24 / 26
24
しおりを挟む
「ど、どうしてそんな事を…」
「もう同じ事を何回も言わせないで下さい。貴方への愛は枯れ果て人間として尊敬出来る所も無い。貴方の考えている事もさっぱり理解出来ない。もう夫婦は続けられないそういう事ですわ」
そこまで言ってやっと離縁は免れないと理解したのか夫は項垂れた。
「今度こそ離縁状にサインをお願いします」
私がそう言うと夫は観念したようにペンを握った。それでもなかなかサインせず往生際が悪く私に何か訴えるようにこちらを見ていたが私が夫を無表情で見ているのを見てようやくサインをした。
「リアムは…こちらで貰い受ける」
離縁状にサインをした途端夫がそう言う。
「…何を仰っているんですか?」
「君とは別れたがリアムは私の子だ。私の元で育てればいずれ侯爵家の跡取りになる、君が育てるよりもその方がリアムも幸せだろう。約束された将来があるのだからな」
そう言う男を見て私は思う。
まだ嫌いになれる所が残っていたなんて…。
別れて改めてこの男の最低な所を見て私は思わず閉口した。
1番可哀想なのは父親の最低な所を見せられてばかりいるリアムね。私はリアムをギュッと抱き締める。
「さあ、リアムを渡してもらおうか」
トレバーが立ち上がりリアムに手を伸ばす。
「おかあさま!」
リアムが私にしがみつく。
「大丈夫よ」
私はリアムの頭を撫でる。
「トレバー、貴方にリアムは渡さない」
「…何を勝手な事を。私にリアムを渡さないのであれば侯爵家の爵位は譲らない」
余程侯爵家の爵位が大事なのかそれともそれ以外に自分にはチラつかせる餌が無いのを知っているのか…本当に愚か、そんな事でしか子供の心を得ることが出来ないと思っているなんて。
「こちらをご覧下さい」
そう言ってトレバーに1枚の紙面を渡す。
「な、なんだ…」
そしてトレバーはその紙に書いてある内容を読む。
「っ!なんだ!なんなんだこの内容は!こ、こんなこと許される筈が…!」
かねてより夫との離縁を考えていた私は夫の両親に相談をしていた。
初めこそ私の勝手で離縁するのだから夫が望んでくれるのであればリアムは侯爵家の跡取りとして置いていくと言っていた、勿論離縁の理由は言わなかった。そうじゃないと夫が悪くなってしまうから。だけど夫にほとほと愛想が尽きた頃、オリヴィアさんの勝手な振る舞い、それを知ってか知らずか放置していた夫、その全てを夫の両親に話した。すると夫の両親は私と夫が離縁した瞬間に夫を廃嫡しリアムに家督を譲ると言った。会社のお金を使い込んでいるのを知って流石に息子に任せておいたら全てダメになると思ったのだろう。リアム後見人は私の父となった。ちなみにこの話し合いをした時には私の両親も一緒だった。
まさかそんな話し合いを私と夫の両親がしているとは露ほども知らない夫は私と離縁した。
それはつまり元夫は既に侯爵では無いという事。
「もう既に侯爵家はリアムのものです」
「そ、そんな馬鹿な事があるはずない!」
ムキになって否定する元夫に私は今まで向けたことの無い笑顔を向ける。
「貴方のご両親が貴方と違いしっかりした常識をお持ちの方達で良かったですわ」
「もう同じ事を何回も言わせないで下さい。貴方への愛は枯れ果て人間として尊敬出来る所も無い。貴方の考えている事もさっぱり理解出来ない。もう夫婦は続けられないそういう事ですわ」
そこまで言ってやっと離縁は免れないと理解したのか夫は項垂れた。
「今度こそ離縁状にサインをお願いします」
私がそう言うと夫は観念したようにペンを握った。それでもなかなかサインせず往生際が悪く私に何か訴えるようにこちらを見ていたが私が夫を無表情で見ているのを見てようやくサインをした。
「リアムは…こちらで貰い受ける」
離縁状にサインをした途端夫がそう言う。
「…何を仰っているんですか?」
「君とは別れたがリアムは私の子だ。私の元で育てればいずれ侯爵家の跡取りになる、君が育てるよりもその方がリアムも幸せだろう。約束された将来があるのだからな」
そう言う男を見て私は思う。
まだ嫌いになれる所が残っていたなんて…。
別れて改めてこの男の最低な所を見て私は思わず閉口した。
1番可哀想なのは父親の最低な所を見せられてばかりいるリアムね。私はリアムをギュッと抱き締める。
「さあ、リアムを渡してもらおうか」
トレバーが立ち上がりリアムに手を伸ばす。
「おかあさま!」
