買ってきた。
「家で酒飲むなんてどーした?仕事でなんかやらかした?」
風呂から上がった涼太は、俺の飲んでいるビールを見る。
「俺がやらかすわけないだろ。明日休みだから飲んでるだけ。涼太もなんか飲む?風呂入ってる間に適当に買ってきた」
「そーなんだ。じゃあ飲むわ」
冷蔵庫を開けて缶チューハイとグラスを持ってきた涼太が俺の隣に座った。
ふわっとシャンプーのにおいがして、風呂上がりのしっとりした涼太の横顔に欲情してしまう。
「涼太、いい匂い」
耳元に顔を寄せると
「は?おまえも一緒なシャンプー使ってんだろ」
と素っ気無い返事が返ってきて、涼太はグラスにチューハイを注ぐ。
「マジでお前色気無さすぎ」
「オレに色気求めんな」
・・・クソかわいくねぇ。マジで泣かしてぇ!
けど、もう少し飲ませてから・・・
涼太も泣かせて、佐々木にもダメージ与えてやる・・・!
俺の企みを知らない涼太は、順調に酔っ払っていった。
「どーいう組み合わせだよ」
テーブルの上には金目鯛の煮付けときんぴらごぼう、味噌汁、そしてミートパイ・・・。
「いや・・・お隣さんが、引越しの挨拶で持ってきてくれて・・・」
「生もの持ってくるか?フツー。でも美味いわ、コレ。涼太好きそうなやつだ。つーか、隣入ったんだな」
生もの・・・ではないだろ。日持ちはしないと思うけど。
「あー・・・うん」
「どんな人?」
「え!?」
どうしよ・・・。言ったら青、怒りそーだな・・・。
でも隠したらもっと酷いことに・・・。
「涼太?」
「え?」
「だから、どんな人だった?」
やっぱり隠しておけない。どうせ分かる事だし!
「・・・雄大さん」
「ぶはっ」
青が、食べていたミートパイを吹き出す。
「何やってんだよ!きったねーな!」
「わりー。・・・つーことは、これはあいつが持ってきたって事か?一瞬でも美味いなんて思った自分を殺してやりてぇ」
パイを持つ手をブルブル震わせる青。
「食いもんに罪はねーだろ。雄大さんが作ったわけじゃねーし」
「・・・まあな。でもとりあえず口直ししとこ。やっべ、くっそうめー、この煮付け」
青はパイを皿に置いて、俺が作った料理を口へ運ぶ。
「・・・青、平気?」
怒ってないのか?
「平気も何も、どうしようもねぇだろ」
「だよな」
「俺よりも涼太だろ。お前さえ気をつけてればいいだけなんだから」
「う・・・、わかってるよ!」
「部屋に押し入られないようにしろよ」
「・・・ハイ」
一回入れちゃってんだけど・・・
別に後ろめたくはないけど、黙っておこう。
「じゃあ、食わして。はい、あーん」
青は口を開けて、皿にのったパイを指さす。
「はぁ」
なにやってんだ、と思いながら、皿の上のパイをひと口大に切り、フォークに指して青の口に入れる。
「涼太も口開けろよ。ホラ」
え~・・・
でも、大人しく従った方がいいな。怒ってないとはいえ、きっと面白くは無いはずだから。
口を開けると、向かいに座っていた青が立ち上がり、自分の口にパイを咥えた。
「は?」
食わしてくれるんじゃねーの!?
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「っ!・・・・・・普通に食わせろよ、恥ずかしい」
「ふっ、佐々木も自分が持ってきた食いもんを、俺らがこうやって食ってるって知らねーだろうな」
何故か満足気な青。
・・・こういうとこ、ガキっぽいよな。
「隣に越してきたこと、ぜってー後悔させてやる」
ふっふっふっと、何かを企んでいる様子で笑う青に、若干の不安を抱いてしまう。
先に風呂に入った俺は、涼太が風呂に入っている間に近くのコンビニから酒を買ってきた。
「家で酒飲むなんてどーした?仕事でなんかやらかした?」
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「俺がやらかすわけないだろ。明日休みだから飲んでるだけ。涼太もなんか飲む?風呂入ってる間に適当に買ってきた」
「そーなんだ。じゃあ飲むわ」
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ふわっとシャンプーのにおいがして、風呂上がりのしっとりした涼太の横顔に欲情してしまう。
「涼太、いい匂い」
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と素っ気無い返事が返ってきて、涼太はグラスにチューハイを注ぐ。
「マジでお前色気無さすぎ」
「オレに色気求めんな」
・・・クソかわいくねぇ。マジで泣かしてぇ!
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涼太も泣かせて、佐々木にもダメージ与えてやる・・・!
俺の企みを知らない涼太は、順調に酔っ払っていった。
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