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十四手目
定跡とは
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「勝ったことが無いなんて、
羨ましいことだ!」満面の笑みで大将がたもるに話しかける。
「羨ましい、ですか?」
目をパチクリするたもる。
「そうだぞ!なかなかできない経験だ!俺は数えきれないほど勝ってるからな!ははははは!」
ご機嫌そうに厨房の暖簾を潜る大将。
吉田が嬉しそうに話しだす。
「大将も将棋やってて、結構強くてさ!得意戦法はあれあれ、そう、三間飛車!たもる君と同じ振り飛車党!」
「大将の攻撃、あっという間に決まって、気づけば負けてる!」
多治木も頷き同意する。
「そうなんですか!私なんか絶対勝てないと思います!」目を輝かせるたもる。
「いや、今日の対局見てたら、分からないよ、正直さ、俺も三林と同じで、たもる君の▲6五歩のところは、▲6七銀だと思った、なんというか、発想が独特だと思った。」吉田の声が徐々に真剣になってゆく。
「それって、どんな場面?ちょっと棋譜言ってみて?」多治木が目を瞑る。
「多治木さん、脳内将棋できるんですか?すごいです!」たもる、さらに輝く目。
「いやいや!そんなに出来ないよ!10手が限界だって!じゃあ一応言ってみて!」目を瞑り集中する多治木を見て、たもるは満たされた気持ちになる。」
「じゃあ、言いますね、手順違ったらごめんなさい。私が先手です。えっと、
先手、▲7六歩、
後手、△8四歩、▲7八飛、△3四歩、、」
たもるが棋譜を思い出しながら、ゆっくりとペースを守りながら、
棋譜を言い始める。
多治木の隣で同じく目をつむる吉田。脳に宇宙を描く。
「▲6六歩△8五歩▲7七角△8四飛
で、▲7八銀。」
「うんうん。」多治木が納得するように頷く。
「△7四飛、で、▲6五歩。」
「ほーなるほどなぁ。」
二人が目を合わせ、頷き合う。
「なるほどなぁ、確かに、なんか普通にいけば自分も▲6七銀ってしちゃうかな。こういう定跡あるの?」多治木がたもるに問いかける。
「定跡って、あの、、どういうことなんですかね?将棋の勉強したこと無くて。」左耳の下あたりをポリポリと掻くたもる。
「定跡っていうのは、この場面ではこう指すのがいい、とされていて、それの繋がりである程度完成されてる棋譜っていうか、そんな感じかな。」多治木が考えながらたもるに答える。
「そうだね、四間飛車戦法もさ、ある程度、ここではこうした方がいいとかあるじゃん?」吉田も優しく教える。
「確かに、なんとなくこの手で行くと有利になりそうとか思ったことはあります。それの最善が積み重なったやつが定跡なんですかね?」
「そうそうそんな感じ!」吉田と多治木が声を合わせる。
「今までそんなこと、考えたこと無かったです!ありがとうございます!」
「将棋を勉強したことが無い、かぁ、益々興味深い!ほい!ビールおかわりどうぞ!!」
大将のいつもの料理がテーブルに運ばれてくる。ビールも一緒に運んでくれる大将。
「こんな話知ってるかい?」
お店に他にお客さんがいないので、大将がたもる達に語り始めたのであった。
羨ましいことだ!」満面の笑みで大将がたもるに話しかける。
「羨ましい、ですか?」
目をパチクリするたもる。
「そうだぞ!なかなかできない経験だ!俺は数えきれないほど勝ってるからな!ははははは!」
ご機嫌そうに厨房の暖簾を潜る大将。
吉田が嬉しそうに話しだす。
「大将も将棋やってて、結構強くてさ!得意戦法はあれあれ、そう、三間飛車!たもる君と同じ振り飛車党!」
「大将の攻撃、あっという間に決まって、気づけば負けてる!」
多治木も頷き同意する。
「そうなんですか!私なんか絶対勝てないと思います!」目を輝かせるたもる。
「いや、今日の対局見てたら、分からないよ、正直さ、俺も三林と同じで、たもる君の▲6五歩のところは、▲6七銀だと思った、なんというか、発想が独特だと思った。」吉田の声が徐々に真剣になってゆく。
「それって、どんな場面?ちょっと棋譜言ってみて?」多治木が目を瞑る。
「多治木さん、脳内将棋できるんですか?すごいです!」たもる、さらに輝く目。
「いやいや!そんなに出来ないよ!10手が限界だって!じゃあ一応言ってみて!」目を瞑り集中する多治木を見て、たもるは満たされた気持ちになる。」
「じゃあ、言いますね、手順違ったらごめんなさい。私が先手です。えっと、
先手、▲7六歩、
後手、△8四歩、▲7八飛、△3四歩、、」
たもるが棋譜を思い出しながら、ゆっくりとペースを守りながら、
棋譜を言い始める。
多治木の隣で同じく目をつむる吉田。脳に宇宙を描く。
「▲6六歩△8五歩▲7七角△8四飛
で、▲7八銀。」
「うんうん。」多治木が納得するように頷く。
「△7四飛、で、▲6五歩。」
「ほーなるほどなぁ。」
二人が目を合わせ、頷き合う。
「なるほどなぁ、確かに、なんか普通にいけば自分も▲6七銀ってしちゃうかな。こういう定跡あるの?」多治木がたもるに問いかける。
「定跡って、あの、、どういうことなんですかね?将棋の勉強したこと無くて。」左耳の下あたりをポリポリと掻くたもる。
「定跡っていうのは、この場面ではこう指すのがいい、とされていて、それの繋がりである程度完成されてる棋譜っていうか、そんな感じかな。」多治木が考えながらたもるに答える。
「そうだね、四間飛車戦法もさ、ある程度、ここではこうした方がいいとかあるじゃん?」吉田も優しく教える。
「確かに、なんとなくこの手で行くと有利になりそうとか思ったことはあります。それの最善が積み重なったやつが定跡なんですかね?」
「そうそうそんな感じ!」吉田と多治木が声を合わせる。
「今までそんなこと、考えたこと無かったです!ありがとうございます!」
「将棋を勉強したことが無い、かぁ、益々興味深い!ほい!ビールおかわりどうぞ!!」
大将のいつもの料理がテーブルに運ばれてくる。ビールも一緒に運んでくれる大将。
「こんな話知ってるかい?」
お店に他にお客さんがいないので、大将がたもる達に語り始めたのであった。
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