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【転移14日目】 所持金486万1000ウェン 「清貧を説く独占資本。」
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起床。
見慣れぬ風景に少し戸惑う。
ああ、そうか。
俺、昨日はマネーレベリングしてたんだ。
まだ手首が痛い。
いや、ヤバいな…
何か手首が腫れてきてるぞ?
俺が何とか手首を冷やせないか試行錯誤していると、水浴び場に来たアランさんが目を剥いて驚く。
「トイチ君!
その手首ヤバいぞ!?」
『…い、いえ。
違和感自体は昨日からあったんですけど…
朝起きたら、手首が妙に痛くて…』
「とりあえず、患部を冷やそう。
待っててくれ、湿布を持ってくる!」
『いつもすみません。
今日のレベリングはペース抑えた方がいいですかね?』
「何を言っとるんだ君は!
完治するまではトドメ禁止!
後遺症が残るぞ!」
俺とアランさんの遣り取りを見ていた農夫達が集まって来て、無遠慮に俺の手首を覗き見る。
「武勇伝が増えたなw」
「名誉の負傷ww」
「炸裂弾少年改め、腱鞘炎少年www」
何が嬉しいのか、地区中から俺を見物に来てみんなで盛り上がっている。
(この辺にはよほど娯楽が無いのだろう。)
一言文句を言ってやりたいが、手首が痛くて言い返す気力も湧かない。
結局、最低でも半月は強い運動を控える様に、との診断が下され(村の白魔法係のオジサンに言われた)、俺は王都に帰還することになった。
既に顔見知りの農家のオバチャンが大量の干し野菜をお土産にくれる。
野菜の重みで手首が痛かったのだが、それを言える雰囲気では無かったので、笑顔を作って農業地区を去った。
途中、人参の重みがズシズシと手首を襲い、半泣きになりながら胡桃亭に帰った。
======================
手首のテーピングが余程奇異に映ったのか、見るなりコレットが悲鳴を上げる。
「そのお手手どうされたのですか!?」
『あ、いや。
モンスターを駆除してたから…』
「危ない事はやめてって言ったのに!」
『いや、ホントごめん。
しばらくおとなしくしてるから!』
痛めた手首で重い野菜を持ち帰った所為か、手首の痛みが再発してきた。
ヒルダが治療してくれたので、少しマシになる。
「怪我が来週以降ですと何とかなったのですけれど。」
『来週?
医者でも来るの?』
「いえ、来期のポーション担当店に指名されてしまっているので。」
『あのデカい瓶を宿屋に設置するの!?』
「父の代は何とか辞退し続けていたのですが、もう断り切れずに…
ひょっとするとリンの名義でリースする事になるかも知れません。」
『え!?
お、俺の名義!?』
「原則的に、店舗の営業権は男子か入り婿にしか相続が認められないのです。
この胡桃亭は、亡夫の名義を未亡人である私が使わせて貰っている状態なんです。
私からコレットへの相続は十中八九認められないでしょう。
婿でも取らない限り、この店の営業権は私で終わりです。」
『…あ、はい。』
「婿でも取らない限り、この子は住み慣れたこの店を退去させられてしまいます。」
『…はい。』
あー、なるほどね。
おかしいと思った。
だって俺、地球で全然モテなかったもん。
彼女とかも欲しかったけど出来なかったしさ。
それがいきなり母娘丼だもんな。
この母娘が俺に粘着したのは、俺のカネ回りが良い事を見抜かれた事に加えて、王国民法上の兼ね合いもあったのだ。
何より《俺に行く当てが無い》、というのが母娘に気に入られた最大の要素だろう。
『あ、あの。』
「はい。」
『む、娘さんを…』
「はい。」
『く、下さい。』
「すみません、入り婿希望ですので。」
『で、では俺を貰って下さい…』
「はい!
決まりですね!」
「私うれしー♪」
『…。』
しまった…
ノリで入り婿してしまった…
いや、これ何かおかしくないか?
俺、元は客だぞ?
俺、嵌められたんじゃないか?
《ハメたのはオマエだろ?》って
誰が上手い事を言えと!
『ぐ、具体的には俺は何をすればいいの?』
「お任せします。
女の生殺与奪は殿方が持つものですよ♪」
…嘘コケ。
アンタ、状況が変わればいつでも平然と俺を切り捨てるつもりだろう。
いや、俺も切るけどね。
「では、ポーションのリースが始まる際…
署名だけお願いして宜しいですか?
あくまで形式的なものですから♪」
…嘘だな。
カネが絡む場面で《形式的な署名》なんてある筈が無い。
皆があれだけ嫌がっていると言う事は、それだけ契約者に不利なリースなのだ。
「コレット、旦那様によくお仕えするのよ♪」
「はい♪」
…クッソ。
女ってカネが絡むと本性出るよな。
そして、一発ヤッた位であっさり取り込まれた愚かな俺。
俺は色々な女とちょっとずつ後腐れの無いセックスしたかった。
(異世界ハーレムラノベとか読んでた影響だろう。)
なので、一つの家に囲い込まれるのは非常に不本意だ。
自分に儲ける能力があると知っているだけに、余計にね。
『余ってる金庫あれば貸してよ。』
「貸すも何も、全て旦那様の物ですよ♪」
小癪な女だ。
だが、この異世界において世慣れたヒルダは最善の師である。
浅学非才の身としては虚心坦懐に学ばせて貰おう。
『一室でいいから、俺に書斎を割り当てさせてくれ。
君達2人を養う事に専心したいんだ。』
これは本音。
切るまでは、この2人には報いるつもり。
コイツらにしても、俺を切るまでは手篤く接してくれると確信している。
後、プライベートな空間・時間が欲しい。
善意もあるのだろうが、女2人に監視され続けるのは苦痛極まりない。
金庫が無造作に3つ積み上げられた小さな物置部屋を割り当てて貰う。
ヒルダはニコニコしていたが、その内心は解らない。
(十代の俺に34歳未亡人の心中を推し量るなんて不可能にも程があるだろう。)
相手の感情を刺激したくないので、恐縮している事を念入りに伝えておいた。
ヒルダやコレットは日本の基準なら十分美人だが、こちらの基準ではそこまででもないらしい。
2人ともその点は冷徹に自覚しており、自分達のルックスを活用する事に知恵を振り絞っている。
彼女達は中々信じてくれないのだが、俺はそんな姿勢が大好きであり尊敬もしている。
=========================
やる事も無いのでダグラスのカネ貸し屋に遊びに行く。
「利息の話なら、まだ未定だぞ?」
『あ、いえ。
カネを借りに来ただけじゃなくて…
ダグラスさんの顔を見たくて…』
「キモいからやめろ。
ここは無駄話をする場所じゃない。」
まあ、確かにそうだろう。
俺が店番でも、美少女なら兎も角、男客に粘着されたら怖い。
「その手首どうした?」
『昨日、討伐に行ったんですけど…
トドメを刺しているうちに痛めてしまって。』
「オマエ。
傷痕だけは歴戦の勇者だな。」
『これ以上勲章が増えない様に気を付けます。』
「ボスは農協か冒険者ギルドに顔を出している筈だ。
用事があるなら、そっちへ行け。
というか、オマエから挨拶に行け。」
別にカインさんの顔など見たくも無かったが、カネを貸して欲しかったので指示に従うことにした。
農協への道すがら、何人の級友を見かける。
何故か全員制服を着用していた。
一種の立場主張なのだろうか?
=========================
農協の向かいにある屋台でカインがグループで食事を取っていた。
邪魔をするのも悪いので、遠目に見ていたら目ざとく発見され呼び寄せられる。
「大活躍だって聞いたよ?
何でも熊や狼を仕留めたんだって?」
『いえ、皆様に助けて頂いただけなので…
俺はトドメを刺しただけです。』
「手首はその時の?」
『腱鞘炎になりました。
しばらく運動は控えるように、とのことです。』
「男の勲章だな。」
『いえ、自分では何もしていないので。』
「それを自分から言えるのは男らしい振舞だと思うよ。」
そんな挨拶を交わした後、カインはテーブルの連れを紹介してくれる。
冒険者ギルドの役員や農協の役員。商工会の若手幹部など、城下町の中堅層みたいな面子だった。
最初、誰も俺に関心が乏しそうだったが、カインが「ほら、例の炸裂少年ですよ。」というと喰い付いてくる。
「おお! 君が噂の炸裂クンかぁ。」
「王様も喜んどったよ、」
「次は森林地帯の依頼も請けて欲しいんだ。」
全く気は進まなかったが、手首が治れば森林地帯の害獣駆除イベントに参加する事を約束させられてしまう。
俺が参加を表明してから、農協が「今年はベア系が増えそうで危険なんだよ。」と付け加える。
(まったく大人は卑劣だよな。)
埋め合わせのつもりなのか、農協の月間賞を受賞出来る事になった。
=================================
同席の3人が順に抜けていって、俺とカインの2人になった。
「利息の件だけど、こちらは別に構わないよ。
ただ社則から逸脱したくないから、最初はポケットマネーからしか出せないけど。」
『単刀直入にお願いします。
日利1%を支払うので限度額以上に貸してくれませんか?』
「日利1%って法外だねww
弊社が悪徳業者みたいだww」
『勿論、秘密は厳守します!
こちらとしてもあまり懐事情を勘繰られたくないですし。』
「君、今手元にキャッシュは幾らある?」
『60万ウェン強です。』
「なら君への貸付上限額は6000万ウェン。
返済期限は貸し付けから1日後。
理由はわかるかい?」
『はい。
最悪、俺が元金に手を付けない限り焦げ付かないです。』
「まあ貸すと言っても、私の個人的なカネだから
そこまで厳密でもないよ。
いつ借りたい?」
『出来れば毎日。』
「あははははははwww
毎日1%儲けてたら、私はすぐにこの国で二番目の大金持ちになってしまうww」
『まあ、王様の次くらいには…
そんなに難しい事じゃないと思います。』
「王様?
ふふっw
一番には君がなるんだろ?」
『他に取柄もありませんし、手首も痛めてますから。』
何がおかしいのかカインはずっと笑い転げていた。
その後、カインの自邸に案内される。
王城の中でも貴族の住む内堀に近い高級住宅街だ。
胡桃亭からもそこまで遠くない。
そこで奥様と息子さん、執事を紹介され、書斎に招かれる。
書斎と言っても部屋中に武具が置かれており、剣闘士の控室みたいな様相であった。
武具の奥にようやく本棚や執務机が見える。
「とりあえず6000万ウェンだ。
100万ウェンの白金貨はいつも見てると思うけど…
1000万ウェンの大白金貨は初めて?」
『ええ、硬貨というより…
まるで宝飾ですね。』
「これは諸侯同士の決済や不動産売買に使われるものだからね。
偉い人になると大白金貨以下を見た事の無い人も居るよ。
王族とか、鉄貨の存在すら知らないんじゃないかな?」
『な、なるほど。』
「じゃあ、大白金貨を6枚。
触ってごらん。
意外に温かみがある筈だ。
私の父親はこの感触を愛していた。
…過度にね。」
==========================
【所持金】
61万4000ウェン
↓
6061万4000ウェン
※カイン・R・グランツから日利1%で借用
==========================
『なんか、額が大きすぎて実感が沸きません。』
「私に言わせれば日利1%の方が法外過ぎて余程実感が沸かないけどね。」
『どうして俺なんかを信じるんですか?
6000万ウェンってカインさんからしてもかなりの大金だと思うんです。』
「ん?
だって君の表情が最初から確信に満ち溢れてるもの。
借金を返済出来ない不安など微塵も抱えていない。
反面、借金をどうやって返したか、そのカラクリを知られる事を極度に恐れている。」
『あ、いえ。』
「安心しなさい。
私は君のスキルを暴き立てる気も無ければ、言い触らす気も無い。」
『…』
「だってそうだろう?
才能は独占した方が得じゃないか。」
『なるほど。
返済の件なのですが、ニコニコ金融に返してもいいですか?』
「ここだと遠くて不安?」
『ええ、カネなんて幾らでも稼げますが
俺には戦闘力が無いので、道中襲われるのが怖いです。』
「じゃあ、もう少し儲けたら、この近所に引っ越しておいでよ。」
『…。』
「ああ、なるほど。
稼いだら王国を去る予定なんだね。」
『!?』
「いや、驚くようなことじゃないだろw
誰だって沈む船には残らないさ。」
『も、申し訳ありません。』
「これは独り言だが。
近く帝国との経済協定が再締結される。
短期間だが移動馬車も復活する。
私も妻子は自由都市に移すつもりだ。
名目は息子の留学だけどね。
…妻子は王国から出た事がない。
頼りになる知己が向こうに居れば、私としても心強い。」
『実は俺も…』
「その為にもお互い稼がないとな。
これからは密に情報交換させてくれ。」
『あ、報告です。
私が寄宿している胡桃亭なのですが
ポーションを扱わされるようで…』
「うわあ。
災難だなあ。
坊主に粘着されないように気を付けてな。
解かってると思うが、絶対揉めちゃ駄目だぞ?」
『何でも王国の債権も大量に持ってるとか。』
「持ってるなんて生易しいものじゃないよ。
もうこの国はアイツらに差し押さえられているも同然だ。
どこと戦争してどこと和平を結ぶなんてことも、神聖教団が決めているようなものだからな。」
『神聖教団。』
「清貧を説く独占資本だ。」
清貧を説く独占資本。
そいつは笑えないな。
『…地味にヤバくないですか?』
「派手にヤバいよ。
いいな、絶対に揉めるなよ?
何を言われても頭を下げ続けるんだ。
君が目を付けられた場合、王様でも庇えないんだからな!?」
俺を追放したのがまさしく教団の司祭なのだが、あれは揉めたうちに入るのだろうか?
転移した瞬間にこの世界の最大勢力に嫌われるとか、地味に詰んでるよな。
==========================
俺は高級住宅街をブラブラして時間を潰す、こんな大金を持って貧困地区を通りたくない。
カフェに入ると半個室のような造りだったので、以後愛用する事に決める。
どうやら、女連れで来るのがデフォルトらしい。
今度母娘を連れてきてやろう。
==========================
【所持金】
6061万4000ウェン
↓
6061万2000ウェン
※ジェームス・カフェ2号店にて2000ウェン支払い
==========================
配当まで小一時間の間があったので、両隣の席の会話を盗み聞きする。
右側は不動産会社の社長と秘書兼愛人のようで、王都東側の分譲住宅販売の打ち合わせをしている。
新築を3000万ウェンで、富裕層向け区画を1億ウェンで販売する目論見らしい。
左側はずっと猥談。
聞く価値も無いかな?
と思っていたが、いきなり転移者の話題になる。
どうやら王宮勤めのカップルらしく、転移者の世話をする係らしい。
「ストレスが溜まってるみたいよね。」
「まあ拉致して連れて来た訳だからなぁ。」
「彼らの元の世界、王国より生活レベルが相当高かったみたいね。」
「異世界云々を差し引いても、王国の水準は低いしな。」
「自由都市より豊かな場所から来たのかしら?」
「だとしたら、彼らにとってここは地獄だろうね。」
賛成。
俺は無言でそう言った。
《484万9000ウェンの配当が支払われました。》
やはり元金次第だな。
より多額の元金さえ集めれば、すぐに大金が手に入る。
カインとは仲良くしたいものだ。
==========================
【所持金】
6061万2000ウェン
↓
6546万1000ウェン
※484万9000ウェンの配当受取
==========================
そのまま俺はカインの家に戻る。
一秒でも早くカネを返したい。
「ん?
どうした?
忘れ物?」
『あ、いえ。
返済したいと思いまして。』
「あ、なるほど。
今回は借入をキャンセルしたいと言う事だね?」
『あ、いえ。
利息+元金を支払いに来ました。
ここじゃなんなので、中に入れて貰えませんか?』
「そ、そうだね。
気が付かずに失敬。」
俺は再度カインの書斎に入る。
「酒と茶のどちらが良い?」
と聞かれるが辞退。
『では、元金6000万ウェンに加えて、その利子1%の60万ウェン。
計、6060万ウェンです。
ご確認下さい。』
==========================
【所持金】
6546万1000ウェン
↓
486万1000ウェン
※カイン・R・グランツに6060万ウェンを返済。
==========================
「ちょっと待ってくれ!」
『あ、はい!』
「…後出しで恐縮だが。」
『は、はい!』
「流石に日利1%は貰い過ぎじゃないか?
しかも君が出て行ってから一時間も経ってない訳だろ?
それで60万ウェン?
ダグラスに任せてある支店の家賃3か月分だぞ!?」
『で、ですが
そういう約束でしたし。』
「勿論!
私はプロだ。
違約を行うつもりはない。
ただね?
社会通念上、日利1%は法外だろう?
君、身銭を切ってる訳じゃないんだよね?
ちゃんと利益出てるの?」
『…ええ、まあ。
あ、贋金かどうかチェックして頂いてOKです。』
「…いや。
このテーブルの照明が、そういう仕様になっているんだ。
ほら、光源が6つあるだろう?
これは非正規な通貨を検出する効力がある。
まあ、金融業界では常識なんだが。」
『あの、何か問題があれば指摘して下さい』
「だから。
私が取り過ぎているのが問題なのだよ。
日利どころか時利じゃないか!?」
『まあ、そうですけど。』
「うーん。
判断に困るな。」
『あの…。』
「ん?」
『明日も借りていいですか?
出来ればニコニコ金融で貸し借りしたいんですけど。』
「…うーん。
いいよ。
釈然とはしていないけど。」
もしも、カインがしばらく俺を信じてくれるなら。
ゴールは恐ろしく早く近づく事だろう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【名前】
遠市厘
【職業】
宿屋のヒモ
【ステータス】
《LV》 8
《HP》 (3/3)
《MP》 (1/1)
《腕力》 1
《速度》 2
《器用》 2
《魔力》 1
《知性》 2
《精神》 1
《幸運》 1
《経験》 1878
次のレベルまで残り1168ポイント。
【スキル】
「複利」
※日利8%
下3桁切上
【所持金】
486万1000ウェン
【応援よろしくお願いします!】
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「カネが欲しい!」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。
見慣れぬ風景に少し戸惑う。
ああ、そうか。
俺、昨日はマネーレベリングしてたんだ。
まだ手首が痛い。
いや、ヤバいな…
何か手首が腫れてきてるぞ?
俺が何とか手首を冷やせないか試行錯誤していると、水浴び場に来たアランさんが目を剥いて驚く。
「トイチ君!
その手首ヤバいぞ!?」
『…い、いえ。
違和感自体は昨日からあったんですけど…
朝起きたら、手首が妙に痛くて…』
「とりあえず、患部を冷やそう。
待っててくれ、湿布を持ってくる!」
『いつもすみません。
今日のレベリングはペース抑えた方がいいですかね?』
「何を言っとるんだ君は!
完治するまではトドメ禁止!
後遺症が残るぞ!」
俺とアランさんの遣り取りを見ていた農夫達が集まって来て、無遠慮に俺の手首を覗き見る。
「武勇伝が増えたなw」
「名誉の負傷ww」
「炸裂弾少年改め、腱鞘炎少年www」
何が嬉しいのか、地区中から俺を見物に来てみんなで盛り上がっている。
(この辺にはよほど娯楽が無いのだろう。)
一言文句を言ってやりたいが、手首が痛くて言い返す気力も湧かない。
結局、最低でも半月は強い運動を控える様に、との診断が下され(村の白魔法係のオジサンに言われた)、俺は王都に帰還することになった。
既に顔見知りの農家のオバチャンが大量の干し野菜をお土産にくれる。
野菜の重みで手首が痛かったのだが、それを言える雰囲気では無かったので、笑顔を作って農業地区を去った。
途中、人参の重みがズシズシと手首を襲い、半泣きになりながら胡桃亭に帰った。
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手首のテーピングが余程奇異に映ったのか、見るなりコレットが悲鳴を上げる。
「そのお手手どうされたのですか!?」
『あ、いや。
モンスターを駆除してたから…』
「危ない事はやめてって言ったのに!」
『いや、ホントごめん。
しばらくおとなしくしてるから!』
痛めた手首で重い野菜を持ち帰った所為か、手首の痛みが再発してきた。
ヒルダが治療してくれたので、少しマシになる。
「怪我が来週以降ですと何とかなったのですけれど。」
『来週?
医者でも来るの?』
「いえ、来期のポーション担当店に指名されてしまっているので。」
『あのデカい瓶を宿屋に設置するの!?』
「父の代は何とか辞退し続けていたのですが、もう断り切れずに…
ひょっとするとリンの名義でリースする事になるかも知れません。」
『え!?
お、俺の名義!?』
「原則的に、店舗の営業権は男子か入り婿にしか相続が認められないのです。
この胡桃亭は、亡夫の名義を未亡人である私が使わせて貰っている状態なんです。
私からコレットへの相続は十中八九認められないでしょう。
婿でも取らない限り、この店の営業権は私で終わりです。」
『…あ、はい。』
「婿でも取らない限り、この子は住み慣れたこの店を退去させられてしまいます。」
『…はい。』
あー、なるほどね。
おかしいと思った。
だって俺、地球で全然モテなかったもん。
彼女とかも欲しかったけど出来なかったしさ。
それがいきなり母娘丼だもんな。
この母娘が俺に粘着したのは、俺のカネ回りが良い事を見抜かれた事に加えて、王国民法上の兼ね合いもあったのだ。
何より《俺に行く当てが無い》、というのが母娘に気に入られた最大の要素だろう。
『あ、あの。』
「はい。」
『む、娘さんを…』
「はい。」
『く、下さい。』
「すみません、入り婿希望ですので。」
『で、では俺を貰って下さい…』
「はい!
決まりですね!」
「私うれしー♪」
『…。』
しまった…
ノリで入り婿してしまった…
いや、これ何かおかしくないか?
俺、元は客だぞ?
俺、嵌められたんじゃないか?
《ハメたのはオマエだろ?》って
誰が上手い事を言えと!
『ぐ、具体的には俺は何をすればいいの?』
「お任せします。
女の生殺与奪は殿方が持つものですよ♪」
…嘘コケ。
アンタ、状況が変わればいつでも平然と俺を切り捨てるつもりだろう。
いや、俺も切るけどね。
「では、ポーションのリースが始まる際…
署名だけお願いして宜しいですか?
あくまで形式的なものですから♪」
…嘘だな。
カネが絡む場面で《形式的な署名》なんてある筈が無い。
皆があれだけ嫌がっていると言う事は、それだけ契約者に不利なリースなのだ。
「コレット、旦那様によくお仕えするのよ♪」
「はい♪」
…クッソ。
女ってカネが絡むと本性出るよな。
そして、一発ヤッた位であっさり取り込まれた愚かな俺。
俺は色々な女とちょっとずつ後腐れの無いセックスしたかった。
(異世界ハーレムラノベとか読んでた影響だろう。)
なので、一つの家に囲い込まれるのは非常に不本意だ。
自分に儲ける能力があると知っているだけに、余計にね。
『余ってる金庫あれば貸してよ。』
「貸すも何も、全て旦那様の物ですよ♪」
小癪な女だ。
だが、この異世界において世慣れたヒルダは最善の師である。
浅学非才の身としては虚心坦懐に学ばせて貰おう。
『一室でいいから、俺に書斎を割り当てさせてくれ。
君達2人を養う事に専心したいんだ。』
これは本音。
切るまでは、この2人には報いるつもり。
コイツらにしても、俺を切るまでは手篤く接してくれると確信している。
後、プライベートな空間・時間が欲しい。
善意もあるのだろうが、女2人に監視され続けるのは苦痛極まりない。
金庫が無造作に3つ積み上げられた小さな物置部屋を割り当てて貰う。
ヒルダはニコニコしていたが、その内心は解らない。
(十代の俺に34歳未亡人の心中を推し量るなんて不可能にも程があるだろう。)
相手の感情を刺激したくないので、恐縮している事を念入りに伝えておいた。
ヒルダやコレットは日本の基準なら十分美人だが、こちらの基準ではそこまででもないらしい。
2人ともその点は冷徹に自覚しており、自分達のルックスを活用する事に知恵を振り絞っている。
彼女達は中々信じてくれないのだが、俺はそんな姿勢が大好きであり尊敬もしている。
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やる事も無いのでダグラスのカネ貸し屋に遊びに行く。
「利息の話なら、まだ未定だぞ?」
『あ、いえ。
カネを借りに来ただけじゃなくて…
ダグラスさんの顔を見たくて…』
「キモいからやめろ。
ここは無駄話をする場所じゃない。」
まあ、確かにそうだろう。
俺が店番でも、美少女なら兎も角、男客に粘着されたら怖い。
「その手首どうした?」
『昨日、討伐に行ったんですけど…
トドメを刺しているうちに痛めてしまって。』
「オマエ。
傷痕だけは歴戦の勇者だな。」
『これ以上勲章が増えない様に気を付けます。』
「ボスは農協か冒険者ギルドに顔を出している筈だ。
用事があるなら、そっちへ行け。
というか、オマエから挨拶に行け。」
別にカインさんの顔など見たくも無かったが、カネを貸して欲しかったので指示に従うことにした。
農協への道すがら、何人の級友を見かける。
何故か全員制服を着用していた。
一種の立場主張なのだろうか?
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農協の向かいにある屋台でカインがグループで食事を取っていた。
邪魔をするのも悪いので、遠目に見ていたら目ざとく発見され呼び寄せられる。
「大活躍だって聞いたよ?
何でも熊や狼を仕留めたんだって?」
『いえ、皆様に助けて頂いただけなので…
俺はトドメを刺しただけです。』
「手首はその時の?」
『腱鞘炎になりました。
しばらく運動は控えるように、とのことです。』
「男の勲章だな。」
『いえ、自分では何もしていないので。』
「それを自分から言えるのは男らしい振舞だと思うよ。」
そんな挨拶を交わした後、カインはテーブルの連れを紹介してくれる。
冒険者ギルドの役員や農協の役員。商工会の若手幹部など、城下町の中堅層みたいな面子だった。
最初、誰も俺に関心が乏しそうだったが、カインが「ほら、例の炸裂少年ですよ。」というと喰い付いてくる。
「おお! 君が噂の炸裂クンかぁ。」
「王様も喜んどったよ、」
「次は森林地帯の依頼も請けて欲しいんだ。」
全く気は進まなかったが、手首が治れば森林地帯の害獣駆除イベントに参加する事を約束させられてしまう。
俺が参加を表明してから、農協が「今年はベア系が増えそうで危険なんだよ。」と付け加える。
(まったく大人は卑劣だよな。)
埋め合わせのつもりなのか、農協の月間賞を受賞出来る事になった。
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同席の3人が順に抜けていって、俺とカインの2人になった。
「利息の件だけど、こちらは別に構わないよ。
ただ社則から逸脱したくないから、最初はポケットマネーからしか出せないけど。」
『単刀直入にお願いします。
日利1%を支払うので限度額以上に貸してくれませんか?』
「日利1%って法外だねww
弊社が悪徳業者みたいだww」
『勿論、秘密は厳守します!
こちらとしてもあまり懐事情を勘繰られたくないですし。』
「君、今手元にキャッシュは幾らある?」
『60万ウェン強です。』
「なら君への貸付上限額は6000万ウェン。
返済期限は貸し付けから1日後。
理由はわかるかい?」
『はい。
最悪、俺が元金に手を付けない限り焦げ付かないです。』
「まあ貸すと言っても、私の個人的なカネだから
そこまで厳密でもないよ。
いつ借りたい?」
『出来れば毎日。』
「あははははははwww
毎日1%儲けてたら、私はすぐにこの国で二番目の大金持ちになってしまうww」
『まあ、王様の次くらいには…
そんなに難しい事じゃないと思います。』
「王様?
ふふっw
一番には君がなるんだろ?」
『他に取柄もありませんし、手首も痛めてますから。』
何がおかしいのかカインはずっと笑い転げていた。
その後、カインの自邸に案内される。
王城の中でも貴族の住む内堀に近い高級住宅街だ。
胡桃亭からもそこまで遠くない。
そこで奥様と息子さん、執事を紹介され、書斎に招かれる。
書斎と言っても部屋中に武具が置かれており、剣闘士の控室みたいな様相であった。
武具の奥にようやく本棚や執務机が見える。
「とりあえず6000万ウェンだ。
100万ウェンの白金貨はいつも見てると思うけど…
1000万ウェンの大白金貨は初めて?」
『ええ、硬貨というより…
まるで宝飾ですね。』
「これは諸侯同士の決済や不動産売買に使われるものだからね。
偉い人になると大白金貨以下を見た事の無い人も居るよ。
王族とか、鉄貨の存在すら知らないんじゃないかな?」
『な、なるほど。』
「じゃあ、大白金貨を6枚。
触ってごらん。
意外に温かみがある筈だ。
私の父親はこの感触を愛していた。
…過度にね。」
==========================
【所持金】
61万4000ウェン
↓
6061万4000ウェン
※カイン・R・グランツから日利1%で借用
==========================
『なんか、額が大きすぎて実感が沸きません。』
「私に言わせれば日利1%の方が法外過ぎて余程実感が沸かないけどね。」
『どうして俺なんかを信じるんですか?
6000万ウェンってカインさんからしてもかなりの大金だと思うんです。』
「ん?
だって君の表情が最初から確信に満ち溢れてるもの。
借金を返済出来ない不安など微塵も抱えていない。
反面、借金をどうやって返したか、そのカラクリを知られる事を極度に恐れている。」
『あ、いえ。』
「安心しなさい。
私は君のスキルを暴き立てる気も無ければ、言い触らす気も無い。」
『…』
「だってそうだろう?
才能は独占した方が得じゃないか。」
『なるほど。
返済の件なのですが、ニコニコ金融に返してもいいですか?』
「ここだと遠くて不安?」
『ええ、カネなんて幾らでも稼げますが
俺には戦闘力が無いので、道中襲われるのが怖いです。』
「じゃあ、もう少し儲けたら、この近所に引っ越しておいでよ。」
『…。』
「ああ、なるほど。
稼いだら王国を去る予定なんだね。」
『!?』
「いや、驚くようなことじゃないだろw
誰だって沈む船には残らないさ。」
『も、申し訳ありません。』
「これは独り言だが。
近く帝国との経済協定が再締結される。
短期間だが移動馬車も復活する。
私も妻子は自由都市に移すつもりだ。
名目は息子の留学だけどね。
…妻子は王国から出た事がない。
頼りになる知己が向こうに居れば、私としても心強い。」
『実は俺も…』
「その為にもお互い稼がないとな。
これからは密に情報交換させてくれ。」
『あ、報告です。
私が寄宿している胡桃亭なのですが
ポーションを扱わされるようで…』
「うわあ。
災難だなあ。
坊主に粘着されないように気を付けてな。
解かってると思うが、絶対揉めちゃ駄目だぞ?」
『何でも王国の債権も大量に持ってるとか。』
「持ってるなんて生易しいものじゃないよ。
もうこの国はアイツらに差し押さえられているも同然だ。
どこと戦争してどこと和平を結ぶなんてことも、神聖教団が決めているようなものだからな。」
『神聖教団。』
「清貧を説く独占資本だ。」
清貧を説く独占資本。
そいつは笑えないな。
『…地味にヤバくないですか?』
「派手にヤバいよ。
いいな、絶対に揉めるなよ?
何を言われても頭を下げ続けるんだ。
君が目を付けられた場合、王様でも庇えないんだからな!?」
俺を追放したのがまさしく教団の司祭なのだが、あれは揉めたうちに入るのだろうか?
転移した瞬間にこの世界の最大勢力に嫌われるとか、地味に詰んでるよな。
==========================
俺は高級住宅街をブラブラして時間を潰す、こんな大金を持って貧困地区を通りたくない。
カフェに入ると半個室のような造りだったので、以後愛用する事に決める。
どうやら、女連れで来るのがデフォルトらしい。
今度母娘を連れてきてやろう。
==========================
【所持金】
6061万4000ウェン
↓
6061万2000ウェン
※ジェームス・カフェ2号店にて2000ウェン支払い
==========================
配当まで小一時間の間があったので、両隣の席の会話を盗み聞きする。
右側は不動産会社の社長と秘書兼愛人のようで、王都東側の分譲住宅販売の打ち合わせをしている。
新築を3000万ウェンで、富裕層向け区画を1億ウェンで販売する目論見らしい。
左側はずっと猥談。
聞く価値も無いかな?
と思っていたが、いきなり転移者の話題になる。
どうやら王宮勤めのカップルらしく、転移者の世話をする係らしい。
「ストレスが溜まってるみたいよね。」
「まあ拉致して連れて来た訳だからなぁ。」
「彼らの元の世界、王国より生活レベルが相当高かったみたいね。」
「異世界云々を差し引いても、王国の水準は低いしな。」
「自由都市より豊かな場所から来たのかしら?」
「だとしたら、彼らにとってここは地獄だろうね。」
賛成。
俺は無言でそう言った。
《484万9000ウェンの配当が支払われました。》
やはり元金次第だな。
より多額の元金さえ集めれば、すぐに大金が手に入る。
カインとは仲良くしたいものだ。
==========================
【所持金】
6061万2000ウェン
↓
6546万1000ウェン
※484万9000ウェンの配当受取
==========================
そのまま俺はカインの家に戻る。
一秒でも早くカネを返したい。
「ん?
どうした?
忘れ物?」
『あ、いえ。
返済したいと思いまして。』
「あ、なるほど。
今回は借入をキャンセルしたいと言う事だね?」
『あ、いえ。
利息+元金を支払いに来ました。
ここじゃなんなので、中に入れて貰えませんか?』
「そ、そうだね。
気が付かずに失敬。」
俺は再度カインの書斎に入る。
「酒と茶のどちらが良い?」
と聞かれるが辞退。
『では、元金6000万ウェンに加えて、その利子1%の60万ウェン。
計、6060万ウェンです。
ご確認下さい。』
==========================
【所持金】
6546万1000ウェン
↓
486万1000ウェン
※カイン・R・グランツに6060万ウェンを返済。
==========================
「ちょっと待ってくれ!」
『あ、はい!』
「…後出しで恐縮だが。」
『は、はい!』
「流石に日利1%は貰い過ぎじゃないか?
しかも君が出て行ってから一時間も経ってない訳だろ?
それで60万ウェン?
ダグラスに任せてある支店の家賃3か月分だぞ!?」
『で、ですが
そういう約束でしたし。』
「勿論!
私はプロだ。
違約を行うつもりはない。
ただね?
社会通念上、日利1%は法外だろう?
君、身銭を切ってる訳じゃないんだよね?
ちゃんと利益出てるの?」
『…ええ、まあ。
あ、贋金かどうかチェックして頂いてOKです。』
「…いや。
このテーブルの照明が、そういう仕様になっているんだ。
ほら、光源が6つあるだろう?
これは非正規な通貨を検出する効力がある。
まあ、金融業界では常識なんだが。」
『あの、何か問題があれば指摘して下さい』
「だから。
私が取り過ぎているのが問題なのだよ。
日利どころか時利じゃないか!?」
『まあ、そうですけど。』
「うーん。
判断に困るな。」
『あの…。』
「ん?」
『明日も借りていいですか?
出来ればニコニコ金融で貸し借りしたいんですけど。』
「…うーん。
いいよ。
釈然とはしていないけど。」
もしも、カインがしばらく俺を信じてくれるなら。
ゴールは恐ろしく早く近づく事だろう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【名前】
遠市厘
【職業】
宿屋のヒモ
【ステータス】
《LV》 8
《HP》 (3/3)
《MP》 (1/1)
《腕力》 1
《速度》 2
《器用》 2
《魔力》 1
《知性》 2
《精神》 1
《幸運》 1
《経験》 1878
次のレベルまで残り1168ポイント。
【スキル】
「複利」
※日利8%
下3桁切上
【所持金】
486万1000ウェン
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