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呪いの鎧武者
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暫くすると客足が増えたので彼女達は帰って行ったが、俺の頭の中にはずっと鎧武者の存在が残っていた。正体を確かめろと言っても、毎晩その鎧武者が出るとは限らないし、ましてや亡霊なのなら、よく知らないが霊感とかによって『視える、視えない』があるんじゃないだろうか……。
俺の疑問に、依羅さんはコーヒーをサイフォンで点てながら、「心配無用」と笑ってみせた。
「大丈夫だよ。このコーヒーを美味しく淹れる方が難しいぐらいだ。知ってる? コーヒーっていうのは、例えばこの滴る一滴にも気を使わなければ、美味しいものは淹れられないんだよ。今は特に梅雨で湿気が多いからね、何かと気を使うよ。――ああ、梅雨といえば、保。明日は幸いな事に大雨らしいよ。きっと雷も鳴ってくれるだろう」
「そいつは好都合。学園に、ピアノ線を持って行っとかないとな」
意味不明の二人の会話に眉を寄せると、松岡はカウンターに片肘を乗せて俺の顔を覗き込んだ。
「ニブいなぁ、お前。今のがさっき、お前が言った疑問への答えだろが。前にも言ったろ、本物かどうかを確かめるには、まずは偽物として調査を開始する。つまり――何かしらの仕掛けなり、人の手による痕跡なりがないかどうかを明日の晩、調べに行くんだ。それには、出来る限り、当日と同じ状況が望ましいって訳さ」
「今回の依頼は、前回のドッペルゲンガーの時とは違って、正体をはっきりと確かめてほしいとの事だからね。――保。一番テーブルのお客に水を足して来てくれないか」
俺達としゃべりながらも、依羅さんの意識はお客にあった。それは依羅さんだけじゃなく友也さんや松岡にも言える事だったが、その中でも依羅さんは絶えず店中のお客に神経を注いでいた。
「それで明日調べて、もし何も判らなかったらどーするんですか?」
俺の問いに、依羅さんはヒョイと片眉を上げた。
俺の疑問に、依羅さんはコーヒーをサイフォンで点てながら、「心配無用」と笑ってみせた。
「大丈夫だよ。このコーヒーを美味しく淹れる方が難しいぐらいだ。知ってる? コーヒーっていうのは、例えばこの滴る一滴にも気を使わなければ、美味しいものは淹れられないんだよ。今は特に梅雨で湿気が多いからね、何かと気を使うよ。――ああ、梅雨といえば、保。明日は幸いな事に大雨らしいよ。きっと雷も鳴ってくれるだろう」
「そいつは好都合。学園に、ピアノ線を持って行っとかないとな」
意味不明の二人の会話に眉を寄せると、松岡はカウンターに片肘を乗せて俺の顔を覗き込んだ。
「ニブいなぁ、お前。今のがさっき、お前が言った疑問への答えだろが。前にも言ったろ、本物かどうかを確かめるには、まずは偽物として調査を開始する。つまり――何かしらの仕掛けなり、人の手による痕跡なりがないかどうかを明日の晩、調べに行くんだ。それには、出来る限り、当日と同じ状況が望ましいって訳さ」
「今回の依頼は、前回のドッペルゲンガーの時とは違って、正体をはっきりと確かめてほしいとの事だからね。――保。一番テーブルのお客に水を足して来てくれないか」
俺達としゃべりながらも、依羅さんの意識はお客にあった。それは依羅さんだけじゃなく友也さんや松岡にも言える事だったが、その中でも依羅さんは絶えず店中のお客に神経を注いでいた。
「それで明日調べて、もし何も判らなかったらどーするんですか?」
俺の問いに、依羅さんはヒョイと片眉を上げた。
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