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第二章 072防衛イベント戦
第10話 キャンペーンイベント
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「相手のキャスターは片付けたぜ」
俺はレーザーライフルのままゼロスの所へ戻る。
「凄ぇな。お前がまた何かやったのか?」
「ああ。レーザーにライフリング付与だ。威力爆上がりの反射光まで抑えられる神付与だぜ」
「ライフリングレーザーか。噂には聞いていたが実在したんだな」
は?
「知ってたのかよ!」
「噂話だがな。あるのは知られていたがMPの消費が馬鹿過ぎたからな。その手の奴は完全カスタマイズでほぼ作った本人にしか使えない奴だ。実際使っても不発が多い。単発の付与で使えること自体が珍しいからな。バカ高いMP消費で三重付与とかあるらしいが、その組み合わせは俺も知らん。一般ソルジャーには縁のない話だからな」
「確かにな。言ってみればライフリングレーザーはレーザーライフル2本分くらいはMPを使うからな。しかも欠点までありやがる」
「そりゃキツイな。それで欠点まであるのか」
「ああ。距離でバッテリーの消費が上がりやがる。空に撃ったらバッテリーが爆発するぜ」
「そりゃ誰も使わねぇわ。ん? だが使いこなせてたじゃねぇか」
「あれはギンガだ。敵に当ててりゃ問題ないからな。外すか貫通したらヤバイってだけだ」
「流石ギンガだな。それにしても他人の銃が使えたのか?」
「いや、ギンガの銃にライフリング付与だ。スリングで繋いでりゃ他人の銃も使えるぜ」
「おいおい、シコリ・マクル先生。しれっととんでもない仕様を発見するなよ。そんな仕様がバレたらまたオークが増えるじゃねぇか」
「そこまで責任取れねぇよ! 取り合えずコイツは応用が利くからな。俺が使う分には問題ない!」
「あんまり広めるなよ。自家発電機のシコリ・マスター先生。神速の喞子で永久機関発電機かよ」
「それいいな。さっきもギンガの隣で電池をしてたからな」
「それが危ねぇつってんだろ。みんなのシコル先生かよ」
「だったら第072冒険者ギルドの特典にしようぜ。望みの武器の付与が可能なエンチャンターシコルの相談窓口利用券とかどうだ?」
「俺の仕事を増やすな」
ーーー
「反対側が突破されました!!!」
アレスの声だ。
反対側? そこまで苦戦は・・・と思ったが城壁の一部が破られた。
「おい! ここは神の人工物じゃなかったのか!?」
それを見ていたゼロスが答える。
「こいつはイベントだ。キャンペーンだな。神同士の戦いの一部だ。名前付きの戦いに巻き込まれたな。どうやらこのスタンピードはお前のせいじゃなかったらしい」
「なんだそりゃ」
「そのままだ。多分だが名前付きの使徒がここに来るんだろうな。そいつのイベントがここに決まったってわけだ。名前付きのキャンペーンに巻き込まれたな」
「そんな告知何処にあったんだよ?」
「そんなもんはねぇ。それじゃイベントにならんだろ。今名前付きが居ねぇって事は俺達が苦戦した後にご登場って形だな。こいつはキツイぞ。下手すりゃ全滅する可能性もある。生存第一で行くぞ。とにかく敵の数を減らせ」
「逃げるのは無しか?」
「やめておいた方がいいだろうな。イベントで逃げ出した奴に良い噂は聞かねぇ。まずは情勢を見据えてからだ。逃げられるイベントならそれとわかるような何かが起こる」
俺が周りを見てみても逃げ出す奴は居ないな。
ーーー
俺はライフリングレーザーで敵を殲滅していく。発射光も反射光もない、距離を詰めればバッテリーの消費も少ない。何より威力が高い。ストッピングパワーは無いが数を減らすなら実弾よりもこっちだな。
反動のなさとポインターのお陰で片手で脇に挟めば左手が空く。
「単発グレネードランチャー。バレル=誘導。本体=多弾頭。マガジン=推進弾」
単発のグレネードを多弾頭化して推進化。発射後に誘導付与。
また結構な重さがあるが自爆するようなものではない筈だ。
「ミサイルグレネード! 撃つぜ!」
俺が左手で撃ち出したクソ長グレネードが空中でバラけると子弾頭が敵の方へ向き推進剤に点火する。落下というよりも敵に突き刺さるように突撃していく。そして爆発。
どちらかというと単体火力寄りだな。今は群れに撃ったが威力はあっても爆発力は少ない。大型の真上に撃つ方が理想か。
俺は撃ち終わった単発グレネードランチャーを捨てると新しく呼び出す。
「単発グレネードランチャー。バレル=浮遊。本体=多弾頭。マガジン=弾頭火薬強化」
次は多弾頭を浮遊化して空爆だ。
「グレープグレネード! 撃つぜ!」
俺の言葉通り撃ち出されバラけた子弾頭がブドウの房のようになって城壁の割れ目へ向かう。爆発したものが拡散連鎖し広域を嘗めとっていく。
これは下手な六連発グレネードよりも強力だな。
「単発グレランの多彩化か。面白い使い方だな」
俺をカバーしていたゼロスが呟く。
「銃は正直付与と相性が良くないからな。コイツで使い捨てが丁度いいぜ。レーザーとの相性もいいしな」
「レーザーは前衛でも使えそうか?」
「使えるな。ライフリングでの威力強化が大きいぜ。カバーに実弾は欲しいが選択肢には入るな。全員ライフリングレーザーにするなら数が欲しいな。敵が止められないから数で押すしかない。やっぱ実弾と組んでこそだな」
「俺も同意見だな。数は減らせるが本気で責めてきたら押し負けそうだ。俺はこのままでいいな」
「ああ。だけどよ。そろそろ大型のお出ましだぜ。俺はこのスタイルで削った方が良さそうだな」
ぱっと見しても味方は大体が実弾。爆発系はMPの消費が大きい。持久戦になりそうな場面では使えないだろう。単純な攻撃力が一番高い俺が大型を削るしかないな。
ーーー
俺はレーザーを撃ちながらミサイルグレネードを放つ。オーガとレーザーの相性はいい。ライフリングレーザーは距離減衰がない。交戦距離が短くなればバッテリーの消費も少なく済む。だが、
「あっぶねぇ。近すぎると外しちまうぜ」
大型のオーガだが動きが激しく無反動のレーザーでも狙い続けるのは至難の業だ。そして外したら射撃距離が伸びてバッテリーの馬鹿食いからの爆発の可能性だ。とてもではないが手足など狙えない。
ならばヘイトを引くしかないという訳だ。ミサイルグレネードを食らったオーガが俺に狙いをつける。狙われている状態なら俺でもレーザーを外しようがないぜ。
「バリヤー!」
アレスの声が響く。
待ってたぜ。動きが止まったオーガにグレープグレネードを叩き込む。オーガの体に張り付くような子弾頭が一斉に爆発するとバリアーが消え、俺のプロテクションも解ける。
「相変わらず柔らかいなバリアーは」
「防御というよりも止める技ですからね。持続性はありませんよ。一つ上の『ウォール』もありますがこれは味方の攻撃も止めてしまいますからね」
俺にプロテクションを掛け直しながらアレスは言う。
「それはヤバいな。使うときは言ってくれよな」
「それは勿論ですよ。そもそも味方の傍で使うよりも進路妨害の術です。今は使いません。発生が遅いので戦闘前に置いておく術でしょうしね。MP的にもその余裕はありません」
「だな。俺の方も三分の一といった所だぜ。レーザーのバッテリー用に温存を始めないとな」
「僕の方は最低限の回復を残すとカツカツです。そろそろプロテクションの余裕はなくなりますね」
「ジリ貧だな。負けイベントとかだったらどうするんだコレ」
「その心配はないでしょう。負けイベントならボスが出るはずです」
確信がありそうにアレスが話す。
やっぱりこいつは二週目とかそういう感じの転生か。どう見てもルーキーではないもんな。
俺はレーザーライフルのままゼロスの所へ戻る。
「凄ぇな。お前がまた何かやったのか?」
「ああ。レーザーにライフリング付与だ。威力爆上がりの反射光まで抑えられる神付与だぜ」
「ライフリングレーザーか。噂には聞いていたが実在したんだな」
は?
「知ってたのかよ!」
「噂話だがな。あるのは知られていたがMPの消費が馬鹿過ぎたからな。その手の奴は完全カスタマイズでほぼ作った本人にしか使えない奴だ。実際使っても不発が多い。単発の付与で使えること自体が珍しいからな。バカ高いMP消費で三重付与とかあるらしいが、その組み合わせは俺も知らん。一般ソルジャーには縁のない話だからな」
「確かにな。言ってみればライフリングレーザーはレーザーライフル2本分くらいはMPを使うからな。しかも欠点までありやがる」
「そりゃキツイな。それで欠点まであるのか」
「ああ。距離でバッテリーの消費が上がりやがる。空に撃ったらバッテリーが爆発するぜ」
「そりゃ誰も使わねぇわ。ん? だが使いこなせてたじゃねぇか」
「あれはギンガだ。敵に当ててりゃ問題ないからな。外すか貫通したらヤバイってだけだ」
「流石ギンガだな。それにしても他人の銃が使えたのか?」
「いや、ギンガの銃にライフリング付与だ。スリングで繋いでりゃ他人の銃も使えるぜ」
「おいおい、シコリ・マクル先生。しれっととんでもない仕様を発見するなよ。そんな仕様がバレたらまたオークが増えるじゃねぇか」
「そこまで責任取れねぇよ! 取り合えずコイツは応用が利くからな。俺が使う分には問題ない!」
「あんまり広めるなよ。自家発電機のシコリ・マスター先生。神速の喞子で永久機関発電機かよ」
「それいいな。さっきもギンガの隣で電池をしてたからな」
「それが危ねぇつってんだろ。みんなのシコル先生かよ」
「だったら第072冒険者ギルドの特典にしようぜ。望みの武器の付与が可能なエンチャンターシコルの相談窓口利用券とかどうだ?」
「俺の仕事を増やすな」
ーーー
「反対側が突破されました!!!」
アレスの声だ。
反対側? そこまで苦戦は・・・と思ったが城壁の一部が破られた。
「おい! ここは神の人工物じゃなかったのか!?」
それを見ていたゼロスが答える。
「こいつはイベントだ。キャンペーンだな。神同士の戦いの一部だ。名前付きの戦いに巻き込まれたな。どうやらこのスタンピードはお前のせいじゃなかったらしい」
「なんだそりゃ」
「そのままだ。多分だが名前付きの使徒がここに来るんだろうな。そいつのイベントがここに決まったってわけだ。名前付きのキャンペーンに巻き込まれたな」
「そんな告知何処にあったんだよ?」
「そんなもんはねぇ。それじゃイベントにならんだろ。今名前付きが居ねぇって事は俺達が苦戦した後にご登場って形だな。こいつはキツイぞ。下手すりゃ全滅する可能性もある。生存第一で行くぞ。とにかく敵の数を減らせ」
「逃げるのは無しか?」
「やめておいた方がいいだろうな。イベントで逃げ出した奴に良い噂は聞かねぇ。まずは情勢を見据えてからだ。逃げられるイベントならそれとわかるような何かが起こる」
俺が周りを見てみても逃げ出す奴は居ないな。
ーーー
俺はライフリングレーザーで敵を殲滅していく。発射光も反射光もない、距離を詰めればバッテリーの消費も少ない。何より威力が高い。ストッピングパワーは無いが数を減らすなら実弾よりもこっちだな。
反動のなさとポインターのお陰で片手で脇に挟めば左手が空く。
「単発グレネードランチャー。バレル=誘導。本体=多弾頭。マガジン=推進弾」
単発のグレネードを多弾頭化して推進化。発射後に誘導付与。
また結構な重さがあるが自爆するようなものではない筈だ。
「ミサイルグレネード! 撃つぜ!」
俺が左手で撃ち出したクソ長グレネードが空中でバラけると子弾頭が敵の方へ向き推進剤に点火する。落下というよりも敵に突き刺さるように突撃していく。そして爆発。
どちらかというと単体火力寄りだな。今は群れに撃ったが威力はあっても爆発力は少ない。大型の真上に撃つ方が理想か。
俺は撃ち終わった単発グレネードランチャーを捨てると新しく呼び出す。
「単発グレネードランチャー。バレル=浮遊。本体=多弾頭。マガジン=弾頭火薬強化」
次は多弾頭を浮遊化して空爆だ。
「グレープグレネード! 撃つぜ!」
俺の言葉通り撃ち出されバラけた子弾頭がブドウの房のようになって城壁の割れ目へ向かう。爆発したものが拡散連鎖し広域を嘗めとっていく。
これは下手な六連発グレネードよりも強力だな。
「単発グレランの多彩化か。面白い使い方だな」
俺をカバーしていたゼロスが呟く。
「銃は正直付与と相性が良くないからな。コイツで使い捨てが丁度いいぜ。レーザーとの相性もいいしな」
「レーザーは前衛でも使えそうか?」
「使えるな。ライフリングでの威力強化が大きいぜ。カバーに実弾は欲しいが選択肢には入るな。全員ライフリングレーザーにするなら数が欲しいな。敵が止められないから数で押すしかない。やっぱ実弾と組んでこそだな」
「俺も同意見だな。数は減らせるが本気で責めてきたら押し負けそうだ。俺はこのままでいいな」
「ああ。だけどよ。そろそろ大型のお出ましだぜ。俺はこのスタイルで削った方が良さそうだな」
ぱっと見しても味方は大体が実弾。爆発系はMPの消費が大きい。持久戦になりそうな場面では使えないだろう。単純な攻撃力が一番高い俺が大型を削るしかないな。
ーーー
俺はレーザーを撃ちながらミサイルグレネードを放つ。オーガとレーザーの相性はいい。ライフリングレーザーは距離減衰がない。交戦距離が短くなればバッテリーの消費も少なく済む。だが、
「あっぶねぇ。近すぎると外しちまうぜ」
大型のオーガだが動きが激しく無反動のレーザーでも狙い続けるのは至難の業だ。そして外したら射撃距離が伸びてバッテリーの馬鹿食いからの爆発の可能性だ。とてもではないが手足など狙えない。
ならばヘイトを引くしかないという訳だ。ミサイルグレネードを食らったオーガが俺に狙いをつける。狙われている状態なら俺でもレーザーを外しようがないぜ。
「バリヤー!」
アレスの声が響く。
待ってたぜ。動きが止まったオーガにグレープグレネードを叩き込む。オーガの体に張り付くような子弾頭が一斉に爆発するとバリアーが消え、俺のプロテクションも解ける。
「相変わらず柔らかいなバリアーは」
「防御というよりも止める技ですからね。持続性はありませんよ。一つ上の『ウォール』もありますがこれは味方の攻撃も止めてしまいますからね」
俺にプロテクションを掛け直しながらアレスは言う。
「それはヤバいな。使うときは言ってくれよな」
「それは勿論ですよ。そもそも味方の傍で使うよりも進路妨害の術です。今は使いません。発生が遅いので戦闘前に置いておく術でしょうしね。MP的にもその余裕はありません」
「だな。俺の方も三分の一といった所だぜ。レーザーのバッテリー用に温存を始めないとな」
「僕の方は最低限の回復を残すとカツカツです。そろそろプロテクションの余裕はなくなりますね」
「ジリ貧だな。負けイベントとかだったらどうするんだコレ」
「その心配はないでしょう。負けイベントならボスが出るはずです」
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