24 / 37
24
しおりを挟む
「………………………………」
「答えられないんですか?」
「………………………………」
「確かにあの日、王子が、自ら、私を、選んだ…違いますか?」
「…そ、れは」
「こういう事を聞かれたら……例え、その理由が嘘だとしても淀み無く答えなければ…その後どんなそれらしい理由を言ったとしても……信用されませんわよ」
「っ!……」
「で?それを踏まえて…王子はどういう理由を聞かせて下さるのですか?」
私は王子の目を真っ直ぐ見据える。王子は私から目を逸らした。
「ひ、一目見た時から…美しいご令嬢だと…思って…」
「へぇ………」
「聡明そうで…」
「………………………」
「未来の国母として…」
「………………………はぁ」
そこまで聞いてため息が出た。
そのため息を聞いて王子は顔を上げ私と目が合う。
「意地悪してしまいましたわね。…………私は王子がどういう理由で私を婚約者に選んだか…知っているのですよ。どんな理由をそれらしく言って下さるか楽しみにしていましたけれど…期待外れでした」
私のその言葉に王子は大きく目を見開いた。
「王子は覚えていらっしゃらないと思いますが8歳のあの日、王子が中庭で大人しく言うことを聞く女が良かったと言っているのを偶然聞いてしまったのです」
「!………」
「なのでどのような理由をどのように仰られても嘘だと分かっていたんです」
「っ!ならば何故!」
「何故?そうですね…王子が婚約破棄などしないとしょうもない事を仰るから…ですかね」
「…知っていた?…じゃあ…どう言えば良かったんだ…」
「それを私に聞きますか?…うーん、そうですねぇ。俺様な王子らしく、何が悪いんだ?と言わんばかりにふんぞり返りながら俺の言うことを聞く人形が欲しかっただけだと仰れば良かったと思いますよ。私はあの話を聞いてしまった時から王子の事は一切信用しておりませんから」
私はそう言って8歳のあの時から初めて王子に向かって微笑んだ。
ロゼが私に笑いかけたのは何時ぶりだろうか……とても久しぶりな気がする。
………そうだ…確か、婚約した当時はニコニコ笑っていたような気がするのに…ちゃんと思い出せない。
それほど私はロゼを見ていなかった。
確かに大人しいだけで選んだ婚約者…当時は興味も無く、向こうから会いたいと言って来なかった事さえも都合がいいと思っていた。
「本当に婚約破棄したいと…思っているのか…」
ポツリ王子が呟いた。
「…はい」
「何故だ!っ確かに私の言った言葉で傷付いたのかもしれないが!それでも王妃の地位はそんな事位で捨てたいと思うものでは無いだろう!」
「……王子と私の考え方が交わる事はありません、私は王子の望むような王子の言うことを大人しく聞くような人間ではありませんので王子のご希望には添えませんわ。一刻も早く私との婚約を破棄して王妃の地位の為に王子の言うことを大人しく聞くようなお相手を探された方がいいと思いますよ。……マーガレットが王子の事を好きなようだったのであわよくば2人が惹かれあってくれたらと思った事もありましたが……今は絶対に王子と結婚させたく無いと思っています。この言葉を不敬だと仰れるのであれば今すぐにでも婚約破棄して下さい、いつでも覚悟は出来ていますから」
そう言ったロゼの言葉に頭をガツンと殴られたようだった。
私は去って行くロゼの背中を黙って見送るしか出来なかった。
「答えられないんですか?」
「………………………………」
「確かにあの日、王子が、自ら、私を、選んだ…違いますか?」
「…そ、れは」
「こういう事を聞かれたら……例え、その理由が嘘だとしても淀み無く答えなければ…その後どんなそれらしい理由を言ったとしても……信用されませんわよ」
「っ!……」
「で?それを踏まえて…王子はどういう理由を聞かせて下さるのですか?」
私は王子の目を真っ直ぐ見据える。王子は私から目を逸らした。
「ひ、一目見た時から…美しいご令嬢だと…思って…」
「へぇ………」
「聡明そうで…」
「………………………」
「未来の国母として…」
「………………………はぁ」
そこまで聞いてため息が出た。
そのため息を聞いて王子は顔を上げ私と目が合う。
「意地悪してしまいましたわね。…………私は王子がどういう理由で私を婚約者に選んだか…知っているのですよ。どんな理由をそれらしく言って下さるか楽しみにしていましたけれど…期待外れでした」
私のその言葉に王子は大きく目を見開いた。
「王子は覚えていらっしゃらないと思いますが8歳のあの日、王子が中庭で大人しく言うことを聞く女が良かったと言っているのを偶然聞いてしまったのです」
「!………」
「なのでどのような理由をどのように仰られても嘘だと分かっていたんです」
「っ!ならば何故!」
