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アンブロワーズ魔法学校編
34.モブ令嬢とお土産
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待ち構えてる……。正門の柱に凭れながら本を読むルノーが見えて、シルヴィは足を止めた。女の勘とでも言えば良いのか。何やら嫌な予感がしたのだ。
シルヴィは直ぐに、怒られるような事をした記憶を探ってみる。嘘を吐いて、ダンジョン攻略に行ったことくらいしかなかった。もしかしなくても、気付かれたのだろうか。しかし、何故。
「シルヴィ様……」
「い、言わないでください。大丈夫……で、あって欲しいなぁ」
「私で役に立てることはあるかな」
「余計な事はしない方がよろしいですわよ」
「そ~そ~、ただ待ちわびてるだけかもしれないじゃない」
「だと良いんですけど」
何もないのに帰ってくるのを正門で待っているのもかなり重いのではないのかと、リルは思ったが口に出すのはやめておいた。
シルヴィは少しウロウロと意味もなくその場を彷徨う。覚悟を決めたのか、選んだお土産の入った紙袋を抱き締めるとルノーの方へと歩きだした。
ヒロイン倶楽部の面々は、そんなシルヴィを後ろから見守る。一緒に行くより二人っきりの方が、ルノーは喜ぶだろうという判断だった。
「ルノーくん?」
恐る恐るとシルヴィはルノーに声を掛ける。本から顔を上げたルノーの喜色に染まった瞳と目が合った。
「おかえり、シルヴィ」
「うん、ただいま」
どうやら、シルヴィの勘違いだったようだ。ほっと肩の力を抜いたシルヴィは、無意識に少し空けていた距離を縮める。一歩、ルノーへと近付いた。
「楽しかった?」
「うん。とっても楽しかったよ」
「そう。それは、良かったね」
ルノーの視線が動いて、シルヴィは自身が持つお土産が気になっているのだと判断する。抱き締めてしまっていた紙袋を両手に持ち直して、ルノーへと差し出した。
「何にしようか、凄く迷ったんだけど」
「すごく」
「うん、凄く。でも、やっぱり甘いものがいいかなって」
お土産というのは、どうしてこうも選ぶのが難しいのだろうか。喜んで欲しいと考えれば考えるほど、よく分からなくなってしまう。本当にかなりシルヴィは迷ったのだ。
少し照れ臭そうに笑ったシルヴィに、ルノーはもう腕輪の件は良いかもしれないとなりかける。しかし、やはり説明だけはして貰わなければならないのだ。確認した所、メェナの主張が正しかったのだから。
「ありがとう」
「気に入って貰えると良いんだけど」
「シルヴィがくれるモノは何でも嬉しいよ」
「えぇ……?」
流石にそれはないのでは? と、シルヴィは苦笑した。嫌なモノは誰から貰っても嫌だと思う。ルノーは違うのだろうか。
ルノーが紙袋を受け取るために、シルヴィに向かって両手を伸ばす。しかし、紙袋に触れたのは片手だけで。もう片方の手は、引っ込めようとしていたシルヴィの手を優しく引き留めた。
「ねぇ、シルヴィ」
「うん?」
ゆるりとルノーが毛色の違う笑みを浮かべる。それに、シルヴィは不思議そうに首を傾げた。
パチパチと目を瞬く無防備なシルヴィの様子に、ルノーは何処か安心した心地になる。父親に似てきたと思ったが、まだまだ詰めが甘いようだ。
「これは、どうしたのかな?」
手首を撫でられて、シルヴィは視線をそちらへと向ける。そこには、いつも通りにユラユラと揺れる腕輪があった。ただ、深い紺色である筈のそれは、プラチナに似た色味に変貌していて。
理解が追い付かずに、シルヴィの時が一瞬止まった。そして、この前のテオフィルとの件を思い出す。つまりこれは、光の魔力の影響でルノーの魔法が消えたということ。
理解した瞬間、シルヴィの頭が急激に回りだす。一体、いつ? 初日は何の問題もなかった。ということは、光の魔力で満たされていたダンジョン最奥のあの部屋が原因である可能性が高い。
「えっと……」
「うん。説明してくれるね?」
あからさまに狼狽し出したシルヴィに、ルノーは怒る気など更々なかったが少しの悪戯心というのか。意地悪したい気持ちが芽生える。
不意に顔を上げたシルヴィとルノーの目が合った。言い訳していいものかと、迷うようにシルヴィの口がきゅっと結ばれる。
危うくいつもの癖で“可愛い”と言いそうになって、ルノーは誤魔化すように息を吐いた。それに、シルヴィは肩を跳ねさせる。
慌てたようにシルヴィが、ルノーの手から逃れた。そして、その場でクルックルッと右に左に半回転してみせる。
「だ、大丈夫だから! ほら、怪我してません!」
シルヴィは広げた両腕をバタバタと動かして、必死に元気ですアピールをした。その動きが何だか懐かしく感じて、ルノーは頬を緩めてしまう。
「そうだね。そういう約束だ」
「うん! あの、危ないこ、とは……」
なかったと言おうとして、飛んできた矢の事をシルヴィは思い出してしまった。シルヴィに飛んできた訳ではなかったが、思わず視線をふいっとルノーから逸らす。
それをルノーが見逃してくれる訳はなかった。穏やかになりかけた空気が一変して、ピリッとしたものへと変わる。
「シルヴィ?」
「ロラ様がその……。でも、リル様が圧倒的ヒーローだったから大丈夫」
「僕にも理解できるように説明してくれる?」
さっきまでの転生組との会話では普通に通じていたため、シルヴィは思わずキョトンとしてしまった。それが、更にルノーの機嫌を下降させる。
気付いたシルヴィが困ったように眉尻を下げた。これは自分が悪かったなと思ったが、謝るのも違うだろう。
「う~ん……。怒らない?」
「最初からそんなつもりないよ」
ルノーの言葉に、我ながら狡いことを聞いたものだと恥ずかしくなった。そう言ってくれるだろうと期待していた自分に気付いたからだ。どんどんと我が儘になりそうで少し怖い。
「そっかぁ」
申し訳なさそうに笑んだシルヴィに、ルノーは内心で溜息を吐いた。何を申し訳なく思う事があるのか。
もっともっと、ルノーの好意を利用してくれて構わない。最終的に、ルノーの隣で笑ってくれるなら。シルヴィが手に入るなら。何でもするのに。
「聖具を探しに行ってました」
「せいぐ……。やはり、聖なる一族のせいか。それで? 危ない目にあったの?」
「ううん。私は大丈夫だったよ。ただ」
「じゃあ、いいよ」
食い気味に返ってきたそれに、シルヴィは何も言えず曖昧に頷く。良いのか。そうか。ルノーがそう言うなら良いのかもしれない。シルヴィはそういうことにしておいた。
「ルノーくんは、何で腕輪のこと知ってたの?」
ただの純粋な疑問であった。しかし、シルヴィは“気付いたの”ではなく“知ってたの”と聞いた。それに、今度はルノーが固まる。
もっと上手くやるべきだったのだ。別にやましいことはない。しかし、どう感じるかはシルヴィ次第なのだ。最低などと罵られたら暫く立ち直れない自信しかルノーにはなかった。
「それは……」
「うん?」
「メェナが、気付いたんだ」
ルノーも近くに居れば、腕輪に込めた自身の魔力を探ることくらいは出来る。シルヴィが学園内から出なければ、居場所は直ぐに分かるだろう。
シルヴィは「ふぅん……」と、何事かを考えるように腕輪を見つめる。いつもは気にならないその間が、ルノーを落ち着かない気分にさせた。
「そうなんだ」
それだけ。シルヴィが発したのはその五文字だけだった。それに、ルノーはキョトンと目を瞬く。
何も言わないルノーを不審に思い、シルヴィは腕輪から視線をルノーへと戻した。戸惑ったような顔をしているルノーを見て、何となく理由を察したシルヴィは苦笑する。
「悪用する気なの?」
ルノーが首を勢いよく左右に振った。何だか立場が逆転してしまったような。シルヴィは可笑しくなって、笑い声を漏らした。
「じゃあ、私もいいよ。ルノーくんだけ特別だからね?」
「ダ、メ……だよ、シルヴィ。この辺一帯、更地にしそう」
「確かにそれはダメだ」
トキメキに耐えるためなのか、ルノーが自身の前髪をクシャッと握り乱す。“ほんとそういう所ですよ~”というロラの声が聞こえた気がして、シルヴィはハッとした。
「えっと、立ち話もなんだから中に入ろうか」
「……うん。お土産選びの話を詳しく聞かせて」
「それは、面白いんだろうか??」
まぁ、ルノーが聞きたいと言うなら話すけれど。いや、少し恥ずかしい気もする。シルヴィは悩むように手を口元へと当てた。
何とか耐えぬいたルノーは、まだ引かない頬の熱を持て余す。うっとりと目尻を下げたルノーは「かわいい。すき」と熱に浮かされたように呟いたのだった。
シルヴィは直ぐに、怒られるような事をした記憶を探ってみる。嘘を吐いて、ダンジョン攻略に行ったことくらいしかなかった。もしかしなくても、気付かれたのだろうか。しかし、何故。
「シルヴィ様……」
「い、言わないでください。大丈夫……で、あって欲しいなぁ」
「私で役に立てることはあるかな」
「余計な事はしない方がよろしいですわよ」
「そ~そ~、ただ待ちわびてるだけかもしれないじゃない」
「だと良いんですけど」
何もないのに帰ってくるのを正門で待っているのもかなり重いのではないのかと、リルは思ったが口に出すのはやめておいた。
シルヴィは少しウロウロと意味もなくその場を彷徨う。覚悟を決めたのか、選んだお土産の入った紙袋を抱き締めるとルノーの方へと歩きだした。
ヒロイン倶楽部の面々は、そんなシルヴィを後ろから見守る。一緒に行くより二人っきりの方が、ルノーは喜ぶだろうという判断だった。
「ルノーくん?」
恐る恐るとシルヴィはルノーに声を掛ける。本から顔を上げたルノーの喜色に染まった瞳と目が合った。
「おかえり、シルヴィ」
「うん、ただいま」
どうやら、シルヴィの勘違いだったようだ。ほっと肩の力を抜いたシルヴィは、無意識に少し空けていた距離を縮める。一歩、ルノーへと近付いた。
「楽しかった?」
「うん。とっても楽しかったよ」
「そう。それは、良かったね」
ルノーの視線が動いて、シルヴィは自身が持つお土産が気になっているのだと判断する。抱き締めてしまっていた紙袋を両手に持ち直して、ルノーへと差し出した。
「何にしようか、凄く迷ったんだけど」
「すごく」
「うん、凄く。でも、やっぱり甘いものがいいかなって」
お土産というのは、どうしてこうも選ぶのが難しいのだろうか。喜んで欲しいと考えれば考えるほど、よく分からなくなってしまう。本当にかなりシルヴィは迷ったのだ。
少し照れ臭そうに笑ったシルヴィに、ルノーはもう腕輪の件は良いかもしれないとなりかける。しかし、やはり説明だけはして貰わなければならないのだ。確認した所、メェナの主張が正しかったのだから。
「ありがとう」
「気に入って貰えると良いんだけど」
「シルヴィがくれるモノは何でも嬉しいよ」
「えぇ……?」
流石にそれはないのでは? と、シルヴィは苦笑した。嫌なモノは誰から貰っても嫌だと思う。ルノーは違うのだろうか。
ルノーが紙袋を受け取るために、シルヴィに向かって両手を伸ばす。しかし、紙袋に触れたのは片手だけで。もう片方の手は、引っ込めようとしていたシルヴィの手を優しく引き留めた。
「ねぇ、シルヴィ」
「うん?」
ゆるりとルノーが毛色の違う笑みを浮かべる。それに、シルヴィは不思議そうに首を傾げた。
パチパチと目を瞬く無防備なシルヴィの様子に、ルノーは何処か安心した心地になる。父親に似てきたと思ったが、まだまだ詰めが甘いようだ。
「これは、どうしたのかな?」
手首を撫でられて、シルヴィは視線をそちらへと向ける。そこには、いつも通りにユラユラと揺れる腕輪があった。ただ、深い紺色である筈のそれは、プラチナに似た色味に変貌していて。
理解が追い付かずに、シルヴィの時が一瞬止まった。そして、この前のテオフィルとの件を思い出す。つまりこれは、光の魔力の影響でルノーの魔法が消えたということ。
理解した瞬間、シルヴィの頭が急激に回りだす。一体、いつ? 初日は何の問題もなかった。ということは、光の魔力で満たされていたダンジョン最奥のあの部屋が原因である可能性が高い。
「えっと……」
「うん。説明してくれるね?」
あからさまに狼狽し出したシルヴィに、ルノーは怒る気など更々なかったが少しの悪戯心というのか。意地悪したい気持ちが芽生える。
不意に顔を上げたシルヴィとルノーの目が合った。言い訳していいものかと、迷うようにシルヴィの口がきゅっと結ばれる。
危うくいつもの癖で“可愛い”と言いそうになって、ルノーは誤魔化すように息を吐いた。それに、シルヴィは肩を跳ねさせる。
慌てたようにシルヴィが、ルノーの手から逃れた。そして、その場でクルックルッと右に左に半回転してみせる。
「だ、大丈夫だから! ほら、怪我してません!」
シルヴィは広げた両腕をバタバタと動かして、必死に元気ですアピールをした。その動きが何だか懐かしく感じて、ルノーは頬を緩めてしまう。
「そうだね。そういう約束だ」
「うん! あの、危ないこ、とは……」
なかったと言おうとして、飛んできた矢の事をシルヴィは思い出してしまった。シルヴィに飛んできた訳ではなかったが、思わず視線をふいっとルノーから逸らす。
それをルノーが見逃してくれる訳はなかった。穏やかになりかけた空気が一変して、ピリッとしたものへと変わる。
「シルヴィ?」
「ロラ様がその……。でも、リル様が圧倒的ヒーローだったから大丈夫」
「僕にも理解できるように説明してくれる?」
さっきまでの転生組との会話では普通に通じていたため、シルヴィは思わずキョトンとしてしまった。それが、更にルノーの機嫌を下降させる。
気付いたシルヴィが困ったように眉尻を下げた。これは自分が悪かったなと思ったが、謝るのも違うだろう。
「う~ん……。怒らない?」
「最初からそんなつもりないよ」
ルノーの言葉に、我ながら狡いことを聞いたものだと恥ずかしくなった。そう言ってくれるだろうと期待していた自分に気付いたからだ。どんどんと我が儘になりそうで少し怖い。
「そっかぁ」
申し訳なさそうに笑んだシルヴィに、ルノーは内心で溜息を吐いた。何を申し訳なく思う事があるのか。
もっともっと、ルノーの好意を利用してくれて構わない。最終的に、ルノーの隣で笑ってくれるなら。シルヴィが手に入るなら。何でもするのに。
「聖具を探しに行ってました」
「せいぐ……。やはり、聖なる一族のせいか。それで? 危ない目にあったの?」
「ううん。私は大丈夫だったよ。ただ」
「じゃあ、いいよ」
食い気味に返ってきたそれに、シルヴィは何も言えず曖昧に頷く。良いのか。そうか。ルノーがそう言うなら良いのかもしれない。シルヴィはそういうことにしておいた。
「ルノーくんは、何で腕輪のこと知ってたの?」
ただの純粋な疑問であった。しかし、シルヴィは“気付いたの”ではなく“知ってたの”と聞いた。それに、今度はルノーが固まる。
もっと上手くやるべきだったのだ。別にやましいことはない。しかし、どう感じるかはシルヴィ次第なのだ。最低などと罵られたら暫く立ち直れない自信しかルノーにはなかった。
「それは……」
「うん?」
「メェナが、気付いたんだ」
ルノーも近くに居れば、腕輪に込めた自身の魔力を探ることくらいは出来る。シルヴィが学園内から出なければ、居場所は直ぐに分かるだろう。
シルヴィは「ふぅん……」と、何事かを考えるように腕輪を見つめる。いつもは気にならないその間が、ルノーを落ち着かない気分にさせた。
「そうなんだ」
それだけ。シルヴィが発したのはその五文字だけだった。それに、ルノーはキョトンと目を瞬く。
何も言わないルノーを不審に思い、シルヴィは腕輪から視線をルノーへと戻した。戸惑ったような顔をしているルノーを見て、何となく理由を察したシルヴィは苦笑する。
「悪用する気なの?」
ルノーが首を勢いよく左右に振った。何だか立場が逆転してしまったような。シルヴィは可笑しくなって、笑い声を漏らした。
「じゃあ、私もいいよ。ルノーくんだけ特別だからね?」
「ダ、メ……だよ、シルヴィ。この辺一帯、更地にしそう」
「確かにそれはダメだ」
トキメキに耐えるためなのか、ルノーが自身の前髪をクシャッと握り乱す。“ほんとそういう所ですよ~”というロラの声が聞こえた気がして、シルヴィはハッとした。
「えっと、立ち話もなんだから中に入ろうか」
「……うん。お土産選びの話を詳しく聞かせて」
「それは、面白いんだろうか??」
まぁ、ルノーが聞きたいと言うなら話すけれど。いや、少し恥ずかしい気もする。シルヴィは悩むように手を口元へと当てた。
何とか耐えぬいたルノーは、まだ引かない頬の熱を持て余す。うっとりと目尻を下げたルノーは「かわいい。すき」と熱に浮かされたように呟いたのだった。
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