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今日は何故か私が彼女に呼び出された。
何の用事だろう…。あっ!アレか!
「貴方にトマス様は勿体ないのよ!」とか言われるんだろうか…。いやーんドキドキしちゃう!
「あれ、ナディアどこ行くの?」
彼女との待ち合わせ場所に向かう途中トマスと出会う。
「んーちょっとね!人と待ち合わせ!」
それだけ言って私は彼女の元へ急ぐ。
呼び出された場所に行くと彼女は既に待っていた。
「ごめんね、遅れちゃった!」
「!遅いですわ!もう約束の時間から10分も経ってるわよ!」
えー?まだ10分だよ?とか言っちゃダメか、遅れたのは確かなんだし。
「いやー、ごめんね。ちょっと授業が長引いちゃって」
「…ふん、なら仕方ないわね」
お?なんだこの子いい子じゃないか。
「で?今日は何の用事?」
私は内心のワクワクを悟られないように冷静に言った…つもりだったんだけど漏れ出たワクワクを感じたのか彼女からは「ちょっと、何嬉しそうにしてるのよ」と言われた……何でわかったんだ?
「えーっと、話があるんだよね?」
「ええ……この際ハッキリ言わせて頂きますわ。私はトマス様が好きなんです!だから貴女は邪魔です!」
おお!直球キター!やっぱりこの子は他の子達とは違うわ。
「で?私はどうしたらいいのです?」
「はっ?」
「んー、でも私から婚約破棄する訳にはいかないし…どうします?」
「いや、どうするって言われても…貴女、私にこんな事言われて何も思わないの?」
彼女の言葉にキョトンとする。そんな私を見て彼女も呆然とする。
「いや、私とトマスが釣り合ってないとか当然だなって思うけど…」
「………貴女…」
「あっ!そうそう!それより名前教えてくれない?」
「はっ?名前?」
「そう、名前!だって私と貴女はトマスには友達って言ってるんだから名前も知らないなんておかしいじゃない」
「………」
彼女は訝しげにこちらを見ている。
…うーんこれはまた教えて貰えないかな~。
なんて思っていたら小さい声でポツリ彼女は言った。
「メアリよ」
「ナディア何処行ってたの?」
「トマス…友達と会ってた」
「友達?」
「そうメアリ!」
「メアリ?」
「ええ、この間一緒に勉強した子…覚えてる?」
「……………ああ、うん」
これは忘れてたな。
「そんなに仲良かったの?」
「…ふふっまあね」
「ふーん、そう。じゃあいい子なんだ?」
「…うん!仲良くなったらきっとトマスも好きになるわ」
そう言って私は笑った。
何の用事だろう…。あっ!アレか!
「貴方にトマス様は勿体ないのよ!」とか言われるんだろうか…。いやーんドキドキしちゃう!
「あれ、ナディアどこ行くの?」
彼女との待ち合わせ場所に向かう途中トマスと出会う。
「んーちょっとね!人と待ち合わせ!」
それだけ言って私は彼女の元へ急ぐ。
呼び出された場所に行くと彼女は既に待っていた。
「ごめんね、遅れちゃった!」
「!遅いですわ!もう約束の時間から10分も経ってるわよ!」
えー?まだ10分だよ?とか言っちゃダメか、遅れたのは確かなんだし。
「いやー、ごめんね。ちょっと授業が長引いちゃって」
「…ふん、なら仕方ないわね」
お?なんだこの子いい子じゃないか。
「で?今日は何の用事?」
私は内心のワクワクを悟られないように冷静に言った…つもりだったんだけど漏れ出たワクワクを感じたのか彼女からは「ちょっと、何嬉しそうにしてるのよ」と言われた……何でわかったんだ?
「えーっと、話があるんだよね?」
「ええ……この際ハッキリ言わせて頂きますわ。私はトマス様が好きなんです!だから貴女は邪魔です!」
おお!直球キター!やっぱりこの子は他の子達とは違うわ。
「で?私はどうしたらいいのです?」
「はっ?」
「んー、でも私から婚約破棄する訳にはいかないし…どうします?」
「いや、どうするって言われても…貴女、私にこんな事言われて何も思わないの?」
彼女の言葉にキョトンとする。そんな私を見て彼女も呆然とする。
「いや、私とトマスが釣り合ってないとか当然だなって思うけど…」
「………貴女…」
「あっ!そうそう!それより名前教えてくれない?」
「はっ?名前?」
「そう、名前!だって私と貴女はトマスには友達って言ってるんだから名前も知らないなんておかしいじゃない」
「………」
彼女は訝しげにこちらを見ている。
…うーんこれはまた教えて貰えないかな~。
なんて思っていたら小さい声でポツリ彼女は言った。
「メアリよ」
「ナディア何処行ってたの?」
「トマス…友達と会ってた」
「友達?」
「そうメアリ!」
「メアリ?」
「ええ、この間一緒に勉強した子…覚えてる?」
「……………ああ、うん」
これは忘れてたな。
「そんなに仲良かったの?」
「…ふふっまあね」
「ふーん、そう。じゃあいい子なんだ?」
「…うん!仲良くなったらきっとトマスも好きになるわ」
そう言って私は笑った。
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