リアムが私にしがみつく。
「大丈夫よ」
私はリアムの頭を撫でる。
「トレバー、貴方にリアムは渡さない」
「…何を勝手な事を。私にリアムを渡さないのであれば侯爵家の爵位は譲らない」
余程侯爵家の爵位が大事なのかそれともそれ以外に自分にはチラつかせる餌が無いのを知っているのか…本当に愚か、そんな事でしか子供の心を得ることが出来ないと思っているなんて。
「こちらをご覧下さい」
そう言ってトレバーに1枚の紙面を渡す。
「な、なんだ…」
そしてトレバーはその紙に書いてある内容を読む。
「っ!なんだ!なんなんだこの内容は!こ、こんなこと許される筈が…!」
かねてより夫との離縁を考えていた私は夫の両親に相談をしていた。
初めこそ私の勝手で離縁するのだから夫が望んでくれるのであればリアムは侯爵家の跡取りとして置いていくと言っていた、勿論離縁の理由は言わなかった。そうじゃないと夫が悪くなってしまうから。だけど夫にほとほと愛想が尽きた頃、オリヴィアさんの勝手な振る舞い、それを知ってか知らずか放置していた夫、その全てを夫の両親に話した。すると夫の両親は私と夫が離縁した瞬間に夫を廃嫡しリアムに家督を譲ると言った。会社のお金を使い込んでいるのを知って流石に息子に任せておいたら全てダメになると思ったのだろう。リアム後見人は私の父となった。ちなみにこの話し合いをした時には私の両親も一緒だった。
まさかそんな話し合いを私と夫の両親がしているとは露ほども知らない夫は私と離縁した。
それはつまり元夫は既に侯爵では無いという事。
「もう既に侯爵家はリアムのものです」
「そ、そんな馬鹿な事があるはずない!」
ムキになって否定する元夫に私は今まで向けたことの無い笑顔を向ける。
「貴方のご両親が貴方と違いしっかりした常識をお持ちの方達で良かったですわ」
76
あなたにおすすめの小説
真実の愛の祝福
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
皇太子フェルナンドは自らの恋人を苛める婚約者ティアラリーゼに辟易していた。
だが彼と彼女は、女神より『真実の愛の祝福』を賜っていた。
それでも強硬に婚約解消を願った彼は……。
カクヨム、小説家になろうにも掲載。
筆者は体調不良なことも多く、コメントなどを受け取らない設定にしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
最後に一つだけ。あなたの未来を壊す方法を教えてあげる
椿谷あずる
恋愛
婚約者カインの口から、一方的に別れを告げられたルーミア。
その隣では、彼が庇う女、アメリが怯える素振りを見せながら、こっそりと勝者の微笑みを浮かべていた。
──ああ、なるほど。私は、最初から負ける役だったのね。
全てを悟ったルーミアは、静かに微笑み、淡々と婚約破棄を受け入れる。
だが、その背中を向ける間際、彼女はふと立ち止まり、振り返った。
「……ねえ、最後に一つだけ。教えてあげるわ」
その一言が、すべての運命を覆すとも知らずに。
裏切られた彼女は、微笑みながらすべてを奪い返す──これは、華麗なる逆転劇の始まり。
【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
それは確かに真実の愛
宝月 蓮
恋愛
レルヒェンフェルト伯爵令嬢ルーツィエには悩みがあった。それは幼馴染であるビューロウ侯爵令息ヤーコブが髪質のことを散々いじってくること。やめて欲しいと伝えても全くやめてくれないのである。いつも「冗談だから」で済まされてしまうのだ。おまけに嫌がったらこちらが悪者にされてしまう。
そんなある日、ルーツィエは君主の家系であるリヒネットシュタイン公家の第三公子クラウスと出会う。クラウスはルーツィエの髪型を素敵だと褒めてくれた。彼はヤーコブとは違い、ルーツィエの嫌がることは全くしない。そしてルーツィエとクラウスは交流をしていくうちにお互い惹かれ合っていた。
そんな中、ルーツィエとヤーコブの婚約が決まってしまう。ヤーコブなんかとは絶対に結婚したくないルーツィエはクラウスに助けを求めた。
そしてクラウスがある行動を起こすのであるが、果たしてその結果は……?
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる