ハズレ召喚として追放されたボクは、拡大縮小カメラアプリで異世界無双

さこゼロ

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断章2

90 番外編 10

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「コレ、魔砲台だよな、すぐに撃てるのか?」

「もう間もなくです!…て、アンタ誰だ?」

男は答えながら振り向いた。しかし見知らぬ顔に思わず驚き手が止まる。

「すまない、俺は…」

「あ、その制服は王宮の!?」

しかし男はショウの茶色の軍服に気付くと、真っ直ぐ立ち上がりビシッと敬礼をした。

「失礼しました!」

「別に構わない。とにかくコレはすぐに撃てるんだよな。射程は?」

「1000マルタ(1マルタ1メートル)です」

「ここから届くのか?」

「今の竜の位置は、およそ8~900マルタ。いけます!」

「分かった。俺はヤツを可能な限り引きつける。アンタたちはとにかく撃ち続けろ。絶対街に近付けさせるな!」

「了解しました!」

返事を聞くと、ショウは外壁からバッと飛び出した。後方で衛兵の慌てた声が聞こえたが、気にせず空中を駆けていった。

   ~~~

ショウが空中を駆けている間も、竜は2度3度とブレスを噴いた。衛兵は退却戦を続けているだけだが、人数が減っている気配がない。誰か優秀な防御魔法の使い手がいるようだ。

ショウは一先ずホッとひと息ついた。

そのとき、外壁からの魔砲台の初撃が竜の腹部に着弾した。竜が「グォーー!」と咆哮する。どうやら始まったようだ。

「コイツは俺が引き受ける!皆は距離をとって態勢を整えろ」

ショウは退却中の衛兵の中に降り立つと、一杯に声を張り上げた。

「ひゃっ!」

数人の衛兵が通り過ぎる中で、女性の息を飲む声が聞こえた。振り返ると、黄土色の外套を頭までスッポリ包んだ後ろ姿があった。

少し疑問に思ったが、構ってもいられない。

ショウは再び竜に向かって、空中を駆けていった。

   ~~~

アリスが演習場に辿り着いたとき、戦場は酷い有り様だった。後から押し寄せた「レッドウルフ」の大群が所狭しと暴れまわっていたからだ。

「レッドウルフ」とは、真紅の毛並みの狼の魔物である。戦闘時は毛並みが高温を発し、基本的には炎耐性が高くなっている。

混乱の中で、アリスはショウの姿を探す。やはりと言うべきか、竜のそばにショウの姿を見つけた。

外壁からの魔砲台の援護を受けつつ、竜の注意を引きつけている。今すぐ駆けつけたいが、空を飛ぶ竜に自分はあまりに無力。焦る気持ちを抑えつけ、自分のやるべきことを探す。

(とにかく一体でも多く魔物を倒す!)

アリスは腰の片手剣をスラリと抜いた。キーリン家所有の業物である。

既に怪我人も出ているようで、数人の治癒術士が忙しそうに動き回っている。そこを守るように、緑と白の「オウマ」領の制服を着た金髪と茶髪の女性が、多数のレッドウルフと対峙していた。

魔物の数が多い。アリスは迷うことなく魔物の群れの中に飛び込んだ。
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