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第2章
星の郷 4
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フランはタルノ市に入ると、フォーラに道を聞きながら目的の家を目指した。街の中心部を抜け、家もまばらになったころ、その家はあった。
荷馬車の音でも聞こえたのか、家の前に女性と男の子が待っていた。
「いらっしゃい!よく来たね」
「ディア、久しぶり!あまり変わってないわね」
フォーラは馬車を一番に降りると、女学生時代からの友人であるディアの元に駆け寄り、その手を両手で握りしめた。
白い半袖Tシャツに、スラリと長い紺の長ズボンをラフに着こなし、フォーラより少し背が高い。褐色の肌に長い黒髪を無造作に背中まで伸ばし、力強い黒眉に切れ長の黒い瞳が印象的であった。
リンもヨイショと馬車を降りると、ミーコを抱いたまま男の子の元に駆け寄っていく。
「私、リン。この子はミーコ。あなたは?」
「ナトリ」
男の子は、ぶっきらぼうに答えた。
ナトリは7才の男の子。褐色の肌に黒い短髪、黒く細い目をしている。母親と同じように、白い半袖Tシャツと紺の長ズボンを履いていた。
「よろしくね、ナトリ」
リンは無邪気に可愛く笑う。
「お、おう」
ナトリはプイっとソッポを向くと、照れ臭そうに顔を赤らめた。
~~~
ディアはアイたち3人も家に入るよう促したが、アイたちは街の散策もしたかったので丁重に断った。
リンがあまりに残念がるので、ミーコはリンに預けたままにしておく。
とりあえず街の中心部に戻ると、お昼のピークも過ぎた食堂を見つけたので、そこで遅い昼食を食べることにした。
「タルノ市は、以前は『星の郷』と呼ばれる有名な観光場所でした」
日替わりのランチメニューを食べながら、フランがタルノ市の解説を始める。
「アマタノ森の中を流れる清流、マナノ川に生息する星子虫が主な目的です」
アマタノ森とは、タルノ市の南に連なるイルコマ山地と、タルノ市との間に広がる森のことである。そしてイルコマ山を源流とし、タルノ市、カタン市と経てヨルド河に流れ込む川がマナノ川であった。
「ホシノコ?」
アイが興味深そうに繰り返す。
「はい。日没から宵の内頃に活動する、星の様に綺麗に光る虫の事です」
「ホタルだ!見たい!」
「以前は…ってことは、今はいないの?」
フランの説明の違和感に気付き、おキクが探るような視線を向けた。
「魔物襲来以降は、パッタリと姿を消したと聞いてます」
「えー、残念!」
アイが心底残念そうに、ガックリとうな垂れた。
~~~
母親ふたりが家の中でお茶を飲んでいたころ、リンとナトリは庭で遊んでいた。
するとナトリが、一度家の中の様子を確認してからリンのそばに近寄っていく。
「おい、リン!スゲー所があるんだけど、行きたいなら連れてってやるぞ!」
「スゲー所?」
「オレの秘密の場所なんだ。どうする?」
「秘密の場所?行きたい、行きたい!」
リンが大はしゃぎで頷く。
「ドコにあるの?」
「森の中。ちょっと遠い」
「え…森?」
リンのミーコを抱く手に、少し力が入る。
それに気付いたナトリは、ちょっと意地悪そうな顔を向けた。
「怖いならやめとくか?リンは女の子だしな、無理しなくてイイぞ」
「リン、怖くない!」
リンは反発心で強がった。秘密の場所への好奇心が少しの恐怖を上回る。
「よし、よく言った!」
ナトリは満足そうに頷くと、リンの手を引き走り出した。
荷馬車の音でも聞こえたのか、家の前に女性と男の子が待っていた。
「いらっしゃい!よく来たね」
「ディア、久しぶり!あまり変わってないわね」
フォーラは馬車を一番に降りると、女学生時代からの友人であるディアの元に駆け寄り、その手を両手で握りしめた。
白い半袖Tシャツに、スラリと長い紺の長ズボンをラフに着こなし、フォーラより少し背が高い。褐色の肌に長い黒髪を無造作に背中まで伸ばし、力強い黒眉に切れ長の黒い瞳が印象的であった。
リンもヨイショと馬車を降りると、ミーコを抱いたまま男の子の元に駆け寄っていく。
「私、リン。この子はミーコ。あなたは?」
「ナトリ」
男の子は、ぶっきらぼうに答えた。
ナトリは7才の男の子。褐色の肌に黒い短髪、黒く細い目をしている。母親と同じように、白い半袖Tシャツと紺の長ズボンを履いていた。
「よろしくね、ナトリ」
リンは無邪気に可愛く笑う。
「お、おう」
ナトリはプイっとソッポを向くと、照れ臭そうに顔を赤らめた。
~~~
ディアはアイたち3人も家に入るよう促したが、アイたちは街の散策もしたかったので丁重に断った。
リンがあまりに残念がるので、ミーコはリンに預けたままにしておく。
とりあえず街の中心部に戻ると、お昼のピークも過ぎた食堂を見つけたので、そこで遅い昼食を食べることにした。
「タルノ市は、以前は『星の郷』と呼ばれる有名な観光場所でした」
日替わりのランチメニューを食べながら、フランがタルノ市の解説を始める。
「アマタノ森の中を流れる清流、マナノ川に生息する星子虫が主な目的です」
アマタノ森とは、タルノ市の南に連なるイルコマ山地と、タルノ市との間に広がる森のことである。そしてイルコマ山を源流とし、タルノ市、カタン市と経てヨルド河に流れ込む川がマナノ川であった。
「ホシノコ?」
アイが興味深そうに繰り返す。
「はい。日没から宵の内頃に活動する、星の様に綺麗に光る虫の事です」
「ホタルだ!見たい!」
「以前は…ってことは、今はいないの?」
フランの説明の違和感に気付き、おキクが探るような視線を向けた。
「魔物襲来以降は、パッタリと姿を消したと聞いてます」
「えー、残念!」
アイが心底残念そうに、ガックリとうな垂れた。
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母親ふたりが家の中でお茶を飲んでいたころ、リンとナトリは庭で遊んでいた。
するとナトリが、一度家の中の様子を確認してからリンのそばに近寄っていく。
「おい、リン!スゲー所があるんだけど、行きたいなら連れてってやるぞ!」
「スゲー所?」
「オレの秘密の場所なんだ。どうする?」
「秘密の場所?行きたい、行きたい!」
リンが大はしゃぎで頷く。
「ドコにあるの?」
「森の中。ちょっと遠い」
「え…森?」
リンのミーコを抱く手に、少し力が入る。
それに気付いたナトリは、ちょっと意地悪そうな顔を向けた。
「怖いならやめとくか?リンは女の子だしな、無理しなくてイイぞ」
「リン、怖くない!」
リンは反発心で強がった。秘密の場所への好奇心が少しの恐怖を上回る。
「よし、よく言った!」
ナトリは満足そうに頷くと、リンの手を引き走り出した。
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