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チートでプレゼンする
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街道の舗装が魔物に大きく崩されたらしく、商都からの荷馬車の到着はしばらく延期。
商都から資材と日本人を連れて来る筈だったゲドパーティーは中継基地(厩舎や簡易宿泊所がある)で数日足止めとのこと。
久しぶりに時間が空いたので、師匠の作業を手伝う。
「チート、腕を上げたな。」
『ありがとうございます。
ラルフ君ほどではありませんけど…
最近は素材を【よく観察する】ことを意識しています。』
実は最近、素材を【読める】ことに気づいた。
生来の不器用者なので、スキルは全然活かせてないが…
そうなのだ。
まるで古書を【読む】かの如く、解体対象を【読めば】、どこに刃を入れるべきかが見える。
ラルフ君ほどでは無いのだが、美品も出せるようになってきた。
「ラルフは最近メキメキ腕を上げたからなあ。
このペースなら来年には独立も夢じゃないぞ。」
「そんな寂しい事を言わないで下さいよ。
ボクはもっと皆さんの元で修行したいです!」
ラルフ君は、本当に腕を上げた。
顧客からも「バランギル流の後継者はラルフ・ラスキン」という評価が定着し始めている程にだ。
まあ俺なんかとは心掛けが違う。
などと言っている間に、この弟弟子は手早くロングスネークを捌き切ってしまう。
納品に来たアンダーソンも呆けたように感心している。
「おお、ラルフ君。
凄い成長だねぇ。
バランギル師匠に優るとも劣らない手並みだ。」
「いえいえ。
まだまだです。
勉強すればするほど、師匠との差を思い知らされてますから。」
「チート君は?
解体刀を握っているのは久しぶりに見るけど。
もう解体してないってホント?
最近はスライムばっかり触ってるらしいけど。」
『私は…
最近は廃棄物の処理を調べています。
自分でもよくない事は理解しておりますが。』
「いや、アンダーソン君。
チートの研究に関しては私も応援しているんだ。
ねえ、どう思う?
解体屋や食肉工房の中でスライムを使用する、となると抵抗ある?」
『その…
一般的には食品を扱う施設の中にスライムを持ち込むのは、好ましいとは言えないでしょう。
でも、もしもチート君の手法を導入すれば、かなり作業量が減るんですよね?』
「チート、今からワイルドオックスを一頭捌くから。
スライムのアレをアンダーソン君に見せてあげて。」
『はい、師匠!』
バラン師匠はフックにワイルドオックスを吊るすと、大型解体刀で腹を捌いていく。
通常の手順であれば、《封箱》という廃棄部位(臓物や骨)を収納する大型の箱を使う。
(なので解体工房は無数の封箱が必要となり、多額の引取賃をゴミ処理業者に支払っている。)
だが、最近の俺は赤スライムを入れた壺を実験的に内蔵処理に使わせて貰っている。
「チート君、この壺の中に?」
『スライム、出ろ!』
壺の中に潜ませておいた10匹の赤スライムを竹竿で引き上げてやる。
最近の俺は独自に養殖技術を編み出し、現在20匹の赤スライムと3匹の黒スライムを保有している。
「おお!
スライムを操った!?」
『あ、いえ。
別に操ったという程ではないです…
習性さえ覚えれば誰でも出来ますよ。』
「いや、ゴミ処理場でスライムを使っている事は知識としては知っているし、フィールドでも見掛けてはいるが…
ほら、スケルトンの中身じゃない?
いつもスケルトン討伐では間接的に寄生者であるスライムと戦ってるんだけどさ。
こうやってスライムと向き合ったのは初めてでね。
まさか、こんな規則的に動かせるなんて…
想像もしなかったよ。」
あ、それ初耳です。
スケルトン?
冒険者の間では常識なのか?
スライムが寄生?
いや、その話すっごく興味ある。
でも、今仕事中だからな。
「チート、モツを落とすぞ!」
『はい、師匠!』
バラン師匠が見事な手並みで壺の中に臓物を切り落としていく。
俺はスライムを竹竿で誘導しながら壺から零れないように気を遣う。
「やっぱりオックスの臓物となるとかなりの分量ありますよね。
食肉関連業者が一番ゴミが出るって、よく分かりますよ。
ん!?
スライムってこんなに俊敏に動けたのか?
おおっ!?
え?
これ食べてるの!?
臓物を食べてるの?
チート君、何か凄いことしてなくない!?」
まあ、驚くだろうな。
俺も最初、スライムの消化活動を見た時は本当に驚いた。
当初眉を顰めていたアンダーソンも、スライムの奇妙な動きにはしゃいでいる。
そうなんだよ。
男はこういうの好きな筈なんだ。
だから、スライムが働いている現場を見せれば、結構偏見も拭えると思うんだけどな。
「アンダーソン君、階段の手前に並べてある封箱を開けて御覧。」
「どれどれ、うわ!
凄い臭いですね。」
「ワイルドオックス1頭当たり大体二つの封箱を使うんだ。
大きな個体になると三つ使わないと廃棄部位が収まらない。」
「確かに。
結構場所取りますよね。」
「よし、臓物OK。
体内クリア!」
『スライム、溶かしきれ!』
俺は赤スライムを竹竿で突き回し、消化スピードを速める。
3分もしないうちに、臓物が全て少量の堆肥に変わった。
「あれ?
これだけ?」
『そうなんですよ。
スライムで溶かすと、ここまで体積が減るんです。
ちなみに、この泥みたいなのは堆肥です。
農家に売れます。』
「え、マジ!?
これって堆肥なんだ!?
え?
じゃあ、普段食べてる作物って…
間接的にとは言えスライムを使ってるんだ。
ああ、そうだよな。
そりゃそうだ。
今まで意識した事なかったけどさ。」
そう。
このアンダーソンの台詞を引き出したかった。
グランバルド人は普段、スライムから排出された堆肥を用いて作られた農作物を食べているのだ。
なら、解体屋や精肉工房でスライムを使う事も、そこまで突飛ではないのではないか?
「なるほど、スライムかぁ。」
歳の割に好奇心が強いのだろう。
しばらくアンダーソンはスライムを実際に触ったり、竹竿で誘導したりしていた。
「スライムは不潔で病気を持ってるから、触っちゃいけない
そんな風に先輩冒険者に教わったから…
今までフィールドで見かけても松明で焼き払うだけだったな。」
『全くの無菌ではないのですが、生命活動中のスライムは悪い病気を持ってません。
恐らくはゴミ処理場で運用されている事で、そういう誤解が広がったのでしょう。』
「うん。
清潔だ、とは言わないが。
確かに臭いはしないな。
あくまで感想だけどね?
箱で密閉して臓物を保管するよりも、その場でスライムに溶かさせた方が清潔…
というより、作業合理性があるよな。」
『私は、この手法を広めたいのです。
勿論、希望する業者さんにはスライムを無償で株分けしますし
使用方法も伝授します。』
「ふーむ。
欲しがってる業者さんとか居るの?」
『…いえ。
付き合いのある精肉工房からは、
《法的な問題が完全にクリアになれば、実験位はしても良い》
とは言われているのですが…』
「そりゃあそうだよねえ。
私はよく知らないけど、食肉関係は法律厳しいんでしょ?」
『仰る通りです。
先月も運河都市の方で廃棄容量を守らなかった業者が摘発されたらしいですしね。』
「廃棄容量ってスライムを使えば、やっぱり減るの?」
『私の見立てでは必ず解決します。
だから、せめて公共機関に実例だけでも報告したいのですが。』
「ああ、それで学者さんを探しているんだね。
ヴィルヘルム博士、多分この姓から察するにあのヴィルヘルム家だね。
帝国屈指の名門貴族家。」
『ええ、ヴィルヘルム家はかなり繁栄していて分家や一門衆の方も多数おられるので
恐らくは、そのどなたか、と。』
「一時は天下獲りかけた家だからねえ。
そりゃあ一族は山ほど居るだろうね。
あ、聞き込みはしてるから。
それっぽい情報を拾ったら、すぐにチート君に報告するよ。」
『ありがとうございます!』
「でも、そんな凄い貴族の人が協力してくれるのかな?」
『私は博士の論文を8本だけ読ませて頂いたのですが。
社会の発展に対してかなり先鋭的な執着を持っている方でした。
相当気難しそうな雰囲気ですが、恐らくは賛成してくれると踏んでます。
特許や許認可に詳しい方なので、その部分で教えを乞えれば良いのですが…』
「わかった。
君には借りが多いしね。
もう少し聞き込みの範囲を広げてみるよ。
来週は商都に行くから、そちらでも調べてみよう。
コリンズにも念を押しておく。」
当初と異なり、すっかりスライムへの偏見が消えたアンダーソンは去り際にスライムを撫でてから帰って行った。
そうなのだ。
こうやって実物さえ見せてしまえば、少なくとも普段解体と隣接した業務を行っている冒険者の理解は得られるはずなのだ。
俺の目標は、グランバルド人に標準座標≪√47WS≫の存在と、その目論見(戦争奴隷の売買目的で狂戦士スキル持ちを探している)を伝えることだ。
スライムを使った廃棄物処理の改善案。
これを進め続けていれば、絶対にグランバルド上層部との接点は作れる。
これが、俺の最短ルートだ。
商都から資材と日本人を連れて来る筈だったゲドパーティーは中継基地(厩舎や簡易宿泊所がある)で数日足止めとのこと。
久しぶりに時間が空いたので、師匠の作業を手伝う。
「チート、腕を上げたな。」
『ありがとうございます。
ラルフ君ほどではありませんけど…
最近は素材を【よく観察する】ことを意識しています。』
実は最近、素材を【読める】ことに気づいた。
生来の不器用者なので、スキルは全然活かせてないが…
そうなのだ。
まるで古書を【読む】かの如く、解体対象を【読めば】、どこに刃を入れるべきかが見える。
ラルフ君ほどでは無いのだが、美品も出せるようになってきた。
「ラルフは最近メキメキ腕を上げたからなあ。
このペースなら来年には独立も夢じゃないぞ。」
「そんな寂しい事を言わないで下さいよ。
ボクはもっと皆さんの元で修行したいです!」
ラルフ君は、本当に腕を上げた。
顧客からも「バランギル流の後継者はラルフ・ラスキン」という評価が定着し始めている程にだ。
まあ俺なんかとは心掛けが違う。
などと言っている間に、この弟弟子は手早くロングスネークを捌き切ってしまう。
納品に来たアンダーソンも呆けたように感心している。
「おお、ラルフ君。
凄い成長だねぇ。
バランギル師匠に優るとも劣らない手並みだ。」
「いえいえ。
まだまだです。
勉強すればするほど、師匠との差を思い知らされてますから。」
「チート君は?
解体刀を握っているのは久しぶりに見るけど。
もう解体してないってホント?
最近はスライムばっかり触ってるらしいけど。」
『私は…
最近は廃棄物の処理を調べています。
自分でもよくない事は理解しておりますが。』
「いや、アンダーソン君。
チートの研究に関しては私も応援しているんだ。
ねえ、どう思う?
解体屋や食肉工房の中でスライムを使用する、となると抵抗ある?」
『その…
一般的には食品を扱う施設の中にスライムを持ち込むのは、好ましいとは言えないでしょう。
でも、もしもチート君の手法を導入すれば、かなり作業量が減るんですよね?』
「チート、今からワイルドオックスを一頭捌くから。
スライムのアレをアンダーソン君に見せてあげて。」
『はい、師匠!』
バラン師匠はフックにワイルドオックスを吊るすと、大型解体刀で腹を捌いていく。
通常の手順であれば、《封箱》という廃棄部位(臓物や骨)を収納する大型の箱を使う。
(なので解体工房は無数の封箱が必要となり、多額の引取賃をゴミ処理業者に支払っている。)
だが、最近の俺は赤スライムを入れた壺を実験的に内蔵処理に使わせて貰っている。
「チート君、この壺の中に?」
『スライム、出ろ!』
壺の中に潜ませておいた10匹の赤スライムを竹竿で引き上げてやる。
最近の俺は独自に養殖技術を編み出し、現在20匹の赤スライムと3匹の黒スライムを保有している。
「おお!
スライムを操った!?」
『あ、いえ。
別に操ったという程ではないです…
習性さえ覚えれば誰でも出来ますよ。』
「いや、ゴミ処理場でスライムを使っている事は知識としては知っているし、フィールドでも見掛けてはいるが…
ほら、スケルトンの中身じゃない?
いつもスケルトン討伐では間接的に寄生者であるスライムと戦ってるんだけどさ。
こうやってスライムと向き合ったのは初めてでね。
まさか、こんな規則的に動かせるなんて…
想像もしなかったよ。」
あ、それ初耳です。
スケルトン?
冒険者の間では常識なのか?
スライムが寄生?
いや、その話すっごく興味ある。
でも、今仕事中だからな。
「チート、モツを落とすぞ!」
『はい、師匠!』
バラン師匠が見事な手並みで壺の中に臓物を切り落としていく。
俺はスライムを竹竿で誘導しながら壺から零れないように気を遣う。
「やっぱりオックスの臓物となるとかなりの分量ありますよね。
食肉関連業者が一番ゴミが出るって、よく分かりますよ。
ん!?
スライムってこんなに俊敏に動けたのか?
おおっ!?
え?
これ食べてるの!?
臓物を食べてるの?
チート君、何か凄いことしてなくない!?」
まあ、驚くだろうな。
俺も最初、スライムの消化活動を見た時は本当に驚いた。
当初眉を顰めていたアンダーソンも、スライムの奇妙な動きにはしゃいでいる。
そうなんだよ。
男はこういうの好きな筈なんだ。
だから、スライムが働いている現場を見せれば、結構偏見も拭えると思うんだけどな。
「アンダーソン君、階段の手前に並べてある封箱を開けて御覧。」
「どれどれ、うわ!
凄い臭いですね。」
「ワイルドオックス1頭当たり大体二つの封箱を使うんだ。
大きな個体になると三つ使わないと廃棄部位が収まらない。」
「確かに。
結構場所取りますよね。」
「よし、臓物OK。
体内クリア!」
『スライム、溶かしきれ!』
俺は赤スライムを竹竿で突き回し、消化スピードを速める。
3分もしないうちに、臓物が全て少量の堆肥に変わった。
「あれ?
これだけ?」
『そうなんですよ。
スライムで溶かすと、ここまで体積が減るんです。
ちなみに、この泥みたいなのは堆肥です。
農家に売れます。』
「え、マジ!?
これって堆肥なんだ!?
え?
じゃあ、普段食べてる作物って…
間接的にとは言えスライムを使ってるんだ。
ああ、そうだよな。
そりゃそうだ。
今まで意識した事なかったけどさ。」
そう。
このアンダーソンの台詞を引き出したかった。
グランバルド人は普段、スライムから排出された堆肥を用いて作られた農作物を食べているのだ。
なら、解体屋や精肉工房でスライムを使う事も、そこまで突飛ではないのではないか?
「なるほど、スライムかぁ。」
歳の割に好奇心が強いのだろう。
しばらくアンダーソンはスライムを実際に触ったり、竹竿で誘導したりしていた。
「スライムは不潔で病気を持ってるから、触っちゃいけない
そんな風に先輩冒険者に教わったから…
今までフィールドで見かけても松明で焼き払うだけだったな。」
『全くの無菌ではないのですが、生命活動中のスライムは悪い病気を持ってません。
恐らくはゴミ処理場で運用されている事で、そういう誤解が広がったのでしょう。』
「うん。
清潔だ、とは言わないが。
確かに臭いはしないな。
あくまで感想だけどね?
箱で密閉して臓物を保管するよりも、その場でスライムに溶かさせた方が清潔…
というより、作業合理性があるよな。」
『私は、この手法を広めたいのです。
勿論、希望する業者さんにはスライムを無償で株分けしますし
使用方法も伝授します。』
「ふーむ。
欲しがってる業者さんとか居るの?」
『…いえ。
付き合いのある精肉工房からは、
《法的な問題が完全にクリアになれば、実験位はしても良い》
とは言われているのですが…』
「そりゃあそうだよねえ。
私はよく知らないけど、食肉関係は法律厳しいんでしょ?」
『仰る通りです。
先月も運河都市の方で廃棄容量を守らなかった業者が摘発されたらしいですしね。』
「廃棄容量ってスライムを使えば、やっぱり減るの?」
『私の見立てでは必ず解決します。
だから、せめて公共機関に実例だけでも報告したいのですが。』
「ああ、それで学者さんを探しているんだね。
ヴィルヘルム博士、多分この姓から察するにあのヴィルヘルム家だね。
帝国屈指の名門貴族家。」
『ええ、ヴィルヘルム家はかなり繁栄していて分家や一門衆の方も多数おられるので
恐らくは、そのどなたか、と。』
「一時は天下獲りかけた家だからねえ。
そりゃあ一族は山ほど居るだろうね。
あ、聞き込みはしてるから。
それっぽい情報を拾ったら、すぐにチート君に報告するよ。」
『ありがとうございます!』
「でも、そんな凄い貴族の人が協力してくれるのかな?」
『私は博士の論文を8本だけ読ませて頂いたのですが。
社会の発展に対してかなり先鋭的な執着を持っている方でした。
相当気難しそうな雰囲気ですが、恐らくは賛成してくれると踏んでます。
特許や許認可に詳しい方なので、その部分で教えを乞えれば良いのですが…』
「わかった。
君には借りが多いしね。
もう少し聞き込みの範囲を広げてみるよ。
来週は商都に行くから、そちらでも調べてみよう。
コリンズにも念を押しておく。」
当初と異なり、すっかりスライムへの偏見が消えたアンダーソンは去り際にスライムを撫でてから帰って行った。
そうなのだ。
こうやって実物さえ見せてしまえば、少なくとも普段解体と隣接した業務を行っている冒険者の理解は得られるはずなのだ。
俺の目標は、グランバルド人に標準座標≪√47WS≫の存在と、その目論見(戦争奴隷の売買目的で狂戦士スキル持ちを探している)を伝えることだ。
スライムを使った廃棄物処理の改善案。
これを進め続けていれば、絶対にグランバルド上層部との接点は作れる。
これが、俺の最短ルートだ。
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