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蒼い約束
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「ワ、リィ。待たせて……ごめんな」
血に濡れた体を抱き締める。ゴホゴホと、俊介の唇が血を吐き出した。
「俊介ッ!」
「……大、丈夫だよ。俺は…もう、死ん……でるんだ…から……」
彬の頬を掌で伝いながら、笑いを含んだ声で苦しげに囁く。
「バカ野郎!」
彬はこれ以上ないくらいに、もう一度強く親友を抱き締めた。
こんなに、しっかり抱けるのに。
懐かしい、あいつの匂い。そのままなのに。
――首にかかる息は、こんなに温かなのにッ……!
「バカ野郎! 死ぬなよッ!」
叫んだ彬に、やっと言えたその言葉に、首に顔を埋めていた俊介が笑いを零す。
「それは、……やっぱ、無理だろ」
クククッと生前と変わらぬ笑い方をして、「バカだな、相変わらず」と言葉を足した。
「うるせえ! なんと言われようが、俺は認めない。お前が死ぬなんて、この手で触れるのがお前の死体だなんて、俺は絶対にご免だ!」
「我儘なヤツ」
「だって! どーすんだよ、『約束』しただろッ。忘れたなんて言ったら、ブン殴るぞッ!」
血に濡れた体を抱き締める。ゴホゴホと、俊介の唇が血を吐き出した。
「俊介ッ!」
「……大、丈夫だよ。俺は…もう、死ん……でるんだ…から……」
彬の頬を掌で伝いながら、笑いを含んだ声で苦しげに囁く。
「バカ野郎!」
彬はこれ以上ないくらいに、もう一度強く親友を抱き締めた。
こんなに、しっかり抱けるのに。
懐かしい、あいつの匂い。そのままなのに。
――首にかかる息は、こんなに温かなのにッ……!
「バカ野郎! 死ぬなよッ!」
叫んだ彬に、やっと言えたその言葉に、首に顔を埋めていた俊介が笑いを零す。
「それは、……やっぱ、無理だろ」
クククッと生前と変わらぬ笑い方をして、「バカだな、相変わらず」と言葉を足した。
「うるせえ! なんと言われようが、俺は認めない。お前が死ぬなんて、この手で触れるのがお前の死体だなんて、俺は絶対にご免だ!」
「我儘なヤツ」
「だって! どーすんだよ、『約束』しただろッ。忘れたなんて言ったら、ブン殴るぞッ!」
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