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第2章
星の郷 3
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アイたちがカタン出張所の前を通ったとき、玄関先でジェーンがひと組の母娘と会話をしていた。
ジェーンとは、カタン出張所の世話を任されている小太りなおばさんのことである。
「アイさん、おキクさん。ちょうど良かった」
ジェーンはアイたちに気付くと、腕を振ってふたりを呼んだ。
小さな娘はジェーンの素ぶりに気付くと、自分もこちらに振り返った。
「お姉ちゃん!」
ふたりが初めてこの世界に来たときに出会った女の子、リンが笑顔でこちらに手を振ってくる。
「リンちゃん!」
アイとおキクはリンのそばに駆け寄った。
リンは大きな茶色の瞳が無邪気に輝く、5才の女の子である。明るい茶色の髪をツインテールにしており、毛先は耳のあたりで揺れている。フリルのついた桃色のワンピースの下には水色の長ズボンを履いていた。
リンの横に一緒に立っているのが、リンの母親のフォーラだ。
フォーラは明るい茶色のショートヘアの20代後半の女性である。リン同様、大きく深い茶色の瞳をしている。背丈はおキクと同じくらいで、白い長袖ブラウスとこげ茶色のロングスカートを履いていた。
「このおふたりが、アイさんたちに頼みたいことがあるみたいですよ」
ジェーンはそれだけ告げると、ひとり館内に戻っていった。
「どうかしましたか?」
おキクがフォーラの方に顔を向ける。
「すみません。実は…タルノ市までの護衛をお願いしたいのです」
「タルノ市?」
「確か、ここから南西にある街ですよね」
透かさずフランがおキクのフォローに入った。
「はい。そこにいる友人に呼ばれて、会いに行く事になったのです」
言いながら、フォーラは少し暗い表情になる。
「ただ…荷馬車は手配出来たのですが、護衛の費用が準備出来ず、今回恥を忍んでこちらにお願いに参りました。たくさんのお礼は用意出来ませんが…」
「なんだ、そんなこと?」
アイが「アハハ」と声を立てて笑った。
「お金なんていらない。私たちでいいなら、一緒に行くよ!」
おキクもフランも同時に頷く。
「そんな!冒険者の方を無償でなんて…」
「私たちはリンちゃんの友達だよ!だからお金なんていらない」
「うん!お姉ちゃん、友達」
リンが満面の笑顔で無邪気に笑った。
「あ…ありがとうございます」
フォーラはアイたち3人を、一度ゆっくりと見回してから、深く深く頭を下げた。
~~~
翌日の朝、アイたちはタルノ市に向けて出発した。
タルノ市は、まずはネヤガー市方面にニコパ街道を西に進み、途中の分岐点を南に向かった先にある。
当初フォーラが荷馬車を操る予定であったが、フランが御者の役目を買って出たため、フランに任せることになった。
おキクはフランと一緒に御者台に座り、荷台にはアイと共にフォーラとリンの母娘が座った。
リンはミーコのことが大層気に入り、肌身離さず抱いている。ミーコなら噛みつく心配もないので、おキクも安心して預けていた。
道中は特に何事もなく、お昼も過ぎた頃にはタルノ市に到着した。
ヤータ市のそばにも山があったが、タルノ市は更に山と森に囲まれた街である。
「わあ、田舎だぁー」
アイは荷台から乗り出すように景色を眺め、瞳を輝かせて感嘆の声を漏らした。
ジェーンとは、カタン出張所の世話を任されている小太りなおばさんのことである。
「アイさん、おキクさん。ちょうど良かった」
ジェーンはアイたちに気付くと、腕を振ってふたりを呼んだ。
小さな娘はジェーンの素ぶりに気付くと、自分もこちらに振り返った。
「お姉ちゃん!」
ふたりが初めてこの世界に来たときに出会った女の子、リンが笑顔でこちらに手を振ってくる。
「リンちゃん!」
アイとおキクはリンのそばに駆け寄った。
リンは大きな茶色の瞳が無邪気に輝く、5才の女の子である。明るい茶色の髪をツインテールにしており、毛先は耳のあたりで揺れている。フリルのついた桃色のワンピースの下には水色の長ズボンを履いていた。
リンの横に一緒に立っているのが、リンの母親のフォーラだ。
フォーラは明るい茶色のショートヘアの20代後半の女性である。リン同様、大きく深い茶色の瞳をしている。背丈はおキクと同じくらいで、白い長袖ブラウスとこげ茶色のロングスカートを履いていた。
「このおふたりが、アイさんたちに頼みたいことがあるみたいですよ」
ジェーンはそれだけ告げると、ひとり館内に戻っていった。
「どうかしましたか?」
おキクがフォーラの方に顔を向ける。
「すみません。実は…タルノ市までの護衛をお願いしたいのです」
「タルノ市?」
「確か、ここから南西にある街ですよね」
透かさずフランがおキクのフォローに入った。
「はい。そこにいる友人に呼ばれて、会いに行く事になったのです」
言いながら、フォーラは少し暗い表情になる。
「ただ…荷馬車は手配出来たのですが、護衛の費用が準備出来ず、今回恥を忍んでこちらにお願いに参りました。たくさんのお礼は用意出来ませんが…」
「なんだ、そんなこと?」
アイが「アハハ」と声を立てて笑った。
「お金なんていらない。私たちでいいなら、一緒に行くよ!」
おキクもフランも同時に頷く。
「そんな!冒険者の方を無償でなんて…」
「私たちはリンちゃんの友達だよ!だからお金なんていらない」
「うん!お姉ちゃん、友達」
リンが満面の笑顔で無邪気に笑った。
「あ…ありがとうございます」
フォーラはアイたち3人を、一度ゆっくりと見回してから、深く深く頭を下げた。
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翌日の朝、アイたちはタルノ市に向けて出発した。
タルノ市は、まずはネヤガー市方面にニコパ街道を西に進み、途中の分岐点を南に向かった先にある。
当初フォーラが荷馬車を操る予定であったが、フランが御者の役目を買って出たため、フランに任せることになった。
おキクはフランと一緒に御者台に座り、荷台にはアイと共にフォーラとリンの母娘が座った。
リンはミーコのことが大層気に入り、肌身離さず抱いている。ミーコなら噛みつく心配もないので、おキクも安心して預けていた。
道中は特に何事もなく、お昼も過ぎた頃にはタルノ市に到着した。
ヤータ市のそばにも山があったが、タルノ市は更に山と森に囲まれた街である。
「わあ、田舎だぁー」
アイは荷台から乗り出すように景色を眺め、瞳を輝かせて感嘆の声を漏らした。
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