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ウェカピポVS板前
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ウェカピポVS板前
「コンニチハーー!!」
凄く威勢の良いこんにちはである
彼はウェカピポ。日本在住のアメリカ人ウェカピポ。
ウェカピポは過去を語らない、日本に来る前はイジメられてたから
ウェカピポは酒を飲まない、昔六本木で飲み過ぎて警察にお世話になった事があるから
ウェカピポは新聞を読まない、あまり漢字が得意ではないから
彼は英会話教室の講師をしている。生徒からは威勢が良いね!と評判だ
なんといってもウェカピポは威勢の良さだけで困難を乗り切ってるのだから。
ウェカピポは最近ようやくお箸が上手に使えるようになってご機嫌だ
肉じゃがのジャガイモが上手にお箸で摘めて笑顔になれる。そんな幸せな男ウェカピポ
そんなウェカピポが今チャレンジしようと試みてるのは1人で寿司屋へ行ってみること。寿司屋でフォークは出してくれないからね!1人寿司屋でお箸マスターになるのだ!
遂にその機会が来てウェカピポ今日はテンション高めでコンニチハにも力が入る
「皆さんコンニチハァー!!ナイストゥーミートゥー!」
「ナイストゥーミートゥートゥーウェカピポ」
ウェカピポ今晩の寿司の事を考えると授業にもついつい熱が入る
「イェース!イェース!グレェイト!カムァーーン!!」
ウェカピポの熱血授業に生徒達も必死についてくる。そして講義終了
ウェカピポ念願の寿司屋へ普段使わないタクシーを使い駆けつける!
胸のトキメキとドキドキが止まらない。ウェカピポは今、日本に来て本当に良かったと心から思っていた。
アイラブジャパニーズの精神
それこそがウェカピポの精神を支配する。
ガララと純和風の引き戸を開けると板前さんがらっしゃーーいとウェカピポを迎え入れた。
「何にいたしやしょう?」
その問いかけによるウェカピポの答えは決まっていた。
「イタマエサンにお任せいたしやす!」
威勢の良いお任せいたしやすに板前にも自然と笑みがこぼれる
2人は視線を合わせるとお互い何かを確かめるように頷きあった。
5分後
「ヘイ!お待ち!」
ウェカピポの目前に出された物体を見てウェカピポは一瞬、思考が停止した。
か、カリフォルニアロール、、、だと、、、!?
ウェカピポの前にはペットボトルサイズのカリフォルニアロールが輪切りにされて置かれていた。もちろんお箸もなかった。手で掴んで食えって事なのだろうか。
持ち前の威勢の良さでカリフォルニアロールにかじりつくウェカピポ
悔しいが美味い。エビとアボガドが口の中で混ざり合い。醤油マヨネーズがその架け橋になるかの如く最高のハーモニーを生み出している。酢飯に海老、アボガド、醤油にマヨネーズ!日米友好の架け橋にも程があるぜ・・・こんちきしょうめ!
ウェカピポは食べ終わるとそっとレジに行き会計を済ませると満員の地下鉄に揺られ帰路に着いた。
そして顔を洗おうと洗面台で鏡を見ると自分が涙を流して居る事に気付いた。
自分が外人であるが故に板前からカリフォルニアロールを出された屈辱とそれを美味しく食べてしまった自分自身が許せなかった。
それでもウェカピポは次の日も、元気にコンニチハを言ってる事だろう
またその次の日も・・・
その威勢の良さこそが彼の取り柄なのだから
それを失くせばウェカピポはウェカピポじゃなくなるのだから・・・
「コンニチハーー!!」
凄く威勢の良いこんにちはである
彼はウェカピポ。日本在住のアメリカ人ウェカピポ。
ウェカピポは過去を語らない、日本に来る前はイジメられてたから
ウェカピポは酒を飲まない、昔六本木で飲み過ぎて警察にお世話になった事があるから
ウェカピポは新聞を読まない、あまり漢字が得意ではないから
彼は英会話教室の講師をしている。生徒からは威勢が良いね!と評判だ
なんといってもウェカピポは威勢の良さだけで困難を乗り切ってるのだから。
ウェカピポは最近ようやくお箸が上手に使えるようになってご機嫌だ
肉じゃがのジャガイモが上手にお箸で摘めて笑顔になれる。そんな幸せな男ウェカピポ
そんなウェカピポが今チャレンジしようと試みてるのは1人で寿司屋へ行ってみること。寿司屋でフォークは出してくれないからね!1人寿司屋でお箸マスターになるのだ!
遂にその機会が来てウェカピポ今日はテンション高めでコンニチハにも力が入る
「皆さんコンニチハァー!!ナイストゥーミートゥー!」
「ナイストゥーミートゥートゥーウェカピポ」
ウェカピポ今晩の寿司の事を考えると授業にもついつい熱が入る
「イェース!イェース!グレェイト!カムァーーン!!」
ウェカピポの熱血授業に生徒達も必死についてくる。そして講義終了
ウェカピポ念願の寿司屋へ普段使わないタクシーを使い駆けつける!
胸のトキメキとドキドキが止まらない。ウェカピポは今、日本に来て本当に良かったと心から思っていた。
アイラブジャパニーズの精神
それこそがウェカピポの精神を支配する。
ガララと純和風の引き戸を開けると板前さんがらっしゃーーいとウェカピポを迎え入れた。
「何にいたしやしょう?」
その問いかけによるウェカピポの答えは決まっていた。
「イタマエサンにお任せいたしやす!」
威勢の良いお任せいたしやすに板前にも自然と笑みがこぼれる
2人は視線を合わせるとお互い何かを確かめるように頷きあった。
5分後
「ヘイ!お待ち!」
ウェカピポの目前に出された物体を見てウェカピポは一瞬、思考が停止した。
か、カリフォルニアロール、、、だと、、、!?
ウェカピポの前にはペットボトルサイズのカリフォルニアロールが輪切りにされて置かれていた。もちろんお箸もなかった。手で掴んで食えって事なのだろうか。
持ち前の威勢の良さでカリフォルニアロールにかじりつくウェカピポ
悔しいが美味い。エビとアボガドが口の中で混ざり合い。醤油マヨネーズがその架け橋になるかの如く最高のハーモニーを生み出している。酢飯に海老、アボガド、醤油にマヨネーズ!日米友好の架け橋にも程があるぜ・・・こんちきしょうめ!
ウェカピポは食べ終わるとそっとレジに行き会計を済ませると満員の地下鉄に揺られ帰路に着いた。
そして顔を洗おうと洗面台で鏡を見ると自分が涙を流して居る事に気付いた。
自分が外人であるが故に板前からカリフォルニアロールを出された屈辱とそれを美味しく食べてしまった自分自身が許せなかった。
それでもウェカピポは次の日も、元気にコンニチハを言ってる事だろう
またその次の日も・・・
その威勢の良さこそが彼の取り柄なのだから
それを失くせばウェカピポはウェカピポじゃなくなるのだから・・・
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