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第2章 カフェから巡る四季
第77話 ピーマンの肉詰めってめんどくさくない?
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【ピーマンの肉詰めの作り方】
その1、ハンバーグの生地をつくる
その2、ピーマンを縦半分にし、タネをとり、小麦粉をまぶす
その3、生地をつめる
その4、焼く
「めっちゃ、工程、多くね?」
そういうのは巧だ。
何の気なしに、食べたいな、と思って作ってみたら、まぁめんどくさい。
「だいたいさ、焼くと、ピーマンと肉、分離するし」
「へー、すごいね、巧。もう、プロじゃん!」
純粋な目で、すごいすごいとはやし立てるのは、瑞樹だ。
今日はふたりで遅めのランチに来てくれている。
「ね、莉子さんは、どう焼く?」
巧の、今回の失敗をどうにかクリアしたいという気持ちが見える質問に、莉子は「うん」と小さく唸る。
「けっこう、いろんな焼き方あるよね。ピーマンのヘタのところ切り落として、ピーマンの中に入れて焼く、とか」
「「あー」」
「でも、それすると、焼くのに時間がかかったりするんだよね」
「じゃあ、莉子さんはどうしてるの?」
「あくまで、私は。正解は、美味しかったら、全部正解だからね」
そう言い含めて、莉子はスキレットを用意した。
そこにピーマンと、今日のハンバーグランチの焼く前、ハンバーグのタネがある。
「めんどくさいからね、ピーマン割って、タネとって洗ったら、しっかり水気はふいて、そのままたっぷりタネをつめる」
「「は?」」
「で、肉の面を下にして、焼く」
「それ、手抜き。小麦粉つけないの? にしたって、めっちゃフツーじゃん」
「甘いな、巧くん。なんで、スキレットなのか、わかるかい?」
莉子は、肉面に焦げ目がついたぐらいまで焼くと、スキレットを足元のオーブンに入れた。
「私、ピーマンに焦げ目がついてるのが好きなの。これなら、中までじっくり、ピーマンの面も裏返さなくても焼けるし。しかも、放置しておけるからね」
「「おー……」」
その間に、ケチャップとソースを適当に混ぜ、パンを軽くトーストしはじめた。
お湯を溶かせばできるスープをカップに用意したところで、オーブンが焼きあがりを知らせる。
「はい。これで、私のランチができあがり」
莉子はふたりのとなりにスキレットを置き、パンと、ソース、スープを並べると、中休憩のクローズを出しに行った。
「瑞樹、スキレットいいな」
「いいよね。IHでも使えてるし、見栄えもいいし」
「はいはい。スキレットは使い込めばこむほど、いい味でるから、使ってみてよ。……は、ふ、……うま」
莉子の食べっぷりをみて、ふたりはのどを鳴らす。
「さっき、ランチ食べでしょ、ふたりとも」
「莉子さんの食べてるのみたら、お腹減ってきた」
「巧も? 莉子さーん、なんか食べたーい」
莉子はふんと鼻をならすと、
「ケースに入ってるケーキ、食べて」
「ケーキ! いいね! ね、巧、なんにするー?」
「えー……オレね、ガトーショコラ」
「オッケー。じゃあ、こっちにしようかな……」
いつまでも素直でいてほしいと願う、莉子がそこにいた。
その1、ハンバーグの生地をつくる
その2、ピーマンを縦半分にし、タネをとり、小麦粉をまぶす
その3、生地をつめる
その4、焼く
「めっちゃ、工程、多くね?」
そういうのは巧だ。
何の気なしに、食べたいな、と思って作ってみたら、まぁめんどくさい。
「だいたいさ、焼くと、ピーマンと肉、分離するし」
「へー、すごいね、巧。もう、プロじゃん!」
純粋な目で、すごいすごいとはやし立てるのは、瑞樹だ。
今日はふたりで遅めのランチに来てくれている。
「ね、莉子さんは、どう焼く?」
巧の、今回の失敗をどうにかクリアしたいという気持ちが見える質問に、莉子は「うん」と小さく唸る。
「けっこう、いろんな焼き方あるよね。ピーマンのヘタのところ切り落として、ピーマンの中に入れて焼く、とか」
「「あー」」
「でも、それすると、焼くのに時間がかかったりするんだよね」
「じゃあ、莉子さんはどうしてるの?」
「あくまで、私は。正解は、美味しかったら、全部正解だからね」
そう言い含めて、莉子はスキレットを用意した。
そこにピーマンと、今日のハンバーグランチの焼く前、ハンバーグのタネがある。
「めんどくさいからね、ピーマン割って、タネとって洗ったら、しっかり水気はふいて、そのままたっぷりタネをつめる」
「「は?」」
「で、肉の面を下にして、焼く」
「それ、手抜き。小麦粉つけないの? にしたって、めっちゃフツーじゃん」
「甘いな、巧くん。なんで、スキレットなのか、わかるかい?」
莉子は、肉面に焦げ目がついたぐらいまで焼くと、スキレットを足元のオーブンに入れた。
「私、ピーマンに焦げ目がついてるのが好きなの。これなら、中までじっくり、ピーマンの面も裏返さなくても焼けるし。しかも、放置しておけるからね」
「「おー……」」
その間に、ケチャップとソースを適当に混ぜ、パンを軽くトーストしはじめた。
お湯を溶かせばできるスープをカップに用意したところで、オーブンが焼きあがりを知らせる。
「はい。これで、私のランチができあがり」
莉子はふたりのとなりにスキレットを置き、パンと、ソース、スープを並べると、中休憩のクローズを出しに行った。
「瑞樹、スキレットいいな」
「いいよね。IHでも使えてるし、見栄えもいいし」
「はいはい。スキレットは使い込めばこむほど、いい味でるから、使ってみてよ。……は、ふ、……うま」
莉子の食べっぷりをみて、ふたりはのどを鳴らす。
「さっき、ランチ食べでしょ、ふたりとも」
「莉子さんの食べてるのみたら、お腹減ってきた」
「巧も? 莉子さーん、なんか食べたーい」
莉子はふんと鼻をならすと、
「ケースに入ってるケーキ、食べて」
「ケーキ! いいね! ね、巧、なんにするー?」
「えー……オレね、ガトーショコラ」
「オッケー。じゃあ、こっちにしようかな……」
いつまでも素直でいてほしいと願う、莉子がそこにいた。
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