君との空へ【BL要素あり・短編おまけ完結】

Motoki

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碧の癒し

8

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 んな訳あるか、と心の中で突っ込む。俺にはあの子の言葉も、俊介の言葉すらも、聴こえなかったのだから。

 でも――。

「でもそんなら。尚更入らなきゃなんねーよなぁ」

 彬の呟きに、微かに隆哉が目を瞠る。暫く探るように彬を見つめていた瞳が、呆れたように逸らされた。

 彬を置いて、再び石段を上がり始める。

「待てって!」

 慌てて足を踏み出した彬は、鳥居の前で弾かれるようにして足を止めた。「むー」と不満げに狛犬を睨みあげ、パンッと勢いよく手を打ち合わせた。

「ワリィな! 駄目元でも、友達の助けになりてぇんだ。無理矢理にでも、通るぜッ」

 拝むように宣言し、グッと足を踏み出す。

「へ…?」

 強い抵抗があると覚悟していた彬は、スイッと抵抗なく入れた事に、怪訝に眉を顰めた。

「どーゆうこった?」

 三段程石段を上がった所で足を止め、振り返る。入ってしまえば、さっきの拒絶がウソのように、やさしい空気が自分を包んでいた。

 木々の間から洩れる、うっすらと傾いた陽差し。ピィーピィーと囀る、鳥の声。鼻を擽る、青葉の匂い。
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