この婚約を成功させる為にしなければならない事は・・・

きんのたまご

文字の大きさ
4 / 5

どうして…。

しおりを挟む
次の日もギルネスは私の前に現れた。
本当は顔がにやけてしまいそうな程嬉しいが…ギルネスの事を諦めなければいけないかもしれないと思っている私には少々辛い。
「どうされたのですか?」
「何がだい?」
「いえ、何故こんなにも会いに来られるのかと…」
「…婚約者に会いに来るのがそんなに不思議?」
「…以前はギルネス様の方から会いに来られる事はありませんでしたので…」
そうして改めて口に出すと私の一方通行だったと嫌でも実感させられる。本当にこんな婚約がうまくいくのだろうか、それとも政略結婚なんてこんなものなんだろうか。私はギルネスの事が好きだからこの婚約を政略だと思った事は無かったけれどギルネスには政略だったなら…どうやっても二人の溝が埋まる事は無い。改めて突き付けられた事実に私は静かに打ちのめされた。


何やら悩んでいる様子の婚約者。
「ギルネス様から会いに来る事は無かった」
そう言われて改めて思うとその通りだと思った。俺の事をずっと好きだと言って後ろを付いてきていた婚約者…今までつれなかったのに今更都合いい事をと思っているのだろうか。いや、この子はそんな事を思う子では無いな。
俺が会いに来たのを知って一瞬とても嬉しそうな顔をしてくれるのにすぐにキュッと顔を引き締めてしまう。以前のように朗らかに笑って欲しいと思う。
最近俯き加減の婚約者の頭を撫でる。
「またお昼ご飯の時に来るよ」
俺は俺が持てる最高の笑顔でベアトリーナに笑いかけ自分のクラスに戻った。


去って行くギルネスの後ろ姿を見送る。
いつになく優しい彼に私の気持ちは体ごと空に飛んで行けそうな程浮き足立った。
だけど…ギルネスの事が分からなくなった。
彼女の事、好きなんでしょう?私は彼女の姿を思い浮かべる。ギルネスの視線の先にいる彼女。
どうして急に私に構ってくれるようになったのか…。
もしかして!あの彼女に婚約者でも出来たのだろうか。
だとしたらギルネスの気持ちはどうなってしまうの?

自分が失恋した訳でも無いのに自分の事のように胸が痛むのを感じた。
ギルネスが失恋したら自分の方を向いてくれるかもなんて思いにも至らなかった。
ただただ彼の事を思うと辛かった。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

侯爵様の懺悔

宇野 肇
恋愛
 女好きの侯爵様は一年ごとにうら若き貴族の女性を妻に迎えている。  そのどれもが困窮した家へ援助する条件で迫るという手法で、実際に縁づいてから領地経営も上手く回っていくため誰も苦言を呈せない。  侯爵様は一年ごとにとっかえひっかえするだけで、侯爵様は決して貴族法に違反する行為はしていないからだ。  その上、離縁をする際にも夫人となった女性の希望を可能な限り聞いたうえで、新たな縁を取り持ったり、寄付金とともに修道院へ出家させたりするそうなのだ。  おかげで不気味がっているのは娘を差し出さねばならない困窮した貴族の家々ばかりで、平民たちは呑気にも次に来る奥さんは何を希望して次の場所へ行くのか賭けるほどだった。  ――では、侯爵様の次の奥様は一体誰になるのだろうか。

お久しぶりです旦那様。そろそろ離婚ですか?

奏千歌
恋愛
[イヌネコ] 「奥様、旦那様がお見えです」 「はい?」 ベッドの上でゴロゴロしながら猫と戯れていると、侍女が部屋を訪れて告げたことだった。

嫌われたと思って離れたのに

ラム猫
恋愛
 私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。  距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。

わんこ系婚約者の大誤算

甘寧
恋愛
女にだらしないワンコ系婚約者と、そんな婚約者を傍で優しく見守る主人公のディアナ。 そんなある日… 「婚約破棄して他の男と婚約!?」 そんな噂が飛び交い、優男の婚約者が豹変。冷たい眼差しで愛する人を見つめ、嫉妬し執着する。 その姿にディアナはゾクゾクしながら頬を染める。 小型犬から猛犬へ矯正完了!?

完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました

らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。 そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。 しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような… 完結決定済み

【完結】離縁など、とんでもない?じゃあこれ食べてみて。

BBやっこ
恋愛
サリー・シュチュワートは良縁にめぐまれ、結婚した。婚家でも温かく迎えられ、幸せな生活を送ると思えたが。 何のこれ?「旦那様からの指示です」「奥様からこのメニューをこなすように、と。」「大旦那様が苦言を」 何なの?文句が多すぎる!けど慣れ様としたのよ…。でも。

走馬灯に君はいない

優未
恋愛
リーンには前世の記憶がある。それは、愛を誓い合ったはずの恋人の真実を知り、命を落とすというもの。今世は1人で生きていくのもいいと思っていたところ、急に婚約話が浮上する。その相手は前世の恋人で―――。

婚約破棄を申し込まれたので、ちょっと仕返ししてみることにしました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約破棄を申し込まれた令嬢・サトレア。  しかし、その理由とその時の婚約者の物言いに腹が立ったので、ちょっと仕返ししてみることにした。

処理中です...