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第二章
店員さんには絶対敬語を使うタイプ
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戦闘強化薬を作るには、いくつかの動物性の希少素材が必須だ。
それに、素材があっても器材がない。
液体薬剤を作ったとしても、せいぜい経口摂取する薬しか作れないし、錠剤も作れない。溶ける時間をどうにかして調整すれば使えないことも無いだろうけど。
ただまあ。これくらいの状況なら経験したことはある。っていうか、旅に出た直後なんてもっと状況は悪かったし。
戦闘強化薬は疑似悪魔化がまだ残っているし、深層励起だってつかえる。精霊種相手ならば、これだけでも多分問題はない。
ならば、なにを用意すべきか。
それを決めるには、精霊種という存在について知っておく必要がある。
精霊種は魔法に特化した種族だ。しかし、それだけでは他の種族とまともに戦争できるような戦闘力があるとは言えない。
攻撃魔法よりも早く動ける種族なんていくらでもいるし、例えば獣人種であればその速度で完全に封殺できる。
しかし、それでも精霊種は過去に複数の他種族との戦争を成立させた。
それはいかなる方法によるものか、と言うと。
精霊種特有の、ある魔法。らしい。
魔力をごく短時間、ごく挟範囲に集中させる事で上位種の攻撃さえも防ぐ一瞬、一点の絶対防御魔法。
通称、ドットイージス。
あまりにも有効時間が短く、他の種族では再現は出来ても実戦で使うことなんて到底できないような尖った魔法。
しかし、精霊種はそれを完璧に使いこなす。
というのも、彼らには『相手の行動を予知する』能力があるそうだ。そんなのもはや異能の一種では?と思うけど、そうではないらしい。
ともかく、彼らはその予知する力で攻撃に完璧に合わせることで、ドットイージスを使いこなす。
では、そのドットイージスを破るにはどうするのか。主な方法は2つある。
1つは、単純に向こうが対処出来ない密度、速度での攻撃だ。ドットイージスは一瞬なので、連撃には弱い。
もう1つは、意識の外からの奇襲だ。彼らの予知能力は、相手を認識していないと効果を発揮しないらしい。そのため、相手にバレない様に攻撃すれば、ドットイージスを無効化できる、というわけだ。
さて、では何を用意するか。それは、不測の事態に備えた多くの薬・・・特に、番外試薬だ。
というのも、連撃は僕の得意分野なのでドットイージスに対する対策は別に要らないからである。
必要なのはどちらかと言えば、攻撃の予知そのものへの対策。その能力を応用すればドットイージスとは比べ物にならない脅威が現れる可能性もあるし。
・・・しかし、【人造死霊】は今回は役に立たないだろうなぁ。精霊種にも体温があるとはいえ、あれは代謝とか関係ないただの模倣だろう。
【人造死霊】の効果はあくまで身体機能の強化の延長線上だから、そもそもの機能がないと効かない。
戦意高揚とかと同じ理屈で、多少の効果はあるかも知れないけど・・・あれを切り札にするのは無理かな。
っと、また思考が散らかってきた。
正直、ピンポイントな対策を考えるのは無理だから出来ることを片っ端からやっていこう。そういうのは得意だ。
「とりあえず・・・素材を買わないと。まあまあ値段張るけど。」
値札を見ながら1人ぼやく。僕が今いるのは、有角兎の肉を買った転移貿易施設だ。
既にここの店からもあらかた肉は無くなって来ている。が、動物性の素材というのは必ずしも肉ではない。
血液とか臓器とか・・・食べる人はそんなに居ないだろうし、今のシャクシャラでもそこまでの需要は無いはずだ。問題は売っているかと買えるかどうかかな。
薬の素材は、基本的には流通しないから、ね。
ま、買えるものから作るものを考えよう。
料理と一緒だ。
しばし、素材を探して施設をうろつく。しかしやはりと言うか、めぼしい素材は見つからない。
「うーん・・・」
「おや、兄さんは昨日の。」
