ハズレ召喚として追放されたボクは、拡大縮小カメラアプリで異世界無双

さこゼロ

文字の大きさ
49 / 165
第4章 シシーオ領にて

49

しおりを挟む
軍事用魔法道具のコーナーを歩いていたときに、とうとう私のスマホが「ピコン」と鳴った。

「きた!」

私は小さく歓喜の声をあげた。

「えー、ズルい!」

サトコが不満そうな顔をしながら私のスマホを覗き込んだ。まあ、ここで結果を出せるトコが、私とアンタの差ってことよ!

「大丈夫、サトコもすぐに見つかるって」

私は上から目線でサトコに微笑みかけた。サトコは私の意図を正確に読み取り、「むー」と頬を膨らませる。やっぱりコレくらい察しが良くないと、嫌味の言い甲斐もないってもんだ。

「ケータ、来て!」

私は背伸びをして陳列棚から顔を覗かすと、右手を振ってケータを呼んだ。

「どんな効果なんだ?」

私の呼びかけにケータとユイナさんが合流すると、ケータが瞳を輝かせて聞いてきた。

「今から店員呼ぶとこ」

それから私は、呼ばれてやって来た先程の店員に、チェーンの先に小箱の付いた、ペンダントみたいな魔法道具のことを質問した。

「これは、拘束用の魔法道具ですね。コレを相手の首にかけると、箱から発生した光の輪で拘束するコトが出来るのです」

「はあ、首にかける……ですか」

使い勝手が良いとはとても思えない。

「お察しのとおり、相手の隙をつくか、無力化してからでないと使えないという難点はあります」

店員は私の表情を読み取り、捕捉説明を始めた。

「しかしチェーン部分は付け替え可能であり、過去には『オーガ』を拘束したこともある優れた逸品なのです!」

店員は右拳を振り上げながら力説した。しかしどうなんだ?私たちが選ぶのは「なんだかなー」な代物ばかりだ。

そして、この店員の「店員魂」をくすぐるモノでもあるみたい。

だけどコレで納得した。値札が、定価5万リングから1万5千リングに下がっている訳を…。決して質が悪い訳じゃないってコトか。

私はケータの顔を見た。ケータはニッコリ笑って頷いてくれた。

「すいません、コレください」

私は店員に商品とお金を渡した。

   ~~~

私は魔法道具をスマホにインストールさせると、聖女のアイコンをタップした。純白のローブに早変わりした私の姿にユイナは少なからず驚いていたけど、ま、いっか。この状態でないと、スキルが確認出来ないんだよね。

案の定、スマホの画面に『新しいスキルが追加されました』とインフォメーションが入った。続いてスキルを画面で確認する。

聖女(純白のローブ)
衣装スキル:魔法及びスキルの対象にならない
職業スキル:結界術(自身及び任意の相手に身を護る結界を張る)
追加スキル:捕縛結界術(任意の対象を結界術で拘束する。さらに結界を自在に操り連行可能)

確かにスキルが追加されてる。さらに追加効果がプラスされてる。でもって、あくまで結界術なんだから、相手を弱らせなくても使えるってコトだ。いやー自分で言うのもなんだけど、聖女強くね?

「はー、これがレアモノ補正か…」

ケータが深い溜め息をついた。

   ~~~

結局サトコのスマホは最後まで反応しなかった。

店の端まで行ったサトコは、壁に掛けてある帽子を見上げて不意に立ち止まる。

まるで魔女が被ってるような黒くてブリムの広いトンガリ帽子だ。何してるんだろ?て思ってたら、背伸びしながら懸命に手を伸ばし始めた。

なんだか手が届かないみたい。私はサトコをボーッと眺めていた。しかしこれが油断だった。一瞬の隙をついて事件が起こってしまった。

サトコの背後から近寄ったケータが「よっ」と背伸びして帽子を取ると、「ほいっ」とサトコに被せたのだ。

驚いたサトコが振り返り、真後ろにいたケータに気付くと、顔が真っ赤になった。

「これくらい、言えよな」

ケータが微笑んだ。

「あ、ありがと」

サトコは両手で帽子を目深に下ろしながら顔を伏せた。そのときトンガリ部分の先端に付いていた「赤いのハート」のキーホルダーがシャランと揺れた。

私は声を出すことも出来ないまま、この一部始終を見せつけられていた。
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【モブ魂】~ゲームの下っ端ザコキャラに転生したオレ、知識チートで無双したらハーレムできました~なお、妹は激怒している模様

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
よくゲームとかで敵を回復するうざい敵キャラっているだろ? ――――それ、オレなんだわ……。 昔流行ったゲーム『魔剣伝説』の中で、悪事を働く辺境伯の息子……の取り巻きの一人に転生してしまったオレ。 そんなオレには、病に侵された双子の妹がいた。 妹を死なせないために、オレがとった秘策とは――――。

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...