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第6章 合同演習2日目
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翌朝。
訓練生同士の演習が始まった。
壮年の主任教官が消魔の空間を設置して、次々と試合をこなしていく。
アインザームとケータたちは、この演習から外された。誰も彼らとやりたがらなかったからだ。教官に勝った隊と、その彼らに勝った隊だからね。仕方ない。
「次、ローゼリッタ、ユイナ隊、ハルカ、サトコ隊出ろ」
あ、呼ばれた。これが私たちの初試合になる。しかも相手はローゼリッタだ…
「約束、覚えてるよな!」
ローゼリッタが挑発するように声を張り上げた。勝つ気満々だな。とはいえコチラも、負ける訳にはいかない。
「絶対、勝てよ」
ずっと態度がよそよそしかったケータが、私たちを心配そうに見てきた。ま、原因はきっと私なんだろうけど…
「あれ、応援してくれるの?」
私はちょっと意地悪く言った。
「あ、当たり前だろ。何でだよ?」
「だってケータ、満更でもなさそうだった」
「ケータくんだって、男の子だもん…。興味あるのは分かるよ」
「ケータお兄ちゃん、イヤらしい目をしてました」
「そそ…そんなことねーよ!」
ケータの目が、面白いくらい泳いでる。私たち3人は顔を見合わせて「プフッ」と笑った。
「大丈夫、絶対勝つから」
「あんな人にケータくんは絶対渡さない」
「ああ、頼んだぞ」
私とサトコは揃って頷いた。
「それじゃ、行ってきます」
~~~
「すみません、ちょっといいですか?」
私は空間内から、主任教官に声をかけた。
「言ってみなさい」
「私は防護魔法の使い手で、攻撃の手段があまりありません。なので相手の攻撃を3分間耐え切ったら勝ちにしてもらえませんか?」
「ふむ、相手が承諾するなら別に構いませんが?」
壮年の主任教官はローゼリッタの方に顔を向けた。
「アタシは構わねーぜ。相方のユイナもアンタらとは戦いにくいだろうからな」
ユイナはコクコクと何度も頷く。
「ただし、3分もいらねー。一撃だ!アタシの一撃に耐えたら、オマエの勝ちでいい」
乗ってきた!
ルーの分析によると、ローゼリッタの武器は大剣で炎魔法による属性付加が得意みたい。自分の一撃に絶対の自信を持つタイプ。
挑発すれば必ず受けると、ルーが言ってた通りね。
「よろしい、それでは始めなさい」
教官の開始の合図とともに、私とローゼリッタが歩み出て、お互いの距離を詰めていく。
その過程で私は結界を発動させる。一度球状に展開するが直ぐさま身体にフィットさせる。何度練習しても、これ以上は私には無理だった。
「死んでも後悔するなよ」
「やれるモノならやってみなさいよ!」
私たちは短く言葉を交わす。
「炎熱剣」
ローゼリッタは大剣を中段に構えると、魔法を唱えた。鋼鉄製の大剣が、みるみる真っ赤に熱されていく。見るからにヤバそうな感じがビンビンと伝わってきた。
ローゼリッタが大剣を上段に振り上げた。それを受けて、私は右の手のひらを前に突き出す。これで意図は伝わるハズ…
「太刀筋を見切るなんて無理そうだもんな。いいぜ、ソコだな」
良かった、伝わった。
その瞬間、ローゼリッタが大剣を振り下ろした。私の右手にかなりの衝撃が走る。両足を前後に開き、気合いで踏ん張る。
そのとき私を中心に「ブワッ」と突風が円環状に発生し、その風が周りの観戦者に襲いかかった。突風が通り過ぎたあと、ローゼリッタの大剣を右手で受け止める私の姿を見て、周りの観戦者から響めきが起こった。
「私の勝ちね」
驚いた表情のローゼリッタを見ながら、私は宣言した。しかし勇者の筋力とは、大したモノだ。アレ程の衝撃を支えられるのだから。
「すまない、待ってくれ」
ローゼリッタが大剣を引きながら、強い視線を私に向けた。
「なによ?」
「さすがに少し躊躇った。アタシだってアンタを殺したい訳じゃないからな」
ローゼリッタは後頭部を掻きながら、フイッと視線を外す。しかし直ぐさま私に向き直った。
「次は本気でやる。頼む、もう一度やらせてくれ」
訓練生同士の演習が始まった。
壮年の主任教官が消魔の空間を設置して、次々と試合をこなしていく。
アインザームとケータたちは、この演習から外された。誰も彼らとやりたがらなかったからだ。教官に勝った隊と、その彼らに勝った隊だからね。仕方ない。
「次、ローゼリッタ、ユイナ隊、ハルカ、サトコ隊出ろ」
あ、呼ばれた。これが私たちの初試合になる。しかも相手はローゼリッタだ…
「約束、覚えてるよな!」
ローゼリッタが挑発するように声を張り上げた。勝つ気満々だな。とはいえコチラも、負ける訳にはいかない。
「絶対、勝てよ」
ずっと態度がよそよそしかったケータが、私たちを心配そうに見てきた。ま、原因はきっと私なんだろうけど…
「あれ、応援してくれるの?」
私はちょっと意地悪く言った。
「あ、当たり前だろ。何でだよ?」
「だってケータ、満更でもなさそうだった」
「ケータくんだって、男の子だもん…。興味あるのは分かるよ」
「ケータお兄ちゃん、イヤらしい目をしてました」
「そそ…そんなことねーよ!」
ケータの目が、面白いくらい泳いでる。私たち3人は顔を見合わせて「プフッ」と笑った。
「大丈夫、絶対勝つから」
「あんな人にケータくんは絶対渡さない」
「ああ、頼んだぞ」
私とサトコは揃って頷いた。
「それじゃ、行ってきます」
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「すみません、ちょっといいですか?」
私は空間内から、主任教官に声をかけた。
「言ってみなさい」
「私は防護魔法の使い手で、攻撃の手段があまりありません。なので相手の攻撃を3分間耐え切ったら勝ちにしてもらえませんか?」
「ふむ、相手が承諾するなら別に構いませんが?」
壮年の主任教官はローゼリッタの方に顔を向けた。
「アタシは構わねーぜ。相方のユイナもアンタらとは戦いにくいだろうからな」
ユイナはコクコクと何度も頷く。
「ただし、3分もいらねー。一撃だ!アタシの一撃に耐えたら、オマエの勝ちでいい」
乗ってきた!
ルーの分析によると、ローゼリッタの武器は大剣で炎魔法による属性付加が得意みたい。自分の一撃に絶対の自信を持つタイプ。
挑発すれば必ず受けると、ルーが言ってた通りね。
「よろしい、それでは始めなさい」
教官の開始の合図とともに、私とローゼリッタが歩み出て、お互いの距離を詰めていく。
その過程で私は結界を発動させる。一度球状に展開するが直ぐさま身体にフィットさせる。何度練習しても、これ以上は私には無理だった。
「死んでも後悔するなよ」
「やれるモノならやってみなさいよ!」
私たちは短く言葉を交わす。
「炎熱剣」
ローゼリッタは大剣を中段に構えると、魔法を唱えた。鋼鉄製の大剣が、みるみる真っ赤に熱されていく。見るからにヤバそうな感じがビンビンと伝わってきた。
ローゼリッタが大剣を上段に振り上げた。それを受けて、私は右の手のひらを前に突き出す。これで意図は伝わるハズ…
「太刀筋を見切るなんて無理そうだもんな。いいぜ、ソコだな」
良かった、伝わった。
その瞬間、ローゼリッタが大剣を振り下ろした。私の右手にかなりの衝撃が走る。両足を前後に開き、気合いで踏ん張る。
そのとき私を中心に「ブワッ」と突風が円環状に発生し、その風が周りの観戦者に襲いかかった。突風が通り過ぎたあと、ローゼリッタの大剣を右手で受け止める私の姿を見て、周りの観戦者から響めきが起こった。
「私の勝ちね」
驚いた表情のローゼリッタを見ながら、私は宣言した。しかし勇者の筋力とは、大したモノだ。アレ程の衝撃を支えられるのだから。
「すまない、待ってくれ」
ローゼリッタが大剣を引きながら、強い視線を私に向けた。
「なによ?」
「さすがに少し躊躇った。アタシだってアンタを殺したい訳じゃないからな」
ローゼリッタは後頭部を掻きながら、フイッと視線を外す。しかし直ぐさま私に向き直った。
「次は本気でやる。頼む、もう一度やらせてくれ」
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