ポチッと押したらオタクの俺は本当に異世界にいました。

竜虎

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旅立ち

イルムの宿屋

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 宿屋の中に入ると最初に有ったのはやはり食堂だった。カリーの宿屋と同じく前、行ったいかにも食堂な感じ。ではなくいかにも酒場だ。やはりカリーの宿屋よりかは下ということもあり丸い木のテーブルや木のイスなどが、よく拭かないで放置されたのかところどころワインが付いた後らしきシミがあったり、ガタガタしているのもある。やはり、シミを見るにここは酒場と言うべきなのでは?と思ってしまう。ちなみに宿内では今の時間はかろうじて受付が居るだけでそれ以外の人は俺達だけだ。

しかも受付の人は特に美人とか美少女とかではなく、ただの優しそうな普通のおばさんだ。その優しそうなおばさんはもう人が来ないので、ボーっとしており俺達には気づいていなかった。まあそれもそのはずだ。なぜならもう九時なのだから。夜なのに冒険者がワイワイしていないのを見るに、泊まっている人が居ないのか、それとも普通は夜にワイワイしないのか。のどちらかだろう。ワイワイしているのも困るが逆に誰も居ないと不気味だ。そんなことを思っている中リーフィアが尋ねた。

「あのー泊まりたいんですけど」
「え!お客さん!あ、すみません。何泊されますか?」
「一泊でお願いします。朝食付きで」
「はい、解りました。代金は三名ですと銀貨一枚です」
「はい」
「札がかかっていないところをご自由にどうぞ。あとこの木札も」

そう言われリーフィアが木札を二枚受けとった。仲があの話し合いである程度よくなった。二人が「ドキドキするね」と言いながら階段を上っていく。カリーの宿屋とここの宿屋ことを考えると基本的に少なくともこの町では土地の値段が高いのか稼ぎが少ないのかもしれない。

そういえば俺もドキドキしてきた。密室に美少女二人と一緒にいるとか、ものすごくドキドキする。もしかしたら、何も無くても俺の理性が崩壊してしまうかもしれない。リーフィアはともかくウンディーネがなにかしでかすかもしれない。そうすれば薄い理性と言う名の防波堤があっさり崩れてしまいそうで怖い。そういう意味でも少しドキドキしていまう。まあそんなことを考えても仕方ないことだ。俺は深く考えないことにしてリーフィアたちが入った部屋に入った。

部屋に入るとリーフィアに言われた。

「えええええ、え、わざわざここに来たということは、せせせせ性行為をもうするんですか。体の相性で結婚を決めるような男だったんですか」
「え、わざわざもなにも。・・・・・あ、」
「ごめん。なんでもないや、木札ちょうだい」
「あ、そういう事だったんですね」
「ありがとう。おやすみ」

バタン。俺は勢い良くドアを閉めた。そういえばそうだった。完全に忘れていたがそういえば木札二つもらってた。クソ、あのおばあさんが余計なことをしなければ、美少女に二人に挟まれて寝て結局寝れなかったよ。イベントが発生するはずだったのに。ああ。なんだかんだで俺は美少女たちと寝たかったよ。状況が良かったらヤリたいよ。だって男だもん、童貞だもん。そんなことを思いつつリーフィアの隣の部屋に入った。

リーフィアの部屋に入ったときは良く見れなかったが今度は余裕があるので、この世界の基準を知る必要があるので観察をした。

部屋の中に入ると食堂と同じレベルの品質のイスと机が置いてあり、そのテーブルの上にはカリーの宿屋と同じくロウソクが置かれていた。さすがにカリーの宿屋よりランクがいくら下でもロウソクぐらいは置いてあるのだろう。カリーの宿屋とは違い、やはりベッドも見た感じフカフカそうには見えない。しかも、クローゼットなど収納具は置いていなかった。そういえばお風呂ここに来てから入ってないな。ニオイは大丈夫だろうか。

おっと思考がそれた。そういえば、スーツとかなかったら、あまりクローゼットとか必要じゃないし、ちょっとのシワもたいして気にならないから別にいらないし、クローゼットとかもいらないよな。長時間住むわけでもないし、リュックなどに入らないほどの大量に荷物を持ってくるわけでもないし、そう考えると最低限のサービスを提供している。という感じか、それで三人で銀貨一枚か、覚えておこう。

一通り観察し終えると俺はすぐにロウソクを消し手探りでベッドにたどり着き寝た。

今の時刻は8時27分だ。リーフィアに体を揺すられながら「起きてくださいヒョウガ」と言われて起きた。美少女に起こしてもらええるのは幸せだ。リーフィアが幼馴染なら結構よくあるシーンになっていたかもしれない。そんなことを考えつつ俺はベッドから体を起こし、リーフィア達と共に食堂に向かった。

食堂に向かうと結構人はいた。装備が少ないので冒険者初心者に良く利用されるらしい。恐らくここはリーフィアに頼んだとおり格安の宿屋なんだろう。ちなみに商人も一人いる。あの受けつけのおばさんの隣にいる似たようなやさしそうなおばさんから料理を貰うらしい。俺達はそのおばさんのところに行くとトレイを受け取り空いている席に行った。

空いている席に行って、朝食のメニューは触ると硬いパン二つと塩コショウで味付けられているキャベツとタマネギと細い肉切れ入ったスープだけだった。まあこれでまたステーキだったよりかはマシだと思うが昼は少ししか食べていないし、夜は食べていない俺達には少なかった。もちろん、おかわりなどは出来なかった。俺達はすぐに朝食を食べ終わり、トレイを出すと宿屋を出た。
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