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第2章 カフェから巡る四季
第125話 キッシュ風玉子焼き
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キッシュ。
パイ生地の中に卵液を注ぎ、焼き上げる食べ物。
なのだが、莉子はパイ生地を焼いてから、さらに焼くことが面倒になっていた──
「今日はひとりだからなぁ……」
明日は定休日。
今日は誰も来ないと連絡が来ている。
式典の準備があるそう。
……となると、本日、定時に閉店できる日となる。
現在19時。雨も降り出し、来店はないと見込み、クローズをだした。
莉子は店内を閉め確認しながら、少し日持ちする食べ物を作っておき、2日かけて食べ切りたいなーと考えてみる。
とはいえ、そんな都合よく食材はないもので、冷蔵庫から見つけたのは大量の卵だ。
「なんで、箱で買ったの……?」
見てみると、定休日あけのメニューにオムライスの予定がある。
先週の自分は、とてもやる気があったようだ。
卵を握り、冷凍庫を見て、莉子は決めた。
「キッシュ風オムレツにするか」
決めると、莉子はすぐにスキレットを取りだした。
そこへバターを入れ、冷凍ほうれん草とカットしたベーコン、マッシュルーム、を塩コショウで炒めていく。
火が通ったら、オーブンを温め始め、卵液を作っていく。
卵は3個。生クリーム100cc、粉末コンソメを少し入れ、ピザ用チーズをたっぷり投入し、混ぜれば完成。
具材を炒めておいたスキレットに卵液を流し、ザッザッと混ぜて、最後にプチトマトを好きなように配置、焼けば完成。
180℃くらいで20分見て、火が通ってないようなら延長しようと、莉子は片付けの続きに取り掛かった。
「……戸締り、レジ、OK……水周り確認…と……お!」
オーブンの音を聞き、竹串で卵液の状態を見てから、莉子はスキレットを取り出すと、さらに放置。
この料理はアツアツを食べる料理じゃないのだ。
冷めてから食べる料理なのである。
莉子は一度アツアツを食べたくて切ろうとしたのだが、焼けた生地がふわふわ、悪くいうとびちゃびちゃで、うまく切れず。
冷めてから再挑戦すると、水分も落ち着き、切り分けも簡単!
しっとりキッシュへと変貌していた。
茶碗蒸しは、アツアツをふわふわ食べる料理の定番。
そんなイメージの卵料理だったが、食べるタイミングが必要だとは知らなかったのだ。
莉子は、それからというもの、しっかりと冷ますものは冷まし、落ち着けてから食べるようにしている。
全ての片付けを終え、店内の電気を落とし、莉子は冷えた白ワインを小脇に、スキレットを片手に持ち、自室へと上がっていく。
自室の片付けはそこそこに、さっそくとグラスに白ワインを注ぎ、スキレットにナイフを入れた。
「……うまい…ヤバい……今日でペロリしちゃいそう……」
焼けたトマトの酸味、そして卵のほんのりした甘みはもちろん、チーズの塩気も丁度いい!
ほうれん草の歯ごたえと、マッシュルームの旨みが口のなかで広がる。
ここに酸味強めの白ワインを流せば、バッチリマッチ!
いくらでも飲めてしまう!!!
莉子はさらに冷蔵庫の奥からチーズ、ポテトチップスを皿にあけ、莉子はテレビの電源を入れた。
映画を見るためだ。
こういう日のために、リスト化したタイトルから映画を選んでいく。
まだ今日の夜は始まったばかり。
莉子はスマホの画面をすぐ見える場所に置き、映画の再生ボタンを押した。
パイ生地の中に卵液を注ぎ、焼き上げる食べ物。
なのだが、莉子はパイ生地を焼いてから、さらに焼くことが面倒になっていた──
「今日はひとりだからなぁ……」
明日は定休日。
今日は誰も来ないと連絡が来ている。
式典の準備があるそう。
……となると、本日、定時に閉店できる日となる。
現在19時。雨も降り出し、来店はないと見込み、クローズをだした。
莉子は店内を閉め確認しながら、少し日持ちする食べ物を作っておき、2日かけて食べ切りたいなーと考えてみる。
とはいえ、そんな都合よく食材はないもので、冷蔵庫から見つけたのは大量の卵だ。
「なんで、箱で買ったの……?」
見てみると、定休日あけのメニューにオムライスの予定がある。
先週の自分は、とてもやる気があったようだ。
卵を握り、冷凍庫を見て、莉子は決めた。
「キッシュ風オムレツにするか」
決めると、莉子はすぐにスキレットを取りだした。
そこへバターを入れ、冷凍ほうれん草とカットしたベーコン、マッシュルーム、を塩コショウで炒めていく。
火が通ったら、オーブンを温め始め、卵液を作っていく。
卵は3個。生クリーム100cc、粉末コンソメを少し入れ、ピザ用チーズをたっぷり投入し、混ぜれば完成。
具材を炒めておいたスキレットに卵液を流し、ザッザッと混ぜて、最後にプチトマトを好きなように配置、焼けば完成。
180℃くらいで20分見て、火が通ってないようなら延長しようと、莉子は片付けの続きに取り掛かった。
「……戸締り、レジ、OK……水周り確認…と……お!」
オーブンの音を聞き、竹串で卵液の状態を見てから、莉子はスキレットを取り出すと、さらに放置。
この料理はアツアツを食べる料理じゃないのだ。
冷めてから食べる料理なのである。
莉子は一度アツアツを食べたくて切ろうとしたのだが、焼けた生地がふわふわ、悪くいうとびちゃびちゃで、うまく切れず。
冷めてから再挑戦すると、水分も落ち着き、切り分けも簡単!
しっとりキッシュへと変貌していた。
茶碗蒸しは、アツアツをふわふわ食べる料理の定番。
そんなイメージの卵料理だったが、食べるタイミングが必要だとは知らなかったのだ。
莉子は、それからというもの、しっかりと冷ますものは冷まし、落ち着けてから食べるようにしている。
全ての片付けを終え、店内の電気を落とし、莉子は冷えた白ワインを小脇に、スキレットを片手に持ち、自室へと上がっていく。
自室の片付けはそこそこに、さっそくとグラスに白ワインを注ぎ、スキレットにナイフを入れた。
「……うまい…ヤバい……今日でペロリしちゃいそう……」
焼けたトマトの酸味、そして卵のほんのりした甘みはもちろん、チーズの塩気も丁度いい!
ほうれん草の歯ごたえと、マッシュルームの旨みが口のなかで広がる。
ここに酸味強めの白ワインを流せば、バッチリマッチ!
いくらでも飲めてしまう!!!
莉子はさらに冷蔵庫の奥からチーズ、ポテトチップスを皿にあけ、莉子はテレビの電源を入れた。
映画を見るためだ。
こういう日のために、リスト化したタイトルから映画を選んでいく。
まだ今日の夜は始まったばかり。
莉子はスマホの画面をすぐ見える場所に置き、映画の再生ボタンを押した。
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