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チートで政争に挑む!

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温厚な見た目の割にゴードン夫妻はそれなりの修羅場を潜り抜けているようで、俺が監察の話題を切り出した瞬間に全てを察し、対応策を教えてくれた。

・揃えるべき書類
・帝国刑事訴訟法の抜け穴
・誰を味方に付けておくべきか
・隠滅しておかなければならない証拠

懇切に色々と教えてくれる。
ベスおばが指定してくれた《B種記録書セット》も揃えてくれたし、記帳の見本表もくれた。


『どうしてお二人は、そこまで親切にして下さるんですか?』


お二人、と言ったが主にゴードン夫人に対しての疑問である。
この人は本来、誰かに肩入れするようなキャラクターではないのだ。


「異能に優る価値があるかしら?」


『え?  
それは、どういう?』


「優れた者が優遇されるのは当然でしょう?」


『俺は優れてませんよ。
どちらかと言えば無能だと思います。
…容姿も醜いですし。』


「じゃあ、そういうハンデを全て帳消しにするような
特別極まりない技芸を備えておられるのでしょうね。」


『あー、鑑定スキルというか…
何というか…
幾つかスキルっぽいものは持ってます。』


「こちらも詮索する気は無いので、無理に明かさなくていいんですよ?
《言えない程のスキル》
《打ち明ける事が大きなリスク》
そういうことでしょう?」


『すみません。
隠している訳ではないのですが。』


俺の能力は【心を読む】こと。
ハッキリ言って洒落にならないレベルのチートだ。
いやチート以前に、保持する事が忌み嫌われる類の能力だ。
(この話を面白おかしく読んでる君だって【心を読まれ】たくないだろう?)
俺がたったの数か月で金持ちになり役職(ついでに女)まで獲得したのも【心を読む能力】の賜物である。
この能力の存在がバレたら俺は詰む。
いや必ず殺されるだろう。
だから恩義あるゴードン夫妻にもそれは明かせない。


「イセカイさんとの取引は私共にとっても大きなメリットになっております。
これからも貴方には今の地位にとどまり続けて欲しいと考えております。」


『きょ、恐縮です。』


「ホルムルンド貴金属店ですか?」


不意にホルムルンド氏の名前が出たので、思わ『え!』と反応してしまう。


「驚くこともないでしょう。
商売人の間で話題になってますよ。
イセカイさんを告発する、と息巻いているそうです。」


『教えて下さりありがとうございます。
いやあ、私にそのつもりは無かったのですが…
どうやらホルムルンドさんの御商売を妨害していると解釈されてしまっているようで。
何とか誤解を解きたいのですが…』


「誤解を解く、ですか?」


僅かにゴードン夫人の表情が険しくなる。
【心を読む】までもなく言いたい事は伝わってくる。


『戦うべきでしょうか?』


「…イセカイさん。
人生は闘争ですよ?
既に勝負を仕掛けられているのに、何を悠長な事を仰っているのですか?」


『…。』


「ホルムルンド貴金属店は昔から脇が甘いのです。」


『は?  と、言いますと。』


「昔から相手の素性も確かめずに盗品の買取をして
何度か揉め事を引き起こしています。
そういう人物です。」


ゴードン夫人は起伏の無い口調で俺を観察しながらそう言った。
光栄なことに俺が馬鹿ではない前提で話してくれている。
要はホルムルンド氏の潰し方をレクチャーしてくれているのだ。


『ありがとうございます。
この件で何か謝礼を支払いたいのですが。』


「イセカイさんがこの危機を切り抜けたら。
また一緒にビジネスをしましょう。
古書も取り寄せておりますので。」


『承知しました。
今の私があるのはご夫妻のおかげです。
是非、これから恩返しをさせて下さい。』


リップサービスではない。
俺のグランバルド知識の大半はこの店で入手した古書の賜物である。
この有難味は日々痛感している。
ベスおばの返品を受け付けてくれたら更にありがたいのだが。


「イセカイさん。
異能は全てに優ります。
かけがえがないからです。」


そう言って夫人は背後のゴードン氏を一瞥した。
氏は氏でいつもの穏やかな笑顔を浮かべている。


「貴方も異能の士を最優先して下さい。」


『さ、最優先ですか?
いえ、確かに能力のある人間とは仲良くしたいとは思いますが…
多かれ少なかれ誰にも能力はあり、そういう意味では誰もが異能者だと思うので…』


「異能の士を最優先して下さい。」


『…は、はい。
そういう人間と巡り合えるように精進します。』


「出逢うための努力など不要です。
貴方は御自身の使命を果たす為に奔走し続けてきたのでしょう?
そういう人間は、必ず同様の士と巡り合うように出来ているのです。
異能は必ず惹かれ合います。
それこそ高い志を持つ者が同様に高い志の持ち主と巡り合うように。
チート・イセカイなる突出した異能の前には、必ずや同様の突出した異能が現れることでしょう。」


『あ、あの…
それはどういう…?』


育ちが良い所為か、ゴードン夫人はよく抽象的な表現をする。
こういう時こそ【心を読みたい】のだが、この人は俺の【能力】に気づきかけてる気がするので、真正面からスキルを使わない事に決めている。
(多分、大方の見当は付けられてしまっている。)


「運命の女神は常に貴方と背中を合わせております。
それだけは忘れませんように。」


それだけ言うと夫人は奥に引っ込んでしまった。
ゴードン氏に御礼だけ述べ、退出する。


「チート君。
最近、西区に大工のグループが引っ越して来たんだけどさ。」


『?
は、はい?』


「彼らが美術品や魔石を当店に売りに来たんだよ…
御覧の通り我々夫婦は辺境の古道具屋で《物の価値もわからない》からね。
丁重にお断りした。
おかげで薬棚をひっくり返されてしまったけどねw」


『…。』


「…。」


『ご夫妻からの御厚意は決して忘れません。』


「ははは。
若いのに大袈裟な人だなあw
ただの雑談だよw」


夫人同様にゴードン氏もかなり透徹した人物だ。
きっと夫婦で文字通り力を合わせて生き抜いてきたのだろう。
俺は急ぎ工房に帰るとベスおばに《B種記録書セット》と《記帳の見本表》を渡し返済履歴の記帳を頼む。


「は? 翡翠? 謝礼?
これはいいわよ。
ワタクシの自己防衛なんだから。」


『公式記録にも《ベス》としか書かれてないんだぜ?
アンタが神経質になる事も無いんじゃないか?』


「…追われてるのよ。」


『追われてる?
何で?』


「知らないわよ。
心当たりがあり過ぎて、見当も付かないわ。
実家の追手は何とか撒いたんだけど…
最近は近辺のならず者がワタクシを標的にしているらしくて。」


『本当に何をやらかしたんだ!?』


「だからあ!
心当たりが多すぎて見当が付かないのよ!
多分特許絡みだと思う。
アナタもジェネリックエリクサー見たでしょ?
ワタクシ、他にもジェネリック薬品のレシピを幾つか発表してるから…」


『確かに。
在庫持ってる人間から見たら悪夢以外の何者でもないな。
製薬会社から狙われてるってことか?』


「良くは思われてないわね。
特にアナタに頼まれて作った消臭剤。
アレで相当恨みを買っちゃったのかも。」


『消臭剤?
エリクサーに比べたら生活用品だろ?
そんなに珍しいのか?』


「生活用品だからよ。
消臭剤は使われる範囲が広いから…
年間に使用される総額はエリクサーなんかとは比べ物にならないわ。」


『スマン。
そこまで考えてなかった。』


「別に伊勢海クンの所為じゃないわ。
そういう取引でしょ?」


『…。』


「このビルにずっと居るのもそれが理由。
安全が確保出来たらちゃんと出て行くから安心して。」


『わかった。
アンタが無事に帰れるように考えておく。』


「この街と商都は網が張られてるみたいなの。
運河都市まで辿り着ければ、後は自力で帝都まで帰るわ。」


『わかった。
運河都市だな。
覚えておく。』


後から小太りオジサンに聞いた所では、運河都市は商都よりも遥かに北にあるとの事。
位置関係を簡潔に図にすると。

《南》前線都市⇔中継ポイント⇔商都⇔七大公デ=レオン領⇔運河都市⇔科学農業特区⇔帝都《北》


という風になるらしい。
一度は帝都を見てみたいと思うが…
目下商都はおろか中継ポイントすら見た事が無いからな。
まあいい。
有力なパーティーが遠出するタイミングがあればベスおばもついでに便乗させて貰えないか頼んでみよう。


やれやれ。
大変なのはみんな一緒だな。
俺も《自分だけがピンチ》みたいな顔をするのはやめておこう。


その後、人力車に頼んで西区を流して貰う。
冒険者系DQNの多い西区。
治安は良くないのであまり近寄りたくないが…
人力車に深く腰掛け、帽子を目深に被り、手当たり次第に【心を読んで】いく。
エーテルは5本持参して来ているので、丸一日でも能力を発動させ続ける事が可能だ。



『ウチを増築したいんですけど。
工業区は大工の知り合いが多すぎで困ってるんですよ。』


「ああ、バランギル親方がもうすぐ職工ギルド長に就任されますものね。」


『それで…
職工ギルドと縁が薄い西区に来たんですよ。
フリーの大工さんとか居ないものですかね?』


このサムウェルという名の車夫は顔なじみなので、工房の事情もある程度は解かっている。
若い頃はドランさんと一緒に呑みに行く事が多かったらしく、概ねこちらに好意的だ。
俺も極力サムウェルを指名して多めにチップを払う事にしている。


「大工ならこの向かい側の用具店にいっぱいたむろしてるよ。
店の前で喧嘩したり酒を飲んだり、うるさい連中w」


『あ、その店興味あります。
休憩も兼ねて、そこで車を停めて下さい。』


俺はサムウェルに軽食の購入をお願いして、用具店の停車場に入り二人でチマキの様なものを食べた。


「いいのかいチート君。
お弁当付きの仕事なんて初めてだよ!」


『サムウェルさんにはいつもお世話になってますから。
たまにはのんびり休憩して下さい。』


俺は人力車に更に深く身を沈ませながら【心を聞く】ことだけに集中する。
大丈夫。
俺もこのスキルを使い慣れてきているし、今日はエーテルも準備してきている。



【材木が全然入って来ないよなー。】
【ウチの親方も来月には商都かー。 俺、連れて行って貰えるのかな?】
【大工は仕事ないと暇~。 やっぱり冒険者稼業に戻ろうかな。】
【今晩、どこに呑みに行く?】
【それにしてもこの数か月で街が寂れたなー。】
【モリソン工務店が廃業した所為で残業増えたー、何故か給料上がらんけど。】
【それにしても道具類が不足し過ぎだろ? 何でノコギリが欠品してるわけ?】
【人手が減ったなあ。 こんな人数でちゃんと堀のメンテ出来るんだろうか?】



少し頭痛がするので一口だけエーテルを口に含む。
基本的に大工はあまり頭が良くない。
なので脳内で論理立った考え方をしてくれていないし、それを一斉に聞くのは本当に辛い。

俺のMP(マジックポイント)は無学な大工10人の会話を10時間盗み聞きし続ける位のキャパはある。
(そんな無茶をすれば脳が壊れて死んでしまうだろうが。)
30分ほどそんな風にして停車場で聞き耳を立てていると、お目当ての【声】を見つけた。


【それにしてもヘンリーとかいう新参者のグループ、生意気だよなあ。
アイツら、すれ違っても全然挨拶しないし。
大体、大工道具持ってるだけでアイツら全然大工っぽくないんだよな。
梯子の持ち方間違ってるしさあ。
でも、妙に金回りは良いんだよな。
ブーマー先輩の奥さんが経営しているバーでいっつも女を買ってやがる。
そもそもアイツらが大工仕事をしている所、見たことない。

あ、噂をすればヘンリー一派だ。
喧嘩になると怖いから目を合わせないでおこう。
かなりの乱暴者でジョンソンの奴も殴られたっていうしな。】



俺は人力車の中で息を顰めながらヘンリー一派の気配を探る。
能力の発動範囲を極限まで広げて、それらしき連中の【心の声】を探る。



【まったく、偽装の為とは言え大工道具を揃えるなんてカネの無駄だぜ。】
【それにしても俺達もとんでもない辺境まで逃げてきたもんだな。】
【折角、ブツを街に持ち込めたのに買い取り先が少なすぎるぜ。】
【早く現金に換えてこんなシケた街を出たい。】
【どいつもこいつもビビりやがって。 魔石なんか簡単に足が付く訳ねーよ。】
【土地勘が無いから、買取やってる店がわからねーよ。】
【ゴードンとかいうジジイ! アイツが断ったせいで長丁場になっちまった!】
【この街をずらかる時にゴードンの奴にはたっぷりお礼をしてやらなきゃな!】
【鉱山都市にその名も高きヘンリーク様がこんな辺境で足止めを喰らっちまうとは。】
【強盗殺人に騒擾罪か… ここまで賞金額が上がっちまうとは誤算だぜ。】
【死刑にならない為にも、何としてもこの街で盗品を現金に換えて解散だな。】
【どれだけ買い叩かれてもいい。 早めにキャッシュに換えなきゃ!】



おお…
怖い連中だな。
強盗殺人犯のグループか…
ゴードンさんを逆恨みしているようだけど、滅茶苦茶だな。




「ホルムルンド貴金属店は昔から脇が甘いのです。」

「昔から相手の素性も確かめずに盗品の買取をして
何度か揉め事を引き起こしています。
そういう人物です。」

「チート君。
最近、西区に若い大工のグループが引っ越して来たんだけどさ。」

「彼らが美術品や魔石を当店に売りに来たんだよ…
御覧の通り我々夫婦は辺境の古道具屋で《物の価値もわからない》からね。
丁重にお断りした。
おかげで薬棚をひっくり返されてしたけどねw」




ゴードン夫妻…
エグい示唆をするなあ。
どういう半生を過ごして来たんだろう。
俺に言わせれば貴方達ご夫妻こそが、異能の際たるものなのですがね。
でもまあ、折角のパスだ。
ゴールは俺が決めなくてはならない。


俺はヘンリー(本名は恐らくヘンリーク)一派の人相を遠目から確認し、執拗に【心を読んで】彼らのアジトを突き止めてから工房に帰った。
裏口で魔石取引の準備をしていた小太りオジサンに声を掛け、中央区に行ってホルムルンド貴金属店のチラシか何かを入手出来ないかを頼む。


「ん? あそこのパンフレットなら普通に持ってるよ?
ほら、魔石取引メンバーで一般店の買取価格を研究したりするからさ。
ちょっと待っててね。
はい、これ。」


『あ、ありがとうございます!
ホルムルンドさんって有名な方なんですか?』


「ああ、魔石の取引所を何度か起ち上げてる人だからね。
僕達もその度に誘われたよ。
無視してるけど。」


『どうして使ってあげないんですか?』


「だってあの会社…
入場料とか入会費で儲けようとしてるんだもん。
固定費取るんだったら、市場運営じゃなくて場所貸しビジネスでしょ。」


『店を使わせて貰うんなら、ある程度の場所代は必要なんじゃないですか?』


「でもチート君は場所代を取ってない訳じゃない?
何で取らないの?」


『あ、いや。
こっちは裏口と机を提供しているだけですし。
別にカネを取る程じゃ…
それに皆さん色々教えてくれるんで、私はそれで十分助かってます。』


「そういう理屈がわかるなら、魔石取引は彼の元で一元化されてたんだろうけどねえ。
前のリーダーも何度か色々忠告したんだけどさ。
そもそも1人頭月会費5万ウェンという提案からして現実的ではないよ。
まあ、そういう無駄な遣り取りがこの十数年続いていて…
取引参加者はあの会社に近寄らなくなっちゃったんだよ。
無料で配ってるパンフレットは参考にさせて貰ってるけどw」



俺は小太りオジサンからパンフレットを数枚受け取ると、サムウェルとは別会社の人力車を呼び西区へ向かい、車夫に休憩を取らせてからヘンリーク一派のアジトのドアに挟みこんだ。
先程の用具店の前にペタペタとポスターが張られている空きテナントがあったので、そこにも便乗して貼らせて貰う。


《高価買取! ホルムルンド貴金属店》


少し離れて眺めてみるが、要点が伝わって来る素晴らしいポスターだ。
文字と挿絵のバランスも良い。
このパンフレットをデザインしたのがホルムルンド氏だとすれば、そこそこ有能で熱心な男なのだろう。
彼の末路を決めてしまった俺としてはその点が少し心苦しい。



工房に帰るともう夕方で、ハンティングを早めに終えたヨーゼフさんが一階で師匠と談笑していた。
単価の高い獲物をほぼ欠損なく捕殺して持ち帰っている辺り、やはりこの人達は腕利きなのだろう。
俺を見た師匠はヨーゼフに本題を促してくれる。
帳簿関連の打ち合わせをする約束なのだ。
ヨーゼフは思っていた以上に資料を揃えてくれていたので、上階のベスおばに渡す。


「これで監察には、ある程度対応出来ると思うのですが…」


『ヨーゼフさん。
密告って、やっぱり嫌がられます?』


「ええ、まあ。
誰が告発されたかにもよるんですけど。
同郷人や同業界人を売るのは…
相手がどれだけ重犯罪者でも顰蹙や軽蔑を買う事が多いです。」


『冒険者が余所の街から流れて来た犯罪者を捕まえるのは…』


「うーん、街への馴染み具合によると思うのですが…」


『鉱山都市から流れ着いたばかりのならず者グループで
頻繁に周囲と喧嘩沙汰を起こして、定職にも就かず派手に女遊びをしていたら?』


「それ特定の誰かのことですか?
っていうか鉱山都市の賞金首って盗賊ヘンリーク?」


『え!?
御存知なんですか!?』


「いやいや。
かなりの有名人ですよ?
冒険者ギルドの月末会議で配られる賞金首一覧にも毎回載ってますし。」


『ヨーゼフさんがヘンリークを捕まえる事は出来ますか?
デメリットはないですか?』


「はははw
リザードに殺されかけて信用を失ってしまったが
私は元々騎士候補生として犯罪者逮捕の訓練を受けてます。
御安心下さい。
問題ありません。
ご不安であればルッツでも連れて行きますよw
私だけが汚名を返上してしまたのでは彼に恨まれてしまいますからw」


『いえ!
そんな、私はヨーゼフさんの腕前は疑ってませんよ!』


「ありがとうございます。
ヘンリークだとすれば逮捕のデメリットは特にありません。
一応、義父ドレークにも確認して構わないですか?」


『勿論です。
潜在的なリスクが無いかお二人で確認して下さい。』


「その…
この街に潜伏しているのですか?」


『まだ調査中ですので詳しい事は言えませんが…
情報が確定したら、実務をお願いしても構いませんか?
月末辺りに動いて貰う事になりそうです。
謝礼はお支払いしますので、あまり街から離れず、すぐに動ける態勢でいて下さると助かります。』


「謝礼なんてとんでもない!
協力は勿論ですよ!
是非、私にお任せ下さい!
チート市長の就任祝いに武勲を挙げてみせます!」



思ったよりヨーゼフさんが乗り気で助かった。
彼はリザードに殺されかけた事により、自分の武名が地に落ちたと日頃嘆いており、何としても名誉を回復する機会を探していたとのこと。
冒険者の様に暴力を売り物にする稼業では「舐められたら終わり」だそうだ。
ヘンリークというのは思った以上の有名人であるらしく、逮捕に成功した場合グランバルド上層部からの顕彰も見込める、とのこと。



後はタイミングだな。
辺境監察官がこの街に来訪するのは来月初。
高い確率で俺は告発される。

罪状は反逆罪。
告発者はホルムルンド氏かその息が掛かった者。
首謀者は帝国軍情報部所属のマカレナ・ラゴ中尉。



こちらも殺意の高い謀略で保身させて貰う。
俺は政争初心者だ。
勝手が解らぬ以上、加減をせずに全力で応戦せざるを得ない。


そして。
まだ戦闘は未経験の身だが、そちらにも備えておく。
有無を言わさず殺されそうな状況になれば、この街を捨てて逃げるつもりだ。
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