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2話 謁見へ向かう道
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身支度を整えた私たちは、12人の星座の神々が集まる神殿へと赴くことになった。
私は令嬢なので、ペガサスの馬車に引かれて神殿へと向かう。
馬車の中は意外と広い。しかも座り心地がいいし、ペガサスだから揺れもない。
流れる景色はゲームと同じ。
朝日が流れ出して、辺りに森林が広がる。
色の濃い緑が辺りを包み、どこまでも瑞々しい。
見上げた空は雲ひとつない。
「今日はいい天気ね」
私がつい口に出すと、デジーは笑った。
「この神殿の場所は常に晴れているではありませんか」
そうだ。
このゲームには雨や嵐など、そんなシステムなかったな………
神殿を囲むように森があり、その森を越えて都がある。
この都もよく栄えていたと思う。学業も盛んだったし、いくつもクエストをこなしたなぁ。そそ、あの都のケーキ、すんごく美味しそうだったし、都の地下の遺跡も、もっと探索してみたかったな。
流れる森林を見ていると、赤く光る目が見える。
───魔物だ。
そうそう、この森には魔物が住んでるんだ。
神殿を守る役目もあるものの、神殿に悪さをする魔物もいるので討伐もしなければならない。
あー………
主人公はたしか歩きだったはず。
たしか、自分の村から歩いてこの神殿まで来るんだよね。
で、移動の仕方ととバトルのチュートリアルがあったんだよね………
「ってことは、私も戦うんじゃん!」
がばりと馬車内で立ち上がった私に、デジーは仰け反った。
低い天井に頭をぶつけ、頭をさすりながら座りこむ。
「ね、デジー、ここ、魔物とか出るから戦うよね?」
「それはそうですけど。お嬢様は蛇使いの神・オフィクス様がついているじゃありませんか。ご安心くださいませ」
「……あいつ、そんなチートあったんだ……」
「お嬢様?」
「いや、なんでも。そのオフィクスは……心で話しかければ出てくる……だよね?」
「そうです。あなたの守護神なのですから、あなたがお呼びになればお側に来られます。……レイヤ様、本当に大丈夫ですか?」
デジーに心配されるのも無理はない。
この世界のレイヤの記憶が私のバックボーンにあるものの、上っ面は女子高生の私だ。
懐かしい、知っている、ここのシステム的なものはレイヤの意識に触れないと現れてこない。
私という記憶の壁を抜けて、レイヤの記憶にいくのだから、多少時差が生じてしまうのも無理もない。
でもそう思うと、レイヤを私が乗っ取ってしまった気にもなる。
───ごめんね、レイヤ。
心の中で私が呟くと、
『レイヤは、レイヤだ』
………え、櫻井◯宏さん!?
イケボがして、赤い煙と共に現れたのは、朱色ローブを纏った男である。
さらに私の隣に優雅に腰かけたではないか!!!!!
あー、これがオフィクス………
ゲームだとレイヤの後ろにいた護衛キャラ。
モブ中のモブ!
ローブ姿しかないし、公式ファンブックでも鼻しかみえないぐらいの、本当にモブ。
こいつにセリフ………あった!
戦う時に「とぅ」「はぁ」「せぃ」「ぐぅ」ぐらい。
公式ファンブックでは、声優は「????」と表記されてたけど、なるほど。
水瓶座の神・アクエリアスをやってた櫻◯さんが、声をあててたのね。
つか、公式否定してたじゃん。
みんな言ってたの当たってたじゃぁーんっ!!!!
「どうかしたのか、レイヤ」
声がまんまじゃないですかねー!!!!!
し・か・も!!!!!
なに、このアラビアンな褐色の肌に、赤い目。髪の毛は黒でロングで、ちょっとくせ毛、とか………
もう、なに、私を萌え殺す気っ!!!!!
「顔が赤いぞ? 熱でもあるのか?」
赤い爪が伸びる指が私の頬を優しく撫でていく。
「………いっ、さく……じゃなかった、オフィクス、大丈夫! だいじょぉーぶっ!」
「本当か?」
「そんなに顔近づけなくていいから!!!」
「あまり無理はしないよう過ごそう」
オフィクスはそう言って、私の手をそっと掴む。
薄く笑う顔は優しくて………
おい、レイヤ、なんで、12星座なんか狙ってんのよ!!!!
もう、いいじゃん、オフィクスで!!!!!!
私は令嬢なので、ペガサスの馬車に引かれて神殿へと向かう。
馬車の中は意外と広い。しかも座り心地がいいし、ペガサスだから揺れもない。
流れる景色はゲームと同じ。
朝日が流れ出して、辺りに森林が広がる。
色の濃い緑が辺りを包み、どこまでも瑞々しい。
見上げた空は雲ひとつない。
「今日はいい天気ね」
私がつい口に出すと、デジーは笑った。
「この神殿の場所は常に晴れているではありませんか」
そうだ。
このゲームには雨や嵐など、そんなシステムなかったな………
神殿を囲むように森があり、その森を越えて都がある。
この都もよく栄えていたと思う。学業も盛んだったし、いくつもクエストをこなしたなぁ。そそ、あの都のケーキ、すんごく美味しそうだったし、都の地下の遺跡も、もっと探索してみたかったな。
流れる森林を見ていると、赤く光る目が見える。
───魔物だ。
そうそう、この森には魔物が住んでるんだ。
神殿を守る役目もあるものの、神殿に悪さをする魔物もいるので討伐もしなければならない。
あー………
主人公はたしか歩きだったはず。
たしか、自分の村から歩いてこの神殿まで来るんだよね。
で、移動の仕方ととバトルのチュートリアルがあったんだよね………
「ってことは、私も戦うんじゃん!」
がばりと馬車内で立ち上がった私に、デジーは仰け反った。
低い天井に頭をぶつけ、頭をさすりながら座りこむ。
「ね、デジー、ここ、魔物とか出るから戦うよね?」
「それはそうですけど。お嬢様は蛇使いの神・オフィクス様がついているじゃありませんか。ご安心くださいませ」
「……あいつ、そんなチートあったんだ……」
「お嬢様?」
「いや、なんでも。そのオフィクスは……心で話しかければ出てくる……だよね?」
「そうです。あなたの守護神なのですから、あなたがお呼びになればお側に来られます。……レイヤ様、本当に大丈夫ですか?」
デジーに心配されるのも無理はない。
この世界のレイヤの記憶が私のバックボーンにあるものの、上っ面は女子高生の私だ。
懐かしい、知っている、ここのシステム的なものはレイヤの意識に触れないと現れてこない。
私という記憶の壁を抜けて、レイヤの記憶にいくのだから、多少時差が生じてしまうのも無理もない。
でもそう思うと、レイヤを私が乗っ取ってしまった気にもなる。
───ごめんね、レイヤ。
心の中で私が呟くと、
『レイヤは、レイヤだ』
………え、櫻井◯宏さん!?
イケボがして、赤い煙と共に現れたのは、朱色ローブを纏った男である。
さらに私の隣に優雅に腰かけたではないか!!!!!
あー、これがオフィクス………
ゲームだとレイヤの後ろにいた護衛キャラ。
モブ中のモブ!
ローブ姿しかないし、公式ファンブックでも鼻しかみえないぐらいの、本当にモブ。
こいつにセリフ………あった!
戦う時に「とぅ」「はぁ」「せぃ」「ぐぅ」ぐらい。
公式ファンブックでは、声優は「????」と表記されてたけど、なるほど。
水瓶座の神・アクエリアスをやってた櫻◯さんが、声をあててたのね。
つか、公式否定してたじゃん。
みんな言ってたの当たってたじゃぁーんっ!!!!
「どうかしたのか、レイヤ」
声がまんまじゃないですかねー!!!!!
し・か・も!!!!!
なに、このアラビアンな褐色の肌に、赤い目。髪の毛は黒でロングで、ちょっとくせ毛、とか………
もう、なに、私を萌え殺す気っ!!!!!
「顔が赤いぞ? 熱でもあるのか?」
赤い爪が伸びる指が私の頬を優しく撫でていく。
「………いっ、さく……じゃなかった、オフィクス、大丈夫! だいじょぉーぶっ!」
「本当か?」
「そんなに顔近づけなくていいから!!!」
「あまり無理はしないよう過ごそう」
オフィクスはそう言って、私の手をそっと掴む。
薄く笑う顔は優しくて………
おい、レイヤ、なんで、12星座なんか狙ってんのよ!!!!
もう、いいじゃん、オフィクスで!!!!!!
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