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36 狂気と不死の戦い方

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眼というのは、様々な生物に共通する弱点である。

そのため、多くの場合はまぶたや皮膜などで覆われているが、眼球そのものは柔らかい。
さらに言えば、人間の場合は瞼も大して硬くなく鍛えることも困難である。
つまり、大した攻撃能力が無くても、相手に大きなダメージを与えることができる。

そして何よりも、視力というものは生物にとって非常に重要だ。それを一時的にでも奪うことが出来れば、その後の戦闘を優位に進めることができる。
自然界においても、蛇などは積極的に敵の目を狙う。本能的・・・に、そこが最も有効だと知っているのだ。

しかし、人間の場合はこの本能を理性が上回ることも多い。
目を狙うことに対する忌避感は、大なり小なり誰にでも存在する。

柔らかい目を狙うことへの生理的な不快感。
骨で囲まれた場所から眼球のみを狙う難度。
相手の懐に入り込まなければならないリスク。

感情的にも戦術的にも、人間が積極的に狙うことはあまりない。
パフォーマンスでも無ければ、奇襲する際の選択肢の1つになるくらいである。



が、逆に考えると。
目を狙うことへの感情的な忌避感が無く、何度でも試行が可能であり。
懐に入らなければ攻撃もできないような状況で、骨どころか皮膚を断つ攻撃力も無いのであれば。

それは、実用的で現実的な攻撃手段となる。


「はっ、どこ見てやがる!」
「くっ・・・!?」
「しっかり防がねぇと、目玉が無くなっちまうぜ?まあ、俺は何度も腕だの目だの無くなってるわけだけどよ!」

そう言って凶暴に笑いながら、レイジは右腕を突き出す。
直線的で単純なその攻撃は、老人によって当然防がれる。素人の目には軌跡すら映さない鋭い一刀で、目を抉らんと迫るレイジの手を腕ごと切り落とす。

圧倒的な実力差。
通常の戦闘なら、そこから更に一歩踏み込み首を飛ばすなり心臓を貫くなり、簡単に相手を殺して勝利できる。
あるいは表皮だけでも斬れれば、いずれ失血で動きが鈍る。

だが、老人が相手にしているのは、異常な再生能力を持つ吸血鬼の始祖。
魔力減衰によって回復速度こそ衰えているが、それでも数秒から十数秒で五体満足に戻る。

「っ、痛ってぇなぁ!」
「それは、冗談のつもりか・・・!?」
「んなわけねぇだろ。何回腕落とされてると思ってんだ。」

レイジは右腕から吹き出す鮮血を老人の顔目掛けて飛ばす。目くらましにするには量が足りないが、牽制にはなる。
僅かに老人が気を取られた瞬間、レイジは今度は左手で目を狙う。

「舐めるな、若僧が!」

一瞬だけ血に気を取られた老人だったが、それで目を相手に与えるほど青くもない。

切り上げた刀で、左腕を肘ほどまで縦に断つ。

「ぐっ・・・!よくもまあ、そんな簡単に人体を斬れるもんだ。そんな剣で骨まで割るかよ。」

血を流しながら、レイジは感嘆の声を漏らす。
縦に切られた腕は、落とされた時よりは早く再生した。
少し遅れて、切断面から生えるように右腕が再生する。それと同時に、落ちた腕は灰になって崩れ落ちた。

切られた直後に後方に一歩だけ距離を取ったレイジは、再度右腕を前に出した構えをとる。

幾度となく身体を切られても全く戦意の衰えを見せないレイジに、老人は思わず問いかける。

「・・・なぜ、そうも平然としている?魔力反応からして、始祖として誕生したばかりだろう。痛みに対して、そこまで耐性があるとは思えん。」
「あ?耐性なんてねぇよ。痛みや失血で気絶しねぇのはただの身体の機能だ。俺自身の精神力の問題じゃねぇ。」

当然のようにレイジは言う。
その言葉は確かに事実だ。始祖の血液は無尽蔵であり、そもそも人間の血液のように重要な機能がある訳では無い。
痛みによるショック死を防ぐための機能も、始祖の脳には必要ない。脳内物質による麻痺も、気絶による信号遮断も、始祖には無い。

「まあ、始祖の身体ってのは便利だな。素人の俺が長年剣を振ってたであろうあんたと曲がりなりにも戦えてるのは、この身体のおかげだ。察するに、あんたは再生能力のある敵との戦闘力に慣れてねぇな?その魔力減衰とやらがあれば、大抵の相手は回復することも出来ねぇわけだ。」

半分以上推測、というよりハッタリでそう言うレイジ。
そもそも彼は、この世界の生物や社会についてほとんど何も知らない。
目に見える程の速度で回復するような再生能力を持つ生物が吸血鬼の他に存在するのかも知らなければ、この老人のように武芸に秀でた者が前線に出て戦うような世界なのかも知らないのである。

(・・・そろそろ決めないと不味いな。退避ルートは確保してるが、二度目の潜入はかなり困難になるだろうから事実上チャンスは今だけだ。それでも、助けを呼ばれたら逃げるしかねぇ。人数と膂力で抑え込まれたら俺一人じゃどうにもならねぇし。)

表情には出さないが、レイジは少し焦っている。
かなりの無理をしている実感はある。リリィを別行動させたことが良かったのか否かもまだ分かっていない。魔力減衰の原因の排除が困難な場合に即座に撤退できるように単独で行動しているが、ここで撤退した場合は目的の達成は難しくなるだろう。
もちろん、目的に固執して危機的状況に陥るつもりは無い。老人が助けを呼んだ瞬間、例えそれがハッタリだったとしても撤退する。

「どうだ、そろそろ疲れてきたんじゃねぇか?こんな泥沼は老体には堪えるだろ。」
「大きなお世話だ。そちらこそ、今帰るのならば見逃してやる。」
「・・・ほう?」

意外な申し出に、レイジは少し驚く。
本気だとは思わないが、冗談だとしてもその提案が出るとは予想していなかった。
単純に、今は老人の方が圧倒的に有利な状況だ。レイジを殺すことは出来なくても、無力化するだけなら方法もはっきりしている。

老人からすれば、情報が足りない以上見逃す理由など無い。

「お優しい事だな。ナイフで突然襲いかかってきた相手に随分な譲歩だ。」
「・・・いや、気の迷いだ。忘れろ。始祖をみすみす見逃せば、眷属を増やされて手に負えなくなる。」
「くくっ、よく分かってるじゃねぇか。じゃあ、続きと行こうぜ!」

そして、レイジは再度攻撃を仕掛ける。その状態でも思考は休めない。

(なんだ、今の言い方は?まるで、本当に帰って欲しいって考えが思わず漏れたって感じだったな。ブラフの可能性はあるとしても・・・この爺さんが助けを呼ばないのは、この部屋に誰かを入れたくないからなのか?考えてみれば、やはり人間側の要の魔力減衰を扱う人物に護衛がないなんてありえねぇ。だとすれば・・・)

レイジはもう一度、執拗に老人の目を狙う。
突き出した右腕を、正面から刃が貫く。手のひらから肘へと突き抜ける刀。
レイジはそれを掴んで老人を捕らえようとしたが、彼が力を入れた瞬間には既に刀は抜けている。
力を入れた瞬間の僅かな硬直を狙い、老人はレイジの首に刀を振るう。

(っ、さすがに首を落とされたらいつ動けるかわからねぇな!)

思考を中断、全力で回避する。
素人の目では見ることもできない斬撃を、直感と体捌きで何とか躱す。
それでも完全には回避しきれず、鎖骨の付近を大きく斬られた。

「ふん、避けたか。」
「いや、どう見ても避けられてねぇだろうが。しっかり斬られてるっての。」
「余裕綽々で話されても嫌味にしか聞こえんな。・・・再生する相手が、これほど厄介だとは。」

苦々しく老人が言うそばから、レイジの傷は再生する。既に何度も再生しているが、その速度には全く衰えがない。

(始祖の再生能力ってのは、ほとんど制限の無い物だと考えて良さそうだな。・・・よしだいたい分かった・・・・・・・・しそろそろやるか。)

回復する自分の体をちらりと見て、レイジは心の中でそう呟く。
そして、再度左腕を前に出して構えをとる。

「馬鹿の一つ覚えで悪いが、これしかまともな攻撃手段がねぇからな。・・・そろそろ、眼玉もらうぜ。」
「始祖も首をおとせば、大人しくなるか?」
「知らねぇよ、それはまだ試したことが無いんでな!」

突進するレイジ。数歩分の距離は一瞬で縮まり、鉤のように曲げた指が老人の目に迫る。

「遅いっ!」

振り下ろされる右腕を、切り上げるように切断する老人。

レイジは宙を舞う自らの右腕を目で追い・・・
笑った。

「くくっ、綺麗に飛んだなぁ!」

そして、突進の勢いを全力で殺し・・・老人の間合いの外に立ったまま、左腕で切断された右腕を掴み取った・・・・・・・・・・・・・

「我ながらナイスキャッチだなっと・・・ほら、受け取れ!」

数歩分飛び退いたレイジは、左腕を振りかぶり・・・老人に向かって、右腕を全力で投擲した。
 
「小賢しいわ!」

とはいえ、利き腕では無いため大した速度でもない。老人には簡単に対処出来る。
切断か回避か受け流しか。切断することは容易だが、血や肉片で視界を塞がれることになる。また、回避で隙を晒すことになるのを避けるため、老人は剣の腹で受け流すことを選択する。


老人は中段に構えた剣を物差し代わりに距離を測る。そして、剣の真横に来た腕を床に叩きつけるような軌道で振り下ろした。

「なっ・・・!?」

鋭く振るわれた剣は、しかし空を切る。
想定していた感触が無かったことに一瞬混乱する老人。
その直後。

灰が・・老人の視界を奪った・・・・・・・・・

「ぐぅっ!?」

走る痛みに、老人は思わず目を閉じる。
一瞬遅れて、何が起きたのかを理解する老人。
自らの体が再生する時間、さらに言えば身体から離れた腕が灰になって崩れる時間。
レイジはそれを完全に把握して、老人への目くらましをしたのだ。

老人はそれを理解したのとほとんど同時に、レイジが詰め寄って来た気配を感じ、反射的に手で目をかばう。

正確には、庇ってしまった。

「っ、しまっ・・・!?」

その無意識の行動が間違いであることに、老人は直ぐに気づく。

執拗に目を狙われていたせいで、老人はついそこを守ってしまったが。
なにも、目を狙わなければならないという決まりがある訳では無い。徒手での攻撃方法など、いくらでもあるのだ。

「遅せぇ!!」

老人が更に動く前に、レイジの全力の蹴りが老人の腹を打ち抜いた。

「がはっ・・・!!」

剣の心得があるとはいえ、老人は老人。体重の軽いその体は、たった一撃の、しかし会心の蹴りで数メートル吹き飛んだ。

派手な音と共に研究室の棚をなぎ倒して、老人は壁に叩きつけられる。


間髪入れず、レイジは追撃する。落ちていたナイフを拾い、最短距離で老人の心臓を狙う。

音を立てすぎた。もはや、声を出させないなど意識しても無駄。そう判断して重要臓器を傷付けることを優先するレイジ。
心臓、ひいては動脈を切断出来ればその時点で撤退しても目的は達成出来る。
もちろん、レイジの知らない治療手段がある可能性も捨てきれないのでここで完全に息の根を止めるのがベストであることには変わりない。


「ふっ・・・!!」


鋭く息を吐いて、一直線にナイフを突き出すレイジ。
それはただの突きではなく、可能な限り体重を乗せた突進でもあった。

「くっ・・・!!」

老人は痛みを訴える身体に鞭を打ち、何とかナイフに刺される前に両手でレイジの腕を抑える。
しかし、体勢は確実にレイジが有利。

上から押し付けるように体重をかけられ、ナイフは少しずつ老人の身体に近づいて行く。



ほとんど勝負が決まった状態だが、レイジは声に出さずに頭の中で悪態をつく。
全体重をかけているのにも関わらず、老人とレイジの力はほとんど拮抗していたからだ。

(想定より、この身体の力が弱ぇ・・・!っ、そうか、回復能力が高い始祖は人間みてぇな身体機能のリミッターが必要ねぇ。要するに、普通の人間と同程度のこの筋力が、潜在能力も含めた始祖の全力か・・・!永遠に一定の力をかけられることは強みだが、短時間の爆発力はかなり低いってことかよ。)

状況からレイジはそう分析する。
人間の身体は、構造上の最大出力を出すと骨や筋繊維が耐えきれない。それゆえに通常時は脳がリミッターをかけていることは広く知られており、命の危機に晒された時などにその制限が解除されることがある、というのも良く知られている。

しかし、始祖はそもそも身体を守る必要も、体力を管理する必要も無いのだ。故に、体は常に最大出力である。


拮抗する攻防。しかし、始祖は疲労もないため、拮抗しているのならばいずれはレイジが競り勝つ。このままでは老人に訪れるのは敗北、そして死である。

迫るナイフを前に、老人は思考を巡らせる。
現実的な対処があるとすれば、時間を稼いで助けを待つことくらいである。
なんでもいい、何とかして時間を稼ぐ。

そう考えた老人は、何か無いかと目だけを動かし周囲を探し・・・そこで初めてしっかりとレイジの顔を見た。

言動に似合わない少年のような顔立ちと、珍しい黒髪黒目。
そしてその顔の特徴は、どことなく老人の知る『英雄』に近しいものであった。
そこに、老人はつけ入る隙を感じる。

全力でナイフを押し返しながら、老人は絞り出すように問いかける。

「・・・・・・・・まさ、か、転生者、か?」
「っ、良く分かったな・・・。それ、とも、こっちではそんなに、異世界人が溢れてやがるのか・・・?」

互いに力は緩めないまま、レイジと老人は会話する。

「そう、では無い・・・だが、私たちの元には、お前と同郷であろう、『英雄』達がいる・・・」
「はっ、良く、知ってるぜ。もっとも、顔を見たことは、ねぇがよ・・・。」
「知っている、ならば・・・なぜ、魔族に与して、いる?今でこそ、始祖であっても、元は私たちと同じ、人間だろう・・・?」

老人の言葉に、レイジは思わず笑いそうになる。もちろん力を抜く訳には行かないため表情には出さなかったが。

「答える、義理はねぇが・・・簡単に言えば、そういう『約束』だから、だ。むしろ俺からすれば、なんであんたらが人間以外を排斥してるのか、の方がわかんねぇな。」
「それは、魔族が我らの神に、仇なすものだから、だ。お前も、『英雄』と同郷ならば、わかるはずだろう・・・?」
「あいにくだが、さっぱりわかんねぇ、な。少しばかり、見た目が違うだけだろ」

少しづつ、ナイフが進んでいく。
老人は焦るが、何とか会話は続いている。転生者であるのならば、上手くすれば味方に引き込めるかもしれない。

「十分すぎる、理由だろう。我らの姿は、神が与えたもうた完璧な物。それが異なるのであれば、それはもはや人では無い。獣と変わらん。」
「似姿、か。そこを大切にするのは、勝手だとは思うが。押し付けるもんじゃねぇ、な。」

レイジが会話を終わらせようとしていることを感じ、老人は何とか説得しようとする。

「始祖、いや、転生者の少年よ。お前もこちらに来い。そもそも、お前に我らと敵対する理由は無いだろう。牙こそあるが、姿は人そのもの。誰もお前を、攻撃しない。」
「俺があんたらと敵対する理由は、無い、か。」

レイジはそこで少し黙る。

「まあ、たしかに俺自身が、あんたらに何かされた訳じゃねえ。そして、襲われた奴らと何か関わりがあった訳でも、ねえ。」
「ならば、戦う理由は・・・」
「無いこともねぇ、んだなこれが。」

レイジはまっすぐ老人を見る。

「なあ、一つ聞かせてくれよ。」 
「・・・なん、だ?」
「最初から、ずっと気になってたんだけどよ。」

そして、彼は問いかける。

「なんで、『魔族』なんだ?」
「・・・・・・・・どういう、意味だ?」

その問いの意味が本当に分からず、老人は困惑する。

「問いを、変えるか。魔族って、どういう存在って認識なんだ?」
「それは・・・我らとは根源からして異なる、神に仇なす者たちだ。偽物の神を崇め、我らを堕落させる。」
「・・・なるほど、な。」

そしてレイジは少し考え・・・そしてまた口を開く。

「俺が話したり聞いている言葉は、知識にあわせて翻訳されているらしいんだが・・・だとすれば、やはり、噛み合わねえな。」
「何を、言っている・・・?」

もはや、ナイフは老人の体の間近まで迫っている。
汗を浮かべながら焦る老人を見ながら、レイジは顔色を変えずに再度問いかけた。

「なあ、なんで『魔族』なんだ?普通、『悪魔・・』だろ。」
「・・・・・・は?」
「翻訳の誤差の範疇かとも思ったが、やっぱりしっくりこねぇよ。宗教的な認識だと、悪しき存在が文化を持つ『種族』だなんて認めねぇだろ。特に、自分たちこそが正しい人間だと考えているのならな。」
「何を、言っている・・・?」

困惑を深める老人に、レイジは淡々と言い放つ。
 
「ピンと来ねぇならもういいぜ。この時点であんたらに協力する選択肢は無くなった。」
「っ、待っ・・・!」

老人がその先を続ける前に。

遂にナイフが、その身体を、肉を切り裂いた。

「がはっ・・・」

それと同時に、老人の身体から力が抜け、抵抗を無くしたナイフは根元まで突き刺さり心臓を貫いた。

ナイフの貫通を確認したレイジは速やかに刃を引き抜く。

血を吐きながら倒れる老人。
もはや声を出すこともできない。

「素人の介錯で悪いが、遺言を聞く余裕も無いんでな。」

レイジは改めてナイフを構えると、一切の躊躇無く老人の首を切り裂いた。
切断こそされないが、頸動脈を切られた老人は、その時点で即死。
血を噴き出しながら動かなくなった。


レイジはもはや老人の死体など気にもとめず、部屋の外の様子を伺う。

(あれだけ大騒ぎしたってのに、誰も来てねぇな。よっぽど念入りに人払いしていたのか?となると、この研究室に何があるのかは気になるが・・・)

部屋の探索をするか、速やかに撤退するか。
少しだけ考える。

(・・・撤退だな。魔力減衰の原因は排除出来たし、この砦の占拠も近い。気になることがあるのならその後調べれば良い。)

そう判断し、レイジはその場を離れることにする。

(となれば、リリィに『合図』を送らねぇとな。さて、どうするか・・・)

いくつか方法の候補はある。

(・・・そうだな、せっかくだし派手にいくか。あれ・・を使えば、良い騒ぎが起こせそうだ。まあ、撤退ルートは用意しなきゃならねえが。)

方針を決めたレイジは、研究室を後にする。


そしてその場には、荒れきった研究室と、老人の死体だけが残されていた。
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