「何故?そうですね…王子が婚約破棄などしないとしょうもない事を仰るから…ですかね」
「…知っていた?…じゃあ…どう言えば良かったんだ…」
「それを私に聞きますか?…うーん、そうですねぇ。俺様な王子らしく、何が悪いんだ?と言わんばかりにふんぞり返りながら俺の言うことを聞く人形が欲しかっただけだと仰れば良かったと思いますよ。私はあの話を聞いてしまった時から王子の事は一切信用しておりませんから」
私はそう言って8歳のあの時から初めて王子に向かって微笑んだ。
ロゼが私に笑いかけたのは何時ぶりだろうか……とても久しぶりな気がする。
………そうだ…確か、婚約した当時はニコニコ笑っていたような気がするのに…ちゃんと思い出せない。
それほど私はロゼを見ていなかった。
確かに大人しいだけで選んだ婚約者…当時は興味も無く、向こうから会いたいと言って来なかった事さえも都合がいいと思っていた。
「本当に婚約破棄したいと…思っているのか…」
ポツリ王子が呟いた。
「…はい」
「何故だ!っ確かに私の言った言葉で傷付いたのかもしれないが!それでも王妃の地位はそんな事位で捨てたいと思うものでは無いだろう!」
「……王子と私の考え方が交わる事はありません、私は王子の望むような王子の言うことを大人しく聞くような人間ではありませんので王子のご希望には添えませんわ。一刻も早く私との婚約を破棄して王妃の地位の為に王子の言うことを大人しく聞くようなお相手を探された方がいいと思いますよ。……マーガレットが王子の事を好きなようだったのであわよくば2人が惹かれあってくれたらと思った事もありましたが……今は絶対に王子と結婚させたく無いと思っています。この言葉を不敬だと仰れるのであれば今すぐにでも婚約破棄して下さい、いつでも覚悟は出来ていますから」
そう言ったロゼの言葉に頭をガツンと殴られたようだった。
私は去って行くロゼの背中を黙って見送るしか出来なかった。
73
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
謹んで、婚約破棄をお受けいたします。
パリパリかぷちーの
恋愛
きつい目つきと素直でない性格から『悪役令嬢』と噂される公爵令嬢マーブル。彼女は、王太子ジュリアンの婚約者であったが、王子の新たな恋人である男爵令嬢クララの策略により、夜会の場で大勢の貴族たちの前で婚約を破棄されてしまう。
許すかどうかは、あなたたちが決めることじゃない。ましてや、わざとやったことをそう簡単に許すわけがないでしょう?
珠宮さくら
恋愛
婚約者を我がものにしようとした義妹と義母の策略によって、薬品で顔の半分が酷く爛れてしまったスクレピア。
それを知って見舞いに来るどころか、婚約を白紙にして義妹と婚約をかわした元婚約者と何もしてくれなかった父親、全員に復讐しようと心に誓う。
※全3話。
婚約破棄される前に、帰らせていただきます!
パリパリかぷちーの
恋愛
ある日、マリス王国の侯爵令嬢クロナは、王子が男爵令嬢リリィと密会し、自分を「可愛げのない女」と罵り、卒業パーティーで「婚約破棄」を言い渡そうと画策している現場を目撃してしまう。
普通なら嘆き悲しむ場面だが、クロナの反応は違った。
婚約破棄で見限られたもの
志位斗 茂家波
恋愛
‥‥‥ミアス・フォン・レーラ侯爵令嬢は、パスタリアン王国の王子から婚約破棄を言い渡され、ありもしない冤罪を言われ、彼女は国外へ追放されてしまう。
すでにその国を見限っていた彼女は、これ幸いとばかりに別の国でやりたかったことを始めるのだが‥‥‥
よくある婚約破棄ざまぁもの?思い付きと勢いだけでなぜか出来上がってしまった。
[完結]貴方なんか、要りません
シマ
恋愛
私、ロゼッタ・チャールストン15歳には婚約者がいる。
バカで女にだらしなくて、ギャンブル好きのクズだ。公爵家当主に土下座する勢いで頼まれた婚約だったから断われなかった。
だから、条件を付けて学園を卒業するまでに、全てクリアする事を約束した筈なのに……
一つもクリア出来ない貴方なんか要りません。絶対に婚約破棄します。
我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!
真理亜
恋愛
とある侯爵家で催された夜会、伯爵令嬢である私ことアンリエットは、婚約者である侯爵令息のギルバートと逸れてしまい、彼の姿を探して庭園の方に足を運んでいた。
そこで目撃してしまったのだ。
婚約者が幼馴染みの男爵令嬢キャロラインと愛し合っている場面を。しかもギルバートは私の家の乗っ取りを企んでいるらしい。
よろしい! おバカな二人に鉄槌を下しましょう!
長くなって来たので長編に変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる