中2女子が夏休みに、異世界を救うことになりました!〜RPGにようこそ〜

さこゼロ

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番外編

イバキ市奪還作戦 6

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ソアラたち、複数の冒険者の連合部隊は、街の中心部に位置する中央図書館の奪還に尽力していた。

この図書館にも防護魔法陣が施してあり、これを再起動させれば充分な拠点となり得るからである。

そうして図書館に近付いたとき、その付近にいる5体の甲殻猪と2体の火炎鴉を、ソアラの索敵で発見した。

「皆さんは甲殻猪をお願いしますわ。火炎鴉はこちらで引き受けます」

即座に出したソアラの指示に、7人の冒険者が「任せろ!」と駆けていく。

ソアラは威嚇射撃で火炎小銃フレイムバルカンを上空にばら撒き、火炎鴉の注意を自分たちの方に引きつけた。

2体の火炎鴉は前後に一列に並ぶと、ソアラたち4人に向けて急降下を開始する。

「出番じゃな」

ドーンがパーティの先頭に進み出た。

そのときグングンと迫る火炎鴉が、大きく開けた口から火炎弾を撃ち出す。ドーンは盾でその2発を正面から受け止めるが、その衝撃に半歩後退りする。

火炎鴉はそのまま頭上を滑空すると、再び舞い上がるために一度大きく羽ばたいた。

「シスト!」

「はい、ソアラさま」

ソアラの鋭い指示に応え、シストはお腹の前で左手首にある銀のアミュレットに右手で触れる。

強襲蔦アサルトアイヴィ

シストは魔法を唱えると同時に、両腕を大きく横に広げた。反動でお胸がポヨンと揺れる。

広げた両手の下、シストの両脇の地面に2個の魔法陣が浮かび上がると、そこからシュルシュルと蔦が伸びてきた。

「捉えなさい!」

シストは両腕を勢いよく振り上げると、頭上で両指を組み合わせる。自己主張の激しいお胸が大きく弾んだ。

(ワザと、なのかしら?)

比較的スレンダーな体型をしているソアラは、事あるごとにモヤっとした気持ちになる。

シストの鋭い声に、2本の蔦が猛スピードで伸びていく。そして背後から火炎鴉を絡めとると、強引に地面に引きずり下ろした。

直後にザキが飛びだすと、1体の火炎鴉の翼を斬り裂いた。そのままもう1体の火炎鴉の元に向かい、今度は腕をクロスさせ、両腕を左右に開くように2本の短刀カトラスで首を斬り落とした。

頭を失った火炎鴉は、影と化して消滅する。

地獄の業火ヘルフレイム!」

ソアラが魔法を唱えると、翼を裂かれ身動きの取れない火炎鴉の下に魔法陣が広がる。そしてそこから炎の柱が勢いよく噴き上がった。

「ゴアッ」

炎の中で火炎鴉が断末魔の声をあげると、消し炭のように消え去っていった。

   ~~~

ソアラたちは火炎鴉の討伐に成功した後、甲殻猪の対処にも向かった。

既に何人かの怪我人が出ていたものの、彼女たちの援護によって、その後討伐に成功した。

それから図書館の防護魔法陣に魔力を送り込み、防護壁が再起動する。そこで冒険者たちは、施設の中で身体を休めることにした。魔法陣の起動を確認した軍隊が、すぐにやって来る筈である。

そんな時、ひとりの男性冒険者が図書館施設内に飛び込んできた。

「すまない、誰か手を貸してくれ!」

男は息を切らしながら、声を絞り出す。

「一体何事かしら?」

少し怪訝な表情を見せながら、ソアラがゆっくりと立ち上がった。

冒険者たちは魔術学院を奪還したのち、二手に別れて進軍していた。防護魔法陣が施されている、図書館組と大型商業施設組である。

つまりこの男は、もう片方の大型商業施設に向かった冒険者ということになる。

「装甲猪が出た!既に何人も被害が出てる」

「な…!?」

その魔物の名前に、ソアラは思わず絶句した。後ろで聞いていた冒険者たちからも、ザワッとどよめきがあがる。

装甲猪とは、身体中が鉱石で覆われた大型の魔物である。体躯は高さが3m、体長は5mを優に越し、その大きな身体を支えるために脚は太く短い。

攻撃方法は甲殻猪と同じで、突進するだけの単細胞なのだが、鋭い牙も鉱石の身体もその体格も、全てが規格外に跳ね上がっている。危険度特A級の軍隊要請レベルである。

「軍に…連絡は?」

「別の者が既に向かってる。とにかく人手が全く足りないんだ!」

ソアラは目を閉じて顔を伏せると、ゆっくり大きく深呼吸をした。

「ザキ、ドーン、シスト!準備はよろしくて?」

「問題ない!」

ザキが瞬時に鋭く返答する。ドーンとシストも、ザキの横で大きく頷く。

「私たちが行きますわ!」

ソアラが胸を張って、高らかに宣言した。

「アナタはここで休んでなさい」

救援要請に来た冒険者にそう伝えると、他の冒険者全員の方に顔を向ける。

「軍隊が来るまで、ここの防衛は任せますわ!」

そう言い残して、ソアラたちは図書館から飛び出していった。

太陽はその姿を殆ど隠し、夜が近付きつつあった。
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