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蒼い約束

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 思い切り頓狂な声を発した秀行に、笑いを含んだ答えが返る。

「じゃなくて、あいつの親友の墓」

 ヒラヒラと手を振る背中を見つめながら、秀行は心の中でポツリと呟いた。

 ――更に、不気味になってる。

 前を走る男は、勿論秀行の視線などお構いなしで走り続けている。しかしその瞳は真剣で、はっきりとした決意がそこからは滲み出ていた。


『待ってろよ、彬。お前は絶対、俺が助けてやるから』






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