59 / 61
第五十九話 土曜日 黄昏刻 〜決着
しおりを挟む
刀が消えたことで、ぼくは地面に転がった。
すぐに嶌田の体が青い炎に包まれ燃えだした。
『やめろぉぉ! 消せ! 殺すっ! 死ねっ! 消えろっ!!!』
すべての順位が一番なんだ。
───殺したいし、炎を消したい。
だけれど、炎ので地面にしばりつけられたようで、身動きがとれないまま、黒い煤が空に昇っていく。
ぼくは心臓のある場所に手を当ててみた。
泥で汚れている。
泥で汚れてる……?
「……え? え? ええ?」
橘を見ると、すでに先生が橘を助けていた。
来るなら最初から来いよ、バカ狐!
でも、なんで、血が出てない?!
「凌よ、大丈夫か?」
そう見下ろすのは、幼い日に会った彼と全く同じ彼だった。
やさしい目はいつもの冴鬼とかわらないけど、大人びた声に驚いてしまう。
「炎の刀は妖しか斬れん。安心せい」
そういいながら、大人の冴鬼はぼくの前に膝をついた。
そして、ぼくの視線に冴鬼はじっと体をかがめる。
「……しかし凌よ、よくわしを信じてくれた。わしはお前と戦えたこと、誇りに思うぞ」
大きな手。少しごつくて、それでも優しい手がぼくの頭を一度なでる。
おもわず頭を下げてしまい、すぐに視線を上げるけと、もういつもの冴鬼に戻っている。
横から何か迫る音がする。
冴鬼とぼくを抱えるように、飛び込んできたのは橘だ。
「みんな生きてるよぉ……みんな生きてるヨォ!!」
子どもみたいに泣きじゃくる橘をみていると、ぼくを代弁してくれているようだ。本当はぼくも叫びたいし、泣きたいくらい。だけど、男だから、がまんする。
橘の肩ごしに見えるのは、地面に寝そべる嶌田だ。
呪いが全て灰になって空に消えた今、泥まみれの小太りの体が地面に横たわる。
それを銀水先生は冷たく見下ろしている。
「こいつ、どこからこの祠、しったのかな……」
頭を足でこづいてる。このままだと腹まで蹴りあげそう。
橘を冴鬼にあずけ、ぼくはすかさず先生の横についた。
「せ、先生、嶌田くんは……」
「うん? 死んでないよ? でもそれだけ。ねぇ、凌くん、呪いになりかけた人間ってどうなるのかなぁ~?」
唇も目も糸のように細く長く吊りあがる。
「先生、狐、出てます」
ぼくが冷たくいうと、すぐに顔を戻した。
「もっと怖がってよぉ~」
しっかし、この狐の土地神が人間の味方、というわけではないのが厄介だ。
橘は冴鬼とおそるおそる近づいてくる。そして、じっと嶌田を見つめ、アカンベーのポーズをした。
「ねぇ、凌くん、呪いはどう?」
橘にいわれ、改めて自分の体を見た。
だけど、重くないし、黒くないし、なにもない。
「……ない。なにもないよ、橘!」
2人で思わず手をとるけど、すぐに取り出したのはスマホだ。
「……あ、に、兄ちゃん!?」
『……寝起きに叫ぶなよ……なに? なんか買ってきてくれんの?』
「もう大丈夫?」
『そうだな。ん? あー……めっちゃ体、楽だ!」
「よかったぁ」
『……ありがと』
「じゃ、またあとでね……」
兄からいわれた「ありがと」。
ぼくは、この言葉だけで幸せだ。
だって、ぼくがいつも「ありがとう」をいう側だったから───
橘も橘先輩と話ができたようで、心のそこから笑っている。
いつも、どこか影がある笑い方だった。ようやく安心して笑えてるんだ。
「さ、みんなでお団子食べようっ!」
やっぱり、銀水先生の神経はおかしい。
人間じゃないからしかたがないとはいえ、長生きしてるんだから、空気を読むとか学んでほしい。
「……その前に!」
橘が指さした場所は猫のお墓だ。
戦闘のせいもあり、荒れてしまっている。
「お花はないけど、きれいにして、祠にお参りして、お祈りしてから、お団子食べましょ」
ひどく疲れていても、女子が言い切る言葉に重みがすごい。
とはいえ、冴鬼も鬼化の影響かぐったりだし、ぼくも意識を保っているので限界なところもある。そのため、先生にも頑張ってもらう。
「え? この石ずらすの? 重いよ?」
「先生、男でしょ?」
橘の口は、強い……!
橘から的確な指示をもらい、なんとかお墓まわりを整理し、祠も壊れてしまっているけれど、それでも石を戻し、お団子を1本供えてあげる。
「ほら、ボクらもお茶にしよ!」
「しかし、なぜ、ここでお茶なのだ。もう少し座り心地のよい場所でもいいだろう」
「ここじゃなきゃだめなんだ。ここでボクらがお茶を飲んでゆっくりすることで、静かな場所だって、みんながわかるから」
用意周到な先生は手拭きや熱いお茶の入ったポットまで持参していた。
紙パックで飲みながら、団子を頬張るぼくらだけど、ぼくは気づいていた。
ここには、たくさんの見ている人がいることに───
その人たちはふわふわとしていて、人のカタチっぽいなにかにしかみえない。どこか遊んでいるようだし、さまよっているようでもあるし、それでもここが危険場所になることは、具合が悪いようだ。
「生きてる人間が一番怖いのかな……」
「ん? 凌、食わんのなら、わしが食うぞ」
「だ、だめ! ここのゴマ団子、めっちゃうまいんだからっ」
後ろで枯れ葉を踏む音がする。
すばやく振りかえると、よたよたと立ち上がった嶌田がいる。
だけどのんびりお茶をのんでいるぼくらをみて、嶌田は尻餅をついた。
「ねぇ、君さ、なんでここをしったのかな……?」
胃が冷える声がする。
銀水先生だ。
「お、オレは……本にあったとおりに……!」
「本?」
「消えたけど、本だよ、本!」
嶌田は悲鳴じみた声で叫びながら竹やぶのなかを走っていく。
「別に食べたりはしないのに」
「……もっと怖い感じがしますよ、先生」
ぼくが先生にいうけど、先生はそしらぬ顔だ。
橘は怒りにまみれているからか、先生の様子には気付かなかったようだ。
消えたってことは、もう証拠がないってこと?
……なんなんだろ。
「空気も丸くなったし、みんな帰ろうか」
時計を見ると、18時50分を過ぎたところだ。
黄昏刻にさしかかっている。
穏やかで優しくて、ほんのりとあたたかい場所に、今日は感じる。
「ボク、先に帰ってお風呂の準備しとく~。冴鬼、あとでねぇ~」
後ろにいた先生を振り返ったときには、消えていた。
「せ、先生、帰ったの……?」
焦る橘に、ぼくは適当に指をさしておいた。
慣れた十字路にぼくらは立つ。
「明日はカレーだね! できたらお昼ご飯に食べたいな」
橘の案にぼくらは賛成。ただぼくも墓参りがあるため、細かな時間は決めず、そのぐらいの時間に集まろうという話でまとまった。
相変わらずの足の速さで帰っていった橘を見送り、ぼくらもいつもの公園前まで歩いて行く。
静かな住宅街だけど、昨日までの暗いイメージはない。
ようやく、いつもの家に戻ってきた。そう思ってしまう。
「これで、終わったな」
「そうだね」
公園に踏みこんだ冴鬼がいう。
「終わったんだ……」
風に消え入りそうな声だけど、冴鬼はいった。
だけど、ぼくはそれを聞き返すことができなかった。
今までのこともすべてなかったことになる気がして。
「またな!」と背を向けた冴鬼をずっと見ていたいけど、消える冴鬼を見たら本当に最後になりそうで、ぼくは慌てて背中を向けた。
もう一度振り返った楠はゆれるだけで、もう、冴鬼の姿はそこにはなかった。
すぐに嶌田の体が青い炎に包まれ燃えだした。
『やめろぉぉ! 消せ! 殺すっ! 死ねっ! 消えろっ!!!』
すべての順位が一番なんだ。
───殺したいし、炎を消したい。
だけれど、炎ので地面にしばりつけられたようで、身動きがとれないまま、黒い煤が空に昇っていく。
ぼくは心臓のある場所に手を当ててみた。
泥で汚れている。
泥で汚れてる……?
「……え? え? ええ?」
橘を見ると、すでに先生が橘を助けていた。
来るなら最初から来いよ、バカ狐!
でも、なんで、血が出てない?!
「凌よ、大丈夫か?」
そう見下ろすのは、幼い日に会った彼と全く同じ彼だった。
やさしい目はいつもの冴鬼とかわらないけど、大人びた声に驚いてしまう。
「炎の刀は妖しか斬れん。安心せい」
そういいながら、大人の冴鬼はぼくの前に膝をついた。
そして、ぼくの視線に冴鬼はじっと体をかがめる。
「……しかし凌よ、よくわしを信じてくれた。わしはお前と戦えたこと、誇りに思うぞ」
大きな手。少しごつくて、それでも優しい手がぼくの頭を一度なでる。
おもわず頭を下げてしまい、すぐに視線を上げるけと、もういつもの冴鬼に戻っている。
横から何か迫る音がする。
冴鬼とぼくを抱えるように、飛び込んできたのは橘だ。
「みんな生きてるよぉ……みんな生きてるヨォ!!」
子どもみたいに泣きじゃくる橘をみていると、ぼくを代弁してくれているようだ。本当はぼくも叫びたいし、泣きたいくらい。だけど、男だから、がまんする。
橘の肩ごしに見えるのは、地面に寝そべる嶌田だ。
呪いが全て灰になって空に消えた今、泥まみれの小太りの体が地面に横たわる。
それを銀水先生は冷たく見下ろしている。
「こいつ、どこからこの祠、しったのかな……」
頭を足でこづいてる。このままだと腹まで蹴りあげそう。
橘を冴鬼にあずけ、ぼくはすかさず先生の横についた。
「せ、先生、嶌田くんは……」
「うん? 死んでないよ? でもそれだけ。ねぇ、凌くん、呪いになりかけた人間ってどうなるのかなぁ~?」
唇も目も糸のように細く長く吊りあがる。
「先生、狐、出てます」
ぼくが冷たくいうと、すぐに顔を戻した。
「もっと怖がってよぉ~」
しっかし、この狐の土地神が人間の味方、というわけではないのが厄介だ。
橘は冴鬼とおそるおそる近づいてくる。そして、じっと嶌田を見つめ、アカンベーのポーズをした。
「ねぇ、凌くん、呪いはどう?」
橘にいわれ、改めて自分の体を見た。
だけど、重くないし、黒くないし、なにもない。
「……ない。なにもないよ、橘!」
2人で思わず手をとるけど、すぐに取り出したのはスマホだ。
「……あ、に、兄ちゃん!?」
『……寝起きに叫ぶなよ……なに? なんか買ってきてくれんの?』
「もう大丈夫?」
『そうだな。ん? あー……めっちゃ体、楽だ!」
「よかったぁ」
『……ありがと』
「じゃ、またあとでね……」
兄からいわれた「ありがと」。
ぼくは、この言葉だけで幸せだ。
だって、ぼくがいつも「ありがとう」をいう側だったから───
橘も橘先輩と話ができたようで、心のそこから笑っている。
いつも、どこか影がある笑い方だった。ようやく安心して笑えてるんだ。
「さ、みんなでお団子食べようっ!」
やっぱり、銀水先生の神経はおかしい。
人間じゃないからしかたがないとはいえ、長生きしてるんだから、空気を読むとか学んでほしい。
「……その前に!」
橘が指さした場所は猫のお墓だ。
戦闘のせいもあり、荒れてしまっている。
「お花はないけど、きれいにして、祠にお参りして、お祈りしてから、お団子食べましょ」
ひどく疲れていても、女子が言い切る言葉に重みがすごい。
とはいえ、冴鬼も鬼化の影響かぐったりだし、ぼくも意識を保っているので限界なところもある。そのため、先生にも頑張ってもらう。
「え? この石ずらすの? 重いよ?」
「先生、男でしょ?」
橘の口は、強い……!
橘から的確な指示をもらい、なんとかお墓まわりを整理し、祠も壊れてしまっているけれど、それでも石を戻し、お団子を1本供えてあげる。
「ほら、ボクらもお茶にしよ!」
「しかし、なぜ、ここでお茶なのだ。もう少し座り心地のよい場所でもいいだろう」
「ここじゃなきゃだめなんだ。ここでボクらがお茶を飲んでゆっくりすることで、静かな場所だって、みんながわかるから」
用意周到な先生は手拭きや熱いお茶の入ったポットまで持参していた。
紙パックで飲みながら、団子を頬張るぼくらだけど、ぼくは気づいていた。
ここには、たくさんの見ている人がいることに───
その人たちはふわふわとしていて、人のカタチっぽいなにかにしかみえない。どこか遊んでいるようだし、さまよっているようでもあるし、それでもここが危険場所になることは、具合が悪いようだ。
「生きてる人間が一番怖いのかな……」
「ん? 凌、食わんのなら、わしが食うぞ」
「だ、だめ! ここのゴマ団子、めっちゃうまいんだからっ」
後ろで枯れ葉を踏む音がする。
すばやく振りかえると、よたよたと立ち上がった嶌田がいる。
だけどのんびりお茶をのんでいるぼくらをみて、嶌田は尻餅をついた。
「ねぇ、君さ、なんでここをしったのかな……?」
胃が冷える声がする。
銀水先生だ。
「お、オレは……本にあったとおりに……!」
「本?」
「消えたけど、本だよ、本!」
嶌田は悲鳴じみた声で叫びながら竹やぶのなかを走っていく。
「別に食べたりはしないのに」
「……もっと怖い感じがしますよ、先生」
ぼくが先生にいうけど、先生はそしらぬ顔だ。
橘は怒りにまみれているからか、先生の様子には気付かなかったようだ。
消えたってことは、もう証拠がないってこと?
……なんなんだろ。
「空気も丸くなったし、みんな帰ろうか」
時計を見ると、18時50分を過ぎたところだ。
黄昏刻にさしかかっている。
穏やかで優しくて、ほんのりとあたたかい場所に、今日は感じる。
「ボク、先に帰ってお風呂の準備しとく~。冴鬼、あとでねぇ~」
後ろにいた先生を振り返ったときには、消えていた。
「せ、先生、帰ったの……?」
焦る橘に、ぼくは適当に指をさしておいた。
慣れた十字路にぼくらは立つ。
「明日はカレーだね! できたらお昼ご飯に食べたいな」
橘の案にぼくらは賛成。ただぼくも墓参りがあるため、細かな時間は決めず、そのぐらいの時間に集まろうという話でまとまった。
相変わらずの足の速さで帰っていった橘を見送り、ぼくらもいつもの公園前まで歩いて行く。
静かな住宅街だけど、昨日までの暗いイメージはない。
ようやく、いつもの家に戻ってきた。そう思ってしまう。
「これで、終わったな」
「そうだね」
公園に踏みこんだ冴鬼がいう。
「終わったんだ……」
風に消え入りそうな声だけど、冴鬼はいった。
だけど、ぼくはそれを聞き返すことができなかった。
今までのこともすべてなかったことになる気がして。
「またな!」と背を向けた冴鬼をずっと見ていたいけど、消える冴鬼を見たら本当に最後になりそうで、ぼくは慌てて背中を向けた。
もう一度振り返った楠はゆれるだけで、もう、冴鬼の姿はそこにはなかった。
0
あなたにおすすめの小説
独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。
猫菜こん
児童書・童話
小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。
中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!
そう意気込んでいたのに……。
「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」
私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。
巻き込まれ体質の不憫な中学生
ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主
咲城和凜(さきしろかりん)
×
圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良
和凜以外に容赦がない
天狼絆那(てんろうきずな)
些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。
彼曰く、私に一目惚れしたらしく……?
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」
王道で溺愛、甘すぎる恋物語。
最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。
「いっすん坊」てなんなんだ
こいちろう
児童書・童話
ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。
自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・
アリアさんの幽閉教室
柚月しずく
児童書・童話
この学校には、ある噂が広まっていた。
「黒い手紙が届いたら、それはアリアさんからの招待状」
招かれた人は、夜の学校に閉じ込められて「恐怖の時間」を過ごすことになる……と。
招待状を受け取った人は、アリアさんから絶対に逃れられないらしい。
『恋の以心伝心ゲーム』
私たちならこんなの楽勝!
夜の学校に閉じ込められた杏樹と星七くん。
アリアさんによって開催されたのは以心伝心ゲーム。
心が通じ合っていれば簡単なはずなのに、なぜかうまくいかなくて……??
『呪いの人形』
この人形、何度捨てても戻ってくる
体調が悪くなった陽菜は、原因が突然現れた人形のせいではないかと疑いはじめる。
人形の存在が恐ろしくなって捨てることにするが、ソレはまた家に現れた。
陽菜にずっと付き纏う理由とは――。
『恐怖の鬼ごっこ』
アリアさんに招待されたのは、美亜、梨々花、優斗。小さい頃から一緒にいる幼馴染の3人。
突如アリアさんに捕まってはいけない鬼ごっこがはじまるが、美亜が置いて行かれてしまう。
仲良し3人組の幼馴染に一体何があったのか。生き残るのは一体誰――?
『招かれざる人』
新聞部の七緒は、アリアさんの記事を書こうと自ら夜の学校に忍び込む。
アリアさんが見つからず意気消沈する中、代わりに現れたのは同じ新聞部の萌香だった。
強がっていたが、夜の学校に一人でいるのが怖かった七緒はホッと安心する。
しかしそこで待ち受けていたのは、予想しない出来事だった――。
ゾクッと怖くて、ハラハラドキドキ。
最後には、ゾッとするどんでん返しがあなたを待っている。
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。
相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。
さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!?
「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」
星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。
「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」
「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」
ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や
帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……?
「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」
「お前のこと、誰にも渡したくない」
クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
たったひとつの願いごと
りおん雑貨店
絵本
銀河のはてで、世界を見守っている少年がおりました。
その少年が幸せにならないと、世界は冬のままでした。
少年たちのことが大好きないきものたちの、たったひとつの願いごと。
それは…
笑いの授業
ひろみ透夏
児童書・童話
大好きだった先先が別人のように変わってしまった。
文化祭前夜に突如始まった『笑いの授業』――。
それは身の毛もよだつほどに怖ろしく凄惨な課外授業だった。
伏線となる【神楽坂の章】から急展開する【高城の章】。
追い詰められた《神楽坂先生》が起こした教師としてありえない行動と、その真意とは……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる