ひきこもりニート、卒業します!

ゆん

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―プロローグ―ひきもりニート、追い出されました

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「出てけぇぇ!!」

「ぎゃぁぁ!!」

ドシン!!

と朝の爽やかさとはかけ離れた痛々しい音を響かせて屋敷を追い出されたのはこの屋敷の主である鬼、柚丸。

その目の前には腕を組んでまさに鬼の形相をした大男と周りに沢山の妖怪がズラリと並んでいる。

柚丸はあいててと頭をさすりながらキッ!と目の前の大男を睨んだ。

「何しやがんだこのクソったれ蜘蛛!!」

「何しやがんだだと!?こちとらなぁ何もしねぇ体たらくのニートをこのまま飼うつもりはねぇんだよ!!ちったぁこの屋敷の主らしく振舞ったらどうなんでい!!」

「んっっだよ!!ちょっと引きこもってただけだろ!?」

「800ウン十年はちょっとじゃねぇ!!!今令和だぞ!?もぉぉ限界だ!!てめぇが主として相応しいか見極めるまでこの屋敷の敷居は跨がせねぇからな!!」

そーだそーだ!!なんて大合唱されてたじろぐ柚丸。それでも負けじと噛みついて唾を飛ばしながら怒鳴り返すが多勢に無勢だ。

すぐに押し負けてシュンと小さくなってしまった。

「ちっ。つか見極めるって。なにすりゃいいんだよ。」

「ふん、ちったぁ大人しくなったか。はぁ。そーだな、お前さんの親父が持ってった宝玉。アレ取ってこい」

「はぁぁ!?俺に!?墓漁れってか!?」

「どーせまだ腐ってねぇーよ。死んだの明治くらいだし。あ、どうだ?もうそろそろか?」

「ざっけんな!!もっとマシなのにしろよ!!」

「はんっ。んじゃぁこの屋敷の敷居は跨がせねぇよ。せいぜいそこらで野垂れ死ぬんだな。あばよ。」

「ぐっぬぬぬっ」

そう言って本当に背を向けた蜘蛛妖怪・九鬼にあわあわと慌てふためいて唇を強く噛み締めた柚丸は、多く息を吸ってこの場一番の大声で叫ぶ。

「わぁぁたよ!!墓でもなんでもひっくり返してやるよ!!」

地面が揺れるほどのその大声に何人かの妖怪は失神し、九鬼もまた両耳を塞いで膝を着いた。

「るっっせぇぇボケがぁぁ!!!」

「ふん!!玉取ってきたら家入れろよ!!」

「更生したらな!!」

もはや喧嘩になっている2人のやり取りに失神を免れた妖怪達はため息をつき、九鬼の言葉を背中に受けながら走り去って行く柚丸をそれぞれが見送る。

その後こっそり入れないように内側から堅い結界が張られた事を柚丸は知らない。

柚丸が屋敷に帰ってきたのはそれから1ヶ月経った頃だった。

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