中2女子が夏休みに、異世界を救うことになりました!〜RPGにようこそ〜

さこゼロ

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第3章

ヨーケバ城跡の悪魔 3

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『どうせカタン市にも寄るのでしょう?もしかしたら、掘り出し物の冒険者に出会えるかもしれませんよ?』

ターニャはモノマネを織り混ぜながら、これまでの状況を説明した。根本的には楽しい人のようだ。

「へー、ソアラさんがそんなことを…でも掘り出し物って誰のことだろ?」

(いや、多分私たち!)

アイの天然におキクが内心でツッコミを入れた。

「ほー、ソアラと面識があるんだ?」

するとターニャが目を細めて、興味深そうにアイの顔をジロジロと見回す。それからパッと、エリサの方に顔を向けた。

「エリサさん、コイツらの討伐履歴って分かる?」

「それは勿論分かりますが、そう簡単に教える訳には…」

「ったく…お堅いことで」

ターニャは肩をすくめると、口元に手を当て思案顔になる。

「だったら今までの合計討伐数は?それくらいなら構わないよな?」

「まあ、そのくらいなら…少々お待ちください」

ターニャに言われて、エリサは自分の端末から情報を引き出す。

「139体ですね」

(…見込み違いか)

エリサの返答を聞いて、ターニャは思わず落胆してしまった。

「お前らもっと頑張れよ。冒険者になってどのくらいになるんだ?」

「え…?」

ターニャの言葉に、3人はお互い顔を見合わせる。

「5日目になります」

おキクが代表で、指折り数えながら答えた。

「……は?」

ターニャが素っ頓狂な声をあげる。

(待て待て。あり得るのか、そんなこと?)

たった数日でこれだけの討伐数となると、大規模襲撃戦にでも参加しないと絶対に無理だ。そして、最近あった大規模襲撃と言えば…

ネヤガー市ヤータ市同時襲撃!

ソアラと面識があったことを踏まえると、ヤータ市防衛戦に参加していたことになる。しかし…これだけの戦果で、なぜ何の話題にもならない?

「やりやがったな、ソアラのヤツ」

ソアラの真意は分からないが、この事実を意図的に隠したのだ。

それと、もうひとり…

ターニャはエリサの方に鋭い視線を向けた。

「!?」

その瞬間、エリサは一瞬ビクッと反応し、それからスッと視線を逸らす。

エリサとソアラが共犯かどうかは分からないが、この3人に何かしらの大きな期待をかけているのは確かなようだ。

どうやら当たりを引いたらしい…ターニャはニヤリと笑った。

「お前ら、今からオレと一緒に、魔物退治に行こーぜ!」

   ~~~

「魔物退治?私たちと?」

アイがキョトンとターニャを見つめた。

「ああ、このあと何か用事があるのか?」

「あ…えと」

急に言われて、アイは困ったようにおキクとフランに助けを求める。するとフランが、アイの代わりに口を開いた。

「特には…ないです」

「なら決まりだ。ついて来な」

ターニャは詰所の奥へと歩いて行こうとする。

「待ってください!何処に向かわれるんですか?」

そのときエリサが、慌てたようにターニャを呼び止めた。

「ヨーケバ城跡」

「い、いけません!あそこは…っ」

エリサの顔が一気に真っ青になる。

「どうせ誰かがやらなくちゃならないんだ。オレたちがダメな理由なんかないよな?」

「彼女たちは、初心者なんですよっ!」

ターニャの鋭い口調に、エリサも負けじと大きな声で反論した。

「ヨーケバ城跡?」

ターニャとエリサの言い合いを横目に、アイがフランにコソッと近付く。

「ヤータ市の北東にある遺跡です。強力な魔物が寝床にしていると聞いたことがあります」

「なんか遠そう…日数制限は大丈夫かな?」

「心配するとこ、そこですか?」

フランは呆れて、開いた口が塞がらない。

「エリサさん、お話中すみません」

そのときおキクが、少し遠慮がちにエリサに話しかけた。

「は、はい。何でしょう」

「遠出になりそうなので、今のうちに5万マール下ろしてもらえませんか?」

そう言って自分の登録証を差し出す。

「あ、はい……って、ええ!?」

「ほら見ろ。コイツらの方が、よっぽど肝が座ってるじゃないか!」

ターニャがバシバシと、エリサの背中を叩いた。

「エリサさん。必ず達成して戻ってくるから心配すんなって!」
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