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第5章 合同演習1日目
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「ユイナ、アイツ何なのよ!」
まるで世の女性は、全て自分の思い通りになると信じているような態度…、あー腹立つーっ!私が地面をガンガンと踏み付ける仕草を見て、ユイナが苦笑いをする。
「私もあの人は苦手だけど、一言でいうなら『天才』ですね」
ユイナが真剣な表情になった。
「天才?」
サトコが不安そうに聞き返す。
「はい。普通は魔法の適性というのはひとりにひとつなんですが、彼には『炎』『土』『腕力強化』の3適性があるのです」
ユイナが去っていくアインザームの後ろ姿に目をやりながら、少し重い雰囲気になる。
「2つならたまにいるのですが、3つとなると私はあの人しか知りません」
「適性が多いと、そんなにスゴいの?」
「それはそうですよ!」
サトコのピンときてない様子に、ユイナは被せるように声を張り上げた。
「例えば私たち衛兵は、基本的に複数人で隊を組みます。何故だか分かりますか?」
「それはお互いに助け合うために、だと思う」
「広い意味では、そうですね。もし炎魔法の使い手が炎が全く効かない魔物に一人で出会ったら、どうなりますか?」
サトコはハッとして押し黙った。その表情からサトコの内心が安易に読み取れる。
「そうです。もし逃げ延びることが出来たなら、それはとても運が良かったと言えます。だから私たちは隊を組むのです。そして隊のメンバーは、得意なことが重ならないよう考慮して選出されます」
「それを一人でやっちゃう訳だ」
私の言葉を聞いて、ユイナが頷いた。腹立たしいことだが、どうやら本物らしい。とはいえ、見直す気分には全くなれない。
「そのうえ、強化魔法によって物理にも対応出来ますからね、天才と騒がれる所以です」
言いながらユイナは、周りをキョロキョロした。
「私の見立てでは、ハルカさんとサトコさんの様子を伺っていた男性は結構いたと思います。ですが、ある意味もう安全です。アインザームさんが狙っていると分かったのですから、もう誰も手を出しません。皆んな分かってるんです」
そこまで言ってユイナはケータに顔を向けた。
「ケータさんのお気持ちは分かりますが、アインザームさんと事を構えるのは賢い選択とは思えません」
あ、そうだった!この流れ…、絶対アイツとバトるやつじゃない!こんなの嫌な予感しかしない。
「演習内容は分かりませんが、衛兵の演習である限り一対一とは思えません。万が一、二対二なんてことになれば最悪です」
ユイナが蒼い顔になった。
「アインザームさんが唯一認めている、ハイラインさんと組むに決まってますから」
ハイラインさん…さっきの大柄な男性か。あのアインザームの性格の割には、素直に引き下がったなと思ってたけど、天才が一目置いてる人って、一体どんなヤツよ!ヤバイに決まってる!
私たちが一回アイツとお茶的なことをすれば、事は収まるの?だけど、あのチャラ男がその一回で満足するとは思えない。力を振りかざして、どんどん次の要求を押し付けてくるに決まってる。そんなの絶対イヤ!だけど…他に方法なんてある?
そのとき私の左腕を掴むサトコの手に、キュッと力が入った。ふと顔を向けると、サトコの不安そうだけど意志のある視線とぶつかる。きっと同じこと考えてる…
ケータを守るためには、私たちで何とかするしかない…
「ハルカにサトコ」
急にケータが私たちを呼んだ。ふと顔を向けると、スゴく優しい笑顔でこちらを見ていた。
「ボクはふたりに心配してもらいたいんじゃない。信じてもらいたいんだ」
その笑顔に思わずハッとした。そうだよ、私のケータがあんなタラシヤローに負けるなんて絶対ない。弱気になった自分が恥ずかしい。
だってケータは「勇者」なんだから!
「ケータ、あんなチャラ男、絶対ゼッタイぶっ飛ばして!」
「ケータくん、私のこと守ってよね。絶対だよ!」
私とサトコはケータに駆け寄ると、それぞれ両傍から腕を組んだ。
「ああ、任せろ!あのヤロー、絶対ぶっ飛ばす」
まるで世の女性は、全て自分の思い通りになると信じているような態度…、あー腹立つーっ!私が地面をガンガンと踏み付ける仕草を見て、ユイナが苦笑いをする。
「私もあの人は苦手だけど、一言でいうなら『天才』ですね」
ユイナが真剣な表情になった。
「天才?」
サトコが不安そうに聞き返す。
「はい。普通は魔法の適性というのはひとりにひとつなんですが、彼には『炎』『土』『腕力強化』の3適性があるのです」
ユイナが去っていくアインザームの後ろ姿に目をやりながら、少し重い雰囲気になる。
「2つならたまにいるのですが、3つとなると私はあの人しか知りません」
「適性が多いと、そんなにスゴいの?」
「それはそうですよ!」
サトコのピンときてない様子に、ユイナは被せるように声を張り上げた。
「例えば私たち衛兵は、基本的に複数人で隊を組みます。何故だか分かりますか?」
「それはお互いに助け合うために、だと思う」
「広い意味では、そうですね。もし炎魔法の使い手が炎が全く効かない魔物に一人で出会ったら、どうなりますか?」
サトコはハッとして押し黙った。その表情からサトコの内心が安易に読み取れる。
「そうです。もし逃げ延びることが出来たなら、それはとても運が良かったと言えます。だから私たちは隊を組むのです。そして隊のメンバーは、得意なことが重ならないよう考慮して選出されます」
「それを一人でやっちゃう訳だ」
私の言葉を聞いて、ユイナが頷いた。腹立たしいことだが、どうやら本物らしい。とはいえ、見直す気分には全くなれない。
「そのうえ、強化魔法によって物理にも対応出来ますからね、天才と騒がれる所以です」
言いながらユイナは、周りをキョロキョロした。
「私の見立てでは、ハルカさんとサトコさんの様子を伺っていた男性は結構いたと思います。ですが、ある意味もう安全です。アインザームさんが狙っていると分かったのですから、もう誰も手を出しません。皆んな分かってるんです」
そこまで言ってユイナはケータに顔を向けた。
「ケータさんのお気持ちは分かりますが、アインザームさんと事を構えるのは賢い選択とは思えません」
あ、そうだった!この流れ…、絶対アイツとバトるやつじゃない!こんなの嫌な予感しかしない。
「演習内容は分かりませんが、衛兵の演習である限り一対一とは思えません。万が一、二対二なんてことになれば最悪です」
ユイナが蒼い顔になった。
「アインザームさんが唯一認めている、ハイラインさんと組むに決まってますから」
ハイラインさん…さっきの大柄な男性か。あのアインザームの性格の割には、素直に引き下がったなと思ってたけど、天才が一目置いてる人って、一体どんなヤツよ!ヤバイに決まってる!
私たちが一回アイツとお茶的なことをすれば、事は収まるの?だけど、あのチャラ男がその一回で満足するとは思えない。力を振りかざして、どんどん次の要求を押し付けてくるに決まってる。そんなの絶対イヤ!だけど…他に方法なんてある?
そのとき私の左腕を掴むサトコの手に、キュッと力が入った。ふと顔を向けると、サトコの不安そうだけど意志のある視線とぶつかる。きっと同じこと考えてる…
ケータを守るためには、私たちで何とかするしかない…
「ハルカにサトコ」
急にケータが私たちを呼んだ。ふと顔を向けると、スゴく優しい笑顔でこちらを見ていた。
「ボクはふたりに心配してもらいたいんじゃない。信じてもらいたいんだ」
その笑顔に思わずハッとした。そうだよ、私のケータがあんなタラシヤローに負けるなんて絶対ない。弱気になった自分が恥ずかしい。
だってケータは「勇者」なんだから!
「ケータ、あんなチャラ男、絶対ゼッタイぶっ飛ばして!」
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「ああ、任せろ!あのヤロー、絶対ぶっ飛ばす」
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