思った以上に難航する買い物に1人唸っていると、店先に立つ男の人に声を掛けられる。
そちらに視線を向けると、そこには武器や防具を扱う店。
店頭に並ぶ妙に煌びやかな剣が目に眩しい。
「あ、こんにちは。えっと、どうかしました?」
「ああ、いやそういう訳じゃ。ただ、ここに連日足を運ぶ人は稀だからね、少し気になって声をかけてしまったよ。」
「ああ、なるほど。」
まあ値段といい品揃えといい、普段の買い物でここにはこないだろうしね。
「先程からなにか探している様だけど・・・良かったら手伝おうか?一応、俺もこの施設の職員だからね。」
「うーん、そうですね・・・」
手間を取らせるのは申し訳ないが、正直ありがたい申し出だ。
「じゃあ、お願いします。」
「よしきた。さて・・・ゴホン、お客様、何をお探しですか?」
「・・・別にさっきの感じで良いですよ?」
「そうしたいのは山々だけど、あんまりフランクにしすぎるとお偉いさんに怒られるんでね。最初くらいは取り繕っておくさ。」
「あはは、随分と正直な人ですね。」
面白い人だなぁ。これくらいの方が僕としてはやりやすいけど。
「じゃあお言葉に甘えて・・・」
って、そもそも何を探しているって言えば良いかなぁ。わかりやすい場所はもう自分で回ったし・・・
せっかくだし、ちょっと毛色の違う所に案内してもらおうかな。
「・・・珍味とか、かな。うん。なんか面白い動物素材を使った食べ物とかありますか?」
我ながら、珍味というのはいい案かもしれない。
例えば双頭猪の胆嚢だってごく一部の酒飲みはつまみにするらしいし。
僕は決してそのまま食べたりしないけど、世の中には物好きな人もいるのだ。
「そうだなぁ・・・あまり需要がないから量は無いけど、保存が効くものがそれなりにあったはずだ。案内するよ。」
そういうと、店員さんは歩き出す。
「えっと、ここの売店は放っておいていいんですか?」
「あーいいのいいの。どうせ誰も買わないし。」
手をヒラヒラと振りながらそういう店員さん。まあ、確かにこの売店には全くお客さんがいない。
そもそもシャクシャラでは武器の需要が少ないから仕方ないのかな。
でも流石にお店を放置するのは怒られるだろうし、それは流石に忍びない。
僕は少し考え、店先に置いてある眩い剣『宝剣デュランダル・レプリカ』を手に取る。
「じゃあ、これ下さい。」
「おや、いきなりだね。結構値が張るけど大丈夫かい?」
「まあこの位なら大丈夫です。」
「おお、結構思い切りよく払うねぇ。ゴホン、お買い上げありがとうございます。」
僕はお金を払い、剣を受け取り・・・
そして大袈裟にふらつく。
「あっ重い。これはとても1人じゃ持てません。」
「うおっ、大丈夫かい?まあ大きいしなぁ」
・・・だいぶわざとらしくやったつもりだけど、普通に心配されてしまった。
なんか恥ずかしいなこれ。
「そ、そうですね。・・・その、申し訳ないんですけど、これ持って帰るの手伝ってもらえません?」
「ああ、お易い御用・・・って、そういうことか。気を使わせたみたいで悪いね。」
良かった、ちゃんと伝わって。でもないと、いきなりしょうもない茶番をした僕が無駄に恥ずかしい思いをするところだった。
店員さんは剣を包んで抱える。
いくら何も切れないような武器でも、抜き身で持ち歩くのは流石に非常識だもんね。
「さて、じゃあ行こうか。目標は大陸各地の珍味だ。」
「ええ、お願いします。・・・えっと、今更ですけど、あなたのお名前は?あ、僕はシルヴァです。」
ここまで手間を掛けさせた相手を、いつまでも店員さん呼びもなんだし。
せっかくだしここで距離を縮めてみよう。
「おお、こりゃ丁寧にどうも。俺はシモンだ。よろしく、シルヴァ。」
軽く握手を交わす。
「ちなみにシルヴァ、予算は・・・って、デュランダル・レプリカをポンと買えるくらいだし結構もってるか。」
「まあ、それなりには。予算は気にせず、お勧めに案内してもらえれば助かります。」
「ああ、任せてくれ。」
予定にない買い物も一つしてしまったけど、これで時間を短縮できるのならばそれでいい。
シモンさんと会話しながら、いくつかの素材とそれから作れる薬を思い浮かべる。
