1 / 11
ウェカピポVS日本
しおりを挟む
ウェカピポVS日本
「アイラブジャパニーズ!!!ヤッフォー!!」
ウェカピポ念願の日本に降り立つ!
ウェカピポは日本を愛している、いつも日本の喧騒を夢にみていたから
ウェカピポは財布に大金を入れて持ち歩かない、よく落とすから
ウェカピポは夜あまり出歩かない、暗いとこは苦手だから
ウェカピポは日本が好きでアメリカで日本語の勉強をしていたし持ち前の威勢の良さを買われ英会話講師として日本で暮らす事になった。その威勢の良さは歴代講師の中でもピカイチと言われる程のものだった。
さらにウェカピポがラッキーだったのは住まいがサクっと決まった事だろう。
二階建てのこじんりした賃貸アパート大和ハイツの大家であるチヨさんは凛とした佇まいでとても親身に右も左もわからないウェカピポの世話を焼いてくれた。
買い物の仕方からDVDレンタルの仕方からお箸の使い方から電車の乗り方からキャベツの千切りの仕方からタクシーの止め方からとにかくありとあらゆる知識をウェカピポに刷り込んだ。
おかげでウェカピポは威勢良く日本での生活をスタートする事ができたのであった・・・
だがしかし!ウェカピポは中々時差ボケが治らなかった。時差ボケだけは威勢の良さでカバーする事は出来なかった!時差ボケを治すのに1週間もかけてしまったので来日して3日目からの講師としての仕事も大遅刻。
「ゴメンナサイ!眠くて眠くてゴメンナサイ!」
威勢の良いゴメンナサイに最初は仕方ないよと言っていた店長だったが5日目に遅刻した際には店長から雷を落とされた。
「ウェカピポ!!困るよ!!君の威勢の良さを買って雇ったのに!!いい加減時差ボケを治したまえよ!ウェカピポ!!!!」
「ゥゥワイムソーリーです店長!!ウェカピポ気合い入れてきますオ!!!」
ゴメンナサイを通り越した威勢の良いアイムソーリーに店長思わず口をつぐんだ。ムゥ・・・
その日の夜、ウェカピポは朝方辺りに眠くなったが気合いで起きていた。1日不眠でいれば時差ボケを治せると思ったから。
どれだけ眠くなっても威勢よく顔を叩いた。
どれだけ眠くなっても威勢よく腕をつねった。
それでも眠くてウェカピポは顔を洗おうと洗面台へ向かい鏡を見て初めて自分が涙を流してる事に気付いた。
アメリカと日本の距離が!時差が!許せなかった。そしてアレだけ日本を愛していた自分がこの程度の困難を未だ克服出来ていない事が何よりも許せなかった
それでもきっと次の日には不眠を乗り切り威勢良く授業をするだろう。その次の日も・・・
その威勢の良さが彼の取り柄なのだから
それを失くせばウェカピポはウェカピポでなくなるのだから・・・
「アイラブジャパニーズ!!!ヤッフォー!!」
ウェカピポ念願の日本に降り立つ!
ウェカピポは日本を愛している、いつも日本の喧騒を夢にみていたから
ウェカピポは財布に大金を入れて持ち歩かない、よく落とすから
ウェカピポは夜あまり出歩かない、暗いとこは苦手だから
ウェカピポは日本が好きでアメリカで日本語の勉強をしていたし持ち前の威勢の良さを買われ英会話講師として日本で暮らす事になった。その威勢の良さは歴代講師の中でもピカイチと言われる程のものだった。
さらにウェカピポがラッキーだったのは住まいがサクっと決まった事だろう。
二階建てのこじんりした賃貸アパート大和ハイツの大家であるチヨさんは凛とした佇まいでとても親身に右も左もわからないウェカピポの世話を焼いてくれた。
買い物の仕方からDVDレンタルの仕方からお箸の使い方から電車の乗り方からキャベツの千切りの仕方からタクシーの止め方からとにかくありとあらゆる知識をウェカピポに刷り込んだ。
おかげでウェカピポは威勢良く日本での生活をスタートする事ができたのであった・・・
だがしかし!ウェカピポは中々時差ボケが治らなかった。時差ボケだけは威勢の良さでカバーする事は出来なかった!時差ボケを治すのに1週間もかけてしまったので来日して3日目からの講師としての仕事も大遅刻。
「ゴメンナサイ!眠くて眠くてゴメンナサイ!」
威勢の良いゴメンナサイに最初は仕方ないよと言っていた店長だったが5日目に遅刻した際には店長から雷を落とされた。
「ウェカピポ!!困るよ!!君の威勢の良さを買って雇ったのに!!いい加減時差ボケを治したまえよ!ウェカピポ!!!!」
「ゥゥワイムソーリーです店長!!ウェカピポ気合い入れてきますオ!!!」
ゴメンナサイを通り越した威勢の良いアイムソーリーに店長思わず口をつぐんだ。ムゥ・・・
その日の夜、ウェカピポは朝方辺りに眠くなったが気合いで起きていた。1日不眠でいれば時差ボケを治せると思ったから。
どれだけ眠くなっても威勢よく顔を叩いた。
どれだけ眠くなっても威勢よく腕をつねった。
それでも眠くてウェカピポは顔を洗おうと洗面台へ向かい鏡を見て初めて自分が涙を流してる事に気付いた。
アメリカと日本の距離が!時差が!許せなかった。そしてアレだけ日本を愛していた自分がこの程度の困難を未だ克服出来ていない事が何よりも許せなかった
それでもきっと次の日には不眠を乗り切り威勢良く授業をするだろう。その次の日も・・・
その威勢の良さが彼の取り柄なのだから
それを失くせばウェカピポはウェカピポでなくなるのだから・・・
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる