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幕間 帰郷1
友
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サイティエフ領の『終わり』を見届けて、首都クーガドゥルへ戻る。
時は夕刻。
任務外の行動であったため、特別な支援は無かったが、馬だけは貸し与えられた。
その馬もサイティエフ領を後にする際に『爪』に預けて、乗り合い馬車を利用した。
任務で出立して、一ヶ月近くになる。
立派な城門、丁寧な舗装、多くの人々が行き交う通り、それに伴う賑やかさ。
あの場所を目にした後だと、目に映る全てがひどく眩しい。
市民用の身分証明書を提示して、城門を通過する。
書類集めで戻った時とはまるで違う気持ち。
私服で馬車に揺られ、他の乗客の喋り声を聞きながら思った。
俺のルーツは首都よりサイティエフ領の方が近い。
雑踏を縫いながら感じるのは、居心地の悪さ。
以前はこんな事、考えもしなかった。
畜生の様に生きたのも、犬になったのも、単に死にたくなかっただけの事。
この街も拠点として利用し、隠れ蓑として利用してきただけの事。
その俺が、ここをのうのうと歩いている事に違和感を抱いている。
自然にアパートへ向かっていた足を止めた。
「帰りたくないな」
微かに漏れた言葉に、俺は自分で驚いた。
帰る? それは確かな居場所を持つ人間が使う言葉だ。
帰りたくない? それは居場所にいつ戻っても良い人間が使う言葉だ。
「その者達が居る場所が、貴君の『故郷』ではないか」
イゴールの言葉がよぎる。
俺はそう感じているのか、そう考えても良いのか?
頭の中がごちゃごちゃして、気分が悪い。
踵を返し、飲食店の集まる区域へ足を向ける。
夕陽が左頬に代わって右頬に当たる。
酒でも飲もう。
ちょっと強いのを、ちょっと多めに。
「グレイ! おい、グレイ!」
そこに叫びに近い声がかけられた。
この声は、
「ヴェルナー」
青と白の軽鎧を身に着けた、『衛士団』下級区域長殿のお出ましだ。
「今日帰ってきたのか。北の方は大騒ぎだと聞いて、心配したぞ」
人混みをかき分けて近づいてくる。
彼の後ろに、隊長! ちょっと! と騒ぐ、部下らしき二人の衛士が見える。
「ああ、大丈夫だ。この通り、心配ない」
俺は間近で見下ろしてくるヴェルナーに、両手を広げて無事をアピールする。
だがヴェルナーは唇を真一文字に結び、眉をひそめた。
何だ?
理解できない反応に首をかしげていると、ヴェルナーは突然胸当てを外した。
それをついてきた部下に押し付けた。
「すまん。私は今日はここで退勤する。後を頼む」
部下も俺も、ぽかんと口を開けるばかり。
この真面目人間が、見回り途中で退勤宣言?
余りに非現実的な出来事を前に、マントと背中の家宝の盾は胸当てと別口で固定されてるんだな、なんてどうでもいい観察をしてしまう。
部下をぞんざいに追い払って、ヴェルナーが向き直る。
「何があった?」
は?
「いや、お前こそ何だよ。こんな時間に退勤なんて……」
「私が質問している!」
声を荒らげたヴェルナーが俺の両肩に、ばん、と手を置いた。
痛みに顔をしかめるが、それ以上に彼の声が悲痛に満ちて聞こえるのは気のせいだろうか。
「お、おかしな奴だな。本当にどうしたんだよ」
戸惑うばかりだが、なんとか繕う。
「おかしいのは貴様だ。何て面してやがる」
肩の、ヴェルナーの手に力がこめられる。
何を言ってるんだ。
ちゃんと、笑ってるだろ?
「取り繕おうとするな。今の貴様の顔は、見るに堪えん」
何が、お前に何が解るんだよ。
クソみたいな現実を、こことは全く違う世界を見てきたんだよ!
そこで、俺は、俺は……!
思わず全部ぶちまけそうになる感情を、ぐっと奥歯で噛み殺して、
「……一杯付き合え」
辛うじて一言絞り出した。
「勿論だ」
ヴェルナーは快諾し、俺達は並んで歩き始める。
人の流れに乗ってしまえば、二人で並んでも窮屈さは感じない。
ただ、無言のこいつとの時間は心情的に窮屈だ。
その沈黙が、賑わいだした飲食店からの物音、声で散らされた。
「どこにする?」
会話の糸口を得て、俺は少し安心した。
ここらは何度か共に訪れた事がある。
「ああ、今日はこっちにしよう」
ヴェルナーは視線で指した。
裏道へ続く路地。
その先は静かに飲むバーが多い。
「わかった」
同意すると、ヴェルナーが先導し始めた。
道すがら、ヴェルナーは通行人から何度も声をかけられる。
こいつが職務に真摯に取り組んでいる証だ。
老若男女に顔を覚えられている上に、皆笑顔でヴェルナーに話しかけている。
『凄いな、お前は』
素直に感心する。
真面目すぎるくらい真面目に人々に向き合い、人望を口先ではなく行動で得ている。
……イゴールも、きっとそうだった。
くそ、なんでこんなに後味が悪いんだ。
ややあって、一件のバーに到着する。
「入るぞ」
「あ、ああ」
ヴェルナーが開けたドアを、彼に続いてくぐる。
暖かみのある灯り、様々な酒が並ぶ棚、それらが混じり合った香り、全てが上品に空間を造っている。
「いらっしゃいませ」
バーテンダーは二人で、声をかけてきた一人は若く、隅で黙々とグラスを磨くもう一人は老齢だ。
「久しぶりだな。調子はどうだ」
まだ夕暮れで、客のいない店内。
「ほどほどです。お好きな席にどうぞ」
ヴェルナーの挨拶に柔和に笑う若いバーテンダーが、バーカウンターの前に並ぶ席を指して、ふわりと腕を振る。
やや芝居がかって見えるが、その仕草もこの空間ではふさわしく感じた。
十数席の真ん中辺りのスツールにヴェルナーが腰かける。
俺もそれに倣う。
「ウイスキーをダブルで」
「同じ物を」
酔えればそれでいいんだ、選ぶのも億劫だ。
ヴェルナーと同じ注文をする。
かしこまりました、とバーテンダーが背後の棚から一本取る。
「私には話せない事か?」
曇りの無いグラスに酒が注がれる様をぼんやり眺めていたところで、ヴェルナーが切り出した。
「いや、ああ、まあな」
我ながら歯切れが悪い。
出来事は当然ながら極秘事項であるし、俺の仕事に関しても知られる訳にはいかない。
「そうか」
俺達の前に酒が注がれたグラスが置かれる。
ヴェルナーと俺が同じタイミングでグラスを持つ。
「例え何を言わずにいたとしても、私は貴様を友人だと思っている」
唐突にヴェルナーは静かに告げた。
俺を真っ直ぐに見つめて。
そしてちびり、と一口飲んだ。
お前はいつもさらっと恥ずかしい事を……。
「ああ、俺もそう思ってる」
恥ずかしいのは俺もか。
自然に言葉が出た。
俺も一口飲む。
「なあ」
たった一口で滑りが良くなったのか、俺の舌が回り始めた。
「お前はなんでそんなに仕事に一生懸命でいられるんだ?」
そういう役割だから、と言うにはヴェルナーの働きぶりは真摯すぎる。
「……それはな。私には故郷が無いからだ」
故郷、という言葉に胸が跳ねた。
まさに今、疑問に思っている事だったから。
「フリードリヒ家は領地を持たない。いや、今は持っていない、と言うべきか」
フリードリヒ家は自ら没落したのではない。
どこまでも愚直に国に忠実で、金勘定に疎くて、時流に乗り遅れただけに過ぎない。
かつて持っていた領地も、なんだかんだと理由をつけられて切り分けられ、他の領主に取られていき、ついに失った。
故郷が無い、とはそういう意味だと思う。
「だが、今はこの街を守るという職務がある。いいか、フリードリヒ家にとって、私にとって『守る』という事は特別なんだ」
ヴェルナーは酒で舌を湿らせながら続ける。
「いわば『守る』という行為そのものが、『心の故郷』と呼べるんだ」
守護の象徴である家宝の盾を、誇りで唯一の財産と尊ぶヴェルナーの言葉には大きな説得力があった。
「そうか。それでか」
すとん、と腑に落ちた。
何も土地だけが故郷ではないんだ。
俺は嫌な思い出から目を背けるあまり、逆に囚われていたのか。
一口飲む。
滑らかで、熱い。
「少し故郷ってものについて考えさせられる事があってな」
やっとヴェルナーの目を見る事ができた。
ヴェルナーも静かに俺を見ている。
「色々ごちゃごちゃ考えて、混乱、してたんだと思う」
俺達は同じタイミングで一口飲んだ。
なんだこの恥ずかしい一致は。
スモーキーな香りが鼻に抜けた。
「だけど。お前の暑苦しい話聞いてたら、どうでもよくなってきた」
にや、と笑って見せる。
「貴様……!」
ぐっと眼鏡を押し上げながら、苛立たしげに呻いた。
「まあ、今日くらいはその憎まれ口も許そう。随分疲れていたようだったしな」
ヴェルナーは安心した様な微笑みで、グラスを軽く持ち上げた。
つい俺も応えてグラスを持ち上げる。
「やっと帰ってきたな。おかえり、グレイ」
参ったな。
「おう、ただいま」
今度は意図的にタイミングを合わせて、グラスに残った酒を同時に飲み干した。
旨い酒じゃねえか。
時は夕刻。
任務外の行動であったため、特別な支援は無かったが、馬だけは貸し与えられた。
その馬もサイティエフ領を後にする際に『爪』に預けて、乗り合い馬車を利用した。
任務で出立して、一ヶ月近くになる。
立派な城門、丁寧な舗装、多くの人々が行き交う通り、それに伴う賑やかさ。
あの場所を目にした後だと、目に映る全てがひどく眩しい。
市民用の身分証明書を提示して、城門を通過する。
書類集めで戻った時とはまるで違う気持ち。
私服で馬車に揺られ、他の乗客の喋り声を聞きながら思った。
俺のルーツは首都よりサイティエフ領の方が近い。
雑踏を縫いながら感じるのは、居心地の悪さ。
以前はこんな事、考えもしなかった。
畜生の様に生きたのも、犬になったのも、単に死にたくなかっただけの事。
この街も拠点として利用し、隠れ蓑として利用してきただけの事。
その俺が、ここをのうのうと歩いている事に違和感を抱いている。
自然にアパートへ向かっていた足を止めた。
「帰りたくないな」
微かに漏れた言葉に、俺は自分で驚いた。
帰る? それは確かな居場所を持つ人間が使う言葉だ。
帰りたくない? それは居場所にいつ戻っても良い人間が使う言葉だ。
「その者達が居る場所が、貴君の『故郷』ではないか」
イゴールの言葉がよぎる。
俺はそう感じているのか、そう考えても良いのか?
頭の中がごちゃごちゃして、気分が悪い。
踵を返し、飲食店の集まる区域へ足を向ける。
夕陽が左頬に代わって右頬に当たる。
酒でも飲もう。
ちょっと強いのを、ちょっと多めに。
「グレイ! おい、グレイ!」
そこに叫びに近い声がかけられた。
この声は、
「ヴェルナー」
青と白の軽鎧を身に着けた、『衛士団』下級区域長殿のお出ましだ。
「今日帰ってきたのか。北の方は大騒ぎだと聞いて、心配したぞ」
人混みをかき分けて近づいてくる。
彼の後ろに、隊長! ちょっと! と騒ぐ、部下らしき二人の衛士が見える。
「ああ、大丈夫だ。この通り、心配ない」
俺は間近で見下ろしてくるヴェルナーに、両手を広げて無事をアピールする。
だがヴェルナーは唇を真一文字に結び、眉をひそめた。
何だ?
理解できない反応に首をかしげていると、ヴェルナーは突然胸当てを外した。
それをついてきた部下に押し付けた。
「すまん。私は今日はここで退勤する。後を頼む」
部下も俺も、ぽかんと口を開けるばかり。
この真面目人間が、見回り途中で退勤宣言?
余りに非現実的な出来事を前に、マントと背中の家宝の盾は胸当てと別口で固定されてるんだな、なんてどうでもいい観察をしてしまう。
部下をぞんざいに追い払って、ヴェルナーが向き直る。
「何があった?」
は?
「いや、お前こそ何だよ。こんな時間に退勤なんて……」
「私が質問している!」
声を荒らげたヴェルナーが俺の両肩に、ばん、と手を置いた。
痛みに顔をしかめるが、それ以上に彼の声が悲痛に満ちて聞こえるのは気のせいだろうか。
「お、おかしな奴だな。本当にどうしたんだよ」
戸惑うばかりだが、なんとか繕う。
「おかしいのは貴様だ。何て面してやがる」
肩の、ヴェルナーの手に力がこめられる。
何を言ってるんだ。
ちゃんと、笑ってるだろ?
「取り繕おうとするな。今の貴様の顔は、見るに堪えん」
何が、お前に何が解るんだよ。
クソみたいな現実を、こことは全く違う世界を見てきたんだよ!
そこで、俺は、俺は……!
思わず全部ぶちまけそうになる感情を、ぐっと奥歯で噛み殺して、
「……一杯付き合え」
辛うじて一言絞り出した。
「勿論だ」
ヴェルナーは快諾し、俺達は並んで歩き始める。
人の流れに乗ってしまえば、二人で並んでも窮屈さは感じない。
ただ、無言のこいつとの時間は心情的に窮屈だ。
その沈黙が、賑わいだした飲食店からの物音、声で散らされた。
「どこにする?」
会話の糸口を得て、俺は少し安心した。
ここらは何度か共に訪れた事がある。
「ああ、今日はこっちにしよう」
ヴェルナーは視線で指した。
裏道へ続く路地。
その先は静かに飲むバーが多い。
「わかった」
同意すると、ヴェルナーが先導し始めた。
道すがら、ヴェルナーは通行人から何度も声をかけられる。
こいつが職務に真摯に取り組んでいる証だ。
老若男女に顔を覚えられている上に、皆笑顔でヴェルナーに話しかけている。
『凄いな、お前は』
素直に感心する。
真面目すぎるくらい真面目に人々に向き合い、人望を口先ではなく行動で得ている。
……イゴールも、きっとそうだった。
くそ、なんでこんなに後味が悪いんだ。
ややあって、一件のバーに到着する。
「入るぞ」
「あ、ああ」
ヴェルナーが開けたドアを、彼に続いてくぐる。
暖かみのある灯り、様々な酒が並ぶ棚、それらが混じり合った香り、全てが上品に空間を造っている。
「いらっしゃいませ」
バーテンダーは二人で、声をかけてきた一人は若く、隅で黙々とグラスを磨くもう一人は老齢だ。
「久しぶりだな。調子はどうだ」
まだ夕暮れで、客のいない店内。
「ほどほどです。お好きな席にどうぞ」
ヴェルナーの挨拶に柔和に笑う若いバーテンダーが、バーカウンターの前に並ぶ席を指して、ふわりと腕を振る。
やや芝居がかって見えるが、その仕草もこの空間ではふさわしく感じた。
十数席の真ん中辺りのスツールにヴェルナーが腰かける。
俺もそれに倣う。
「ウイスキーをダブルで」
「同じ物を」
酔えればそれでいいんだ、選ぶのも億劫だ。
ヴェルナーと同じ注文をする。
かしこまりました、とバーテンダーが背後の棚から一本取る。
「私には話せない事か?」
曇りの無いグラスに酒が注がれる様をぼんやり眺めていたところで、ヴェルナーが切り出した。
「いや、ああ、まあな」
我ながら歯切れが悪い。
出来事は当然ながら極秘事項であるし、俺の仕事に関しても知られる訳にはいかない。
「そうか」
俺達の前に酒が注がれたグラスが置かれる。
ヴェルナーと俺が同じタイミングでグラスを持つ。
「例え何を言わずにいたとしても、私は貴様を友人だと思っている」
唐突にヴェルナーは静かに告げた。
俺を真っ直ぐに見つめて。
そしてちびり、と一口飲んだ。
お前はいつもさらっと恥ずかしい事を……。
「ああ、俺もそう思ってる」
恥ずかしいのは俺もか。
自然に言葉が出た。
俺も一口飲む。
「なあ」
たった一口で滑りが良くなったのか、俺の舌が回り始めた。
「お前はなんでそんなに仕事に一生懸命でいられるんだ?」
そういう役割だから、と言うにはヴェルナーの働きぶりは真摯すぎる。
「……それはな。私には故郷が無いからだ」
故郷、という言葉に胸が跳ねた。
まさに今、疑問に思っている事だったから。
「フリードリヒ家は領地を持たない。いや、今は持っていない、と言うべきか」
フリードリヒ家は自ら没落したのではない。
どこまでも愚直に国に忠実で、金勘定に疎くて、時流に乗り遅れただけに過ぎない。
かつて持っていた領地も、なんだかんだと理由をつけられて切り分けられ、他の領主に取られていき、ついに失った。
故郷が無い、とはそういう意味だと思う。
「だが、今はこの街を守るという職務がある。いいか、フリードリヒ家にとって、私にとって『守る』という事は特別なんだ」
ヴェルナーは酒で舌を湿らせながら続ける。
「いわば『守る』という行為そのものが、『心の故郷』と呼べるんだ」
守護の象徴である家宝の盾を、誇りで唯一の財産と尊ぶヴェルナーの言葉には大きな説得力があった。
「そうか。それでか」
すとん、と腑に落ちた。
何も土地だけが故郷ではないんだ。
俺は嫌な思い出から目を背けるあまり、逆に囚われていたのか。
一口飲む。
滑らかで、熱い。
「少し故郷ってものについて考えさせられる事があってな」
やっとヴェルナーの目を見る事ができた。
ヴェルナーも静かに俺を見ている。
「色々ごちゃごちゃ考えて、混乱、してたんだと思う」
俺達は同じタイミングで一口飲んだ。
なんだこの恥ずかしい一致は。
スモーキーな香りが鼻に抜けた。
「だけど。お前の暑苦しい話聞いてたら、どうでもよくなってきた」
にや、と笑って見せる。
「貴様……!」
ぐっと眼鏡を押し上げながら、苛立たしげに呻いた。
「まあ、今日くらいはその憎まれ口も許そう。随分疲れていたようだったしな」
ヴェルナーは安心した様な微笑みで、グラスを軽く持ち上げた。
つい俺も応えてグラスを持ち上げる。
「やっと帰ってきたな。おかえり、グレイ」
参ったな。
「おう、ただいま」
今度は意図的にタイミングを合わせて、グラスに残った酒を同時に飲み干した。
旨い酒じゃねえか。
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