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白い影

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「へぇ、おっもしれぇ」

 輝く星と小さな星を交互に見遣り、彬が呟く。

「コツはそんな感じ」

 ボソリ、と呟いて隆哉が歩き出す。急いでその後を追った彬は、「でもさぁ」と少々不満げな声を出した。

「俺、朝からずっとあの子の事視ようとしてんだけどさ、その何回かは今と大差ないような視方してると思うんだ。なぁ。俺ってホントに、霊感なんてあんのか? 俊介だから視えたって事はねぇ?」

「――どーいう事?」

 少しの間を置いて、隆哉が問い返してくる。

「だってあいつは、親友だもん。あの時お前が言ったように、俺は俊介にずっと逢いたいと思ってたし、訊きたい事だってあった。それにあいつも、ずっと俺に逢いたいと思ってくれてたんだろ? だからさ。俺達二人共が、視る方も視られる方も、互いに相手を望んでたからって事はねぇ? 互いに相手を特別だと思ってたからって」

「……んー……」

 顎に手をあてた隆哉は、暫く沈黙したまま動きを止めた。彬に向けられた虚ろな瞳は、目の前にいる彬ではなく、別の何かを見つめているように感じられた。

 ゆっくりと瞬きした隆哉が、彬に意識を戻す。
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