ハズレ召喚として追放されたボクは、拡大縮小カメラアプリで異世界無双

さこゼロ

文字の大きさ
80 / 165
第6章 合同演習2日目

80

しおりを挟む
翌朝。

訓練生同士の演習が始まった。

壮年の主任教官が消魔の空間を設置して、次々と試合をこなしていく。

アインザームとケータたちは、この演習から外された。誰も彼らとやりたがらなかったからだ。教官に勝った隊と、その彼らに勝った隊だからね。仕方ない。

「次、ローゼリッタ、ユイナ隊、ハルカ、サトコ隊出ろ」

あ、呼ばれた。これが私たちの初試合になる。しかも相手はローゼリッタだ…

「約束、覚えてるよな!」

ローゼリッタが挑発するように声を張り上げた。勝つ気満々だな。とはいえコチラも、負ける訳にはいかない。

「絶対、勝てよ」

ずっと態度がよそよそしかったケータが、私たちを心配そうに見てきた。ま、原因はきっと私なんだろうけど…

「あれ、応援してくれるの?」

私はちょっと意地悪く言った。

「あ、当たり前だろ。何でだよ?」

「だってケータ、満更でもなさそうだった」
「ケータくんだって、男の子だもん…。興味あるのは分かるよ」
「ケータお兄ちゃん、イヤらしい目をしてました」

「そそ…そんなことねーよ!」

ケータの目が、面白いくらい泳いでる。私たち3人は顔を見合わせて「プフッ」と笑った。

「大丈夫、絶対勝つから」
「あんな人にケータくんは絶対渡さない」

「ああ、頼んだぞ」

私とサトコは揃って頷いた。

「それじゃ、行ってきます」

   ~~~

「すみません、ちょっといいですか?」

私は空間内から、主任教官に声をかけた。

「言ってみなさい」

「私は防護魔法の使い手で、攻撃の手段があまりありません。なので相手の攻撃を3分間耐え切ったら勝ちにしてもらえませんか?」

「ふむ、相手が承諾するなら別に構いませんが?」

壮年の主任教官はローゼリッタの方に顔を向けた。

「アタシは構わねーぜ。相方のユイナもアンタらとは戦いにくいだろうからな」

ユイナはコクコクと何度も頷く。

「ただし、3分もいらねー。一撃だ!アタシの一撃に耐えたら、オマエの勝ちでいい」

乗ってきた!

ルーの分析によると、ローゼリッタの武器は大剣で炎魔法による属性付加が得意みたい。自分の一撃に絶対の自信を持つタイプ。

挑発すれば必ず受けると、ルーが言ってた通りね。

「よろしい、それでは始めなさい」

教官の開始の合図とともに、私とローゼリッタが歩み出て、お互いの距離を詰めていく。

その過程で私は結界を発動させる。一度球状に展開するが直ぐさま身体にフィットさせる。何度練習しても、これ以上は私には無理だった。

「死んでも後悔するなよ」

「やれるモノならやってみなさいよ!」

私たちは短く言葉を交わす。

「炎熱剣」

ローゼリッタは大剣を中段に構えると、魔法を唱えた。鋼鉄製の大剣が、みるみる真っ赤に熱されていく。見るからにヤバそうな感じがビンビンと伝わってきた。

ローゼリッタが大剣を上段に振り上げた。それを受けて、私は右の手のひらを前に突き出す。これで意図は伝わるハズ…

「太刀筋を見切るなんて無理そうだもんな。いいぜ、だな」

良かった、伝わった。

その瞬間、ローゼリッタが大剣を振り下ろした。私の右手にかなりの衝撃が走る。両足を前後に開き、気合いで踏ん張る。

そのとき私を中心に「ブワッ」と突風が円環状に発生し、その風が周りの観戦者に襲いかかった。突風が通り過ぎたあと、ローゼリッタの大剣を右手で受け止める私の姿を見て、周りの観戦者から響めきが起こった。

「私の勝ちね」

驚いた表情のローゼリッタを見ながら、私は宣言した。しかし勇者の筋力とは、大したモノだ。アレ程の衝撃を支えられるのだから。

「すまない、待ってくれ」

ローゼリッタが大剣を引きながら、強い視線を私に向けた。

「なによ?」

「さすがに少し躊躇った。アタシだってアンタを殺したい訳じゃないからな」

ローゼリッタは後頭部を掻きながら、フイッと視線を外す。しかし直ぐさま私に向き直った。

「次は本気でやる。頼む、もう一度やらせてくれ」
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【モブ魂】~ゲームの下っ端ザコキャラに転生したオレ、知識チートで無双したらハーレムできました~なお、妹は激怒している模様

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
よくゲームとかで敵を回復するうざい敵キャラっているだろ? ――――それ、オレなんだわ……。 昔流行ったゲーム『魔剣伝説』の中で、悪事を働く辺境伯の息子……の取り巻きの一人に転生してしまったオレ。 そんなオレには、病に侵された双子の妹がいた。 妹を死なせないために、オレがとった秘策とは――――。

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...