中2女子が夏休みに、異世界を救うことになりました!〜RPGにようこそ〜

さこゼロ

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第3章

ヨーケバ城跡の悪魔 1

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アイたちが時空間を飛び越え、ラング国への転位に成功すると、カタン出張所の寝室でジェーンが出迎えてくれた。

「皆さんに、市長から話があるから来て欲しいと伝言だよ」

「市長が?」

アサノがちょっと嫌そうに応える。

「それでは皆さん、体に気を付けて、いってらっしゃい」

ジェーンはお辞儀をすると、部屋から退室した。

「話って何だろ?」

アイが独り言のように呟く。

「ま、しょーがない。とりあえず行くか」

アサノは全員の顔を見回すと、ワシャワシャと頭を掻いて溜め息を吐いた。

   ~~~

アイたちが市長官邸に入ると、待っていた秘書官の女性が市長室まで案内をしてくれた。

「おお、よく来てくれた」

部屋に入ると、市長が両手を広げて皆を歓迎する。

「何か用かよ」

アサノがフンと鼻を鳴らして冷たく言い放った。

「アサノ!」

サカシタが小声で横のアサノを注意する。しかし市長に、気に留めた様子は全くない。

「アサノくんは相変わらず冷たいのう」

次の瞬間、市長が突然顔を赤らめると、鼻息を荒くしてプルプルと身震いした。

(あ、コレ…ダメな大人だ)

アイとおキクが白い目で市長を見る。

「市長!」

秘書官がどこから取り出したのか、市長の頭をハリセンでスパンとはたいた。

「子どもが見ています」

市長はハッと我にかえると、「コホン」と咳払いを挟んで居住まいを正す。

「今日呼んだのは他でもない」

そして、何事もなかったかのように話し始めた。

「赤き結界師についての情報が、少しだけ判明したんじゃ」

「居場所が分かったのか?」

アサノが身を乗り出して反応する。

「いや…最後の足取りまでじゃ」

「どこだ?」

「もう50年以上も前の話じゃが、カムカ村に移り住んだらしいのじゃ」

(カムカ村?どこかで聞いたような…)

おキクはハッと思い出しフランの方を見た。フランは俯き押し黙っている。

「じゃがな…魔物の襲撃によって攻め滅ぼされておる。今のところ安否は不明じゃ」

市長の言葉に場の空気がドンヨリと沈んだ。アサノに至っては舌打ちをしながら床を蹴っている。

「大丈夫。きっと生きてるよ」

そのときアイが、あっけらかんと笑った。

「なんでそう言い切れる?」

アサノが鋭い目でアイを睨む。

「だって、予言が出てるんだもん」

「そ…そうじゃ!」

アイの言葉に市長の瞳が輝いた。

「あの予言があるんじゃ。きっと何処かで生きているに決まっておる!」

   ~~~

市長の話が終わると、アサノとサカシタはネヤガー市へと転移していった。

アイたちは一旦冒険者の詰所に向かうことにする。その道中でおキクはフランに話しかけた。

「フラン、もしかして…」

「ごめんなさい。分かりません」

フランはおキクの言葉を遮り頭を下げる。

「父には何も聞かされていません。ただ…」

「ただ?」

「コレは昨日思い出したことなのですが、実は父に言われていたことがあります」

フランは背筋をピンと伸ばすと、アイとおキクを真っ直ぐに見た。

「もしもこの先、この国が未曾有の災いに見舞われたなら…マイール村に向かうようにと」

「そこって!」

「はい…サトーさんのお話に出てきた村です」

「何があるの?」

「ごめんなさい。知らないんです」

「じゃあこのパーティの最初の目的は、フランをマイール村に連れて行くことだね」

アイが「ヨッシ!」と気合いを入れる。

「そうね」

おキクも大きく頷いた。

「なんだか燃えてきたー!」

アイは体を反らして空を見上げると、両手を大きく振り上げた。
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