91 / 115
呪いの鎧武者
30
しおりを挟む
眉をそびやかした依羅さんに、松岡はパチンと指を鳴らした。
「じゃあ、美術室の油絵も、理事長室も封印の一部って訳だ!」
「そう。それと校舎の建っている向き。あの大時計の灯りは、丁度真南を向いている。そこに重大な意味がある」
備え付けのペーパーを一枚取り出した依羅さんは、前に松岡がしたようにそれに校舎の『王』の形を記した。それに東西南北の方位を書き込む。
「私は外側からしかお前達の学園の校舎を見た事はないが、きっとこの場所。渡り廊下の突き当たり、つまりD棟の中央に、水道場かトイレがあるんじゃないかな?」
「確かに――トイレがある」
窺い見る依羅さんに頷いてみせると、彼は「うん」と当然のように答えてペーパーに視線を落とした。そして校舎の『美術室』、『大時計』、『資料室』、『トイレ』、『魔鏡』の位置する場所にボールペンで小さく丸印を付けた。
「二人共、『四神相応の地』って聞いた事あるかい? 一般的に知られているのは、京都なんだが……」
「あ……、なんとなく。確か、平安京を創る時に、どうとかって……」
「そう、それの事だ。あれは中国の風水から来てる思想なんだが、『東の青龍、南の朱雀、西の白虎、北の玄武』の四神がその土地を護ってくれるというものだ。それと同じような事を、お前達の校舎に施しているのだと思う。――ではもう一つ質問。『陰陽道』はどう?」
「そりゃ知ってる。『安倍晴明』だろ」
「天才陰陽師として有名なのはね。その陰陽道の中に『陰陽五行説』というのがあるんだが、それに基づいたもので『五行祭壇』と呼ばれるものがあるんだ。いいかい、その祭壇の上には、東方には榊を、南方には灯火を、中央には皿に盛った土を、西方には刀を、北方には清い水をそれぞれ置くそうなんだが、何かに似ていると思わないかい?」
悪戯っぽい顔で笑う依羅さんに、俺達は顔を見合わせた。依羅さんは、その『五行祭壇』を学園の校舎で創っているというのだ。
「……まさか……」
「じゃあ、美術室の油絵も、理事長室も封印の一部って訳だ!」
「そう。それと校舎の建っている向き。あの大時計の灯りは、丁度真南を向いている。そこに重大な意味がある」
備え付けのペーパーを一枚取り出した依羅さんは、前に松岡がしたようにそれに校舎の『王』の形を記した。それに東西南北の方位を書き込む。
「私は外側からしかお前達の学園の校舎を見た事はないが、きっとこの場所。渡り廊下の突き当たり、つまりD棟の中央に、水道場かトイレがあるんじゃないかな?」
「確かに――トイレがある」
窺い見る依羅さんに頷いてみせると、彼は「うん」と当然のように答えてペーパーに視線を落とした。そして校舎の『美術室』、『大時計』、『資料室』、『トイレ』、『魔鏡』の位置する場所にボールペンで小さく丸印を付けた。
「二人共、『四神相応の地』って聞いた事あるかい? 一般的に知られているのは、京都なんだが……」
「あ……、なんとなく。確か、平安京を創る時に、どうとかって……」
「そう、それの事だ。あれは中国の風水から来てる思想なんだが、『東の青龍、南の朱雀、西の白虎、北の玄武』の四神がその土地を護ってくれるというものだ。それと同じような事を、お前達の校舎に施しているのだと思う。――ではもう一つ質問。『陰陽道』はどう?」
「そりゃ知ってる。『安倍晴明』だろ」
「天才陰陽師として有名なのはね。その陰陽道の中に『陰陽五行説』というのがあるんだが、それに基づいたもので『五行祭壇』と呼ばれるものがあるんだ。いいかい、その祭壇の上には、東方には榊を、南方には灯火を、中央には皿に盛った土を、西方には刀を、北方には清い水をそれぞれ置くそうなんだが、何かに似ていると思わないかい?」
悪戯っぽい顔で笑う依羅さんに、俺達は顔を見合わせた。依羅さんは、その『五行祭壇』を学園の校舎で創っているというのだ。
「……まさか……」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
鷹鷲高校執事科
三石成
青春
経済社会が崩壊した後に、貴族制度が生まれた近未来。
東京都内に広大な敷地を持つ全寮制の鷹鷲高校には、貴族の子息が所属する帝王科と、そんな貴族に仕える、優秀な執事を育成するための執事科が設立されている。
物語の中心となるのは、鷹鷲高校男子部の三年生。
各々に悩みや望みを抱えた彼らは、高校三年生という貴重な一年間で、学校の行事や事件を通して、生涯の主人と執事を見つけていく。
表紙イラスト:燈実 黙(@off_the_lamp)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
光のもとで2
葉野りるは
青春
一年の療養を経て高校へ入学した翠葉は「高校一年」という濃厚な時間を過ごし、
新たな気持ちで新学期を迎える。
好きな人と両思いにはなれたけれど、だからといって順風満帆にいくわけではないみたい。
少し環境が変わっただけで会う機会は減ってしまったし、気持ちがすれ違うことも多々。
それでも、同じ時間を過ごし共に歩めることに感謝を……。
この世界には当たり前のことなどひとつもなく、あるのは光のような奇跡だけだから。
何か問題が起きたとしても、一つひとつ乗り越えて行きたい――
(10万文字を一冊として、文庫本10冊ほどの長さです)
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる