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1 雪山から
よんかいめ これから
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「ゲノンかその愉快な仲間たち呼んだぐるから、あんたはルトの相手しててね」
ーールト?
…順当に考えれば、あの、椅子に座っている白髪の子だろうか。
扉の向こうのカウンターに目を向けようとすると、自分のすぐ後ろを付いてきていた。動いた気配を感じなかったので驚いた。
赤髪の子は白髪の子に「ね!」と明るい笑顔を向けて、さらに奥の部屋に入っていった。
ルト、と呼ばれた子は自分をよけて、部屋中央に向かい合ってある二つのソファの内、右のソファに座った。もう緊張を感じる歩き方ではなく、さっきよりも自然に動いていた。
自分は左側のソファに、ルトの真正面を少し避けて座った。
初めて会ってからこの子が動き出すまでは自分はずっと見られていたけど…。
今は、二つのソファの間にあるローテーブルの一点を見つめて、機嫌良さそうに足を交互に振り動かしている。…さっきとは違い、ちら、ともこちらを見ない。若干人見知りな自分は、自分から話しかけるのが苦手だ…。
ーーが、友達を作るとことを目標とした今、せめて話しかけることで少しでも会話が上手くなれば…良いな。
「…えっと、ルト?」
「うん」
呼ぶと、ルトはすぐにこちらに顔を向け足の力を抜いた。
一気に全神経をこちらに向けた、というプレッシャーが苦手だ。
「俺はビリー。よろしく…」
「うん。よろしく」
……
…やっぱりこっちから話しかけたからには、自分が話を広げないと続かない…。こういう時は自分の精神的にも少しでも間を空けてはいけない。
「あ、あの赤髪の人は、何て言うの?」
「あの人はノカって言うの」
「…ルトと、ノカは家族?」
「うん。でも友達だよ」
「家族で、友達なの?」
「うーん…友達で、家族。最初は友達だっただけど、今は一緒に住んでるから家族」
二人には血縁関係がないようなんだな…。
自分が起きてから会った時ノカが対応をしてくれたけど、他に対応する人はいるのかな。それとも、二人とも思っているより大人?
…今後、この世界の事や常識的な事を知っていけたら良いかな。
「二人は大人?家族は、二人なの?」
「ルトもノカも大人じゃない。今は家族は二人だけど、前はルトのお母さんもノカのお母さんもいた」
「ルト達のお母さんは今何してるの?」
ーーあ、これ聞いていいやつだったかな…。
「ルト達のお母さんはすごく頭が良いから、今山一つの向こうの町で長い会議をしてるの」
「そうなんだ…」
良かった…と思ったけど、正直無事か無事じゃないのか分からない…。聞きづらい雰囲気じゃないだけ良かった。ーー
「…あ、そういえば…えっと」
「…?」
ここは、魔法は使えるのか、と。いざ訊くとなると、ただの痛いやつになりそうで緊張する。
「ルトは、魔法とか…使える?」
「うん」
ーー…そっか…。まじか。
何て言うか、実際に言われてみるとなんか、不思議だ。
「ルトは火をつけるのと、ものを運んだりできる。それで、ノカを手伝うの。ノカは火をつけられるのと、見えない壁を作れる」
RPGによくある様な、敵に向けて使ったり味方にバフをかけたりするものじゃなさそうだ。使えるなら日常的に魔法を使ってもいいのかな…。
「ルトもノカも火はつけられるけど、ルトの方がすごく大きい火をつけられる。でも、ノカは小さいけどルトより長くつけていられる」
「そっか…。二人いれば強くも長くもあるから、良いね」
「うん。そうなの!」
ルトは少し口角を上げ、ほんのりと笑った。
やっぱり能力には個人差があるのか。
…あとは、何も分からない状況だけど自分が必要な情報は自分で聞かないといけないな。何も分からないから聞き方も曖昧だけど…。
「ルト…ここってどこ?」
「!…ここは、"セーフティゾーン"雪山第二エリアです!」
「…」
「…よしっ」
「ルトー!お客さまの質問に答えられるようになったんね!」
「あ、えっと…ノカ?」
奥の部屋から笑顔を振りまいて赤髪の子、ノカが戻ってきた。
「はーい!ノカでーす!うちのことも紹介してくれたんのねー」
「うん。この人はビリー」
ノカはルトの横に座ると、もう一度ルトを褒めた。
「…さっきの、セーフティゾーンっていうのは…」
「んーそうよねー。ゲノンが来るまでまだ時間があるから、ひとまず前の人にしたのと同じ説明するよー」
****
ノカ達から、このペンダントやルト達のお母さんの事など色々な話を聞いた。中でも特に二つ、セーフティゾーンについて、自分が町に下りてから何をすればいいかについて、説明を受けた。
まずはこの、"セーフティゾーン"について。
セーフティゾーンは世界の各地にあり、国が建設·運営している宿泊施設。
通常は普通の宿泊施設と変わらず、いつでも一般の人が泊まることが出来る。ここ雪山第二エリアでは、雪山ということもありスキーやスノーボードをしに来る人が多いそうだ。
板を見せてもらったが、前の世界と変わったところはない様だった。
この施設の目的としては、災害時に国民、国営ギルドの冒険者などが集まって一括して国民の安全を守ること。
自然災害ももちろん、この世界では大規模な魔物の襲撃、魔法による人工災害なども想定されている。
このセーフティゾーンはただ頑丈な建物なだけでなく、難易度の高い魔法によって何重もの結界が施されている。
外から見れば二階建ての小さな施設だが、主な空間は地下に広がっている。実際に地形を利用している部分や、魔法によって実際には無い空間も扉を通して使用できるようになっている部分もあり、基本的に高い技術が使われている。
「でも町から雪山まで登ってくるなんて、災害時に国民全員が出来るの…?」
「セーフティゾーンの地下二階に大きなワープゾーンがある。国民の家にはどこか安全な場所に一つは、近くのセーフティゾーンにつながるワープゾーンの設置が義務付けられてる」
「…高そう」
「ワープゾーンは高い技術が必要だけど、国民の安全のために義務付けられてるものに関しては無償なんよー」
「最近は特に、国が国民の幸福度を高めるように頑張ってるんだって。昨日通信魔法で、ルト達のお母さんがそう言ってた」
「ねー」
(生きてるんだ、良かった…。ルトは一緒に住んでる人のことを家族って言ってるのか…)
次に、町に下りてから自分が何をすればいいのか。
「まずは役所に行ってみてほしいんのよ。さっき知り合いにも連絡したからねー。うちらと同じくらいの背丈で、白に紫っぽい長い髪の子。その子に、うちらに言われて来たって言えばいいよー」
「役所はゲノンに下ろしてもらったら、そのままその道を真っ直ぐ進んで突き当たる建物」
「その後のことは知り合いに任せるからこれ以上は手伝えないけど、何とかやっていってみてねー」
「困ったら役所に行って聞けば、大丈夫」
思っていたよりも手厚い保護を受けている…。
きっと前に自分と同じ状況になった人にも同じことをしていたんだろうな。少し落ち着いたら本格的にその人を探そう。
あと、またここにお礼しに来よう。
ーーアオォォーーン…。
…と、部屋全体に遠吠えが響いた。
それを聞いてノカは出入り口の方へ向かっていった。
「これは、ゲノン達が送り迎えに来た時のチャイム」
ルトが「良いでしょ」と微笑んで、少し自慢げに言う。
「ビリー!町に下りるよー」
ノカに呼びかけられて出入り口に向かう。
ふと振り返ると、ルトは小さく手を振って言った。
「またね」
ーールト?
…順当に考えれば、あの、椅子に座っている白髪の子だろうか。
扉の向こうのカウンターに目を向けようとすると、自分のすぐ後ろを付いてきていた。動いた気配を感じなかったので驚いた。
赤髪の子は白髪の子に「ね!」と明るい笑顔を向けて、さらに奥の部屋に入っていった。
ルト、と呼ばれた子は自分をよけて、部屋中央に向かい合ってある二つのソファの内、右のソファに座った。もう緊張を感じる歩き方ではなく、さっきよりも自然に動いていた。
自分は左側のソファに、ルトの真正面を少し避けて座った。
初めて会ってからこの子が動き出すまでは自分はずっと見られていたけど…。
今は、二つのソファの間にあるローテーブルの一点を見つめて、機嫌良さそうに足を交互に振り動かしている。…さっきとは違い、ちら、ともこちらを見ない。若干人見知りな自分は、自分から話しかけるのが苦手だ…。
ーーが、友達を作るとことを目標とした今、せめて話しかけることで少しでも会話が上手くなれば…良いな。
「…えっと、ルト?」
「うん」
呼ぶと、ルトはすぐにこちらに顔を向け足の力を抜いた。
一気に全神経をこちらに向けた、というプレッシャーが苦手だ。
「俺はビリー。よろしく…」
「うん。よろしく」
……
…やっぱりこっちから話しかけたからには、自分が話を広げないと続かない…。こういう時は自分の精神的にも少しでも間を空けてはいけない。
「あ、あの赤髪の人は、何て言うの?」
「あの人はノカって言うの」
「…ルトと、ノカは家族?」
「うん。でも友達だよ」
「家族で、友達なの?」
「うーん…友達で、家族。最初は友達だっただけど、今は一緒に住んでるから家族」
二人には血縁関係がないようなんだな…。
自分が起きてから会った時ノカが対応をしてくれたけど、他に対応する人はいるのかな。それとも、二人とも思っているより大人?
…今後、この世界の事や常識的な事を知っていけたら良いかな。
「二人は大人?家族は、二人なの?」
「ルトもノカも大人じゃない。今は家族は二人だけど、前はルトのお母さんもノカのお母さんもいた」
「ルト達のお母さんは今何してるの?」
ーーあ、これ聞いていいやつだったかな…。
「ルト達のお母さんはすごく頭が良いから、今山一つの向こうの町で長い会議をしてるの」
「そうなんだ…」
良かった…と思ったけど、正直無事か無事じゃないのか分からない…。聞きづらい雰囲気じゃないだけ良かった。ーー
「…あ、そういえば…えっと」
「…?」
ここは、魔法は使えるのか、と。いざ訊くとなると、ただの痛いやつになりそうで緊張する。
「ルトは、魔法とか…使える?」
「うん」
ーー…そっか…。まじか。
何て言うか、実際に言われてみるとなんか、不思議だ。
「ルトは火をつけるのと、ものを運んだりできる。それで、ノカを手伝うの。ノカは火をつけられるのと、見えない壁を作れる」
RPGによくある様な、敵に向けて使ったり味方にバフをかけたりするものじゃなさそうだ。使えるなら日常的に魔法を使ってもいいのかな…。
「ルトもノカも火はつけられるけど、ルトの方がすごく大きい火をつけられる。でも、ノカは小さいけどルトより長くつけていられる」
「そっか…。二人いれば強くも長くもあるから、良いね」
「うん。そうなの!」
ルトは少し口角を上げ、ほんのりと笑った。
やっぱり能力には個人差があるのか。
…あとは、何も分からない状況だけど自分が必要な情報は自分で聞かないといけないな。何も分からないから聞き方も曖昧だけど…。
「ルト…ここってどこ?」
「!…ここは、"セーフティゾーン"雪山第二エリアです!」
「…」
「…よしっ」
「ルトー!お客さまの質問に答えられるようになったんね!」
「あ、えっと…ノカ?」
奥の部屋から笑顔を振りまいて赤髪の子、ノカが戻ってきた。
「はーい!ノカでーす!うちのことも紹介してくれたんのねー」
「うん。この人はビリー」
ノカはルトの横に座ると、もう一度ルトを褒めた。
「…さっきの、セーフティゾーンっていうのは…」
「んーそうよねー。ゲノンが来るまでまだ時間があるから、ひとまず前の人にしたのと同じ説明するよー」
****
ノカ達から、このペンダントやルト達のお母さんの事など色々な話を聞いた。中でも特に二つ、セーフティゾーンについて、自分が町に下りてから何をすればいいかについて、説明を受けた。
まずはこの、"セーフティゾーン"について。
セーフティゾーンは世界の各地にあり、国が建設·運営している宿泊施設。
通常は普通の宿泊施設と変わらず、いつでも一般の人が泊まることが出来る。ここ雪山第二エリアでは、雪山ということもありスキーやスノーボードをしに来る人が多いそうだ。
板を見せてもらったが、前の世界と変わったところはない様だった。
この施設の目的としては、災害時に国民、国営ギルドの冒険者などが集まって一括して国民の安全を守ること。
自然災害ももちろん、この世界では大規模な魔物の襲撃、魔法による人工災害なども想定されている。
このセーフティゾーンはただ頑丈な建物なだけでなく、難易度の高い魔法によって何重もの結界が施されている。
外から見れば二階建ての小さな施設だが、主な空間は地下に広がっている。実際に地形を利用している部分や、魔法によって実際には無い空間も扉を通して使用できるようになっている部分もあり、基本的に高い技術が使われている。
「でも町から雪山まで登ってくるなんて、災害時に国民全員が出来るの…?」
「セーフティゾーンの地下二階に大きなワープゾーンがある。国民の家にはどこか安全な場所に一つは、近くのセーフティゾーンにつながるワープゾーンの設置が義務付けられてる」
「…高そう」
「ワープゾーンは高い技術が必要だけど、国民の安全のために義務付けられてるものに関しては無償なんよー」
「最近は特に、国が国民の幸福度を高めるように頑張ってるんだって。昨日通信魔法で、ルト達のお母さんがそう言ってた」
「ねー」
(生きてるんだ、良かった…。ルトは一緒に住んでる人のことを家族って言ってるのか…)
次に、町に下りてから自分が何をすればいいのか。
「まずは役所に行ってみてほしいんのよ。さっき知り合いにも連絡したからねー。うちらと同じくらいの背丈で、白に紫っぽい長い髪の子。その子に、うちらに言われて来たって言えばいいよー」
「役所はゲノンに下ろしてもらったら、そのままその道を真っ直ぐ進んで突き当たる建物」
「その後のことは知り合いに任せるからこれ以上は手伝えないけど、何とかやっていってみてねー」
「困ったら役所に行って聞けば、大丈夫」
思っていたよりも手厚い保護を受けている…。
きっと前に自分と同じ状況になった人にも同じことをしていたんだろうな。少し落ち着いたら本格的にその人を探そう。
あと、またここにお礼しに来よう。
ーーアオォォーーン…。
…と、部屋全体に遠吠えが響いた。
それを聞いてノカは出入り口の方へ向かっていった。
「これは、ゲノン達が送り迎えに来た時のチャイム」
ルトが「良いでしょ」と微笑んで、少し自慢げに言う。
「ビリー!町に下りるよー」
ノカに呼びかけられて出入り口に向かう。
ふと振り返ると、ルトは小さく手を振って言った。
「またね」
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