番外試薬は種類だけはある。いくつかは、作れるものもあるだろう。
僕は親切な人に会えた幸運に感謝しつつ、そのままいくつかの店を回って素材・・・に、なりそうな物をいくつか買い揃える。
いくつか作れそうな薬の目処も立った。
戦闘強化薬はやっぱり無理そうだけど。
「なんか、色々と買ってたみたいだけど・・・本当にそれ食べ物なのかい?いや、案内したのは俺だけどさ。」
「僕としては、これらが食べ物として売られている事が驚きですけどね」
若干引き気味のシモンさんに苦笑いを返す。
僕が買ったものの一部を紹介すると・・・
「スライムの粘核に人頭獅子の腎臓と毒袋。火吹き蜥蜴の舌と目玉・・・これ誰が食べるんですかね?」
「少なくとも俺は食べないかなぁ。」
毒袋とか食べて大丈夫なの?適切な処理をすれば薬効があるのは確かだけどさ。
他にも色々買ったけど、食べたいとは思わないものばかりだったなぁ。
「まあ、一部の種族は毒の刺激を楽しんだりするそうですし・・・」
「はー、物好きだねえ。・・・で、お目当ての物は買えたかい?」
「一通りは。長々とつきあってくれてありがとうございました。」
「いやー、誰も来ない店で突っ立ってるより楽しかったし、こっちこそありがとう。」
そう言って笑うシモンさん。いい人だなぁ。
「さて・・・荷物が増えたみたいだけど、このかさばる剣はどうする?」
「あ、自分で持ちます。」
「わかってたけど、やっぱり余裕で持てるんだな・・・」
シモンさんからデュランダル・レプリカを受け取る。まあ普段から重いバックパックを担いでるしこれくらいならね。
「よしっ、じゃあ俺はそろそろ戻るよ。また来てくれよ、シルヴァ。」
「はい、是非。また今度、お礼させて貰いますね。」
「ははっ、楽しみにしておくよ。」
最後にシモンさんに挨拶をして、その場で別れる。
いい出会いもあったし、役に立ちそうな物も買えた。ここからはあらゆる事態を想定して準備をしないとならない。
ゆっくり色々出来るのはここまでだろう。
さて、戻ったらヒルダ達と話をしよう。
薬を作るのにも時間はかかるし、やることは意外と多いし、ね。
それに、素材があっても器材がない。
液体薬剤を作ったとしても、せいぜい経口摂取する薬しか作れないし、錠剤も作れない。溶ける時間をどうにかして調整すれば使えないことも無いだろうけど。
ただまあ。これくらいの状況なら経験したことはある。っていうか、旅に出た直後なんてもっと状況は悪かったし。
戦闘強化薬は疑似悪魔化がまだ残っているし、深層励起だってつかえる。精霊種相手ならば、これだけでも多分問題はない。
ならば、なにを用意すべきか。
それを決めるには、精霊種という存在について知っておく必要がある。
精霊種は魔法に特化した種族だ。しかし、それだけでは他の種族とまともに戦争できるような戦闘力があるとは言えない。
攻撃魔法よりも早く動ける種族なんていくらでもいるし、例えば獣人種であればその速度で完全に封殺できる。
しかし、それでも精霊種は過去に複数の他種族との戦争を成立させた。
それはいかなる方法によるものか、と言うと。
精霊種特有の、ある魔法。らしい。
魔力をごく短時間、ごく挟範囲に集中させる事で上位種の攻撃さえも防ぐ一瞬、一点の絶対防御魔法。
通称、ドットイージス。
あまりにも有効時間が短く、他の種族では再現は出来ても実戦で使うことなんて到底できないような尖った魔法。
しかし、精霊種はそれを完璧に使いこなす。
というのも、彼らには『相手の行動を予知する』能力があるそうだ。そんなのもはや異能の一種では?と思うけど、そうではないらしい。
ともかく、彼らはその予知する力で攻撃に完璧に合わせることで、ドットイージスを使いこなす。
では、そのドットイージスを破るにはどうするのか。主な方法は2つある。
1つは、単純に向こうが対処出来ない密度、速度での攻撃だ。ドットイージスは一瞬なので、連撃には弱い。
もう1つは、意識の外からの奇襲だ。彼らの予知能力は、相手を認識していないと効果を発揮しないらしい。そのため、相手にバレない様に攻撃すれば、ドットイージスを無効化できる、というわけだ。
さて、では何を用意するか。それは、不測の事態に備えた多くの薬・・・特に、番外試薬だ。
というのも、連撃は僕の得意分野なのでドットイージスに対する対策は別に要らないからである。
必要なのはどちらかと言えば、攻撃の予知そのものへの対策。その能力を応用すればドットイージスとは比べ物にならない脅威が現れる可能性もあるし。
・・・しかし、【人造死霊】は今回は役に立たないだろうなぁ。精霊種にも体温があるとはいえ、あれは代謝とか関係ないただの模倣だろう。
【人造死霊】の効果はあくまで身体機能の強化の延長線上だから、そもそもの機能がないと効かない。
戦意高揚とかと同じ理屈で、多少の効果はあるかも知れないけど・・・あれを切り札にするのは無理かな。
っと、また思考が散らかってきた。
正直、ピンポイントな対策を考えるのは無理だから出来ることを片っ端からやっていこう。そういうのは得意だ。
「とりあえず・・・素材を買わないと。まあまあ値段張るけど。」
値札を見ながら1人ぼやく。僕が今いるのは、有角兎の肉を買った転移貿易施設だ。
既にここの店からもあらかた肉は無くなって来ている。が、動物性の素材というのは必ずしも肉ではない。
血液とか臓器とか・・・食べる人はそんなに居ないだろうし、今のシャクシャラでもそこまでの需要は無いはずだ。問題は売っているかと買えるかどうかかな。
薬の素材は、基本的には流通しないから、ね。
ま、買えるものから作るものを考えよう。
料理と一緒だ。
しばし、素材を探して施設をうろつく。しかしやはりと言うか、めぼしい素材は見つからない。
「うーん・・・」
「おや、兄さんは昨日の。」
思った以上に難航する買い物に1人唸っていると、店先に立つ男の人に声を掛けられる。
そちらに視線を向けると、そこには武器や防具を扱う店。
店頭に並ぶ妙に煌びやかな剣が目に眩しい。
「あ、こんにちは。えっと、どうかしました?」
「ああ、いやそういう訳じゃ。ただ、ここに連日足を運ぶ人は稀だからね、少し気になって声をかけてしまったよ。」
「ああ、なるほど。」
まあ値段といい品揃えといい、普段の買い物でここにはこないだろうしね。
「先程からなにか探している様だけど・・・良かったら手伝おうか?一応、俺もこの施設の職員だからね。」
「うーん、そうですね・・・」
手間を取らせるのは申し訳ないが、正直ありがたい申し出だ。
「じゃあ、お願いします。」
「よしきた。さて・・・ゴホン、お客様、何をお探しですか?」
「・・・別にさっきの感じで良いですよ?」
「そうしたいのは山々だけど、あんまりフランクにしすぎるとお偉いさんに怒られるんでね。最初くらいは取り繕っておくさ。」
「あはは、随分と正直な人ですね。」
面白い人だなぁ。これくらいの方が僕としてはやりやすいけど。
「じゃあお言葉に甘えて・・・」
って、そもそも何を探しているって言えば良いかなぁ。わかりやすい場所はもう自分で回ったし・・・
せっかくだし、ちょっと毛色の違う所に案内してもらおうかな。
「・・・珍味とか、かな。うん。なんか面白い動物素材を使った食べ物とかありますか?」
我ながら、珍味というのはいい案かもしれない。
例えば双頭猪の胆嚢だってごく一部の酒飲みはつまみにするらしいし。
僕は決してそのまま食べたりしないけど、世の中には物好きな人もいるのだ。
「そうだなぁ・・・あまり需要がないから量は無いけど、保存が効くものがそれなりにあったはずだ。案内するよ。」
そういうと、店員さんは歩き出す。
「えっと、ここの売店は放っておいていいんですか?」
「あーいいのいいの。どうせ誰も買わないし。」
手をヒラヒラと振りながらそういう店員さん。まあ、確かにこの売店には全くお客さんがいない。
そもそもシャクシャラでは武器の需要が少ないから仕方ないのかな。
でも流石にお店を放置するのは怒られるだろうし、それは流石に忍びない。
僕は少し考え、店先に置いてある眩い剣『宝剣デュランダル・レプリカ』を手に取る。
