お隣のビッチさん

まみか

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18 下剋上

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俺はひかるさんを見上げて、じっと観察した。
初めて見る成長した瑆さんの性器は、俺のよりは少し小さいけれど、恐らくは普通サイズ。
しっかりと勃ち上がり、動きに合わせるように揺れながら、先端からカウパー液を零している。
ぷっくりと尖った乳首は熟れたように紅く染まっていて。
触って欲しそうに微かに震えてる気がするのは気のせいか?
時々ちらりと俺を見てくる以外、いつもより固く閉じられた瞳と唇は心なしか何割り増しか赤い。
もしかして、恥ずかしい?
誘うような乳首に再び手を伸ばすと、また払われた。
「ダメ」
「なんでダメなんですか?」
他の男には触らせてるんじゃないんですか!?
むかっときたのを抑えきれずに反論すると、瑆さんが恥ずかしそうに言う。
「…イっちゃうから…」
それって…。
乳首弱いって言ってるのと一緒…。
そう思い当たった途端、無意識に俺は瑆さんの膝を引っ張った。
「え?わっ」
瑆さんは俺の上でバランスを崩し、ころん、と後ろに倒れた。
俺はそのまま上体を起こして、さらに転がった瑆さんの下から足を引き抜いて、のしかかる。
「え、りょうくん?」
見下ろした瑆さんは珍しく少し戸惑った表情をしてる。
長くもない髪が、さらさらとシーツの上に落ち、いつもと違って瑆さんの顔を露わにした。
俯き加減のいつもの体制では、髪で表情が良く見えてなかったんだな、と改めて知った。
「どうしたの?」
不安そうな表情とは裏腹に、瑆さんはいつも通りの声色。
ちょっとかちん、ときた。
少しは本音を見せてほしい。
暴いてやる。
いつも飄々とした瑆さんの、余裕をなくした顔。
見てみたい。
…俺にできるかわからないけど。
俺は瑆さんが転んだ拍子に抜けてしまったペニスを瑆さんにねじ込んだ。
「あああっ!」
仰け反った瑆さんの頭を押さえつけて、膝裏を持ち上げて、深くねじ込んだ状態で腰を揺らす。
「や、ふか、やっあぁ」
ぎゅっと眉を寄せ、目をきつく閉じた瑆さんが首を振る。
辛いかな?
痛いかな?
微かに頭を過ぎったけれど、声に甘さが残っている、と解釈して、さらに腰を押し込んだ。
「ひゃ?!」
瑆さんが上に乗っていた時はここまで入り込んでなかったはず。
ペニスの先が柔らかい壁のようなものに当たってる気がする。
「やあ、んんっ」
その壁に当たるたび、瑆さんの体が跳ねる。
これでもか、と腰をねじ込み、内壁の絡んでくるような収縮に必死で堪えた。
繰り返すうち、瑆さんの瞳がうっすらと開き、俺を捉えた。
「ひゃぁん、りょ、くん」
つ、と目尻から雫が溢れ、どきりとした。
「あ、あ、ふか、すぎ、りょ、くぅ、ん」
何年かぶりに見た瑆さんの涙に少し冷静になって、俺はちょっとだけ腰を引いた。
「ああん!」
瑆さんがびくりと跳ねる。
引いても押しても跳ねるな、瑆さん。
「あ、あぁ、ひ、ん、りょ、ん」
その場所で腰を振り続けていると、瑆さんの腕が首に絡みついてきた。
そこから今度はカリの根元まで引き抜いて、さらに押し込む抽送を始めると、瑆さんががくがくと身体を震わせた。
多分、引き抜くときにカリの窪みに引っかかり、押し込むときに先端が擦れる、この突起のようなやつだ。
瑆さんのスイッチかな?
「あ、あ、あ、あぁ、あ」
焦点の合わない瑆さんの瞳が俺を見てる。
俺も瑆さんから目が離せない。
俺の見たかった瑆さんがそこにいたから。
「ひかるさん」
思わず名前を呼んでいた。
瑆さんは少し身体を震わせると小さく微笑む。
「あ、あ、りょ、うくん」
開きっぱなしの口の端からから唾液が溢れ始めて。
微笑みが淫靡に見える。
瑆さんの中はいつも以上に畝っていて、絡みつき、時々逃すまいと締め付ける。
別の生き物が中で待ってるみたいだ。
瑆さん自らが中に仕込んだローションが、ぬちゃぬちゃ、ぶしゅ、ずしゃ、と音を立てる。
あまりの音にどうなってるのか気になって、結合部分を覗き込むと、瑆さんの指が肩に食い込んだ。
「み、ちゃだめ、あ、やあああんっ」
てらてらと光る俺のペニスがべとべとに濡れた瑆さんの穴に入り込んだときに空気を含んだ音になり、出てくる時は粘着質なものが勢いよく剥がれる音がする。
抽送を繰り返す度白く泡立ち、ペニスの根元と瑆さんの入り口周辺にこびりついていく。
とんでもなくエロい光景に、腰も早くなる。
「りょ、くん、りょうくん」
俺の気を逸らそうと、瑆さんが呼ぶ。
自分で乗ってる時は平気なくせに、下になったら恥ずかしいんだ。
今まで微妙に隠されていたものを、暴いた気分に興奮が増す。
瑆さんに視線を戻すと、先ほどより顔を赤くして、眉を寄せている。
「気持ち、いいですか?」
ずっと喘ぎっぱなしで、びくびく身体を震わせる瑆さんに聞くまでもないことを聞いた。
何もかも、暴きたい。
俺とセックスしてるとき、瑆さんがどんな風になってるのか全て見たいし、どんな風に感じてるのか知りたい。
俺の問いかけに一瞬、瑆さんの口が閉じられた。
いつも、いい、いい、言ってるくせに。
リップサービスだった?
ちょっとムカついて、再び奥までねじ込むと、瑆さんが再び仰け反った。
「やああ、ふか、ふか、いぃ、りょ、くん、やあ」
いや、とか言いながら、身体はびくびく、がくがくしてる。
「きもち、いいですか?」
再び聞くと、瑆さんは泣きそうに顔を歪めて、答えた。
「いい、あ、ああ、いぃ、ん、だ、め」
気持ちいいのに何がだめなんだろう。
深く入り込んで、ぎりぎりまで引き抜いて。
「や、や、だめ、だめ、りょうくんっ」
「なにがだめ、なんですか」
「い、ちゃう、あ、ああ、あ、ぃちゃう、からあ」
瑆さんは涙を零しながら、繰り返し始めた。
良すぎるってこと?
「イっちゃえば?」
さらに深く、強くペニスを捩じ込む。
「やあああんっ、だめぇ」
首をぶんぶん振り始めた。
「なんで?」
涙をたっぷりと溜めた瞳で見上げてくる。
ちょっとだけ罪悪感を感じたけれど、加虐心を刺激され、ちょっと興奮してきた。
俺、もしかしてサドっ気あるのか?
「やあ、やめ、とめ、て、りょくん」
どうしようか、迷っていると、頭をがっと掴まれた。
「りょうくん、おね、があい」
ぎゅっと眉を寄せて、うるうるの瞳で訴えられ、俺は動きを止めた。
瑆さんは、はあはあ喘ぎながら、目を閉じて、じっと収まるのを待ってるみたいだ。
その間も中はきゅうきゅう、締め付けてくる。
俺もやばい。
入れてるだけで、俺の方はやばい。
抜こ。
腰を引くと、瑆さんの足が腰に絡みついた。
両腕が首を締め付けるほど、だきつかれた。
「抜いちゃだめ」
そんな、ずるい。
それからちょっと緩められた。
でも抱きつかれたまま、瑆さんの顔が下を向いていて、表情は見えない。
「…りょうくん、凄すぎ…」
そんな呟きを聞いて、どくん、と股間が脈打った。
「や、これ以上大きくしたら、だめ」
びくん、と身体を縮めるように瑆さんがしがみついてくる。
俺のせいじゃないと思います。
「なんで、だめなんですか?」
「……いっちゃうから…」
小さな返事だった。
やば、動きたい!
がつがつと、目一杯動きたい!
腰が、下腹部がむずむずする。
こんなに興奮したの初めてだ。
瑆さんとは何度もセックスしてるのに、いつも一方的に排泄させられてる感があって、終わった後はなんとなく虚しいと言うか、無気力と言うか、そんな感じだったけど。
今回は違う。
俺はすごく興奮してる。
下克上、と言えるかわからないけれど。
いいな、これ。
もっと、したい!


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