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フレア
公爵家での暮らしはここ最近で一番穏やかな時間となった。
元々私の実家と取引があったこの公爵家の当主は父とは昔からの付き合いで私の事も産まれる前から知っていたとの事で私の事も実の娘のように可愛がってくれている。
曰く、子供が男三人なのが辛いと冗談混じりに仰っていた。
娘が欲しかったと奥様から言われているそう。
なので奥様もとても良くして下さって、辛い想いをしたわね、ここを本当の家だと思ってゆっくりしなさいと涙ながらに手を握り言われて私もその時は流石に泣いてしまった。
暫くは本当に何もさせて貰えず……それは公爵家のお世話が行き届きすぎていたのと、公爵夫人に娘がいたらしたかった事を付き合って欲しいと言われ楽しい事を沢山させて頂いたお陰でゆっくり過ごすしか無かった私だったけれど……わざわざ黙って追い出されてここへ来たのはこうして穏やかな時間を過ごす為では無いと自分に何度も言い聞かせ夫へ送る手紙を書き始めた。
私が手紙を送ることにした理由は………もうアウターには私の声が届かないと思ったから。
小さい頃から一緒にいて…結局最後までアウターに私の声が届く事は…無かった。
その点手紙なら…取り敢えずは開くぐらいの事はするだろうと思った…それもある種賭けだったけれどそこは事情を全て知っている執事が上手くやりますと言ってくれていたので心強かった。
執事からの連絡でアウターが手紙を読んだ事を知る、疑いの芽は芽吹いたようだったが頑なに認めようとしないと手紙に書かれていた。
それから毎日毎日手紙を送る。
それでもアウターは中々現実を認められないのか動く事は無かった。
もしかしたら実家に現れるかもしれないと心配してこの公爵家にお世話になる事にしたのだが…取り越し苦労だったようだ。
ここまで私に関心が無かったのかと…落ち込むべきなのか…実家に迷惑がかからなくて良かったと喜ぶべきなのか…そんな事を考えなければならない事すら虚しかった。
それでも私は手紙を送る、なんとしてでも今までの事を全て認めさせるまで止める訳にはいかない。
そこで仕立て屋にお願いして手紙を一通出してもらう。
仕立て屋にはチュニックさんが滞納していた料金は私の実家が払ってくれていた。
今回の事を説明したら私が払うと父が言ってくれたのだ。
そこでお願いして偽の手紙を送って貰った。
料金が全く払われていない、と。
流石にそれはチュニックさんと揉めたようだったが、アウターは直ぐにチュニックさんに言い含められてしまったそう…。
でもこれで疑惑の芽はもっと大きくなった事だろう。
それで良い…今はそれで良い。
じわじわと今までの事を思い返して貰わないと…。
元々私の実家と取引があったこの公爵家の当主は父とは昔からの付き合いで私の事も産まれる前から知っていたとの事で私の事も実の娘のように可愛がってくれている。
曰く、子供が男三人なのが辛いと冗談混じりに仰っていた。
娘が欲しかったと奥様から言われているそう。
なので奥様もとても良くして下さって、辛い想いをしたわね、ここを本当の家だと思ってゆっくりしなさいと涙ながらに手を握り言われて私もその時は流石に泣いてしまった。
暫くは本当に何もさせて貰えず……それは公爵家のお世話が行き届きすぎていたのと、公爵夫人に娘がいたらしたかった事を付き合って欲しいと言われ楽しい事を沢山させて頂いたお陰でゆっくり過ごすしか無かった私だったけれど……わざわざ黙って追い出されてここへ来たのはこうして穏やかな時間を過ごす為では無いと自分に何度も言い聞かせ夫へ送る手紙を書き始めた。
私が手紙を送ることにした理由は………もうアウターには私の声が届かないと思ったから。
小さい頃から一緒にいて…結局最後までアウターに私の声が届く事は…無かった。
その点手紙なら…取り敢えずは開くぐらいの事はするだろうと思った…それもある種賭けだったけれどそこは事情を全て知っている執事が上手くやりますと言ってくれていたので心強かった。
執事からの連絡でアウターが手紙を読んだ事を知る、疑いの芽は芽吹いたようだったが頑なに認めようとしないと手紙に書かれていた。
それから毎日毎日手紙を送る。
それでもアウターは中々現実を認められないのか動く事は無かった。
もしかしたら実家に現れるかもしれないと心配してこの公爵家にお世話になる事にしたのだが…取り越し苦労だったようだ。
ここまで私に関心が無かったのかと…落ち込むべきなのか…実家に迷惑がかからなくて良かったと喜ぶべきなのか…そんな事を考えなければならない事すら虚しかった。
それでも私は手紙を送る、なんとしてでも今までの事を全て認めさせるまで止める訳にはいかない。
そこで仕立て屋にお願いして手紙を一通出してもらう。
仕立て屋にはチュニックさんが滞納していた料金は私の実家が払ってくれていた。
今回の事を説明したら私が払うと父が言ってくれたのだ。
そこでお願いして偽の手紙を送って貰った。
料金が全く払われていない、と。
流石にそれはチュニックさんと揉めたようだったが、アウターは直ぐにチュニックさんに言い含められてしまったそう…。
でもこれで疑惑の芽はもっと大きくなった事だろう。
それで良い…今はそれで良い。
じわじわと今までの事を思い返して貰わないと…。
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