中2女子が夏休みに、異世界を救うことになりました!〜RPGにようこそ〜

さこゼロ

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第2章

星の郷 6

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ミーコは再び、1体の魔物を検知した。

「魔物よ。隠れて」

直ぐさまリンとナトリを連れて草むらに身を隠す。

しばらくすると川の対岸の森の中に、馬ほどの大きさの黒い狼が姿を現した。それからゆっくりと、川下に向かって移動していく。

(黒帝狼!大物を確認)

黒帝狼は一瞬こちらに視線を向けたが、再びゆっくりと川に沿って北上していった。

「出発しましょう。ゴールはもうすぐよ」

ミーコを先頭に森の中を歩いていくと、木々の隙間から白い石造りの遺跡が見えてきた。

もう殆ど原型を留めてはいないが、大きな神殿であった様子が伺える。

「着いた!」

ナトリが喜び、興奮したように走り出した。

「いけない!」

ミーコは素早く追いかけると、ナトリが森を抜ける寸前に、草むらの方へ横から突き飛ばした。

「なにすんだよ!」

「黙って!」

尻もちを付いて喚き立てるナトリを前脚で押さえ付けながら、ミーコがそっと空を見上げる。つられてナトリも茂みの中から空を見上げた。

「ひっ!」

その瞬間、ナトリは絶句した。

5体の魔物が円陣を組んで、上空を旋回している。

石撃鴉。1m程の黒い鳥の姿で、硬質な石飛礫を口から撃ち出す遠距離系の魔物である。

「リンも一緒に隠れて」

ミーコの言葉にリンも素直に従うと、茂みの中で息を潜める。

「作戦を伝える」

強い口調で話すミーコの声に、ふたりは緊張気味に黙って頷いた。

「最初に私が飛び出して魔物の攻撃を引きつけるから、アナタたちは遺跡まで走っていって、そのまま上手に隠れてなさい」

「ミーコ、見つかったらダメなんじゃ…?」

リンが心配そうにミーコを見つめる。

「すぐにリンの所に転移してくるから大丈夫よ。その代わり、リンは上手に隠れておいて」

「うん、分かった」

「それでは、作戦開始!」

   ~~~

「アイ、灰色狼3体がこちらに近付いてきます」

「え、ウソ!?リンちゃんとナトリくんは?」

「子どもたちはこの先の遺跡に身を潜めています」

「無事なんだね…良かった」

アイはホッと胸を撫で下ろした。それから後ろを歩くディアとフォーラの方に顔を向ける。

「リンちゃんとナトリくんは、この先の遺跡にいるみたい」

「ハタモノ遺跡」

ディアはハッとしたように、口元に右手を当てた。

「なんだってあんな何もないところに」

「それからこの森、魔物がいるみたい」

「…え?」

アイの言葉を聞いて、全員に緊張が走る。

「フラン、ディアさんとフォーラさんをお願い」

「分かった、任せて」

フランは背負っていた大盾を下ろすと、ディアとフォーラに顔を向けた。

「おふたりは私から離れないでください」

ディアとフォーラは無言で頷くと、フランの背後に身を寄せる。

「おキク、いくよ!」

アイとおキクは顔を見合わせると、同時に頷いた。

「バステト」
「ライトニング」

ふたりの右手にそれぞれの武器が出現する。

「おキク、合図とともにスキル使用。15m先の正面の木を切り倒してください。魔物は3体です」

「任せて!カタパルト」

「アイは射撃準備。おキクが射線を確保します」

了解りょーかい!」

セーレーの指示におキクはスキルを発動し、アイは両手で短銃を構える。

「今です!」

次の瞬間、セーレーの合図が鋭く響いた。

「セット!」

おキクは足下の魔法陣を蹴りつけると、一気に前方に加速する。そのまま一瞬で目前に迫る木の幹を、両手剣で切り倒した。

同時にその木の真後ろにいた1体の灰色狼も、影を噴き出し消滅する。

倒れてくる木を躱すように、1体の灰色狼が飛び出してきた。それを待ち構えていたアイが、短銃を撃ち込み3発の弾丸で消滅する。

「おお!」

アイの瞳が感動でキラリと輝いた。

残る1体も、既におキクが倒し終えている。

「私たち、強くなってる!」

アイは嬉しそうに、小さくガッツポーズで喜んだ。
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