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あぁ、憂鬱だ。なんでよりにもよって引きこもりの私が王妃様のお茶会なんてものに出なければならないんだ!しかも他のご令嬢までいるなんて!うああああ!思わず頭を掻きむしりたい衝動に駆られた。今まさに頭に手をやり掻きむしる直前で私は思い止まる。
ダメよダメ!しっかりしてミリア!貴方はこれからお茶会に行くのよ!その為に折角ビアンカが髪を整え化粧をしてくれた事を無駄にするの?ダメよ!
私の中のなけなしのご令嬢魂がそう止めに入る。
はぁーーーーー。
もう、何度目か数えるのも嫌になった深いため息を溢す。
「お嬢様…」
ビアンカが物言いたげにこちらを見ている。
……分かってますよ?分かってるんですよ!でも嫌なものは嫌なんだー!
はぁぁぁぁぁー。
思わず猫背ですよ。やさぐれですよ!ふんっ!
よしっ!気合いを入れる。私は立ち上がり背筋を伸ばす。その姿を見ていたビアンカが
「流石、ミリアお嬢様ですわ」
と満足そうに微笑んでくれた。
「これでそのかつらと眼鏡が無ければ…」
と言う(いらない)声はきーこーえーなーいー。
おぉー。見られてますよー。
王宮に着いた私は王妃様がお茶会を開く庭園に案内される。向かった先には他のご令嬢が既に来ていて私の到着に皆目を向けてくる。色んな思惑が渦巻いてそうな目線。苦手だなぁ。
今日の私も安定の引きこもりルックス。
流石にドレスはしっかりしたものを着てきてはいるが自分で制作したダークブラウンのかつらにいつもの眼鏡だ。
またあのマクシミリアン家のご令嬢がアレ?的な視線もひしひしと感じる。
私はこれでいいんだよ!べーっ!と心の中では思いつつ、私はおとなしいですよー、冴えないですよーと言う空気を纏いながら案内された席に着いた。
程なくして王妃様が登場される。
「今日はわたくしのお茶会によく来てくれましたね。どうぞ楽しんでらしてね」
と相変わらず美しい微笑みで挨拶をされた。
王妃様が席に着かれ皆の前にお茶が用意される、あぁこの香り私のブレンドしたものだわ。と1人ほわっとしていると
「このお茶はそこのミリア孃がブレンドしてくれた物なのよ」
「?!」
うぉっと!爆弾発言来ましたよ!王妃様!ダメですよ、そんな事言ったら!そんな、そんな、まるで王妃様と私が親身にしているみたいじゃないですか!
さっきのほわっとした気分が一瞬で霧散した。見られてますよー。何で貴方が?みたいな顔でこっち見てますよー。怖っ!
「わたくしこのお茶が大好きでね」
って!おい!また!またそんな発言するー!
王妃様!天然ですか?わざとですか?私は曖昧に微笑みながら
「あ、ありがとうございます。光栄です」
と言うのが精一杯だった。
王妃様売り込みさせてくれる気ありませんね。
ダメよダメ!しっかりしてミリア!貴方はこれからお茶会に行くのよ!その為に折角ビアンカが髪を整え化粧をしてくれた事を無駄にするの?ダメよ!
私の中のなけなしのご令嬢魂がそう止めに入る。
はぁーーーーー。
もう、何度目か数えるのも嫌になった深いため息を溢す。
「お嬢様…」
ビアンカが物言いたげにこちらを見ている。
……分かってますよ?分かってるんですよ!でも嫌なものは嫌なんだー!
はぁぁぁぁぁー。
思わず猫背ですよ。やさぐれですよ!ふんっ!
よしっ!気合いを入れる。私は立ち上がり背筋を伸ばす。その姿を見ていたビアンカが
「流石、ミリアお嬢様ですわ」
と満足そうに微笑んでくれた。
「これでそのかつらと眼鏡が無ければ…」
と言う(いらない)声はきーこーえーなーいー。
おぉー。見られてますよー。
王宮に着いた私は王妃様がお茶会を開く庭園に案内される。向かった先には他のご令嬢が既に来ていて私の到着に皆目を向けてくる。色んな思惑が渦巻いてそうな目線。苦手だなぁ。
今日の私も安定の引きこもりルックス。
流石にドレスはしっかりしたものを着てきてはいるが自分で制作したダークブラウンのかつらにいつもの眼鏡だ。
またあのマクシミリアン家のご令嬢がアレ?的な視線もひしひしと感じる。
私はこれでいいんだよ!べーっ!と心の中では思いつつ、私はおとなしいですよー、冴えないですよーと言う空気を纏いながら案内された席に着いた。
程なくして王妃様が登場される。
「今日はわたくしのお茶会によく来てくれましたね。どうぞ楽しんでらしてね」
と相変わらず美しい微笑みで挨拶をされた。
王妃様が席に着かれ皆の前にお茶が用意される、あぁこの香り私のブレンドしたものだわ。と1人ほわっとしていると
「このお茶はそこのミリア孃がブレンドしてくれた物なのよ」
「?!」
うぉっと!爆弾発言来ましたよ!王妃様!ダメですよ、そんな事言ったら!そんな、そんな、まるで王妃様と私が親身にしているみたいじゃないですか!
さっきのほわっとした気分が一瞬で霧散した。見られてますよー。何で貴方が?みたいな顔でこっち見てますよー。怖っ!
「わたくしこのお茶が大好きでね」
って!おい!また!またそんな発言するー!
王妃様!天然ですか?わざとですか?私は曖昧に微笑みながら
「あ、ありがとうございます。光栄です」
と言うのが精一杯だった。
王妃様売り込みさせてくれる気ありませんね。
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