6 / 55
一反木綿のキヌちゃん編
小洗屋のシラタマと一反木綿のキヌちゃん 6話
しおりを挟む
シラタマは毎日の小豆洗いでもらえるお小遣いをたぬき貯金箱にこぼさぬように入れていく。
……ちゃりん。ちゃりん。
振ってみるがまだまだ少ない。
囲炉裏の前でたぬきを転がし、しかめっつらで足をバタバタさせるシラタマに母が笑う。
「シラタマ、貯まったらなにを買うの?」
シラタマは素早く起き上がって答えた。
「キヌちゃんのお着物、だよ!」
──糸史の弟子となったキヌちゃんは今、羅生門で着物の染めの勉強をしているという。
ハガキの返事を書きながら、羅生門がどんなところか想像してみたシラタマだが、なかなか想像ができない。
「母ちゃん、羅生門ってどんなとこ?」
「そうね、職人が多いところよ。お父ちゃんも、そこで和菓子の修行をしてたのよ?」
母は年に数回、都に和菓子を卸しに行っている。
その光景を母は思い出しながら話してくれたようだ。
「シラタマも大きくなったから、今度はいっしょにいきましょうか」
「うん!」
シラタマは都にいく日を楽しみにしながらも、自分に物足りなさを感じていた。
キヌちゃんには目標があって、それを叶えるために、今、羅生門で勉強している。
父もまた羅生門で和菓子の修行をしていたと聞くと、より自分になにもないように感じてしまう。
「シラタマ」
母がシラタマの頭をなでる。
「急がなくていいの。たくさん時間はあるわ。なりたいもの、やりたいこと、知ってみたいもの、いっしょにさがしていきましょう」
シラタマは母の胸に頭をこすりつけ、ゴロゴロと喉を鳴らした。
自分のやりたいことはなんだろう。
でも今は、知りたいものをさがしてみよう。
シラタマはふふんと鼻を鳴らし、今日の夕飯はなんだろうかと、母といっしょに夕飯の支度を手伝うことにした。
……ちゃりん。ちゃりん。
振ってみるがまだまだ少ない。
囲炉裏の前でたぬきを転がし、しかめっつらで足をバタバタさせるシラタマに母が笑う。
「シラタマ、貯まったらなにを買うの?」
シラタマは素早く起き上がって答えた。
「キヌちゃんのお着物、だよ!」
──糸史の弟子となったキヌちゃんは今、羅生門で着物の染めの勉強をしているという。
ハガキの返事を書きながら、羅生門がどんなところか想像してみたシラタマだが、なかなか想像ができない。
「母ちゃん、羅生門ってどんなとこ?」
「そうね、職人が多いところよ。お父ちゃんも、そこで和菓子の修行をしてたのよ?」
母は年に数回、都に和菓子を卸しに行っている。
その光景を母は思い出しながら話してくれたようだ。
「シラタマも大きくなったから、今度はいっしょにいきましょうか」
「うん!」
シラタマは都にいく日を楽しみにしながらも、自分に物足りなさを感じていた。
キヌちゃんには目標があって、それを叶えるために、今、羅生門で勉強している。
父もまた羅生門で和菓子の修行をしていたと聞くと、より自分になにもないように感じてしまう。
「シラタマ」
母がシラタマの頭をなでる。
「急がなくていいの。たくさん時間はあるわ。なりたいもの、やりたいこと、知ってみたいもの、いっしょにさがしていきましょう」
シラタマは母の胸に頭をこすりつけ、ゴロゴロと喉を鳴らした。
自分のやりたいことはなんだろう。
でも今は、知りたいものをさがしてみよう。
シラタマはふふんと鼻を鳴らし、今日の夕飯はなんだろうかと、母といっしょに夕飯の支度を手伝うことにした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
26
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる