初恋は実らない

Hiiho

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個室レッスン 3

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「ほら早く」

榛に眼を開けたままキス命令を下された俺は、ものすごい羞恥心と闘っていた。

目を合わせたらダメだ!少し目を逸らせておけばなんとか・・・ 

俺はなんとか目を瞑らないように、下向き加減で榛の唇に近付く。

ちゅ

一瞬だけど唇と唇が触れあう。
・・・よしっ!クリアだろ!

「・・・あき、えっろ」
「はあ?やめろよ!そーゆーの。おまえがやらせたんだろ!」
「じゃ、次は目合わせたまんまね」
「・・・ウソだろ?」
「嘘だったらよかったのにね」

ニコッと榛が笑う。

はあ~~~~~・・・

「やればいいんだろ、やれば!」

榛と目を合わせる。
う、これだけでも顔から火が出そうだ。

目を合わせたままゆっくり近付いて、さっきより唇が長く触れあう。

・・・近くで見ると、こいつほんと、カッコよくなったよな・・・昔は、あんな女の子みたいな顔してたのに。

そのまま目を逸らさずに、唇を離した。

「やったぞ。これで満足かよ」
「・・・」

急に黙り込む榛。

「なんだよ、まだなんか・・・」

黙り込んだ榛の顔を睨むようにして見ると・・・

「・・・え、榛、おまえ顔まっか・・・」

「・・・っ」

榛が急に立ち上がって、俺を押しのけ、逃げるようにトイレを出ていく。



「あきー?行っちゃったか?」

奥の個室から松田の呼びかけが聞こえたが、俺は返事をせずに足音を立てないように廊下へ出た。

ほっ

とりあえず今日も拷問の時間は無事終わったな・・・

・・・榛なんであんな顔してたんだ?

俺は、初めて見る榛の顔が気になりつつも、個室から開放された清々しさでいっぱいだった。


この日を境に、俺に対する榛の態度が変わり始める事になる。
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