「じゃあ、これ下さい。」
「おや、いきなりだね。結構値が張るけど大丈夫かい?」
「まあこの位なら大丈夫です。」
「おお、結構思い切りよく払うねぇ。ゴホン、お買い上げありがとうございます。」
僕はお金を払い、剣を受け取り・・・
そして大袈裟にふらつく。
「あっ重い。これはとても1人じゃ持てません。」
「うおっ、大丈夫かい?まあ大きいしなぁ」
・・・だいぶわざとらしくやったつもりだけど、普通に心配されてしまった。
なんか恥ずかしいなこれ。
「そ、そうですね。・・・その、申し訳ないんですけど、これ持って帰るの手伝ってもらえません?」
「ああ、お易い御用・・・って、そういうことか。気を使わせたみたいで悪いね。」
良かった、ちゃんと伝わって。でもないと、いきなりしょうもない茶番をした僕が無駄に恥ずかしい思いをするところだった。
店員さんは剣を包んで抱える。
いくら何も切れないような武器でも、抜き身で持ち歩くのは流石に非常識だもんね。
「さて、じゃあ行こうか。目標は大陸各地の珍味だ。」
「ええ、お願いします。・・・えっと、今更ですけど、あなたのお名前は?あ、僕はシルヴァです。」
ここまで手間を掛けさせた相手を、いつまでも店員さん呼びもなんだし。
せっかくだしここで距離を縮めてみよう。
「おお、こりゃ丁寧にどうも。俺はシモンだ。よろしく、シルヴァ。」
軽く握手を交わす。
「ちなみにシルヴァ、予算は・・・って、デュランダル・レプリカをポンと買えるくらいだし結構もってるか。」
「まあ、それなりには。予算は気にせず、お勧めに案内してもらえれば助かります。」
「ああ、任せてくれ。」
予定にない買い物も一つしてしまったけど、これで時間を短縮できるのならばそれでいい。
シモンさんと会話しながら、いくつかの素材とそれから作れる薬を思い浮かべる。
番外試薬は種類だけはある。いくつかは、作れるものもあるだろう。
僕は親切な人に会えた幸運に感謝しつつ、そのままいくつかの店を回って素材・・・に、なりそうな物をいくつか買い揃える。
いくつか作れそうな薬の目処も立った。
戦闘強化薬はやっぱり無理そうだけど。
「なんか、色々と買ってたみたいだけど・・・本当にそれ食べ物なのかい?いや、案内したのは俺だけどさ。」
「僕としては、これらが食べ物として売られている事が驚きですけどね」
若干引き気味のシモンさんに苦笑いを返す。
僕が買ったものの一部を紹介すると・・・
「スライムの粘核に人頭獅子の腎臓と毒袋。火吹き蜥蜴の舌と目玉・・・これ誰が食べるんですかね?」
「少なくとも俺は食べないかなぁ。」
毒袋とか食べて大丈夫なの?適切な処理をすれば薬効があるのは確かだけどさ。
他にも色々買ったけど、食べたいとは思わないものばかりだったなぁ。
「まあ、一部の種族は毒の刺激を楽しんだりするそうですし・・・」
「はー、物好きだねえ。・・・で、お目当ての物は買えたかい?」
「一通りは。長々とつきあってくれてありがとうございました。」
「いやー、誰も来ない店で突っ立ってるより楽しかったし、こっちこそありがとう。」
そう言って笑うシモンさん。いい人だなぁ。
「さて・・・荷物が増えたみたいだけど、このかさばる剣はどうする?」
「あ、自分で持ちます。」
「わかってたけど、やっぱり余裕で持てるんだな・・・」
シモンさんからデュランダル・レプリカを受け取る。まあ普段から重いバックパックを担いでるしこれくらいならね。
「よしっ、じゃあ俺はそろそろ戻るよ。また来てくれよ、シルヴァ。」
「はい、是非。また今度、お礼させて貰いますね。」
「ははっ、楽しみにしておくよ。」
最後にシモンさんに挨拶をして、その場で別れる。
いい出会いもあったし、役に立ちそうな物も買えた。ここからはあらゆる事態を想定して準備をしないとならない。
ゆっくり色々出来るのはここまでだろう。
さて、戻ったらヒルダ達と話をしよう。
薬を作るのにも時間はかかるし、やることは意外と多いし、ね。
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