13周目は悪役令嬢!? いやいや、私は好きに攻略させてもらいますっ!

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12話 目覚めは始まり

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 パチンという手を叩く音───
 それと同時に、私の目は覚めた。

 見上げた天井は、きらびやかな模様が入った高級そうな天井だ。
 体を起こすと、ロングの髪の毛が流れてくる。

「青銀髪の髪……」

 そっとベッドから起き、鏡に顔を映す。
 違和感のある顔。レイヤの顔だ。

「見慣れない、か……」

 私は人の髪を梳くように、木の櫛でそっとなでる。
 もう女子高生の私の顔も濁ってきた。
 自分の顔って意外と早く忘れるのかも。

 髪を梳きおわったころ、ドアがノックされる。

「はい」

 扉が勢いよく開いた。そこには驚きの顔のデジーがいる。

「お嬢様、もう起きてらっしゃったんですか?!」
「たまたまね。そんなに驚かないでよ。おはよ、デジー」
「おはようございます」

 デジーはに私の髪を結い上げてくれる。

「デジー、今日は何の日だっけ」
「今日はお嬢様念願の日ではありませんか!」

 私はぐっとデジーの言葉を待つ。

「この世界の探索を12の神々より命ぜられる日ですよ。12神の加護、そして守護神となられたオフィクス様と一緒に各地の遺跡や言語の収集に務めていただくのです。そんな大役を、あのレイヤお嬢様が………デジーは嬉しくて嬉しくて!」

 半泣きのデジーを慰めながら、私は心の中でオフィクスを呼んだ。

「どうした、レイヤ」
「いいえ。呼んでみただけ。いるかなって」
「俺はいつでもお前のそばにいる。約束したからな」

 身支度の整った私にオフィクスはデコツンをしてきた。
 一気に顔が燃え上がる。
 朝から刺激が強すぎる!!!
 なのに、オフィクスは変わらない。

「どうした、レイヤ? 熱でもあるのか?」

 褐色の骨ばった指が私の頬をなでていく。
 それがこそばゆくて、優しくて、なんとか彼の手を取り、「大丈夫」俯いたままなんとか言う。

「さ、お嬢様、神殿へお向かいください」

 デジーの言葉に押され、私はあのペガサスの馬車に乗り込んだ。

 今回デジーは屋敷で見送りだ。
 寮生活ではなく、屋敷を拠点にするからだろうか。

「……レイヤ、本当に良かったのか」

 オフィクスだ。
 何のことかと眉をあげてみせる。
 それにオフィクスは小さく息を吐き、

「俺とずっと旅にでることになる。危険も多い。もちろん、レイヤの魔法スキルのレベル上げをしたりとか」
「約束したじゃない。オフィクスが守ってくれるって」

 となりのオフィクスに私が詰めよると、彼はくすりと笑った。

「ああ、俺が守る。約束だ」

 優しいデコツンが額に響いた。



 神殿に着くと、あの長い廊下だ。
 思った通り、走ってくるソフィアがいる。

「レイヤっ!!!」

 がしりとお互い抱き合い、彼女の制服姿に私は喜んだ。

「その制服、めっちゃ可愛い!」
「でしょ?」

 くるりと回って見せてくれた制服は、膝丈スカートに大きな襟と長い袖口で、ファンタジーらしい無駄の多い制服だ。ピンク色を基調としていて、とても可愛らしい。
 後ろについているのは、コメット君だ。彼も同じ学校に通うようで、やはりファンタジーらしい無駄の多い制服を着ている。

「あ、コメット君はあたしと同級生で、私の……サポーター?」

 ぺこりと頭を下げられたので、私もぺこりと頭を下げる。
 が、この雰囲気、何かおかしいと、私はぐぐっとソフィアに顔を寄せた。

「ちょっと、コメット君がサポーターって……嘘でしょ、それ」
「いやまじあたしもよくわかんないんだけど………なんか朝起きたら、許嫁になってて………」
「はぁ!?!?」
「声でかいってっば!」
「ちょ……ソフィアはそれでいいわけ?」
「………うん。一番長い時間、過ごしてきた人だしね」

 私たちは笑い合い、2人で肩を並べて歩いていけば瞬く間に扉の前だ。
 再び現れた扉の前で、改めて私たちは誓い合う。

「私が外を探索して、この世界の歴史を回収する」
「それをあたしが解析する。あたしたちは、外と中で、この世界を支えていくの!」

 ゆっくりと扉が開いていく。
 真っ白な光が体を包んでいく。

「この世界を楽しもう、ソフィア!」
「うん! 楽しんだ者勝ちだよ、レイヤ!」

 私たちは新しい一歩を、ここに踏み出した─────
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