134 / 165
第11章 妹⁉︎
134
しおりを挟む
「シオリ…、失礼ですが、もしやシオリ=ネオランドさまでしょうか?」
アリスが驚いたような声を上げた。
「あらあら、私をご存知なのですね。そうです、シオリ=ネオランドです」
栞里は少し目を見開いたが、すぐに穏やかな表情に戻る。
「どういう人物なんだ?」
ショウが横のアリスに小声で問いかける。
「とても高名な占い師です。活躍されていたのは何十年も前になりますが、的中率は8割を超えていたと聞いています」
伝説の占い師として、祖母からよく聞かされていたとアリスが興奮気味に話す。
「あまり支障の無い結果が出たときは、わざと間違えて伝えるようにしていましたから。そうでもしないと高名な…では済まされませんので」
そう言って栞里は「フフ」と笑った。
「え…?」
アリスが目をパチクリとさせながら言葉に詰まる。
なんだか物凄い爆弾発言があったような気がしたが、あまり気にしないようにしておこう…
「セバスチャン、あれをお願い」
「セバスチャン!?」
栞里が執事に呼びかけたとき、ボクは思わず素っ頓狂な声を出した。思ったより大きな声が出てしまったので、慌てて口を押さえる。そんなボクを栞里が「フフ」と笑った。
当のセバスチャンは「かしこまりました」と恭しく頭を下げると、静かに部屋から出て行った。
「お母さんが言うには『有能な執事』の称号らしく、ココでは代々筆頭執事には、その称号が与えられます」
「か、母さん、何やってんだよ…」
今の両親から聞いていた母の人物像が少し揺らぐ。どうやら親戚の前ではネコを被っていたのかもしれない。
しかし「聖女」という響きには「神秘的な淑女」というイメージがあるのだが、どうしてこう…
いや、ハルカがお淑やかでないとは言ってない!
ボクは首をブンブンと横に振った。
「兄さんの彼女さんたちと、少し話をさせてもらってもいいですか?」
栞里が微笑みながらコチラを見た。ボクは頷くとハルカたちを呼び寄せた。
3人は栞里の膝の周辺に屈んで膝をついた。少し緊張した面持ちをしている。それを待って、栞里は大きく息を吸い込んだ。
「アナタたちなんてお兄ちゃんに相応しくない!」
「え!?」
突然の大きな声に、ハルカもサトコもルーも、ついでにボクも目を見張って驚いた。
「言ってやりました」
そして栞里が「フフ」と笑った。
「時々夢を見ます。私はまだ少女で、兄の連れてきたアナタたちと初めてお会いしたとき、私は顔を真っ赤にして怒鳴るのです」
言いながら栞里は、ハルカに左手を差し出した。
「親戚のお姉ちゃん」
「新島春香です」
ハルカが栞里の手を取る。
「隣の席の『くらすめーと』」
「真中聡子と言います」
栞里の差し出した右手をサトコが握る。それから栞里は、顔をゆっくりとルーの方に動かした。
「『風使い』の少女」
「ルーです」
ルーも栞里の右手を握る。
「それから私はアナタたちの人柄に触れ、苦虫を噛み潰しながら、いつかはこう言うのです。『お兄ちゃんをよろしく』と…」
そう言って栞里は優しく微笑んだ。
「はい!」
3人が揃って返事をした。栞里は満足したように頷くと、今度はコチラに顔を向けた。
「お兄ちゃん、こんないい人泣かせたら承知しないよ!」
ボクは面食らった。シワがれている筈なのに、少女の声にしか聞こえなかった。
「ハハ、参ったな…頑張るよ」
幼い栞里を中心に、ボクたちは幸せそうに笑っている。あり得ない、無かったハズの光景なのに容易に目に浮かぶ。本当に不思議な気持ちになった。
そのとき部屋の扉がノックされ、セバスチャンが中に入ってきた。入り口の横で頭を下げる。
「大奥様、お持ちしました」
「あらあら、現実に戻されてしまいましたね」
栞里が残念そうに微笑んだ。
アリスが驚いたような声を上げた。
「あらあら、私をご存知なのですね。そうです、シオリ=ネオランドです」
栞里は少し目を見開いたが、すぐに穏やかな表情に戻る。
「どういう人物なんだ?」
ショウが横のアリスに小声で問いかける。
「とても高名な占い師です。活躍されていたのは何十年も前になりますが、的中率は8割を超えていたと聞いています」
伝説の占い師として、祖母からよく聞かされていたとアリスが興奮気味に話す。
「あまり支障の無い結果が出たときは、わざと間違えて伝えるようにしていましたから。そうでもしないと高名な…では済まされませんので」
そう言って栞里は「フフ」と笑った。
「え…?」
アリスが目をパチクリとさせながら言葉に詰まる。
なんだか物凄い爆弾発言があったような気がしたが、あまり気にしないようにしておこう…
「セバスチャン、あれをお願い」
「セバスチャン!?」
栞里が執事に呼びかけたとき、ボクは思わず素っ頓狂な声を出した。思ったより大きな声が出てしまったので、慌てて口を押さえる。そんなボクを栞里が「フフ」と笑った。
当のセバスチャンは「かしこまりました」と恭しく頭を下げると、静かに部屋から出て行った。
「お母さんが言うには『有能な執事』の称号らしく、ココでは代々筆頭執事には、その称号が与えられます」
「か、母さん、何やってんだよ…」
今の両親から聞いていた母の人物像が少し揺らぐ。どうやら親戚の前ではネコを被っていたのかもしれない。
しかし「聖女」という響きには「神秘的な淑女」というイメージがあるのだが、どうしてこう…
いや、ハルカがお淑やかでないとは言ってない!
ボクは首をブンブンと横に振った。
「兄さんの彼女さんたちと、少し話をさせてもらってもいいですか?」
栞里が微笑みながらコチラを見た。ボクは頷くとハルカたちを呼び寄せた。
3人は栞里の膝の周辺に屈んで膝をついた。少し緊張した面持ちをしている。それを待って、栞里は大きく息を吸い込んだ。
「アナタたちなんてお兄ちゃんに相応しくない!」
「え!?」
突然の大きな声に、ハルカもサトコもルーも、ついでにボクも目を見張って驚いた。
「言ってやりました」
そして栞里が「フフ」と笑った。
「時々夢を見ます。私はまだ少女で、兄の連れてきたアナタたちと初めてお会いしたとき、私は顔を真っ赤にして怒鳴るのです」
言いながら栞里は、ハルカに左手を差し出した。
「親戚のお姉ちゃん」
「新島春香です」
ハルカが栞里の手を取る。
「隣の席の『くらすめーと』」
「真中聡子と言います」
栞里の差し出した右手をサトコが握る。それから栞里は、顔をゆっくりとルーの方に動かした。
「『風使い』の少女」
「ルーです」
ルーも栞里の右手を握る。
「それから私はアナタたちの人柄に触れ、苦虫を噛み潰しながら、いつかはこう言うのです。『お兄ちゃんをよろしく』と…」
そう言って栞里は優しく微笑んだ。
「はい!」
3人が揃って返事をした。栞里は満足したように頷くと、今度はコチラに顔を向けた。
「お兄ちゃん、こんないい人泣かせたら承知しないよ!」
ボクは面食らった。シワがれている筈なのに、少女の声にしか聞こえなかった。
「ハハ、参ったな…頑張るよ」
幼い栞里を中心に、ボクたちは幸せそうに笑っている。あり得ない、無かったハズの光景なのに容易に目に浮かぶ。本当に不思議な気持ちになった。
そのとき部屋の扉がノックされ、セバスチャンが中に入ってきた。入り口の横で頭を下げる。
「大奥様、お持ちしました」
「あらあら、現実に戻されてしまいましたね」
栞里が残念そうに微笑んだ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【モブ魂】~ゲームの下っ端ザコキャラに転生したオレ、知識チートで無双したらハーレムできました~なお、妹は激怒している模様
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
よくゲームとかで敵を回復するうざい敵キャラっているだろ?
――――それ、オレなんだわ……。
昔流行ったゲーム『魔剣伝説』の中で、悪事を働く辺境伯の息子……の取り巻きの一人に転生してしまったオレ。
そんなオレには、病に侵された双子の妹がいた。
妹を死なせないために、オレがとった秘策とは――――。
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる