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起きる
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手。
目が覚めた。
ピントが合わない。
顔に当たってる、多分草や石が痛い。
だるい。
目が覚めてから数分。
徐々に頭が冴えてきた。体を動かす力も湧いてきた。それでもまだ重い体を手足で支えて起き上がる。頭がいつもより重く感じる。
あたりを見回すと、見たことのない森だと分かる。なだらかではあるが大きく斜面になっているので、ここは山の中だろう。暗くはないが日が差しているとは思えない明るさだ。木々は深緑の葉をつけている。足元には緑や黄色の絵の具をそのままベタ塗りしたような不思議な植物ばかりだ。
知らない場所で迂闊に動けば危険があるかも知れないが、ここに留まれば体が不調になるばっかりだ。
(ひとまずここから離れたい…。)
「大丈夫?」
とっさに振り向く。
さっきは同じ景色ばかりだったのに、そこには自分と同じくらいの少年が立っていた。
「大丈夫?」の声が頭の中で残響する。初めて聞いたはずの、自然と耳に入ってくるその声を記憶から探す。
そこで自分の過去の記憶が無いことに気付く。自分の名前や歳、たくさんあったであろう今までの思い出の全て。自分にはそれがなかったんじゃないかと疑うほど、からっぽだった。
「……」
記憶が無いと気付いたショックで一瞬何も考えられなくなる。
……会話の途中だ。
このまま答えない訳にはいかない。
とっさに答えを用意しようとするが、しかし、声を出していいのか、返事をしていいのか迷っている。
…その少年に「生きている」と感じられなかった。見た目は普通のヒトだし、幽霊とか妖怪とかでもない。この少年が自分にとって害を与える存在か否か、分からない。
「……A君?」
(A君…?)
黙っている時間が続くと、少年が人の名前を口にした。少年は確かに自分に向かって投げかけた。しかし自分の名前が分からない。
「…誰?」
警戒心は解けていないが、少年から感じられる善意と、その名前への好奇心から自分から言葉を投げかけた。
少年は気にかけるような表情から、冷静な表情に変わった。
「何でここにいるの?」
…声のトーンが下がった。
少年は僕や、僕の周りを一通り見た。
少年が冷静な表情になった途端、すぐ何処かへ行ってしまうと思った。
「あ…の、あ、僕、何も分からないんだ…!!」
「は?」
少年は少し驚き僕の目を見た。僕にはこの状況も、僕自身のことも分からないけど、少年は何も知らないわけではない様だった。
すぐに表情が戻ると、下を向き手を顎に当て何か考え始めた。10秒経つか経たないかで、少年は僕に向き直った。
「…いいか、まずは俺についてこい。そこで君に色々教えるよ」
少年は後ろを向くとすぐ歩き出した。僕はとにかく、何もわからない状況でも話ができる相手が自分を見捨てなかったことに安心した。
僕は少年の後をついていった。
何故だか僕はとてもわくわくしていた。
目が覚めた。
ピントが合わない。
顔に当たってる、多分草や石が痛い。
だるい。
目が覚めてから数分。
徐々に頭が冴えてきた。体を動かす力も湧いてきた。それでもまだ重い体を手足で支えて起き上がる。頭がいつもより重く感じる。
あたりを見回すと、見たことのない森だと分かる。なだらかではあるが大きく斜面になっているので、ここは山の中だろう。暗くはないが日が差しているとは思えない明るさだ。木々は深緑の葉をつけている。足元には緑や黄色の絵の具をそのままベタ塗りしたような不思議な植物ばかりだ。
知らない場所で迂闊に動けば危険があるかも知れないが、ここに留まれば体が不調になるばっかりだ。
(ひとまずここから離れたい…。)
「大丈夫?」
とっさに振り向く。
さっきは同じ景色ばかりだったのに、そこには自分と同じくらいの少年が立っていた。
「大丈夫?」の声が頭の中で残響する。初めて聞いたはずの、自然と耳に入ってくるその声を記憶から探す。
そこで自分の過去の記憶が無いことに気付く。自分の名前や歳、たくさんあったであろう今までの思い出の全て。自分にはそれがなかったんじゃないかと疑うほど、からっぽだった。
「……」
記憶が無いと気付いたショックで一瞬何も考えられなくなる。
……会話の途中だ。
このまま答えない訳にはいかない。
とっさに答えを用意しようとするが、しかし、声を出していいのか、返事をしていいのか迷っている。
…その少年に「生きている」と感じられなかった。見た目は普通のヒトだし、幽霊とか妖怪とかでもない。この少年が自分にとって害を与える存在か否か、分からない。
「……A君?」
(A君…?)
黙っている時間が続くと、少年が人の名前を口にした。少年は確かに自分に向かって投げかけた。しかし自分の名前が分からない。
「…誰?」
警戒心は解けていないが、少年から感じられる善意と、その名前への好奇心から自分から言葉を投げかけた。
少年は気にかけるような表情から、冷静な表情に変わった。
「何でここにいるの?」
…声のトーンが下がった。
少年は僕や、僕の周りを一通り見た。
少年が冷静な表情になった途端、すぐ何処かへ行ってしまうと思った。
「あ…の、あ、僕、何も分からないんだ…!!」
「は?」
少年は少し驚き僕の目を見た。僕にはこの状況も、僕自身のことも分からないけど、少年は何も知らないわけではない様だった。
すぐに表情が戻ると、下を向き手を顎に当て何か考え始めた。10秒経つか経たないかで、少年は僕に向き直った。
「…いいか、まずは俺についてこい。そこで君に色々教えるよ」
少年は後ろを向くとすぐ歩き出した。僕はとにかく、何もわからない状況でも話ができる相手が自分を見捨てなかったことに安心した。
僕は少年の後をついていった。
何故だか僕はとてもわくわくしていた。
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