68 / 138

【嫁遅令嬢】 ちょっと待って! 帝国史上最も偉大な進歩人女性であり名門公爵家令嬢のこのワタクシがいつの間にか行き遅れて学生時代の取り巻きの美

しおりを挟む

「え、エリザベス様!
一体、今何と!?」


眼前で驚く美童はプランタジネット大公の嫡孫ルネ君11歳♡
サラサラの髪と艶々モチモチのお肌がいつ見ても眼福♡


『ルネ・ド・プランタジネット殿!
アナタとの婚約ッ!
断腸の思いで破棄させて頂きますわッ!』



「承服しかねます!
エリザベス様!
私に何か落ち度が御座いましたでしょうか!」


『あるわけないでしょー。
アナタの身体、幼さ故の凹凸が艶めかしくて最高にセクシーですわよ。
せめて味見してから、存分に堪能してから破棄したかったのですケド♪』


呆然とするルネ君の真横から、例によってこの女がしゃしゃり出る。


「そんな! エリザベスお姉様!
どうして!
ようやくお姉様と結ばれると思いましたのに!」


コイツはポーシャ。
ワタクシの幼馴染で女学校時代のルームメイトで、この神聖グランバルド帝国の女性第一人者の座に君臨する
…ルネ君の母親。
あーあ、ルネ君にこんなオマケが付いてなきゃ、思う存分その幼い身体を味わい尽して差し上げますのに。


「ルネ! 
オマエに何か落ち度があったのでなくて!?」


『はーいストップ。
ストップして頂戴ねー。
ルネ君には全く落ち度はありませんことよ。
ポーシャ!
アンタが事あるごとにひっついて来るから嫌なのよ!!』


「?
あら、お姉様ったら何を仰っておられるのでしょう?
母が息子を見守る事は当然の義務でしょう?」


『だからってワタクシのベッドルームにまで侵入しないで頂戴!
アンタ、昔からキモいのよ!!』


「あらあら、お姉様♪
私の事は遠慮なく義母様って呼んで下さってよいのですよ♪」


『ンッ拒否するぅーーー!!!!!』


「でもお姉様。
私を受け入れて下されば…
このルネを好きに出来るのですよ?
ふふっ♪
嫌とは申しませんわよね?
だってお姉様の少年趣味は昔から有名ですもの♪
このルネは、11年間お姉様の好みに近づける事だけを考えて私が手塩にかけて調整した自慢の愛息ですの。
それがお姉様の物になるのですよ?
クスクスクス♪」


『ぐっ! この卑怯者!!
人の性癖を探るなんて最低の女ね!』


「あーら。
探ってなんかいませんわ。
女学校時代、お姉様ったら一人でペラペラ性癖を自己開示していらっしゃったじゃない。」


…言われてみれば。
ワタクシはそういう学生時代を過ごしたような気がする。
仕方ないじゃない。
女子寮のノリってあるじゃない?


「エリザベス様。
ルネでは不足でしょうか?
エリザベス様に御奉仕する為に誠心誠意お尽くし致しますよ。」


ルネ君が美少年特有の白磁の様な手で私を抱き寄せようとする。


ッ!!!!



『だが拒否するぅッ!!!!
婚約は破棄!
君との爛れた新婚性活もッ!!
断腸の思いで諦めますッ!』



話せば長くなりますケド。
ワタクシが帝都を出奔して帝国全土を駆け回る羽目になったのは、大体こういう遣り取りが原因ですわ。








ワタクシの名前はエリザベス・フォン・ヴィルヘルム!

そう。
このグランバルド帝国において最も由緒正しいヴィルヘルム家の公爵令嬢ですの!

あー、緊張しなくてよくってよ。
ワタクシ、そこらの家柄しか取り柄の無い馬鹿女とは一線を画した進歩的女性ですの。
ですから、貴方の様などこの馬の骨ともわからない平民にも気さくに接して差し上げますわ。
ワタクシってなーんて寛容なんでしょ♪ 
己の究極淑女ムーブに感動して思わず涙ぐんでしまいましたわ。

くすっ♪
これだけじゃあ、ワタクシがどんな女か解りませんわよね?
よくってよ。
ワタクシの偉大さを教えて差し上げますから、存分に聞き惚れて行って頂戴。


うーん、困りましたわね。
失礼、ワタクシ顕彰された経験が多すぎて何から披露していいか解りませんわw
あーらごめんあそばせw 
別に自慢とかマウントとか、そういうのじゃありませんのよ。


コレ、何だかわかる?
クスっ♪
ごめんなさいねーw
ホーントごめんなさいねー♪
うふっ♪
庶民の方が知らないのも無理はないかも知れないわね。
帝都では結構有名なんですケド♪

コレ、リジェネポーションというのよ。
クスクス♪
そうよねー。
漫然と生きているだけの普通の女にはわからないでしょうねー。
軍務に就いている殿方なら知らない方は居ないのですケド♪
早い話、これを服用してから3時間は体力が自動的に回復し続けるという代物ですの♪
ワタクシが発明致しましたのよ♪
軍上層部(と言っても、当家の被官や寄子達も奉公している所なのですケド)から《是非、正式採用させてくれ》と頼まれてしまったので、パテントを快く譲らせて頂きましたのよ。
この功績で愛国婦人賞を受賞致しましたの。
ワタクシにはまだ早い、と辞退しようとしたのですが、皆様がどうしても、と仰るから。
オホホホホw

ん? これ?
あーら、こっちは愛国婦人賞ではありませんのよ♪
賞状なんてどれも似たり寄ったりでいやーねw

見せびらかす気は無かったのですケドw
これ《防衛愛国者一等勲章》ですの♪
あーら、よろしくってよ。
グランバルドの長い歴史の中でも女で受賞したのはワタクシくらいのものですからw
知らなくっても恥ではありませんことよ。
オーッホホホww

まあこの程度の事は、ワタクシの輝かしいキャリアの中でもほーんの一部♪
ワタクシは遠慮しているのに、あちらこちらから勲章を頂いてしまってw
とうとう置き場が無くなったから、今は化粧台に避難させておりますの。
昨日なんかは口紅と間違えて、帝国アカデミー最優秀貢献勲章を唇に当ててしまいましたわ。
あやうく大怪我をしてしまう所でした。
オーッホホホww


少しはワタクシが何者か伝わったかしら?
そう! ワタクシはエリザベス・フォン・ヴィルヘルム!
このグランバルド帝国で最も高貴な名門である、ヴィルヘルム家の本家嫡女にして!
薬学博士にして鉱物学博士にして化学博士!
帝国アカデミー最優秀貢献賞3年連続受賞ォおおお!!!!
それが、このっ! エリザベス・フォン・ヴィルヘルムですわ!

…おわかり?



あーら、物分かりがいいのね。
お父様とは大違い。
ほら、あそこに居るのがお父様よ。


「エリザベス! 
またやらかしたようだな!
オマエはどうして問題ばかり起こすんだ!!!」



あらあらウフフw
お父様ったらほーんとにお馬鹿さん♪
《またやらかした》なーんて言われてもどのやらかしの事を言っているのか見当も付きませんわ。
やれやれ、何度も言い聞かせて差し上げてるのに、愚かなお父様ですことw
まあそういう所がチャーミングなんですケド♪



「エリザベスお嬢様!
聞いておられるのですか!!
閣下はいつもお嬢様の心配をしておられるのですよ!!」



この隣の眼帯のダンディは当家の執事長を務めるクラウス。
何でもお父様が士官学校に通ってらっしゃった頃からの付き合いみたい。
二人でこっそり行儀悪く寝転んでお酒を飲んでるのをたまに見掛けるわ。
どうして使用人風情と友達みたいに笑い合えるのかしら?
クラウスの実家って平民区にしか住めない貧乏男爵でしょ?
殿方の人間関係って変だわ。
ワタクシには理解出来ない。


「エリザベス!
…これだけ言いたくないが。
分家筋の娘たちも全員結婚して子育てをしてるんだぞ!
左京大夫家のアンネリーゼなどは3人も健康な男子を生んでいる!
大体、オマエの女学校時代の同級生も全員結婚しているじゃないか!!!
プラプラ遊…  プラプラ国事に奔走しているのはオマエくらいだぞ!

後、帝国産業貢献賞受賞おめでとう。」



『お父様は顔を合わすたびに結婚結婚って!!!
ワタクシだって稀にちゃんと考えてます!
アンネなんて子供の頃から下ネタしか能の無い色情狂じゃありませんか!
あんなのと娘を同列に並べないで下さいませ!

御賛辞ありがとうございます、お父様。
産業省の方に顔を出したいので、今月の舞踏会は欠席して宜しいですわよね?』



「エリザベスお嬢様!
閣下がドレスを新調して下さったばかりでしょう!
今度という今度は舞踏会に出席して頂きますからね!

後、帝国産業貢献賞の御受賞、誠におめでとうございます。
お嬢様は帝国の至宝で御座います。」



『舞踏会舞踏会って! 
あんな馬鹿騒ぎ意味ないじゃない!!!
豚みたいに発情した馬鹿女と家柄を自分の能力と勘違いしている馬鹿ボンボンの巣窟!
5歳の時から決めてたわ!
ワタクシ! こんな下らないパーティーではしゃぐ馬鹿とは死んでも結婚しないってねえ!!
行かないったら絶対に行かないわよ!!!

御賛辞痛み入ります。
今後もアカデミーの一員として帝国の発展に粉骨砕身の姿勢で寄与貢献する事を決意する次第であります。』




はー。
毎日毎日、結婚結婚って馬っ鹿みたい。



「待てエリザベス!
まだ話は終わってな…!!」



ガチャ―ン!!!



あまりにもお父様がしつこいので窓から逃げてやりましたわ。
ふふっ♪
どうしてワタクシが2階でばかりお父様と話すかお分かり?
何と! 3階から飛び降りると足の裏が痛いからなのよ!
くすっ♪
超知略♪


「どうしてあんな愚か者になってしまったんだ!!!」


階上からお父様の悲鳴のような怒声が響く。
あらあら、やぁねえ。
我が弟ゲオルグは至らぬなりにあんなに頑張っているじゃありませんか。
それを《あんな愚か者》だなんて本当に酷いわ。
お父様って本当にお馬鹿さんね。

…そこが堪らなく好きなんですケド♪





あら?
アナタ、まだそんなところにいらっしゃったの?
まったく…。

よくってよ。
ワタクシの絢爛豪華な日常に付き合わせて差し上げますわ。

あーっと、勘違いしないで下さいましね?
絢爛豪華と言ってもワタクシはそこらの凡愚共とは次元の違う有意義な生活を送っておりますの。

くすっ♪
付いて来られるからしら、このワタクシのスピードに♪


ワタクシの名前はエリザベス・フォン・ヴィルヘルム!
大正義超進歩的絶対ヒロインですのよ♪
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...