ハズレ召喚として追放されたボクは、拡大縮小カメラアプリで異世界無双

さこゼロ

文字の大きさ
23 / 165
第2章 リース領へ

23

しおりを挟む
ボクはヘッドスライディングで飛び込むと、少女を胸元に抱きよせた。轟音と共にオーガの棍棒が地面を打ち付ける。

うおーー!ギリギリセーーフ。

なんとか少女をオーガの攻撃から助け出すことに成功した。

ボクは身を起こすと、オーガの姿を確認する。すると、オーガの棍棒が打ち付けた場所と、さっきまで少女がいた場所が若干ズレていることに気付く。

あ…あれ?もしかして、ギリギリアウトだったんじゃない?

「こらー、ケータ!無茶なことはヤメテよ!」

「ホントだよ!ハルカの結界が無かったらどうなってたか…」

ハハ…、やっぱりアウトだったみたい。

しかし流石はレアモノのスキルだな。防御力も半端ない。あんなゴツい棍棒を弾き返すとは。

「だ、誰…?」

その時、我に返った少女がボクに聞いてきた。

「ボクはケータ…」

「ケータくん、危ない!」

サトコの声に、ボクは咄嗟に少女をお姫さま抱っこで抱きかかえると、その場を離脱する。

その瞬間、オーガの棍棒が轟音と共に地面を再び打ち付けた。衝撃で地面が少し陥没する。こちらの方にも土のカケラが飛んでくるが、ハルカの結界に弾かれた。

「ちょっと掴まってて!」

「う、うん」

少女はボクの首筋に両腕を回すと、ボクにギュッとしがみついた。それを確認してから、ボクは一気に加速する。

「きゃっ!」

急な加速に少女は小さな悲鳴をあげた。

「ハルカ、この子を頼む!」

「任せて」

ボクは少女をハルカに預けると、サトコの方に顔を向けた。

「サトコ、カリューでオーガの気を少しの間そらせて!」

カリューのサイズは10分の1のままだが、負けることはないだろう。

「分かった」

サトコはスマホの「呼出」アイコンをタップした。

「カリュー、お願い!」

「任せておけ」

なんと、いちいち説明しなくても意思疎通が出来てる!やっぱりスゴいスキルだな…

カリューはオーガの周囲を飛び廻り、ブレスをオーガに噴きつける。自分の3倍近い大きさのオーガを相手にカリューは圧倒していた。時間をかければカリューが勝つだろうが、任せっきりには出来ない。

ボクは倒れた兵士のそばに落ちていた槍を、スマホで写真に撮った。長さが1.5メートル程あり、拾い上げると少し重いが、今のボクなら投げられる。

ボクは投げ槍の要領でその槍を投げつけた。

「カリュー、躱せ!」

叫ぶと同時に、ボクは10倍アイコンをタップした。カリューは瞬時に上空に避難する。

その瞬間、投げた槍は太さ1メートル、長さ15メートル程の巨大な槍と化し、その質量でオーガを貫く。そのままオーガを連れて数十メートル飛び、槍は地面に突き刺さった。

槍に貫かれたままオーガは暫く痙攣していたが、やがて力尽き黒い煙となって霧散した。それから紅い結晶が地面をコロンと転がった。

   ~~~

ボクたちは助けた少女を手伝って、散乱していた兵士たちの遺体を綺麗に並べ直した。それから祈りを捧げる少女に倣って、ボクらも黙祷した。

「間に合わなくて、ごめん」

ボクは少女に謝った。

「ううん、お兄ちゃんのせいじゃないよ」

少女はボクに向き直った。

「私、ルー。助けてくれてありがとう」

「ルーちゃんか、ボクは…」

「さっき聞いたよ。ケータお兄ちゃん!」

ルーは頬を赤く染めると、大きな青い瞳でボクを見上げた。

え…?お兄ちゃん?ボクは目をパチクリとさせた。

「ちちち、ちょっと!なに勝手に『お兄ちゃん』とか呼んでるのよ!」

ハルカが焦ったように、ルーに向けて突然吠えた。
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【モブ魂】~ゲームの下っ端ザコキャラに転生したオレ、知識チートで無双したらハーレムできました~なお、妹は激怒している模様

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
よくゲームとかで敵を回復するうざい敵キャラっているだろ? ――――それ、オレなんだわ……。 昔流行ったゲーム『魔剣伝説』の中で、悪事を働く辺境伯の息子……の取り巻きの一人に転生してしまったオレ。 そんなオレには、病に侵された双子の妹がいた。 妹を死なせないために、オレがとった秘策とは――――。

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...